著者
西山 正秋 前田 誠一郎 柳生 成世 折附 良啓 上垣 宗明
出版者
神戸市立工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

英語プレゼンテーション能力の評価に大きな比重を占める「アイコンタクト」を客観的に測定するための、装置・ソフト・手順が明らかになった。そのデータの分析によって、発表者の視線・アイコンタクトを高い精度で自動的に検出できた。また、目の動きの時系列波形分析を行うことによって、優秀な発表者の視線行動のパターンを比較出来ることが分かった。これらは今後、ジャッジの主観的判断を補うものとして利用できる可能性が示された。アイコンタクトに関するジャッジの評点・評価項目の分析結果と総合して、英語プレゼンテーション能力評価システム改善への方向性が示された。
著者
望月 哲男 亀山 郁夫 松里 公孝 三谷 惠子 楯岡 求美 沼野 充義 貝澤 哉 杉浦 秀一 岩本 和久 鴻野 わか菜 宇山 智彦 前田 弘毅 中村 唯史 坂井 弘紀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ロシア、中央アジア、コーカサス地域など旧ソ連圏スラブ・ユーラシアの文化的アイデンティティの問題を、東西文化の対話と対抗という位相で性格づけるため、フィールドワークと文献研究の手法を併用して研究を行った。その結果、この地域の文化意識のダイナミズム、帝国イメージやオリエンタリズム現象の独自性、複数の社会統合イデオロギー間の相互関係、国家の空間イメージの重要性、歴史伝統と現代の表現文化との複雑な関係などに関して、豊かな認識を得ることが出来た。
著者
前田 知己 後藤 一也 古城 昌展 前田 知己
出版者
大分医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

正期産児35人を対象としたポリグラフ記録において、第一静睡眠期と第2静睡眠期の持続時間に有意差は認めなかった。RR間隔は第2静睡眠で497.2±59.5msecで、第1静睡眠478.2±49.0secに比し有意に長かった。RR間隔時系列について自己回帰モデルを用いスペクトル解析を行い、低周波成分(LF)、高周波成分(HF),パワー,LF/HF比を求め検討した。LHパワーLH/HFは有意差を認めなかったが、HFは第1静睡眠4-1±0.8msec2,第2静睡眠4.5±1.0msec2で第2静睡眠が有意に大きく、第2静睡眠における副交感神経緊張が不された。29人の正期産児を対象として驚愕反射の出現頻度の検討を行った。静睡眠期におけるミオクローヌスの分布、啼泣の有無によって驚愕反応の強度を3区分した。驚愕反応出現前後1分のRR間隔時系列についてスペクトル解析を行い、驚愕反応出現前後の交感・副交感神経緊張の変動を検討した。平均驚樗反応出現頻度は0.18/分であった。驚愕反応出現に伴いLFパワー、HFパワー、LF/HF比はいずれも増加したが、驚愕反応強度によってパラメーター前後値はいずれも差異を認めず、個人差が大きかった。自律神経機能から乳幼児突然死症候群に関連する事象をとらえられるか検討したが、個人差が大きく、また、乳幼児突然死症候群の症例は無く、正常対象の症例数も多くないので、明らかな結論は得られなかった。今回の検討を基礎データーにして、乳幼児突然死症候群危険因子の有無による違い、体位による違いなどを検討を続ける予定である。
著者
岩下 明裕 宇山 智彦 帯谷 知可 吉田 修 荒井 幸康 石井 明 中野 潤三 金 成浩 荒井 信雄 田村 慶子 前田 弘毅
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の実践的な成果は、第1に中国とロシアの国境問題解決法、「フィフティ・フィフティ(係争地をわけあう)」が、日本とロシアなど他の国境問題へ応用できるかどうかを検証し、その可能性を具体的に提言したこと、第2に中国とロシアの国境地域の協力組織として生まれた上海協力機構が中央アジアのみならず、南アジアや西アジアといったユーラシア全体の広がりのなかで発展し、日米欧との協力により、これがユーラシアの新しい秩序形成の一翼を担いうることを検証したことにある。また本研究の理論的な成果は、第1にロシアや中国といった多くの国と国境を共有している「国境大国」は、米国など国境によってその政策が規定されることの少ない大国と異なる対外指向をもつことを析出し、第2に国境ファクターに大きく規定される中ロ関係が、そうではない米ロ関係や米中関係とは異なっており、米ロ中印などの四角形のなかで、構成される三角形が国境を共有するかどうかで異なる機能を果たすことを実証したことにある。
著者
井上 美津子 浅里 仁 池田 訓子 小林 聡美 佐々 龍二 高木 裕三 朝田 芳信 大嶋 隆 小口 春久 田中 光郎 前田 隆秀 宮沢 裕夫 藥師寺 仁 渡部 茂 真柳 秀昭 鈴木 康生 下岡 正八 野田 忠 渋井 尚武 進士 久明 田村 康夫 土屋 友幸 大東 道治 香西 克之 西野 瑞穂 木村 光孝 本川 渉 藤原 卓 山崎 要一 吉田 昊哲 丸山 進一郎 嘉ノ海 龍三 品川 光春
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.561-570, 2005-12-25
参考文献数
11
被引用文献数
5

