著者
榎田 一路 LAUER J・J 前田 啓朗 磯田 貴道 田頭 憲二 阪上 辰也 鬼田 崇作
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,大学英語教育において,ポッドキャストとウェブ型教材を,一斉指導,個別学習,およびICTを用いた協同学習に援用した。まず,ポッドキャスト教材及びウェブ型準拠教材を開発・配信した。次にこれらを利用して教室内指導と教室外個別学習を組み合わせた実践を行い,その結果を分析した。さらにデジタル・ストーリーテリングを通じてICTを協同学習に援用することの効果を探った。ポッドキャストを活用した一斉指導と個別学習の連携は,学習者の学習意欲を高め,英語学習の絶対量向上に貢献した。デジタル・ストーリーテリングは,扱った題材への理解を深めつつ,成果物を共有することによる学び合いを提供する点で効果があった。
著者
前田 晴良
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

北海道・上部白亜系中の菱鉄鉱ノジュールを産する貧酸素環境の層準等から, Sphenoceramus naumanniのセンサス群集を発見した.これらは合弁で,非常に薄く壊れやすい後耳が保存されており,当時の個体群がそのまま埋没・固定された可能性が高い.底生生物の活動に不適な環境下で,逆に生態情報を保ったままの化石群が保存されるという逆説的な結果は,今後のイノセラムス類の古生態復元の上で重要なヒントとなる.
著者
黒田 壽郎 前田 成文 竹下 政孝 霜垣 和雄 沢井 義次 大塚 和夫
出版者
国際大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1989

前年度は、イスラ-ムの都市性、とりわけイスラ-ム的宗教意識と都市形成原理の相関関係を明らかにするため、タウヒ-ド、ウンマ、シャリ-アが構成する三極構造の本性と、それが帰結するイスラ-ム世界固有の社会形成原理について研究を行ってきた。この基礎研究の成果をふまえ、今年度は、共同体形成原理の法的側面から研究を進めた(第6回研究会)。またマスジドがイスラ-ムに固有の聖俗関係を保持しつつ、共同体形成に密接に関わっている点に着目し、キリスト教社会、仏教社会との比較研究も行った(第9回研究会)。以上の基礎的、理論的研究ではそれなりの成果を上げ得たが、イスラ-ム的宗教意識と都市形成原理の相関関係は、現実のイスラ-ム都市に引き当ててその理論的妥当性を検証しなくてはならない。H班ではシリアのアッポを研究対象とし、対象研究の方法について討議、検討を重ね、またイスラ-ム社会と都市における異教徒の調和的共存とイスラ-ム共同体の形成原理に関する討議を行った。(第5、8回研究会)第7回研究会では、上記とは異なる視点からイスラ-ム的ネットワ-クと都市、イスラ-ム経済と都市の問題などについて討議を行った。これらの問題も単独で存在するものではなく、上記三極構造と密接な関係をもつことが確認された。具体的成果としては、第6回研究会報告書を出版、同時に都市性と深く関わるイスラ-ム経済活動の基本構造に触れたシャイバ-ニ-の『利得の書』を訳出、刊行した。他の研究会成果も発表予定である。また以上の研究に伴い、イスラ-ム共同体論、共同体形成論、都市形成論などの基礎的文献を収集するとともに、シリア,アレッポ関係の文献、地図などの収集にも務めた。
著者
前田 昌弘
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

前年度(平成20年度)は、インド洋津波に起因したスリランカにおける再定住事業の全体像を把握するために、政府・統計資料を用いて事業制度の分析、再定住地の建設動向と計画内容の分析、被災地から再定住地への人口移動の分析を行った。また、分析を踏まえ、再定住事業の影響が特に大きいと予想されるスリランカ南部・ウェリガマ郡の津波被災集落と再定住地を対象として、居住者の再定住プロセスと行政・NGOの再定住支援に関する実地調査を実施した。本年度は主に調査結果の分析を行い、再定住事業における環境移行にともなう居住者の環境適応の困難化の実態を指摘するとともに、従前居住地コミュニティ内のソーシャル・キャピタルの蓄積が環境移行の影響を緩和し住民環境適応を促進する可能性を指摘した。本研究は、再定住地の実態を踏まえ、従前居住地コミュニティ内のソーシャル・キャピタルを、世帯間関係(地縁関係、血縁関係、マイクロクレジットの関係)および住宅敷地の所有・利用関係という具体的な関係に着目して把握している。そして、それら関係の再編プロセスの分析を通じて、再定住地に環境適応している住民は従前居住地コミュニティとの関係性を何らかの形で維持していること、従前居住地との関係性は地縁・血縁だけでなくマイクロクレジットのような地縁・血縁によらない関係によっても維持されていることを明らかにした。自然災害に起因した再定住事業は一般的に、「住宅再建」と「住宅移転」の二者択一に陥りがちである。また、居住地の範囲で完結した計画が行われ、再定住地と従前居住地の関係性が無視されがちである。しかし、上記した調査結果は、「住宅再建」と「住宅移転」の二者択一の限界を改めて指摘するとともに、従前居住地と再定住地を補完的に捉えて住宅移転および再定住地を計画することの有効性を指摘しており、自然災害に起因した再定住事業の計画論に関する有意義な研究成果になり得ると考えられる。
著者
野田 尚史 小林 隆 尾崎 喜光 日高 水穂 岸江 信介 西尾 純二 高山 善行 森山 由紀子 金澤 裕之 藤原 浩史 高山 善行 森野 崇 森山 由紀子 前田 広幸 三宅 和子 小柳 智一 福田 嘉一郎 青木 博史 米田 達郎 半沢 康 木村 義之
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

