著者
中村 雅俊
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.11-15, 2022 (Released:2022-04-06)
参考文献数
26

「じゃあ今からストレッチしますね」と理学療法士の先生なら一日一回,もしくは複数回,口に出している言葉だと考えられる。このストレッチングに関する知識についてアップデートをするということを目的に第 24 回宮城県理学療法学術大会で講演を行った。今回は,その内容をまとめ,更にその情報よりも新しく情報をアップデートしたものとなっている。しかしながら,医学というものは日進月歩で進んでおり,本稿の内容が最新のものではないと確信しており,今後も新しく情報が追加・更新される。そのため,本稿で期待すべきこととしては,現在のストレッチングに対する知見について現在の情報をアップデートすることだけではなく,新しいエビデンスを確立するための情報を築くための研究や発表を行うため基礎情報となることを楽しみにしております。
著者
松村 葵 建内 宏重 中村 雅俊 市橋 則明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11224, (Released:2016-11-26)
参考文献数
38

【目的】運動前後の棘下筋の即時的な筋断面積の変化を比較し,低負荷・低速度での肩関節外旋運動によって棘下筋に対してトレーニングによる刺激を与えることができるかどうかを明らかにすること。【方法】健常男性10 名を対象とし,負荷と運動速度をそれぞれ0.5 kg・5 秒条件,0.5 kg・1 秒条件,2.5 kg・1 秒条件の3 条件で肩関節外旋運動を行い,運動前後に棘下筋の筋断面積を超音波画像診断装置によって撮影した。また表面筋電図を用いて運動中の棘下筋と三角筋後部の筋活動を測定した。【結果】運動後の棘下筋の筋断面積は0.5 kg・5 秒条件で他の2 条件よりも有意に大きく増加した。棘下筋の運動中の平均筋活動量には条件間に有意な差はみられなかったが,運動1 セット中の棘下筋の筋活動量積分値は0.5 kg・5 秒条件で有意に大きかった。【結論】低負荷であっても運動速度を遅くすることで,棘下筋にトレーニング刺激を与えられることが明らかとなった。
著者
矢部 多加夫 澤木 誠司 中本 吉紀 伊藤 茂彦 小寺 一興 中村 雅信
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.223-230, 1997-08-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

スポーツクレー射撃時の衝撃音が射手に与える影響について検討するために, 衝撃音測定用のダミー人形装置 (KEMAR) を用いて衝撃音を測定し, 63名のクレー射手を対象に純音聴力検査と質問紙調査を実施した。 1) 衝撃音のピーク音圧は約155dBで, 2msec前後にピークをもち, 約50msecで減衰した。 2) 銃口側耳と反対側耳間にピーク音圧差が認められ, 耳介の集音作用が考えられた。 3) 音響外傷予防用具の遮音効果についてはイヤープラグとイヤーマフの併用, イヤープラグ, イヤーバルブ, イヤーマフの順であった。 4) 高音域で明らかな高音急墜ないしC5 dipを示した異常群は非異常群に比べ平均年齢が高く, 平均経験年数が長く, 予防用具使用率が低率を示した。 音響外傷予防用具は遮音に効果的で, 予防用具の必要性と適切な使用法についての今後の一層の普及, 使用率の向上が望まれる。
著者
岡本 八寿祐 中村 雅彦
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.193-202, 2009-11-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