小児に対する歯科用局所麻酔剤の安全性を明らかにするため日本小児歯科学会の委嘱により,臨床における使用実態と不快事項の発現に関する調査を行った.大学病院小児歯科および個人小児歯科診療所より4,145名分のデータが収集され,以下の結果を得た.<BR>1.局所麻酔を用いた治療は0歳から20歳以上の幅広い年齢層に行われていたが,12歳以下の者が約90%を占めていた.<BR>2.全身疾患やアレルギー体質を有する小児は調査対象児の2割以上を占め,また局所麻酔が初めての小児が16.2%であった.3<BR>.小児の治療において,局所麻酔はコンポジットレジン修復などの修復処置にも多用されていた.<BR>4.局所麻酔薬剤としてはリドカイン製剤が多く用いられており,投与量は1.0ml以下が多かったが,1.8mlを超えた例も3%程度みられ,追加投与により総量が増える傾向がみられた.<BR>5.術中,術後の不快事項は,それぞれ108名(2.6%),109名(2.6%)にみられた.不快事項の内容は,麻酔の奏効不良による疼痛や麻痺による違和感・不快感の訴えや,麻痺の残存による咬傷などが多くを占めていた.<BR>6.局所麻酔薬剤の副作用を疑わせる熟睡や軽い呼吸困難,悪心などの症状は,術中に3例,術後に6例ほどみられたが,いずれも重篤なものではなかった.
著者
水口 啓吾 里見 有紀子 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-109, 2010

本研究では, 発達障害児が在籍する通常学級の中から, 発達障害児と接触頻度の高い健常児である接触頻度高群(16名), その他の健常児である接触頻度低群(129名), および発達障害児群(10名)を選出し, 架空の物語場面を用いて健常児と発達障害児の交流態度について比較検討した。架空の物語場面では, 問題の原因が健常児側にある場面と発達障害児側にある場面の2場面を呈示し, その後で登場人物の発達障害児に対する印象評定と行動評定を求め, 3群間で比較した。その結果, 印象評定では2つの場面とも, 3群間に有意差は見られなかった。しかし, 行動評定では接触頻度高群が最も好意的態度を示した。発達障害児と日頃接触している接触頻度高群でも, 発達障害児の唐突な言動に対しては好意的印象を持たないこと, しかし発達障害児と一緒に勉強する・遊ぶなどの交流行動では寛容的であることが明らかになった。
著者
花田 剛士 喜久村 力 児玉 清幸 橋本 成世 金沢 光隆 北川 敦志 須田 利美 前田 和茂 丸山 浩一
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 : 日本医学物理学会機関誌 = Japanese journal of medical physics : an official journal of Japan Society of Medical Physics (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-12, 2006-03-31
参考文献数
14
被引用文献数
1

Heavy ion therapy using the energetic <SUP>12</SUP>C beam is successfully under way at HIMAC, Japan. The method is more advantageous than traditional radiation therapy in dose concentration owing to the Bragg peak and high relative biological effectiveness. A research study using the <SUP>11</SUP>C beam for heavy ion therapy in the future has been carried out in order to develop the capability of monitoring the dose distribution. Our group has examined the total energy absorption spectrum of the <SUP>11</SUP>C beam in a plastic scintillator. We could clearly observe the total absorption peak of <SUP>11</SUP>C in the energy spectrum and, in addition, we found a broad bump structure was associated with the peak. The bump area occupies 37% of the total spectrum and it probably affects the dose calculation for an accurate treatment planning. We elucidated the mechanism that leads to the structure of the total energy absorption spectra given by <SUP>11</SUP>C and <SUP>12</SUP>C in a block of plastic scintillator. This paper describes the method in detail and gives experimental analysis results which deal with the bump structure. We could explain the bump structure using the energy spectra caused by the fragmentation reactions.
著者
前田 忠信 石崎 昌洋 平井 英明 渡辺 和之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.11, pp.32-33, 1996-12-06