現代日本語文法, 音韻論, 古典語, 方言, 社会言語学などの各分野から, 述べ19名の研究者の参加し, 古典語など, ほぼ未開拓であった領域を含む対人配慮表現の研究の方法論を次々と開拓することができた。とりわけプロジェクトの集大成である, 社会言語科学会における10周年記念シンポジウムの研究発表では高い評価を得た。その内容が書籍として出版されることが決定している。
著者
安河内 朗 前田 享史 石橋 圭太 樋口 重和 樋口 重和
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では光、温度、重力の各ストレスが及ぼす生理反応への影響から現代生活における適応性を評価した。その結果以下のことがわかった;1)朝の十分な光曝露と夜の電球色照明の選択は、概日リズムを調整し夜型化を抑制する。2)身体の運動不足や冬季暖房の慢性的利用は基礎代謝量を低下させ、耐寒性、耐暑性を低下させる。身体的運動はこれらの低下を向上させる。3)立ちくらみ頻度は夜型に多く、夜型は重力負荷に対する心拍応答が大きく直立耐性を低下させる。
著者
中台 佐喜子 金山 元春 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.2, pp.151-157, 2003-03-28
被引用文献数
1

本研究では,76名の年長幼児を対象に,仲間集団における同性仲間および異性仲間からの人気度と社会的スキルとの関係について男女別に検討した.相関分析の結果,社会的スキルの高さは男児では同性仲間からの人気度と,女児では異性仲間からの人気度と関係していることがわかった.この結果を指名する方の立場から整理してみると,男児は相手の性にかかわらず社会的スキルに優れているかどうかが遊び仲間の選択に影響するのに対して,女児は相手が同性仲間であっても異性仲間であっても男児ほど社会的スキルを選択の基準としていないことが示唆された.本研究の結果は,幼児の仲間集団における人気度と社会的スキルとの関係を検討する際に性別の要因を考慮することの重要性を示している.
著者
相原 玲二 大塚 玉記 近堂 徹 西村 浩二 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.131-138, 2001-11-14
参考文献数
13
被引用文献数
7

広帯域IPv6インターネット上での高品質画像伝送を行うため、マルチキャスト等に対応するMPEG2伝送システムを開発した。高品質画像をリアルタイムに伝送するには、パケットロスや伝送遅延ゆらぎのないネットワークが要求されるが、現実には実現困難であり、前方誤り訂正(FEC)機能等を持つ伝送システムが必要となる。本稿では、開発したFEC機能を持つMPEG2 over IPv6システムについて述べる。また、アフリカ南部で観測された皆既日食のJGN回線などを利用した中継実験について紹介する。この実験では、全国9地点(広島を除く)および広島市内4地点へMPEG2画像をIPマルチキャストにて伝送し、合計700名以上の参加者が2時間にわたりその中継映像を観察した。その際得られた実測データをもとに、誤り訂正機能が極めて効果的に機能したことを示す。
著者
稲見 昌彦 川上 直樹 柳田 康幸 前田 太郎 舘 暲
出版者
日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.287-294, 1999-03 (Released:2007-06-06)

Conventional stereoscopic displays have inconsistent accommodation against convergance, which dengrades sensation of presence. We developed a stereoscopic display applying Maxwellian optics to avoid such inconsistency by realizing large depth of focus. The display was also designed to provide large field of view (about 110 degree) with the simple optics. And this display allows an operator to observe real and virtual images in focus for wide range of depth.
著者
小椋 好恵 馬場 聡史 後河内 大介 前田 忠彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.677, pp.191-196, 2005-02-25
参考文献数
16

