著者
齊藤 幹央 宇野 勝次 本田 吉穂 渡辺 徹
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.29-32, 2001-02-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
21
被引用文献数
4 6

The clinical efficacy of therapy for intractable hiccups using Shitei-to, a folk medicines, was evaluated in 21 patients. Clinical effectiveness was observed in 11 cases, thus resulting in an efficacy rate of 52.4%.Particularly, the hiccups were relieved within two days by the treatment of only Shitei-to in 6 cases, and by the administration of Shitei-to in 2 cases that had been unsuccessfully treated by other drugs for hiccups. In addition, the efficacy rate was 66.7% for centric hiccups and 16.7% for peripheral hiccups. Accordingly, the clinical efficacy of Shitei-to was observed to be significantly higher for centric hiccups than for peripheral hiccups (p< 0.05 Wilcoxon ranksum test).Our findings showed Shitei-to to be very effective for treating patients with intractable hiccups. Furthermore, the clinical efficacy of this herbal medicine was higher for centric hiccups caused by cerebropathy than for peripheral hiccups caused by internal disease.
著者
本田 秀仁 松香 敏彦 植田 一博
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2015 (Released:2015-10-21)

日本語には、漢字・カタカナという異なる表記法が存在しており、見た目・使用法、それぞれ大きく異なる。本研究では、表記が思考に与える影響について検討を行った。具体的には、3都市名を漢字(例:岡山・広島・長崎)またはカタカナ(例:オカヤマ・ヒロシマ・ナガサキ)で呈示して、同じグループであると思う2都市の選択、ならびに選択理由の回答が求められる都市カテゴライズ課題を実施し、表記の違いがカテゴリー化に与える影響ついて検討を行った。結果として、漢字で都市名を呈示した場合は地理的近接性に基づいたカテゴリー化(岡山・広島を“中国地方だから”という理由で選択する)が行われやすく、一方でカタカナ呈示時は文脈的類似性(ヒロシマ・ナガサキを“原爆が投下されたから”という理由で選択する)に基づいたカテゴリー化が行われやすかった。以上、表記の違いによって異なる思考プロセスが生み出されることが明らかになった。
著者
半谷 吾郎 好廣 眞一 YANG Danhe WONG Christopher Chai Thiam 岡 桃子 楊木 萌 佐藤 侑太郎 大坪 卓 櫻井 貴之 川田 美風 F. FAHRI SIWAN Elangkumaran Sagtia HAVERCAMP Kristin 余田 修助 GU Ningxin LOKHANDWALA Seema Sheesh 中野 勝光 瀧 雄渡 七五三木 環 本郷 峻 澤田 晶子 本田 剛章 栗原 洋介
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
pp.36.014, (Released:2020-11-30)
参考文献数
23

We studied the island-wide distribution of wild Japanese macaques in Yakushima (Macaca fuscata yakui) in May 2017 and 2018. We walked 165.4 km along roads and recorded the location of 842 macaque feces. We divided the roads into segments 50 m in length (N=3308) and analyzed the effect of the areas of farms and villages or conifer plantations around the segments and also the presence of hunting for pest control on the presence or absence of feces. We divided the island into three areas based on population trend changes over the past two decades: north and east (hunting present, population decreasing); south (hunting present, no change) and west (hunting absent, no change). According to conditional autoregressive models incorporating spatial autocorrelation, only farms and villages affected the presence of feces negatively in the island-wide data set. The effect of hunting on the presence of feces was present only in the north and east and the effect of conifer plantations was present only in the west. Qualitative comparisons of the census records from the 1990s with the more recent census indicated that feces were no longer found in the private land near the northern villages of Yakushima, where macaques were previously often detected in the 1990s. In other areas, such as near the southern villages or in the highlands, macaques were detected both in the 1990s and in 2017-2018. Our results further strengthen the possibility that the macaques have largely disappeared around the villages in the northern and eastern areas. Since the damage of crops by macaques has recently reduced considerably, we recommend reducing hunting pressure in the north and east areas and putting more effort into alternative measures such as the use of electric fences.
著者
本田 学
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1283-1293, 2020-11-01