堆肥を連年施用した水田の土壌に対する堆肥施用の影響を低農薬条件で栽培した水稲の生育収量について検討した。品種コシヒカリを用い1995年4月25日に播種し、慣行の稚苗育苗法で育苗した苗を1株3〜4本として5月19日に乗用側条・深層施肥田植機で移植した。堆肥は1991年から4年間、年間5tで計20tを施用し、1995年は2t/10aを施用した。いずれの試験区も低農薬(除草剤1回, 殺虫剤1回)で栽培した。
著者
有馬 暉勝 前田 栄樹
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

C型肝炎ウィルス(HCV)の遺伝子構造が明らかにされ、診断面では各種第二世代のHCV抗体の開発により十分な感度で血清診断が可能となった。我々も独自にHCVの遺伝子のクローニングを行い、コア抗原と非構造蛋白(NS3領域)との複合抗原を用いた高感度の新しいHCV抗体検出系を開発した。1.HCV遺伝子の免疫スクリーニングによるクローニングC型肝炎患者血清よりAGPC法によりRNAを抽出し、ランダムプライマーを用いてλgtII-cDNAライブラリーを作成し、患者(急性C型肝炎患者回復期および慢性C型肝炎)血清を抗体として用いクローニングを行った。患者プール血清よりスタートしたひとつのcDNAライブラリーから幸運にも構造蛋白領域をコードするクローン2個を含むHCVの各領域の特異的cDNAクローンを得た。2.新しい高感度HCV抗体検出系の開発コア領域をコードするS29抗原とNS3領域をコードするS4抗原の混合抗原を用いたELISAによるHCV抗体測定系はきわめて高感度であり、現在開発されている第二世代HCV抗体検出系(アボットII)と同等以上の感度、特異性を有し、臨床応用が期待される。
著者
柊中 智恵子 中込 さと子 小野 ミツ 前田 ひとみ 武藤 香織 北川 小夜己 矢野 文佳 村上 理恵子 福田 ユカリ
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、遺伝性神経難病である家族性アミロイドポリニューロパチーに焦点を当て、患者・家族と看護職のニーズ調査をもとに、看護職に対する遺伝看護教育プログラムを開発することを目的として実施した。患者・家族のニーズ調査から、発症前遺伝子診断を受けて生きる人、発症者、家族といった立場の様々な苦悩や葛藤の様がわかった。また、看護職も遺伝性疾患ということで、対応に困難を感じていた。これらの結果に基づき、教育プログラムに盛り込む内容を検討した。
著者
前田 雄介 杉内 肇
出版者
横浜国立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

人間はきわめて柔軟で器用なマニピュレーション能力を持っており,環境とのインタラクションを伴う物体操作(グラスプレス・マニピュレーション)においても,環境からの反力を巧みに利用して物体を操ることができる.このような人間の能力は移動知の発現と考えることができる.本研究では,人間の行うグラスプレス・マニピュレーションに着目し,その技能のモデルを求めることを目的としている.今年度は,グラスプレス・マニピュレーションの中でも二指のピボット操作に着目して研究を行った.具体的には,人間の操作の計測結果を参考にして,CPG(Central Pattern Generator)に基づくピボット操作の制御モデルを構築した.この制御モデルは,松岡のニューロンモデルを用いて,手首の運動に関わる3つのニューロンと指の運動に関わる2つのニューロンから構成されている.これを用いてハンドを制御することによって,リズムの引き込みによって物体のピボット操作が実現可能であること,床面の摩擦係数の変化にも適応可能であることを動力学シミュレーションによって確認した.また,人間の手の機能とマニピュレーション技能の理解のために,詳細な筋骨格系モデルに基づく人間の手のモデルを開発した.このモデルは24リンク・31自由度の骨格系モデルと35筋切片・73腱切片から成る筋腱モデルから構成されており,筋力に基づいて指の運動の動力学シミュレーションを行うことが可能であることを確認した.
著者
前田 耕作 中村 忠男 松枝 到
出版者
和光大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

