著者
藤部 文昭 高橋 清利 釜堀 弘隆 石原 幸司 鬼頭 昭雄 上口 賢治 松本 淳 高橋 日出男 沖 大幹
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

970年代まで行われていた区内観測による26都府県の日降水量データをディジタル化し, 高分解能かつ長期間の降水量データセットを作成した。このデータや既存の気象データを利用して著しい降水や高低温・強風の長期変化を解析し, その地域的・季節的特性等を見出した。また, 極値統計手法を様々な角度から検討し, 各方法の得失を見出した。さらに, 全球数値モデルを用いて, 降水極端現象の再現性に対するモデルの水平解像度の影響を調べ, 今後モデルと観測データを比較するための統計的手法の検討を行った。
著者
半澤 幸恵 葛西 翔太 菅野 幸貴 竹野 健夫 堀川 三好 菅原 光政
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. IS,[情報システムと社会環境] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.21-28, 2007-11-05
参考文献数
5
被引用文献数
3

農業生産者は圃場での栽培作業に従事しており,自ら農作物を陳列・販売する産地直売所において販売状況を常には把握できず,売上量の推移に合わせた出荷量調整が困難である.既報にて生産・出荷調整支援システムを提案し,(1)生産者への店内農作物の売上状況等の提供と(2)消費者への農作物情報公開により,出荷量の調整と消費者へのより新鮮な農作物の提供を図った.本稿では,実在の産地直売所に,提案システムの販売促進支援,入荷管理,在庫管理,売上管理の機能を導入,運用したので報告する.
著者
矢部 貞雄 中山 幹男 山田 堅一郎 北野 忠彦 新井 陽子 堀本 泰介 増田 剛太 見藤 歩 田代 眞人
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 : 日本伝染病学会機関誌 : the journal of the Japanese Association for Infectious Diseases (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.1160-1169, 1996-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
7 14

1985年から1995年にかけて, 主に東南アジアからの入・帰国者でデングウイルス感染が疑われる症例について, 血清学的診断及びRT-PCRによるデングウイルス遺伝子の同定を行い, 輸入感染症としてのデングウイルス感染の重要性を検討した. デング熱を疑われて検査依頼のあった不明熱患者は173例であった. その内77例がデングウイルス2型抗原に対してペア血清によるHI抗体価の有意上昇, あるいは単一血清で320倍以上のHI抗体価を示したことから, デングウイルス感染と診断された. 一方, ペア血清で4倍以上の抗体価の上昇が認められた15例については, 3例で回復期の抗体価が80倍以下, また12例では回復期が160倍と低かったため, いずれもデングウイルス感染が疑われたが確定診断は不可能であった. 患者の旅行・滞在先の地域別では, タイが39名と最も多く, 続いてフィリピン15名, インド13名, インドネシア9名であった.<BR>HI試験では, デング患者血清は日本脳炎ウイルス (JEV) 抗原との問に異常に高い交差反応が見られたが, IgM-Capture ELISA法ではこのような交差を認めなかった. 一方, JEV感染患者血清ではデングウイルス2型に対するHI試験での交差はほとんど認められず, デングウイルス感染備のJEV抗原に対するHI交差反応は一方向的なものであることが明らかとなった. またデング熱患者血清について, デングウイルス1~4型のE~NS2領域に対する各プライマーを用いてRT-PCRを行ったところ, 第三病日以内の血清3例からデングウイルス1型の遺伝子が, また第4病日の血清1例からデングウイルス2型の遺伝子が検出された.
著者
内田 直 堀野 博幸 矢島 忠明 泰羅 雅登 渡邉 丈夫 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