指揮者やメトロノームなしに複数の演奏者が自律的に同期をとり,「阿吽の呼吸」で一糸乱れぬ演奏を実現する音楽表現が,地球上のさまざまな文化圏に数多く存在する。その典型例としてインドネシア・バリ島の祭祀芸能ケチャを取り上げ,ケチャ演奏中の複数人から脳波同時計測を行ったところ,演奏前に比較し演奏中と演奏後には,脳波の個体間同期が増強することがわかった。脳機能の同期と社会や文化との関わりについて考察する。
著者
山部 一実 西田 隆宏 井手 芳彦 本田 純久
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.327-329, 2020-07-25 (Released:2020-09-04)
参考文献数
5

地域在住の後期高齢者233人を対象に100 mL水飲みテストのスクリーニング精度を検証した.嚥下障害の質問紙EAT-10を外的基準とした時の嚥下時間の最適カットオフ値は10/11秒であった.100 mL水飲みテストのムセの徴候と嚥下時間の2指標を組み合わせたスクリーニングの感度と特異度は74%,61%と良好であった.地域介護予防事業で100 mL水飲みテストを用いたスクリーニングの有用性が示唆された.
著者
本田,孝也
雑誌
日本統計学会誌. シリーズJ
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, 2012-09

ORNL-TM-4017は1972年にオークリッジ国立研究所で作成されたテクニカルレポートである.黒い雨を浴びた被爆者について,急性症状を分析し,対照群と比較した.黒い雨を浴びた群では発熱,下痢,脱毛などの急性症状が高率に認められた,と報告している.2011年3月11日,福島第一原発事故が発生.放射能汚染の恐怖が日本中を覆う中,QRNL-TM-4017は偶然インターネット上から発見される.放射線影響研究所(放影研)はオリジナルデータから再現を試み,集計上の誤りを指摘した.しかし,同時に,放影研が13,000件を超える被爆者の黒い雨データを保有している事実が明らかとなった.
著者
金 テイ実 槻木 瑞生 花井 みわ 朴 仁哲 李 東哲 本田 弘之 永嶋 洋一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

旧満洲・間島(現在の中国東北の延辺朝鮮族自治洲)で盛んに行なわれた日本語教育に関連して日本人である斎藤季治郎、鈴木信太郎、川口卯橘、渡部薫太郎、日高丙子郎、工藤重雄、濱名寛祐、樋口芝巌、安東貞元、山崎慶之助、飯塚政之に焦点に当てて彼等の役割を明らかにし、現在に於いても盛んに行なわれている日本語教育のルーツを明らかにしたものである。
著者
畑中 章生 鎌田 知子 本田 圭司 田崎 彰久 岸根 有美 川島 慶之
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.8, pp.787-790, 2012 (Released:2012-10-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1

再感染と考えられたムンプスウイルス感染症の3症例を経験した. 症例は32歳女性と5歳女児の親子, 33歳男性であった. いずれの症例も片側の耳下腺腫脹を来して当科を初診した. 全症例ともに家庭内にムンプス症例が発生していたことと, 初診時の血清ムンプスIgG抗体が高値であったことから, ムンプス再感染例と診断した. 古典的には, ムンプス感染症は終生免疫を獲得し, 再感染を起こさないものとされてきた. しかし近年の報告では, 初診時ムンプスIgG抗体が高値の場合には, ムンプス再感染を疑う所見と考えられるようになりつつある.
著者
嶌田 敏行 小湊 卓夫 浅野 茂 大野 賢一 佐藤 仁 関 隆宏 土橋 慶章 淺野 昭人 小林 裕美 末次 剛健志 難波 輝吉 藤井 都百 藤原 宏司 藤原 将人 本田 寛輔
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