北部を含むジャラーワーン地区では州都クエッタ、カラート周辺域、フズダール周辺域が主たる調査域である。この地域にはイスラーム教以前、ゾロアスター教、仏教、ヒンドゥー教が存在していたと考えられてきた。ゾロアスター教の祠堂があるのはクエッタであるが、イランにおけるように古来からの残存を裏づけるものはなにもない。カラチにある祠堂とともに英領インド時代、商人のパルシー教徒の移住とのつながりで考えられるべきものと思われる。ジャラーワーン地区へのヒンドゥー教の流伝はイスラーム教をともなったアラブの侵入より早いが、それを裏づけるものは、その根強い信仰の存続とイスラーム教聖者伝説と交錯するヒンドゥー教の伝説のほかにはない。しかし、ジャラーワーン地域とラス・ベーラ地域の古道沿いには、ヒンドゥー寺院が点在し、それらは互いに繋がりをもっており孤立していない。クエッタ、カラート、フズダール、ベーラ、カラチと残存するヒンドゥー教の細い糸をたぐっていったとき、それらを繋ぐ一つの結び目にヒンゴール河畔に存在するヒンドゥー教の巡礼聖地ヒングラージに行きあたり、この聖地の具体的な調査をおこなうことができたことが、二年にわたる調査の最大の成果であった。ヒングラージの聖域の実測および女神の聖像等の詳細は、平成11年度に予定される補足調査の後、本報告で公表される。ラス・ベーラ地域の西端、マクラーン地域の東端に位置するヒングラージ聖跡の踏査によって調査域をマクラーン地域にまで広げる必要が生じ、平成9年度の調査では、トゥルバットおよびグワーダルを訪れ、ついにヒンドゥー教流伝の西限を突きとめることができた。
著者
新井 利幸 蜂須賀 喜多男 山口 晃弘 磯谷 正敏 堀 明洋 青野 景也 森 直治 前田 敦行 河合 正巳 高野 学 山口 竜三
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.2135-2140, 1994-09-01
被引用文献数
21

最近10年間に経験した消化器外科手術後に発症した急性肺塞栓症例8例を臨床的に検討した. それらは同期間の手術例の 0.07% に相当し, 平均年齢65.5歳 (55&acd;75), 1例が男性, 7例が女性, また7例が悪性疾患, 1例が胆石症であった. 術後の安静解除の時期に呼吸困難, 胸痛, 胸部不快感あるいは急性循環不全の症状がみられ, 心エコーで右心の拡張が認められれば急性肺塞栓症が強く疑われる. 肺動脈造影は診断のもっとも確実な方法であり, これを施行した5例全例で塞栓が証明された. 8例中5例は線溶・抗凝固療法で軽快したが, 3例は死亡した. そのうち2例は発症後数時間で失ったが, 1例は補助循環下に線溶・抗凝固療法を行い11日間の生存が得られた. 急性肺塞栓症に対しては, 必要なら補助循環を併施し, 強力な循環管理下に線溶・抗凝固療法をまず行うのがよいと思われる.
著者
前田 樹海 深山 智代 小西 恵美子 野坂 俊弥 田中 高政 STANLEY Grace
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

わが国では多くの地方公共団体で骨密度測定事業が実施されている。骨検診において、限られた資源や時間の中でより教育効果を高めるための方策について、提供者および利用者の両側面から研究を行なった。提供者側からのアプローチとしては、教育効果の高い生活指導に資する問診票、および健康教育に携わる保健師、栄養士、運動指導員が一定の共通認識を持って一貫性のある指導を行うための解説書の開発とその評価を実施した。問診票の項目は、WHO等が公表している国際的なリスク要因に基づき、利用者が記入しやすい、スタッフが指導しやすいという観点から厳選し、マークシート式のものを作成し評価を行なった。利用者側からのアプローチとしては、骨健診において、骨の健康について理解を深めるための解説書の作成および、骨量減少リスクを自己評価するためのツール開発を実施した。このようなツールは世界中ですでに数種類開発されているが、日本女性に特化したツールがない点、感度を高めるために特異度が犠牲になっている点が課題と考えられた。そこで、研究者らが開発した問診票からのデータをもとに、決定木による場合分けを行ない、最終的には年齢、食事、体重、20代の身長という説明変数で、骨量減少を予測するモデルを作成した。86%の精度で骨量減少を予測し、感度は91%、特異度は81%を示した。一般化のためにはさらなるデータの蓄積と検討が必要と考えられたが、地域住民が骨検診への動機付けを高めるためのツールとしては一定の役割を果たすことが推察される。上記研究成果の一部を、International Osteoporosis Foundation World Congress on Osteoporosis 2006(Toronto, Canada)およびInternational Council for Nurses Conference 2007(横浜市)にて発表した。また、第33回日本看護研究学会学術集会(盛岡市)および、日本医療情報学連合大会(神戸市)にて発表予定である。
著者
大槻 晃 橋本 伸哉 土屋 光太郎 佐藤 博雄 吉田 次郎 和田 俊 石丸 隆 松山 優治 前田 勝 藤田 清 森永 勤 隆島 史夫 春日 功 鎌谷 明善 村野 正昭 多紀 保彦 平野 敏行 白井 隆明 荒川 久幸 兼廣 春之 平山 信夫
出版者
東京水産大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