移動端末において地上デジタル放送を受信する場合, その実用状態での人体手部, 胴体によるアンテナへの影響は無視できず, また指の位置に応じて放射特性が変化することが考えられる.そこで本論文では, 筐体上に設置した平衡給電型折り返しノーマルモードヘリカルアンテナにおける手部, 胴体の影響を計算, 実験により検討を行っている.手部のみの影響はインピーダンス特性に大きく現れ, 指の位置によっても変化が見られたが, 放射特性には手の影響はあるものの指の位置によって指向性利得への影響はあまり見られないことを示した.人体全身の放射特性への影響についても実験的に検討を行い, 胴体による影響を明らかにした.また, これらの筐体や人体の影響を考慮した上で所望の帯域に広げるため, バラクタダイオードを用いた整合についての基礎検討を行い, 保持状態における手の形状によって, 確保できる周波数帯に変化があることを示した.
著者
前田 桝夫
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

水を注ぐだけで生殖現象を観察できる教材をシダ植物ミズワラビ(Ceratopteris richardii)と日本在来種のカニクサ(Lygodoium japonicum Sw.)を材料としてプロトタイプを作製した。観察キットは容器底面に虫眼鏡を当てることにより胞子から発芽し前葉体(配偶体)の成長を観察することができる。さらに、反射鏡を介して倒立型の簡易型複合顕微鏡としての観察ができることも検討した。児童生徒は注射器を使って、フィルターを通して水道水を注げば、実験が開始されるシステムになっている。継続的、発展的な実験への展開のために安価で簡易型のクリーンベンチの試作も試みた。その他、裸子植物イチョウの精母細胞の段階の花粉管を単離・培養し、精母細胞の分裂から2つの精子の形成、成熟精子の過程を容易に観察できるハンギングドロップ法を開発した。
著者
藤元 優子 藤井 守男 山岸 智子 ターヘリー ザフラー 佐々木 あや乃 竹原 新 アーベディーシャール カームヤール 佐々木 あや乃 鈴木 珠里 竹原 新 タンハー ザフラー ターヘリー 藤井 守男 前田 君江 山岸 智子 山中 由里子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究はイランにおける多様な文学的言説を、ジェンダーを分析的に用いて総合的に検証することで、文化的周縁に置かれ、常に歪められてきたイラン女性の実像を明らかにし、ひいてはイスラーム世界に対する認識の刷新を図ろうとした。古典から現代までの文学作品のみならず、民間歌謡、民話、祭祀や宗教儀礼をも対象とした多様なテクストの分析を通して、複数の時代・階層・ジェンダーにまたがる女性の文学的言説の豊潤な蓄積を立証することができた。
著者
前田 幸男
出版者
東京都立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究のデータ収集計画の過程で、従来とは異なる角度から政党支持・内閣支持の意味につき理論的に検討する必要を感じ、集計された世論調査データの推移を実際の国政の変化と対比させつつ検討する作業を行った。1993年以来の政党の離合集散は、政党支持の測定について、いわゆる五五年体制下では必ずしも明確に意識されなかった諸問題を認識する絶好の機会を提供していると考えたからである。その成果は、後掲の「中央調査報」論文に掲載した。また、内閣支持率の推移を検討する過程で、首相・内閣評価の問題について基礎的な情報を収集する必要を感じ、本調査の質問票には小泉首相を支持する・支持しない理由についての自由回答を付け加えた。本研究のデータ収集は計画より数か月遅れたが、予定された三重県松阪市で2004年12月に行われた。2005年1月末にデータは納品され、現在データ・クリーニングを兼ねた記述的分析が行われている。初期段階で注目するべき成果としては、A・Bの分割調査票形式で行った実験において、「政治」と「政府」では、有権者の反応に興味深い差が見られたことである。即ち、「政治」に対する信頼が「政府」に対する信頼よりも若干高めに出るのみならず、「わからない・答えない」の比率は「政治」についての信頼の方が低い。また、社会福祉質問では、「財政が苦しくても」と「増税してでも」という二つの似通った言葉を使い分けたが、そこにおいても統計的に有意な差が確認できた。今後は、分割票の特性を生かして、一体どのような属性の人々が、如何なる条件で異なる反応を示しているのか検討を続ける予定である。本調査で採用した政治知識尺度を利用することで、従来は得られなかった興味深い知見が得られるものと考えている。
著者
前田 文彦
出版者
岩手医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