毎年、大量の外国産クワガタムシ・カブトムシが日本に輸入されている。このような現状の中、在来種との競合、交雑など様々な問題点が指摘され、それに関わる検証実験等が報告されている。しかし、その報告の多くは外国産クワガタムシの例であり、外国産カブトムシの例はほとんどない。外国産カブトムシも外国産クワガタムシと同様、定着、競合など生態系や在来種への影響等のリスク評価を行なう必要がある。本研究では、コーカサスオオカブトムシが、成虫期・幼虫期で日本の野外で定着することができるのか、また、日本本土産カブトムシと競合し、その採餌行動等に影響を与えるのかを調べた。野外観察と飼育実験の結果、コーカサスオオカブトムシの成虫は、日本本土産カブトムシと同等に生存し、産卵した。また、野外でコナラの樹液を吸った。しかし、幼虫は、冬に野外で生存できなかった。これらのことから、コーカサスオオカブトムシの日本への定着は、困難であることが示唆された。成虫の活動に関しては、コーカサスオオカブトムシの雄の活動時間帯は、日本本土産カブトムシの雄と重なる時間帯があり、餌場で闘争した場合、コーカサスオオカブトムシが勝つことが多かった。これらのことから、コーカサスオオカブトムシは、逃げ出したり放虫された成虫が、野外で活動する際、日本本土産カブトムシと競合し、その採餌行動に影響を及ぼす可能性が高いと考えられた。
著者
三木 文雄 小林 宏行 杉原 徳彦 武田 博明 中里 義則 杉浦 宏詩 酒寄 享 坂川 英一郎 大崎 能伸 長内 忍 井手 宏 西垣 豊 辻 忠克 松本 博之 山崎 泰宏 藤田 結花 中尾 祥子 高橋 政明 豊嶋 恵理 山口 修二 志田 晃 小田島 奈央 吉川 隆志 青木 健志 小笹 真理子 遅野井 健 朴 明俊 井上 洋西 櫻井 滋 伊藤 晴方 毛利 孝 高橋 進 井上 千恵子 樋口 清一 渡辺 彰 菊地 暢 池田 英樹 中井 祐之 本田 芳宏 庄司 総 新妻 一直 鈴木 康稔 青木 信樹 和田 光一 桑原 克弘 狩野 哲次 柴田 和彦 中田 紘一郎 成井 浩司 佐野 靖之 大友 守 鈴木 直仁 小山 優 柴 孝也 岡田 和久 佐治 正勝 阿久津 寿江 中森 祥隆 蝶名林 直彦 松岡 緑郎 永井 英明 鈴木 幸男 竹下 啓 嶋田 甚五郎 石田 一雄 中川 武正 柴本 昌昭 中村 俊夫 駒瀬 裕子 新井 基央 島田 敏樹 中澤 靖 小田切 繁樹 綿貫 祐司 西平 隆一 平居 義裕 工藤 誠 鈴木 周雄 吉池 保博 池田 大忠 鈴木 基好 西川 正憲 高橋 健一 池原 邦彦 中村 雅夫 冬木 俊春 高木 重人 柳瀬 賢次 土手 邦夫 山本 和英 山腰 雅宏 山本 雅史 伊藤 源士 鳥 浩一郎 渡邊 篤 高橋 孝輔 澤 祥幸 吉田 勉 浅本 仁 上田 良弘 伊達 佳子 東田 有智 原口 龍太 長坂 行雄 家田 泰浩 保田 昇平 加藤 元一 小牟田 清 谷尾 吉郎 岡野 一弘 竹中 雅彦 桝野 富弥 西井 一雅 成田 亘啓 三笠 桂一 古西 満 前田 光一 竹澤 祐一 森 啓 甲斐 吉郎 杉村 裕子 種田 和清 井上 哲郎 加藤 晃史 松島 敏春 二木 芳人 吉井 耕一郎 沖本 二郎 中村 淳一 米山 浩英 小橋 吉博 城戸 優光 吉井 千春 澤江 義郎 二宮 清 田尾 義昭 宮崎 正之 高木 宏治 吉田 稔 渡辺 憲太朗 大泉 耕太郎 渡邊 尚 光武 良幸 竹田 圭介 川口 信三 光井 敬 西本 光伸 川原 正士 古賀 英之 中原 伸 高本 正祇 原田 泰子 北原 義也 加治木 章 永田 忍彦 河野 茂 朝野 和典 前崎 繁文 柳原 克紀 宮崎 義継 泉川 欣一 道津 安正 順山 尚史 石野 徹 川村 純生 田中 光 飯田 桂子 荒木 潤 渡辺 正実 永武 毅 秋山 盛登司 高橋 淳 隆杉 正和 真崎 宏則 田中 宏史 川上 健司 宇都宮 嘉明 土橋 佳子 星野 和彦 麻生 憲史 池田 秀樹 鬼塚 正三郎 小林 忍 渡辺 浩 那須 勝 時松 一成 山崎 透 河野 宏 安藤 俊二 玄同 淑子 三重野 龍彦 甲原 芳範 斎藤 厚 健山 正男 大山 泰一 副島 林造 中島 光好
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.526-556, 2005-09-25