成果をまとめる。○スポーツに使われる脳機能を形態学的研究により行った。この研究は、機能的に発達した皮質の部位が肥大することを根拠に、皮質各部位の大きさを比較する研究である。この研究からは、バレーボール選手では両側楔部・楔前部の灰白質が大きいことが示された。これは視空間的注意・処理、運動技能を、長期間に渡って獲得・反復することに適応して生じた構造の変化を表していると考えられた。○手足の屈伸運動を運動習熟者、非習熟者にfMRI撮影中に行わせ、脳の賦活部位を調べた。その結果、補足運動野、運動前野などの皮質部位は非習熟者で、大脳基底核は習熟者でより賦活が見られ、日常的運動でも習熟者では運動学習が進んだ脳機能を用いていることが想像された。○Go/No-Go課題によるソフトボール選手と非アスリートの脳機能の比較では、ソフトボール選手でNo-Go課題の際に両側前頭前野の賦活が有意に強く見られた。これは、ソフトボール選手ではより強い運動の抑制があるということを示しており、実際のバッティングの場面でも、より強い抑制が選球に関連している可能性を示唆していた。○サッカーなどでは、しばしば2次元⇔3次元の認知的置き換えを行っている。このような置き換えに使われる脳機能について明らかにした。コンピュータグラフィックスを用い円筒の配置を2次元⇔3次元で置き換える課題を用いた。これにより、3D→2Dでは上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。2D→3Dにおいて、上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。以上、多くの成果を得たが、今後さらに競技スポーツだけでなく健康スポーツという視点からも、運動と脳機能の関連についての研究を発展させてゆきたいと考えている。
著者
堀田 典裕
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.585, pp.219-224, 2004
参考文献数
21

This paper is an attempt to analyze three works of Aldo van Eyck (1918-99), that was designed when he was a member of Team X, from the viewpoint of repeated 'Spatial Units'. The results of the analysis as follows : 1) There are two types of 'Spatial Units' and 'Inter-Spatial Units' between each of them. 2) The outline of 'spatial unit' causes the relationship of 'figure- ground', that is the development of 'Poche' in the architectural principle of Beaux-Arts and also the universal space in 'Stempel Model'.
著者
山内 智史 島津 樹一 佐藤 衛 堀内 誠三 白川 隆
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25
被引用文献数
1

日本国内ではレタス根腐病菌病原性グループ1,2,3の発生が確認されており,病原性グループ1のみがビオチン要求性を示すことを明らかにしてきた.そこで,病原性グループ1におけるビオチン要求性が菌の諸性質にどのような影響を与えているか検討を行った.合成培地である駒田培地から抗菌性物質を除いた培地(1/2BM)上で11〜28日間培養を継続したところ,4/800の割合でビオチン非要求性変異株が得られた.野生株と変異株の間で形態的特徴,PSA培地上での菌糸伸長に違いは認められなかったが,気中菌糸の生育と胞子形成量は変異株が上回った.さらにVCG,レタス品種のパトリオット,晩抽レッドファイヤー,コスタリカ4号に対する病原性は野性株と同じであった.これらの結果から,病原性グループ1におけるビオチン要求性は生育に関わる代謝系に影響を与えるものであるが,病原性との関連性は低いものと考えられた.
著者
鈴木 幹雄 堀 典子 長谷川 哲哉
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本科学研究費補助金研究では、事例カッセル・ドクメンタを手掛りに、芸術学校バウハウス第二世代が第二次世界大戦後ドイツにおける文化的・芸術的な文化創出システム《ドクメンタ》にどのような貢献を行ったかについて研究した。その為に、まず第一に、バウハウスを改革史的な文脈に生まれた学校と位置付け、戦後ドイツの教育界、芸術学校の世界の中でバウハウス第二世代がどのように活躍したかを明らかにした(対象:ハンブルク芸術大学、ベルリン芸術大学、デュッセルドルフ芸術大学)。当該研究の研究経過は次の通りであった。課題設定・分析・調査(平成14-15年度):(1)カッセル・ドクメンタの展開とA・ボーデの構想、(2)戦後ドイツにおけるバウハウス第二世代の教育思想と造形芸術観の形成過程・展開過程について(モティーフ:ハンブルク芸術大学長ハッセンプフルークの教育理念、同芸術大学「自由芸術」コース招待講師講義(1953-55年))、(3)デュッセルドルフ芸術大学の戦後改革とその学長代行E・マタレの芸術学校改革について、(4)ベルリン芸術大学の戦後改革について(モティーフ:同芸術大学教授G・フィーツの教育実践)。当該研究の成果(平成14-16年度):ドクメンタ参加芸術家と戦後の芸術運動団体Zen 49グループの活動を糸口に、ハンブルク芸術大学、カッセル芸術大学、デュッセルドルフ芸術大学、ベルリン芸術大学へ在職していた「バウハウス第二世代」教授達が、カッセル《ドクメンタ》の発展に重要な貢献を行ったことを解明した。
著者
川合 將義 渡辺 精一 粉川 博之 川崎 亮 長谷川 晃 栗下 裕明 菊地 賢司 義家 敏正 神山 崇 原 信義 山村 力 二川 正敏 深堀 智生 斎藤 滋 前川 克廣 伊藤 高啓 後藤 琢也 佐藤 紘一 橋本 敏 寺澤 倫孝 渡辺 幸信 徐 超男 石野 栞 柴山 環樹 坂口 紀史 島川 聡司 直江 崇 岩瀬 宏 兼子 佳久 岸田 逸平 竹中 信幸 仲井 清眞
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