日光角化症は紫外線に慢性的にあたり続ける事によって誘発される皮膚病変で,日焼けをしやすい顔面,耳介,前腕手背部の皮膚に好発する。いわゆる日焼け(surbum)とは異なり慢性的な紫外線曝露で遺伝子に変異が生じ発症する。本症は表皮内癌であり、進行すると有棘細胞癌へ移行することが知られている。日光角化症患者の数は近年増数してきており,環境問題として世界的な話題となっている成層圏オゾン層の破壊による紫外線量の増加との関連が指摘されている。イミクイモッドは米国で尖圭コンジロームの治療に用いられている免疫調製剤で近年ボーエン病や悪性黒色腫に対する有効例が報告されている。我々は日光角化症患者に対し5%イミクイモッドクリームの外用を行いその有効性を臨床的に確認している。現在60症例に対して外用療法を行い臨床的に88パーセントの治癒率を認める良好な結果を得た。その症例は組織的にも腫瘍細胞の消失を確認している。腫瘍細胞の消失はKi S5の免疫染色でも確認している。また腫瘍が消失した症例では現在までの所再発を認めていない。またイミクイモッドが著効した症例で、同薬の外用前、外用中、外用後の組織を採取しそれぞれを比較検討した。結果リンパ球が誘導されアポトーシスが生じて腫瘍が攻撃されている所見が得られた。イミクイモッドはTLR-7のアゴニストといわれている。その治癒機序の一つとしてTLR-7に誘導されるアポトーシスを仮定し、それを免疫染色で証明できた。また誘導されたリンパ球はT cellであった。現在以上の所見をまとめ論文執筆中である。
著者
齋藤 寛 前田 隆浩 青柳 潔 高村 昇 中里 未央 野村 亜由美
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

長崎大学では、平成16年度から医学部医学科5年-6年次学生を対象として「離島医療・保健実習」を開始した。これは、病院実習の一環として、1学年100名を7-8名ずつのグループに分け、それぞれ1週間ずつ長崎県五島市において地域医療、地域保健を学ぶものであり、地域に根ざした包括的医療についての実習を行うプログラムとして全国的にも注目されている。その一方、これまでこのような形での地域密着型医学教育プログラムを実施するという試みは日本でほとんど行われていないため、実施するにあたっての教育ソフトに乏しいのが現状である。そこで本申請では、今後の離島・へき地医療実習、さらには地域医療実習に応用可能な教育ソフトの開発を行う目的とした。研究代表者らは、各分野における教育ソフトの作成を行い、その成果は7月に全国の医学生を対象として行われた「家庭医療セミナー」において公開した。「家庭医療セミナー」は、全国の医学生を対象に、長崎県五島において家庭医療についてのセミナーを集中的に行うもので、研究代表者、研究分担者に加えて欧米の家庭医療の専門家を招聘しての特別講義・実習を行い、その成果はマスコミ等で大きく取り上げられた。さらに研究代表者らはこの成果を世界に発信すべく、長崎大学と学術交流協定を締結している旧ソ連邦のベラルーシ共和国の医科大学(ベラルーシ医科大学、ゴメリ医科大学)を訪問して、インターネット等を用いた遠隔教育(e-learning)システムの整備を行った。これに対して研究代表者がゴメリ医科大学の名誉教授号をうけるなど、ベラルーシ国内でも高い評価を得た。
著者
岡田 信弘 高見 勝利 小早川 光郎 林 知更 常本 照樹 佐々木 雅寿 前田 英昭 岡田 信弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1 夏季研究集会における諸報告とその成果の公表(1)2002年8月19日(月)〜21日(水)の日程で、研究分担者と本共同研究への協力を依頼した部外の実務家が北海道大学に参集し、研究会が開催された。部外の実務家からの報告として、橘幸信氏(衆議院憲法調査会事務局)「『実践的立法学』の構築に向けて-法律(案)のつくり方・つくられ方-」と山岡規雄氏(国立国会図書館憲法室)「憲法調査会の活動」とがあった。なお、山岡氏の報告を補完するものとして、橘氏による追加報告(「衆議院憲法調査会の活動」)がなされた。これらの報告をめぐる活発な討論を通して、一方で、「立法過程」の現場体験に基づいた「立法事実」に関する新たな知見が得られるとともに、他方で、現在進行中の「憲法改正」に関わる議会内部の動きを正確に理解することができた。(2)研究分担者からは、岡田信弘「改正内閣法に対する評価」、常本照樹「アイヌ新法の実施状況」、佐々木雅寿「司法制度改革の推進体制」、小野善康「国旗・国歌法制定後の学牧の状況」、高見勝利「政治腐敗と政治倫理-英米独仏等の国会議員の政治倫理に関する制度」の各報告があり、分担者間で意見交換がなされた。(3)以上に概観した夏季研究集会の成果の一部は既に公表もしくは近々公表予定であるが、それらを含む研究分担者の研究成果を、本共同研究グループが従来行ってきたように、1冊の著書にまとめるべく作業を進めている。2 その他の研究会活動2002年10月29日(火)にジャック・ロベール氏(元フランス憲法院裁判官)、12月20日(金)に孝忠延夫氏(関西大学教授)を招いて、ヨーロッパとアジアにおける最近の立法動向についての報告を受けた。