注射用セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の下気道感染症に対する早期治療効果を評価するため, ceftazidime (CAZ) を対照薬とした比較試験を市販後臨床試験として実施した。CZOPとCAZはともに1回1g (力価), 1日2回点滴静注により7日間投与し, 以下の結果を得た。<BR>1. 総登録症例412例中最大の解析対象集団376例の臨床効果は, 判定不能3例を除くとCZOP群92.0%(173/188), CAZ群91.4%(169/185) の有効率で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。細菌性肺炎と慢性気道感染症に層別した有効率は, それぞれCZOP群90.9%(120/132), 94.6%(53/56), CAZ群93.3%(126/135), 86.0%(43/50) で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。<BR>2. 原因菌が判明し, その消長を追跡し得た210例での細菌学的効果は, CZOP群89.5%(94/105), CAZ群90.5%(95/105) の菌消失率 (菌消失+菌交代) で, 両群間に有意な差はみられなかった。個々の菌別の菌消失率は, CZOP群91.1%(113/124), CAZ群90.8%(108/119) で両群問に有意な差はみられなかったが, 最も高頻度に分離された<I>Streptococcus pneumoniae</I>の消失率はCZOP群100%(42/42), CAZ群89.5%(34/38) で, CZOP群がCAZ群に比し有意に優れ (P=0.047), 投与5日後においてもCZOP群がCAZ群に比し有意に高い菌消失寧を示した (P=0.049)。<BR>3. 投薬終了時に, CZOP群では52,4%(99/189), CAZ群では50.3% (94/187) の症例において治療日的が達成され, 抗菌薬の追加投与は不必要であった。治療Il的遠成度に関して両薬剤間に有意な差は認められなかった。<BR>4. 随伴症状の発現率はCZOP群3.9%(8/206), CAZ群5.0%(10/202) で両棊剤間に有意な差はなかった。臨床検査値異常変動として, CAZ群に好酸球増多がCZOP絆より多数認められたが, 臨床検査値異常出現率としては, CZOP群31.6% (65/206), CAZ群32.2% (65/202) で, 両群間に有意な差は認められなかった。<BR>以上の成績から, CZOPは臨床効果においてCAZと比較して非劣性であることが検祉された。また<I>S. pneumoniae</I>による下気道感染症に対するCZOPの早期治療効果が確認された。
著者
中村 雅俊
出版者
一般社団法人 日本基礎理学療法学会
雑誌
基礎理学療法学 (ISSN:24366382)
巻号頁・発行日
pp.JJPTF_2023-S03, (Released:2023-07-26)
参考文献数
23

ここ20年,特にスポーツ選手がセルフケアとしてフォームローラーを行う場面を多く見る。しかし,その効果については十分明らかになっていなかった。そこで我々は若年者を対象に即時的および長期介入効果の検討,また実際の理学療法現場を想定して損傷筋(遅発性筋痛)に対する効果の検討を行った。その結果,通常のフォームローラー介入では関節可動域は増加する一方,筋硬度の指標である筋弾性率に有意な変化は認められなかった。しかし,振動療法を同時にできる振動付きフォームローラー介入では特に筋腹部分を刺激することで筋弾性率が減少する可能性を示すことができた。また損傷筋に対するフォームローラー介入においても疼痛や関節可動域の改善効果が認められる結果となった。以上より,今後,臨床現場でフォームローラー介入がストレッチングに変わって用いる有用性を示唆することができた。
著者
薄井 中村 雅裕 鈴木 茂之 青木 幸代 大場 章男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会 情報メディア
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.33-39, 1996
被引用文献数
3