高エネルギー高強度陽子ビーム場の材料は、強烈な熱衝撃や放射線によって損傷を受ける。衝撃損傷過程と影響を実験的に調べ、その緩和法を導いた。また放射線損傷を理論的に評価するコードを開発した。さらに、損傷に強い材料として従来の材料に比べて強度の4倍高く室温で延性を持つタングステン材と耐食性が4倍高いステンレス鋼を開発した。衝撃実験における応力発光材を用いた定量的な方法を考案し、実用化の目処を得た。
著者
熊澤 栄二 堀内 美緒
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、潜在的に潜む地域特有の場所構造を基として修景・保存および地域景観形成の指針を明らかにし(基礎研究)、その研究成果を基として実際の景観整備手法の開発する(応用研究)ことを目的とする。申請研究では、基礎研究の第一段階として石川県能登半島最北端に位置する珠洲を事例とした場所構造の解明を目的とする研究を行った。第二段階として地域の祭礼の存続の可能性を明らかにするため各地区公民館でのヒアリング調査を行った。
著者
堀内 聡 津田 彰 橋本 英一郎 甲斐 ひろみ 賀 文潔
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.93-98, 2008-10-25

主観的幸福感がメンタルストレステストに対するストレス反応に影響するという証拠が増えている.235名の対象者から選抜された主観的幸福感が高いグループと低いグループ(各8名)に対して,スピーチと暗算課題からなるメンタルストレステストを負荷した時の心拍(HR)及び主観的ストレス反応を比較した.メンタルストレステストは,10分間の前課題期,2分間のスピーチ準備期,3分間のスピーチ期,5分間の暗算課題期,そして30分間の後課題期からなっていた.主観的ストレス反応は,NASA-TLXにより測定された.幸福感が低いグループのHRは,前課題期及び暗算時において,幸福観感が高いグループよりも高かった.主観的ストレス反応は,両グループで差異がなかった.
著者
清水 茂雅 堀口 明日香 山崎 浩司 川合 祐史
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院 = Research Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:13461842)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.37-42, 2009-08-03