本研究はROPME-IOCの要請に答えるものとして計画された。本年度の主目的は、調査海域を更に広げて昨年と同様な継続的な観測を行うと共に、ROPME側から要望のあったホルムズ海峡における流向・流速の係留観測を再度試みることであったが、ROPME側で係留流速計の調達が出来なかったこともあり、急きょ底生動物採取等に時間を割り振ることになった。又本年度は、最終年度となるため、ROPME事務局のあるクウェートに入港するこを計画した。本研究グループは、研究練習船「海鷹丸」を利用する海域調査班(研究者7名、研究協力者8名)と車で海岸を調査する陸域調査班(研究者4名)とに分かれて行動した。海域班としては、ROPME事務局が計画した調査航海事前打ち合わせ会(9月26〜27日)に、研究代表者と「海鷹丸」船長2名がクウェートに赴き航海計画、寄港地、ROPME側乗船人数等を伝え、要望事項を聴取した。陸域調査班は、10月28日成田を出発し、バハレーンを経て、クウェートに入り、車を利用して海岸に沿って南東に下り、サウジアラビアのアルジュベールで調査を終了し、11月7日に帰国した。各地点で原油汚染・被害の聞き取り調査、研究試料・魚類試料の収集、水産物の流通・利用の調査を行った。海域調査班は、11月15日に遠洋航海に出発する「海鷹丸」に調査研究器材を積載し、アラブ首長国連邦アブダビ港で乗船すべく12月11日成田を出発した。シンガポールを経て、アブダビに到着、13日には「海鷹丸」に乗船し、器材の配置等研究航海の準備を行った。12月14日ROPME側研究者14名(クウェート4名、サウジアラビア7名、アラブ首長国連邦1名、オマーン1名、ROPME事務局1名。尚、カタールから1名乗船予定であったが出港時間迄に到着しなかった)をアブダビ港で乗船させ、12月15日朝調査を開始するため、出港した。先ず、ホルムズ海峡付近に向かい、1993年に調査した最もホルムズ海峡側の断面から調査を行い、徐々に北上、アラビア湾中部海域に向った。アラブ首長国連邦クワイアン沖からサウジアラビア・アルジュベール沖までの7断面24地点の調査を行い、12月26日予定より1日早くクウェートに入港し、ROPME側研究者及び日本側研究者全員下船した.調査成果の概要は、以下の通りである。1)全ての地点で、湾内水塊移動及び海水鉛直混合調査のためのCTD観測、溶存酸素及び塩検用試料採取と船上分析を行い、観測データを得た。2)全ての地点で、栄養塩測定用試料採取(オルト燐酸イオン、珪酸、アンモニュウムイオン、硝酸塩、亜硝酸塩)を行い、更にそれらの船上分析を行い、観測データを得た。3)海水中の原油由来の溶存微量炭化水素分析用の試料採取、及び船上抽出を行った。4)全ての地点で、底泥の採取に成功した。5)全ての地点で、ボンゴネット及びプランクトンネットによる動・植物プランクトンの採取を行い、幾つかの地点で基礎生産力の測定を行った。6)全ての地点で、海水の光学的特性と懸濁粒子の分布調査を行った。7)全ての停泊地点で、3枚網、籠網、縦縄、釣りによる魚類採取を行う予定であったが、航海後半の悪天候の為、前半に6調査地点に限られた。8)全ての地点で、稚魚ネット引きを行い試料を得た。12月27日には、ROPME事務局関係者2名、日本側研究者7名及び、ROPME研究者7名が参加し、ROPME事務局において、「海鷹丸」による調査結果を主体とした成果発表会をどのように行うか検討会がもたれた。その結果、1995年12月5〜8日まで東京水産大学で行うことが決定した。12月30日クウェート空港を出発し、シンガポール経由で12月31日参者全員帰国した。