「薄井幸」 は約1700個の3次元ポリゴンで構成されたアニメーションキャラクタである。グーローシェーディングのきめ細かな肌にテクスチャーマッピングされた華麗な衣装をまとい、MIDIデータにより情感豊かに歌うことができる。アニメーションは独自のアルゴリズムにより全てリアルタイム合成され、家庭用ゲーム機「プレイステーション」上にいつでも生出演することができる。ボリゴンアイドル「薄井幸」の芸能活動は電子メディア上の「バーチャルソサイアティ」で今、始まったばかりである。今後の、その"生きざま"に注目していただきたい。
著者
小野 紘彦 佐藤 和貴郎 中村 雅一 山村 隆
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.306b, 2017 (Released:2017-11-25)

【背景】筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は著しい疲労に加え,認知機能障害や睡眠障害など様々な神経症状が生じる深刻な慢性疾患である.近年ノルウェーからリツキシマブによるB細胞除去療法の有効性が報告されたが,ME/CFSにおける末梢血リンパ球についての知見は乏しく,なぜB細胞除去療法が治療効果を発揮するか不明である.【目的】ME/CFS患者の末梢血中のB細胞異常を明らかにする.【方法】対象はカナダ基準およびInternational consensus criteriaを共に満たす患者40人と年齢,性別をマッチさせた健常者20人とした.末梢血から末梢血単核球細胞を分離し,B細胞受容体(BCR)レパトア解析とフローサイトメーターを用いたB細胞サブセット頻度及び機能分子発現の解析を行った.【結果】BCRレパトア解析では患者群において多様性指数であるNormalized shannon indexとクローナリティーの指数であるDE50が低い傾向があり,多様性の減少およびクローナリティーの増加がみられた.リンパ球サブセット解析では,患者群と健常者群で比較すると,B細胞では患者群においてplasmablastが低下し(p = 0.04),一部の患者でCD80の発現が亢進していた.【結論】ME/CFSの末梢血においてB細胞の異常が認められた.免疫異常とME/CFSの病態との関わりについてさらなる研究が必要である.
著者
池添 冬芽 小林 拓也 中村 雅俊 西下 智 荒木 浩二郎 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】近年,低強度の筋力トレーニングであっても疲労困憊までの最大反復回数で行うと,高強度と同程度の筋力増強・筋肥大効果が得られることが報告されている。しかし,疲労困憊までさせずに最大下の反復回数で低強度トレーニングを実施した場合,高強度と同等の筋力増強・筋肥大効果が得られるかどうか,また筋の質的要因に対しても改善効果が得られるかどうかについては明らかではない。本研究の目的は,健常若年男性を対象に低強度・高反復および高強度・低反復の膝関節伸展筋力トレーニングを8週間実施し,1)低強度・高反復トレーニングは高強度と同程度の筋力増強や筋肥大・筋の質改善効果が得られるのか,2)各項目の経時変化に両トレーニングで違いはみられるのかについて明らかにすることである。【方法】対象は下肢に神経学的・整形外科的疾患の既往のない健常若年男性15名とした。対象者を無作為に低強度・高反復トレーニング群(低強度群)と高強度・低反復トレーニング群(高強度群)に分類した。膝関節伸展筋力トレーニングは筋機能運動評価装置(BIODEX社製System4)を用いて,低強度群では30%1RM,高強度群では80%1RMの強度で週3回,8週間実施した。8回の反復運動を1セットとし,低強度群では12セット,高強度群では3セット実施した。介入前および介入2週ごとに1RM・最大等尺性筋力,超音波測定を行った。1RM・最大等尺性筋力測定には筋機能運動評価装置を用い,膝伸展1RMおよび膝関節70°屈曲位での最大等尺性膝伸展筋力を測定した。超音波診断装置(GEメディカルシステム社製LOGIQ e)を用いて,大腿直筋の筋量の指標として筋厚,筋の質の指標として筋輝度を測定した。なお,筋輝度の増加は筋内の脂肪や結合組織といった非収縮組織の増加を反映している。トレーニングの介入効果を検討するために,各項目について分割プロット分散分析(群×時期)を行い,事後検定にはBonferroni法による多重比較を行った。【結果】分割プロット分散分析の結果,1RM・最大等尺性筋力,筋厚および筋輝度のいずれも時期にのみ主効果がみられ,交互作用はみられなかったことから,いずれの項目も2群間で効果の違いはないことが示された。事後検定の結果,両群ともに1RMおよび最大等尺性筋力はPREと比較して2週目以降で有意な増加がみられた。また両群ともに筋厚はPREと比較して4週目以降で有意に増加し,筋輝度は8週目のみ有意に減少した。【結論】本研究の結果,両トレーニング群ともに筋力増強,筋肥大,筋の質の改善がみられ,その変化の程度や経時変化に違いはみられなかったことから,低強度であっても12セットと反復回数を増やすことによって,高強度3セットのトレーニングと同様の筋力,筋量,筋の質の改善効果が得られることが明らかとなった。
著者
鈴木 大地 中村 雅俊 大箭 周平 青木 孝史 江玉 睦明
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.117-123, 2019-04-01 (Released:2019-03-16)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