Recovery of heat-injured vegetative cells and spores of Clostridium perfringens was evaluated on selective media, CW Egg-yolk agar with kanamycin (ECW+A), Tryptose sulfite cycloserine agar(TSC+A)and modified Handford agar (mHFA). As a result of heat treatment at 54℃ for 15 min, viable counts of C. perfringens vegetative cells on a selective medium (ECW+A)was significantly less than those on non-selective media. This means C. perfringens vegetative cells should be in an injured state. Comparing of the three selective media, TSC+A was the best growth and recovery of heat-injured C. perfringens vegetative cells. Recovery on ECW+A was 1 log CFU/ml less than that on TSC+A. Supplementation of TSC+A with sodium pyruvate (0.1-0.5%) further enhanced recovery and detection of heat-injured C. perfringens vegetative cells, and its efficacy was the highest on TSC+A supplemented with 0.3% sodium pyruvate. Supplementation of TSC+A with sodium pyruvate did not affect recovery of heat-injured (95℃, 2 or 60 min) C. perfringens spores. These findings suggest that TSC+A is the most favorable medium for enumeration of C. perfringens and supplementation with sodium pyruvate improves recovery and detection of heat-injured C. perfringens.
著者
中垣 通彦 松本 龍介 堀江 知義
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究では、高自由度の挙動が可能な人工筋肉を実現させるため、微小アクチュエータを駆動要素とする知的複合材料の創成を目的とする。知的複合材料を構成する機能性材料として形状記憶合金、ピエゾ素子、イオン交換樹脂、液晶などが挙げられるが、後二者は出力が小さい。一方、前二者は比較的高出力を引き出す事が可能であり、実際に駆動素子として利用されている。ここでは駆動力の大きい形状記憶合金およびピエゾ材料を駆動材料として利用する。一般の駆動素子では、駆動の自由度は1自由度であり、それらを組み合わせたとしても数自由度に留まる。本研究では人工筋肉体に高自由度性を持たせるため、駆動素子を繊維化し、その体積分率と配向性を任意に分布させた柔軟複合材料として考えた。現在では機能材料素子そのままの発生ひずみは0.3%程度に留まり、生体筋肉などの100%近いひずみを発生させるには到底及ばない。本課題のもう一つの重要な要素としてひずみ増幅方法を考案する事が必須である。そこで本研究者らの構想である駆動素子を用いたユニモルフ/バイモルフばねを用いた。数値計算モデルによれば、ピエゾひずみの数十倍のばねひずみを発生させる事が可能となる。これにより自由度が高く大ひずみを発生する人工筋肉の構築が可能となった。本研究で最適な人工筋肉の設計が可能となる解析計算システムを開発した。これにより人工筋肉の創成のための労力、時間と予算を大幅に削除し、最適な材料仕様を決定する事が出来る。ソフトウェア本体には、知的複合材料のモデルを構築するために、微小なバイモルフ/ユニモルフばね素子を任意の体積分率と配向をもって分散させる事を可能とする、SCC-LRM粒子分散構成則モデルを用いた。本システムを用いて、より生体のシステムに近く血栓の発生の可能性が低い脈動収縮型の人工駆動動脈め基本動作の挙動を計算力学的に実施して示した。本研究の結果と関連する研究成果を国内外の学会において発表した。
著者
南 伸昌 伊東 明彦 堀田 直巳
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.153-160, 2006-07-01

理科離れの象徴ともいえる物理の力学分野の理解を助けるために,運動方程式の導出までを指導する教室レベルの実験プログラムを検討した。方法としては,力学台車をバネばかりで一定のカが加わるように押すもの,軽量台車を扇風機の風力で自走させるもの,の二つを用い,それぞれサイエンス・パートナーシップ・プログラムの高校生講座において実施した。
著者
堀畑 正臣
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

室町前期の古記録(中原師守『師守記』(記録1339~74)、三条公忠『後愚昧記』(記録1361~83)、伏見宮貞成親王『看聞日記』(記録1416~48)に於ける記録語・記録語法の調査と研究を行い、(1)記録語「計會」、「秘計」の意味の変遷をまとめ、(2)『看聞日記』の記録語「生涯」についての先学の記述の訂正と意味を論じ、(3)記録語法の「有御~(御~あり)」について『覚一本平家物語』と古記録資料の関係を究明し、(4)これらを収めた研究成果報告書を作成した。(5)また、多くの記録語・記録語法の用例をカードに取り、今後の研究に利用できるようにした
著者
中坊 徹次 山本 圭介 堀川 博史 中山 耕至
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1)日本近海の魚類相の分析;東シナ海及びその隣接海域の魚類の分類学的研究の基礎として、日本近海の魚類相の特徴が17型に分けられることを明らかにした。2)メバル属魚類の分類学的研究;浅海岩礁での漁業対象種であるメバルは従来から3つの色彩変異型が知られていたが、それらの生物学的な意味は未研究であった。これらのメバル3色彩型を形態学と分子遺伝学を用いて分析した結果、それぞれが生物学的に独立した種であることが判明した。メバル属ではやや深海に棲むウケクチメバルの2色彩型についても、メバル3色彩型と同様に研究を行った結果、それぞれが生物学的に独立した種であることが判明した。3)マエソ属魚類の分類学的研究;大陸棚砂泥底に生息するマエソ属魚類は漁業対象でありながら、種の分類が混乱していた。これらのうちマエソと呼ばれる種の分類が特に混乱していた。マエソ属魚類はインド・西太平洋域に広く分布しているので、日本近海を含むこれらの海域から得られた標本を入手し、形態を比較し、過去の文献を渉猟して分類学的研究を行った。その結果、マエソと呼ばれる種は2種であり、ひとつは新種であることが判明した。この論文は現在、学術雑誌に投稿中である。4)カマス属魚類の分類学的研究;カマス属のうち、アカカマスと呼ばれる種は最も美味であるが、分類が混乱し、複数種が含まれていることが示唆されていた。これらを詳細に検討した結果、3種であることがわかり、そのうち1種は新種であることが判明した。これも投稿中である。5)その他の魚類の分類学的研究;上の他、アオメエソ類、メジナ類、エボシダイ類、ウマズラハギ類、トラギス類について、分類学的研究を行った。これらは3編の論文が公表され、2編が投稿中である。
著者
今村 賢治 堀井 統之 大山 芳史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.109-110, 1993-03-01