大学の諸課題の数量的・客観的把握を促すIRマインドの形成を目指した評価・IR人材の能力定義、教材の開発、教育プログラムの開発および体系化を行った。そのために単に研究・開発を行うだけでなく、様々な研修会や勉強会を開催し、全国の評価・IR担当者の知見を採り入れた。そのような成果を活かして、評価・IR業務のデータの収集、分析、活用に関するガイドラインも作成し、評価現場やIR現場で活用いただいている。加えて、合計14冊(合計940ページ)の報告書を作成した。この報告書は自習用教材としての活用も意識した構成とし、すべてwebページを作成し公表している。
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
本田 圭司 鎌田 知子 田崎 彰久 畑中 章生
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.681-685, 2012-07-01

We report a case of burns of the larynx caused by hot food in which emergency airway management was required.<br> A 36-year old male came to the hospital with a sore throat 14 hours after ingesting hot food (takoyaki, a Japanese dumpling containing octopus). Fiberscopic examination revealed mild edema of the aryepiglotic fold. The patient refused hospitalization against medical advice and went home after a corticosteroid injection, but returned to the hospital by ambulance with severe dyspnea the next day (44 hours after the injury). A considerably swollen epiglottis were seen on fiberscopy. Since endotracheal intubation was expected to be difficult, surgical cricothyroidotomy was performed for the relief of the airway obstruction. If a laryngeal burn is suspected, the patient should be hospitalized and observed carefully for 24-48 hours.<br>
著者
本田 学
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5special, pp.789-801, 1985 (Released:2011-11-04)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

The human tragus is bigger than that of other animals, and it overhangs the front of the entrance to the auditory canal. Thus, it is probable that the tragus is related to acoustic function of the external ear. Since no acoustic studies have been reported to date, the author examined the acoustic function of the tragus.The source of sond was a Function Generator (TECTRONICS FG 504), and the response curves were measured in a linear scale (the frequency range was from 0.1k to 10kHz). Sound pressure was measured by a very small condenser microphone (RION EU-22), which could be placed in the auditory canal. The data were averaged and analyzed by an Analyzing Recorder (YEW MODEL 3655).Included in this study were one subject with a tragus defects, ten subjects with normal ears, an external ear replica (KOKEN LM 7#1202), an auditory canal model (Plastic) and a tragus model (clay model).The results were as follows:1. The tragus increased the acoustic length of the auditory canal (by about 3mm), lowering the frequency of the canal resonance (about 200Hz).2. The tragus helped the acoustic function of the pinna, and it raised the acoustic response of 4k to 8kHz up to about 5 to 7dB.3. The tragus forms part of the horn shape of the external ear, and it causes the acoustic response of the horn under 8kHz to be a flat response.Therefore the acoustic function of the tragus in the human is of obvious importance to the function of the external ear.
著者
本田 修郎
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1957, no.7, pp.32-38, 1957-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
31

ヘーゲルによれば、現実的なものはまた理性的である.現実のの理性的認識は、これを概念の必然性から理解することにほかならない、レーニンもその「哲学ノート」で、特にヘーゲルの次の言葉を重要視しているほどである.「現実の諸契機の総体、それが、展開するときは自己を必然性としてあらわす」そして、レーニンはここで、「注意せよ=弁証法的認識の本質だ」と、つけ加えている.もちろんその意味するところは異ってきているが、ヘーゲルもレーニンも、現実の展開の必然性を基本的なものとみた点は同じである。このような圧倒的な必然性の意義に対して、現実の外的な偶然性の面は、果してどれだけの重みを保ちうるであろうか.現在の非合理主義的な哲学や、現代の物理学、生物学に基ずく科学論やでは、偶然性の概念は依然重要な意味を持たされている.こういう際にヘーゲの弁証法が、偶然性の契機をどういう風にその必然論に統一したかを顧みることは、意義あるものと思われる.ここでは主としてヘーゲルの論理学に依りながら、考察を進めるが、その際便宜上から、九鬼周造氏の偶然論を対照してゆくことにした.
著者
堀田 耕平 髙橋 秀徳 本田 裕也 剣持 拓未
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.83-89, 2023-06-30 (Released:2023-07-27)
参考文献数
21