It is well known that eccentric exercise induces muscle damage that is characterized by a prolonged decrease in muscle strength and range of motion, development of delayed onset muscle soreness, and swelling. Therefore, the present study aimed to compare the acute effects of hold-relax stretching (HRS) with those of static stretching (SS) on muscle strength and soreness. The participants comprised 28 male volunteers randomly assigned to either the HRS group (N = 14) or the SS group (N = 14). Initially, the participants of both groups performed 60 maximal eccentric contractions of the knee extensors. Two and four days after this exercise, each group performed either HRS or SS for 60 s at a time and repeated them six times for a total of 360 s. Muscle strength and soreness during stretching and contraction were measured before and immediately after HRS and SS. The results showed that the muscle soreness observed after eccentric contraction significantly decreased immediately after both HRS and SS were performed two and four days later. In addition, there were no significant changes in muscle strength immediately after both HRS and SS were performed two and four days later. The rate of change in muscle soreness after HRS was significantly higher than that after SS two days post eccentric contractions. These results suggest that while both HRS and SS can effectively decrease muscle soreness, the effect of HRS on muscle soreness was larger than the effect of SS.
著者
宮垣 さやか 長谷川 聡 梅垣 雄心 中村 雅俊 小林 拓也 田中 浩基 梅原 潤 藤田 康介 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0096, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】胸郭可動域制限は,肋間筋など胸壁に付着する軟部組織の柔軟性低下,呼吸筋の筋力低下,脊柱や肋椎関節の可動性低下などにより生じる。臨床現場においては肋間筋ストレッチングや肋椎関節の運動など,肋骨の動きの改善を目的とした胸郭可動域トレーニングが実施されており,呼吸機能の改善に有用であると報告されている。一方,呼吸時には胸椎も屈伸運動するといわれており,胸椎アライメントが呼吸機能に影響を及ぼすという報告もあるものの,胸椎後弯姿勢の改善を目的とした運動(胸椎伸展運動)が呼吸機能を改善させるという報告は見あたらない。