電報等のメッセージの中には、我々が読んだとき、送り手の性別を感じさせるものがある。例えば、「おまえもがんばれよ」という句が入ったメッセージの送り手の性別には男情、「あなたもがんばってね」という句なら女性と感じることができる。このように、同じ意味であるにも関わらず、送り手の性別の違いを感じるということは、メッセージに何らかの言語的特徴があることを示している。本塙では、言語表現という特徴を用いて、メッセージの送り手の性別を判定する方式について検討した結果を報告する。
著者
堀 浩一 戸田 誠之助 安永 尚志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1209-1210, 1986-10-01

従来、論文検索システムをはじめとする情報検索システムのために、所望の情報にたどりつくためのキーワードの抽出法と使用法について、さまざまな研究がなされてきた。キーワードの構造化、キーワードの種類のコントロール、シソーラスの作成法と利用法などが考えられてきたが、結局のところ、大規模なシステムにおいては、単純な、構造のない、また、コントロールされないフリーキーワードが使われることが多かった。その理由は、システム製作者がどんなにがんばっても、構造や、キーワードの種類を把握しきれないためであると考えられる。これは、自然言語の意味処理全般に通じる問題であって、どんなに工夫しても、意味のあらゆる側面をカバーする表現体系をあらかじめ与えることは不可能である。そこで、筆者らは、ユーザ1人1人に合わせて、単語の意味を学習するシステムを考えた。単語の意味は、単語と概念からなる空間の構造として表現される。意味を空間的に表現しようというアイディアそのものは新しいものではないが、ユーザに合わせて空間を変形していくというメカニズムを与えることにより、あらかじめ把握できない意味も学習されるようになり、単純なキーワードでは検索不可能だった情報を、意味の空間的表現を介して、見付けることが論文検索システムにおいて可能になった。文学の論文検索システムに応用した例を以下に示す。
著者
宮崎 慶次 浜田 勝彦 井上 正二 堀池 寛 折田 潤一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究は、高い安全性を確保しつつ高速増殖炉の経済性の向上を図るため、中間熱交換機と蒸気発生器を一体化して簡素化する独自案AIHX(Advanced Intermediate Heat eXchanger)の展開研究である。本科研により昨年度に制作した長尺加熱装置を試験部本体として熱媒体ガリウムを追加し、本年度に購入した液体金属ガリウム循環ポンプおよび液体金属循環装置用架台を付加して昨年度の自然循環実験に引き続いて、中間熱媒体ガリウムの強制循環(Pe【less than or equal】500)熱伝達実験を行った。(1)新型中間熱交換機(AIHX)内の液体金属Gaの強制循環熱伝達特性加熱ヒーター群側では熱伝達特性はSubbotinの式(Nu=5+0.025Pe0.8)と比較して、中流速領域(100【less than or equal】Pe【less than or equal】500)では高い熱伝達を示し、Nu=5+0.05Pe0.8となる。ヘリカル状冷却管側ではHoeの式(Nu=0.43+0.228Pe0.67)に比べて高く、中Pe領域で6.34+0.256Pe0.67となった。これらの結果については、尚、精査し確認を要するが、良好な熱伝達特性を示す結果である。(2)温度揺らぎの測定と局所的な流体移動・伝達メカニズムの解析経路が単純形状の加熱側では、相互相関による局所流速は電磁流量計流速と一致する。温度揺らぎのRMS値は流速増加とともに一旦増加してから減少する。これは発生メカニズムが加熱面近傍の温度勾配に流れの乱れが加わって発生することを示している。(3)高速増殖炉実用化への適応性の検討強制循環させれば優れた熱伝達特性が得られるが、実機のような長尺では自然循環でも「もんじゅ」同等以上の特性が期待される。実験結果を精査して、詳細検討を行い、結果は学会誌に発表の予定。