Leveling surveys were conducted in Jigokudani valley, Tateyama volcano, since 2015. Subsidence was revealed to have started in 2017‒2018 when a new crater was formed at southwestern area of Jigokudani. Subsidence kept until 2020. During the one-year period from September 2020 to September 2021, ground of Jigokudani was revealed to have re-uplifted. We applied five types of deformation sources (Mogi-type spherical, finite spherical, penny-shaped, rectangular tensile fault and prolate spheroid sources) to the detected deformation. Using the grid search method and the weighted least squares method, we searched the optimal combination of the parameters of each model. Based on the c-AIC value, the penny-shaped deformation source was the best model among them. A penny-shaped inflation source with a radius of 375 m was located including southeastern area of Jigokudani valley where violent fumarole activities have been continued. Its depth was 50 m from the surface. The pressure change in the source of +0.8 MPa yields its volume change of +4800 m3. Inflation of the gas chamber beneath Jigokudani valley might have started due to increase in accumulation of volcanic gas/fluid or decrease in fumarolic activity.
著者
宇内 康郎 伊東 昇太 古川 正 本田 常雄 中野目 有一 河合 真 北村 勉 釜谷 園子 樋口 輝彦 大嶋 明彦 平沼 郁江 山下 さおり 崎岡 岩雄 村田 琢彦 白山 幸彦 小滝 ミサ 中村 良子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.18-29, 1998-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
41

最近, 精神・神経系と免疫系との関連や類似性が注目され, 免疫能と脳の局在との関係, 免疫細胞と神経細胞との関係が次第に明らかになっている.そこで今回は, 精神機能と免疫機能との関係を追求する一環として, 主として精神状態と免疫機能との関係を横断的に調査し, その後対象を中等度以上のうつ状態にしぼり, 縦断的に免疫機能と精神状態との関係を総合的に調査した.対象は昭和大学藤が丘病院を1991年11月から1993年3月までに受診した初診患者で, 自己免疫疾患, 感染症, がん, 肝臓疾患, 血液疾患, 皮膚疾患, アレルギー性疾患などを除外した17歳から65歳までの症例である.精神状態像との関係では16名 (男性12名, 女性4名) , うつ病の経過との関係では8名 (男性4名, 女性4名) が選ばれた.免疫機能の指標として, T細胞数, B細胞数, CD4, CD8, CD4/CD8比, Phytohemagglutinin (PHA) によるリンパ球幼若化検査, 更に精神状態との関係では液性免疫 (IgG, IgA, IgM, IgD, IgE) , うつ病の経過ではIL2レセプター数 (マイトジェン刺激後のリンパ球IL2レセプター数) , IL2反応能試験, NK細胞活性, 白血球数, リンパ球数が測定された.うつ病の評価はハミルトンのうつ病評価尺度が用いられ, 測定は初診時と状態改善時に行い, その期間は3週間から19週間に及び, 両時点においてうつ状態と免疫機能との関係を比較検討した.精神状態像と免疫機能との関係では明確な関係は見出せなかったが, うつ病の経過との関係では, うつ病時には, PHAによる幼弱化反応の減少が8例中7例に, またIL2反応能の低下, CD8の減少, CD4/CD8比の上昇が8例中6例に認められ, うつ病時には免疫機能が低下することが示唆された.以上の結果を現在までの報告と比較し, うつ病時に免疫機能が低下する機序について考案した.
著者
本田 真也 神田 隆
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.207-209, 2019 (Released:2019-12-27)
参考文献数
8

ニューロパチーは疾患特異的に運動神経,感覚神経,自律神経のいずれかにアクセントを置いた臨床症状を呈するが,多くのニューロパチーの障害は大径有髄線維,小径有髄線維,無髄線維の順番で進行する.つまり,一般的に自律神経障害を呈するような無髄神経の障害は末梢神経障害としては末期の状態のことが多く,自律神経障害が初期から主症状であるニューロパチーは少ない.糖尿病やアミロイドーシス,一部の免疫介在性ニューロパチーでは自律神経障害が前景に出る場合がある.自律神経障害は患者の生命予後や機能予後に関与しうる病態であり,正確な診断や症状把握が求められる.