さらには,頚部痛など整形外科疾患患者や脊髄損傷患者において,胸椎可動性の低下が呼吸機能低下に影響するとの報告もあることから,肋骨の動きの改善だけではなく,胸椎の伸展運動が呼吸機能を改善することが予想される。そこで本研究では,胸椎伸展ストレッチング(以下胸椎ストレッチ)が,脊柱アライメント,胸郭拡張性,呼吸機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は喫煙歴のない健常男性15名(平均年齢24±3.4歳)とした。胸椎ストレッチ前後に胸椎アライメント,呼吸機能,胸郭拡張差,上部および下部肋間筋・胸部脊柱起立筋の筋弾性率を測定した。胸椎アライメントの測定はSpinal mouse(Index社製)を用い,安静立位での胸椎後弯角度を測定し,胸郭拡張差は腋窩,剣状突起,臍レベルの三箇所で測定した。呼吸機能はAutoSpiro(ミナト医科学社製)を用い,安静立位で対標準肺活量(%VC),一秒量(FEV)を測定した。筋弾性率は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能で測定し,各筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率(kPa)を求めた。上部肋間筋は右側の鎖骨内側1/3から下した垂線上の第2肋間,下部肋間筋は右側の前腋窩線上の第6肋間,胸部脊柱起立筋は第6胸椎棘突起右側方1横指の部位にて,全て安静吸気位で測定した。胸椎ストレッチは,対象者の両肩甲骨下角の位置で背部を横断する方向に株式会社LPN製ストレッチポールハーフカット(以下ハーフポール)を設置し,その上に背臥位となりセラピストが肩関節前方から鉛直方向に3分間抵抗を加えた。統計学的解析は,第2・第6肋間の肋間筋と脊柱起立筋の3筋の弾性率,3箇所での拡張差,%VC,FEVについて,対応のあるt検定を用いて胸椎ストレッチ前後の値を比較した。なお,有意水準は5%とした。【結果】肺機能について,胸椎ストレッチ前後に%VC(前:90.0±10.1%,後:91.3±9.6%)は有意に増加したが,FEVは介入前後で有意な差は認められなかった。筋弾性率について,上部肋間筋(前:18.9±7.5kPa,後:14.7±6.4kPa),下部肋間筋(前:17.6±9.2kPa,後:13.8±7.3kPa),脊柱起立筋(前:18.1±9.9kPa,後:13.1±5.1kPa)は,介入後に有意に低下した。胸郭拡張差について,腋窩レベル(前:5.5±1.8cm,後:6.2±1.9cm),剣状突起レベル(前:6.7±1.9cm,後:7.7±2.0cm)で介入後に有意に増加し,臍レベルでは変化は認めなかった。胸椎後弯角度は,胸椎ストレッチによる変化は認めなかった。【考察】本研究の結果より,胸椎ストレッチは,肺活量を増加させ得ることが示された。胸椎ストレッチにより改善がみられると予想された胸椎アライメントは,介入による変化を認めなかった。一方で,各筋の弾性率の有意な低下から,胸椎ストレッチによって,上部および下部肋間筋,さらに,ハーフポールにより圧迫された脊柱起立筋の柔軟性が向上したことが示された。これにより,腋窩・剣状突起レベルでの胸郭拡張差が増し,上位胸椎部分の胸郭拡張運動が改善したことで肺活量が増加したと考えられる。これまでは主として肋骨の動きに関連の強い肋間筋にアプローチする手技が胸郭可動域トレーニングとして取り上げられ,これらの手技により呼吸機能が改善するという報告がされている。しかし本研究では,胸椎の屈伸運動に着目した胸椎ストレッチによっても上位胸郭可動性が向上し,呼吸機能が改善することが示された。また同時に,肋間筋のみならず,胸郭構成筋として着目されることの少ない,脊柱起立筋の柔軟性も,呼吸機能に関連していることを示唆する結果となった。【理学療法学研究としての意義】本研究では,これまで着目されることの少なかった,呼吸時の胸椎伸展運動を促すようなストレッチによっても胸郭可動性が改善することが示唆され,胸郭の可動性低下を認める拘束性換気障害に対する有用な治療手段の一つとなり得る可能性が示唆された。
著者
中村 雅彦
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.132-146, 1991-11-20 (Released:2010-02-26)
参考文献数
31
被引用文献数
4 2 7

The purpose of this study was to investigate how heterosexual interaction including cognitive and behavioral aspects varies in terms of love styles, satisfaction, and commitment. A questionnaire survey was conducted for one hundred and fifty two college students who were engaging in romantic relation-ships. Respondents answered measures on their current interaction, and on perceived similarity with their partner. They had also rated love style measure based on Lee (1977) 's typology of love, and social exchange measures incuding satisfaction and commitment with partner. Multiple regression analyses showed that Erotic love style was dominant in romantic relationship. That is, Eros was positively afected by exchanges of self-disclosure, giving money and goods, meta-commnication, and perceived similarity. Those results were generally consistent, regardless of respondents' gender, relationship length, and intimacy status. It was also revealed that commitment for partner was generally determined by self-investment, relationship satisfaction and CLalt, supporting the prediction from Rusbult (1983) 's investment model. On the other hand, equity of outcomes had little effect for satisfaction, and commitment.
著者
田村 震一 沢井 秀文 中村 雅己 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.935-943, 1989
被引用文献数
1

音声の分野において, ニューラルネットの適用が活発になっている.本解説では, 多層ニューラルネットワークの学習アルゴリズム, および非線形信号処理への応用の可能性について述べ, 音声認識, 音声合成, 単語列予測, 雑音抑圧, 情報圧縮への適用例を紹介する.
著者
能川 元一 河野 哲也 中村 雅之 信原 幸弘
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1.J.J.ギブソンの生態学的知覚論、F.J.ヴァレラのEnaction理論はいずれも伝統的な実在論/観念論という存在論的な二項対立を超えた存在論、客観主義/主観主義という認識論的な二項対立を越えた認識論を要求しており、これらはメルロ=ポンティが自らに課した哲学的な問いと同型である。2.それゆえ、メルロ=ポンティに依拠しつつギブソン、ヴァレラらの認知科学に哲学的な基礎を与えることができる一方で、メルロ=ポンティの存在論、認識論を解釈しなおす可能性も生じる。研究分担者河野はメルロ=ポンティとギブソンの存在論を「性向の実在論」として再定式化することを提案している。3.また、研究分担者信原は心脳同一説への批判として、認知は脳、身体、環境からなるシステムによって担われていることを、コネクショニズムの立場から明らかにした。また研究代表者能川が分担して研究したEnaction理論の見地からすると、コネクショニズムを身体-環境というシステムの中に位置づけることにより、ギブソンやヴァレラらが主張する反表象主義の立場とコネクショニズムとを整合的に理解する可能性が開ける。後者については、今後さらに研究を継続する予定である。4.研究分担者中村は「心の理論」論争がもたらした知見を認知意味論の解釈にとりいれることにより、認知意味論に欠けていた意味の間主観的生成という側面を記述することが可能になることを示した。また研究代表者能川は関連性理論をある種の「心の理諭」として捉えなおし、コミュニケーションを「表象」ではなく「行動」の観点から理解しなおす可能性を検討したが、これについては今後さらに研究を進める必要がある。
著者
小林 拓也 中村 雅俊 梅垣 雄心 池添 冬芽
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.275-281, 2014-08-20 (Released:2017-06-27)
被引用文献数
2

【目的】本研究の目的は筋力増強運動における運動速度および収縮様式の違いが骨格筋の微細損傷に及ぼす影響をあきらかにすることである。【方法】健常若年男性40名を対象とした。肘関節屈筋の筋力増強運動について,無作為に求心相と遠心相の時間を5秒とするNS群,求心相を長くするCS群,遠心相を長くするES群,求心相と遠心相の時間を1秒とするN群の4群に分類した。なお,いずれの群も総運動時間は計300秒に統一した。運動前後,1日後,2日後の最大筋力,筋厚,筋輝度,筋硬度を測定した。【結果】運動中の総筋活動量積分値は4群間で有意差は認められなかった。すべての群において運動直後では筋力は有意に低下,筋厚,筋輝度は有意に増加し,その変化率は4群間で有意差は認められなかった。【結論】総運動時間や総筋活動量が同じであれば,運動速度や収縮様式による違いはなく,骨格筋が受ける微細損傷の程度は同等であることがあきらかになった。
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 西下 智 梅原 潤 市橋 則明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.124-130, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
30

【目的】本研究の目的は,ストレッチング方法の違いが大腿二頭筋の伸長程度や伸長部位に及ぼす影響を検討することである。【方法】若年男性15 名を対象に,超音波診断装置に装備されているせん断波エラストグラフィー機能を用いて,大腿二頭筋の近位・中間・遠位部の弾性率を測定した。安静時は股関節・膝関節90°屈曲位(Rest),ストレッチングとして股関節屈曲位での膝関節伸展方向へのストレッチング(KE),膝関節伸展位での股関節屈曲方向へのストレッチング(SLR)の3 条件での弾性率を測定した。【結果】多重比較の結果,すべての部位でRest と比較してKE とSLR の弾性率は有意に高値を示したが,KE とSLR 間では有意な差はなかった。Rest からの変化比は,有意な交互作用を認めなかった。【結論】本研究結果より,2 種類のストレッチング方法は大腿二頭筋を伸長することは可能だが,伸長程度や伸長部位に差がないことが明らかになった。
著者
中村 雅子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.276-279, 2019-08-31 (Released:2019-08-30)

国内のクラウドファンディングサイト・ユーザを対象に2018年5月に実施したオンライン調査のデータをもとにユーザ行動を分析・類型化した。①複数サイトにまたがる利用、②提案と支援の両方でのサイト利用、③利用サイトや、提案・支援テーマ等による提案の成功率の違い、④支援者層(友人・知人、活動中に知り合った人、未知の人)の比率、⑤ユーザのクラウドファンディングに対する態度・判断基準 など、特定サイトでの調査データやログでは把握できないユーザ側からみた多面的な行動を明らかにした。
著者
菅野 敦 正宗 淳 花田 敬士 真口 宏介 清水 泰博 植木 敏晴 長谷部 修 大塚 隆生 中村 雅史 竹中 完 北野 雅之 菊山 正隆 蒲田 敏文 吉田 浩司 佐々木 民人 芹川 正浩 古川 徹 柳澤 昭夫 下瀬川 徹
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.16-22, 2017-02-25 (Released:2017-03-17)
参考文献数
16
被引用文献数
5 3

膵癌早期診断研究会が主導して行った,早期診断された膵癌の実態調査について報告する.40例のStage 0膵癌と119例のStage I膵癌が集積された.膵癌全体に占めるStage 0膵癌とStage I膵癌の割合は約2%であり,Stage 0膵癌は0.6%であった.症状を認めたために医療機関を受診した症例は38例(23.9%)と少なかったのに対して,検診にて異常を指摘され受診した症例は27例(17.0%),他疾患の経過観察中に異常を指摘された症例は85例(53.5%)と無症状で医療機関を受診した症例が多かった.検診にて異常を指摘された27例中,膵管拡張を指摘された症例が19例と画像における副所見の指摘から精査を行った症例が多かった.術前の病理診断では,超音波内視鏡下穿刺吸引法を用いた症例(30.8%)と比較して,内視鏡的逆行性胆管膵管造影下にて病理検体を採取した症例(77.8%)が多かった.予後は良好であったが,14.5%の症例で術後の残膵に膵癌が新たに発生した.今回の調査が,膵癌の早期発見ならびに予後改善に寄与をすることが期待される.
著者
松村 葵 建内 宏重 中村 雅俊 市橋 則明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-87, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
38

【目的】運動前後の棘下筋の即時的な筋断面積の変化を比較し,低負荷・低速度での肩関節外旋運動によって棘下筋に対してトレーニングによる刺激を与えることができるかどうかを明らかにすること。【方法】健常男性10 名を対象とし,負荷と運動速度をそれぞれ0.5 kg・5 秒条件,0.5 kg・1 秒条件,2.5 kg・1 秒条件の3 条件で肩関節外旋運動を行い,運動前後に棘下筋の筋断面積を超音波画像診断装置によって撮影した。また表面筋電図を用いて運動中の棘下筋と三角筋後部の筋活動を測定した。【結果】運動後の棘下筋の筋断面積は0.5 kg・5 秒条件で他の2 条件よりも有意に大きく増加した。棘下筋の運動中の平均筋活動量には条件間に有意な差はみられなかったが,運動1 セット中の棘下筋の筋活動量積分値は0.5 kg・5 秒条件で有意に大きかった。【結論】低負荷であっても運動速度を遅くすることで,棘下筋にトレーニング刺激を与えられることが明らかとなった。