著者
長柄 毅一 三船 温尚 清水 康二 青柳 泰介 上杉 彰紀 西秋 良宏 田賀井 篤平 Ranganathan Srinivasa Shinde Vasant
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

錫を15%以上含む青銅合金は、鋳造法もしくは熱間鍛造法によって成形され、仕上げに焼き入れ熱処理が施されることから、我々はこれを熱処理型高錫青銅と呼んでいる。この技術は古くは古墳時代に日本へ伝来し、現在においてもアジア地域を中心に残されているが、その起源と伝播経路を明らかにするため、インドで出土した紀元前の遺物の成分分析や金相学的調査を行った。現時点で最も古いのは、メガリス期の遺跡から出土した銅鋺であり、紀元前1千年紀の前半には登場したことがわかった。
著者
清水 悠生 森本 茂雄 真田 雅之 井上 征則
出版者
パワーエレクトロニクス学会
雑誌
パワーエレクトロニクス学会誌 (ISSN:13488538)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.130-137, 2017-03-31 (Released:2018-10-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Nowadays, interior permanent magnet synchronous motors (IPMSMs), generally driven by PWM inverters, are mainly utilized as the traction motors of eco-friendly vehicles. As a result of the carrier harmonics of the input current by PWM inverters, harmonic losses of IPMSMs become higher than those of IPMSMs with ideal current input. This paper discusses the characteristics of the proposed double-layered IPMSM and the conventional single-layered IPMSM with current inputs where the PWM carrier frequencies were set to 5, 10, and 20 kHz, respectively, which reveals the influence of various carrier frequencies on the performance of IPMSMs.
著者
高杉 潤 樋口 大介 杉山 聡 吉田 拓 松澤 大輔 沼田 憲治 村山 尊司 中澤 健 清水 栄司
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.124-125, 2011-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
12

触刺激される体肢の鏡像の観察によって誘発される体性感覚(referred sensation:RS)の有無や程度には個人差があることが知られている。しかしなぜ個人差が生じるのか調べた研究はなく,個人因子は明らかになっていない。本研究は,RS誘発には個人の持つ共感能力の高さが要因にあると仮説を立て,Empathizing Quotient(EQ)を用いてRSとの関係を明らかにすることを目的とした。23名の健常者を対象にRS誘発課題とEQ課題を実施した結果,EQおよびEQの細項目のひとつ,emotional reactivity(ER)の得点とRSの程度との間に正の相関が見られた。視覚―体性感覚の共感覚とERとの間に相関が見られるとするBanissyらの報告と今回の結果が合致することからも,RS誘発の個人因子のひとつとして,個々の共感能力の高さが関与していることが示唆された。
著者
昆 恵介 春名 弘一 中井 要介 佐藤 健斗 稲垣 潤 清水 新悟 関川 伸哉
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.318-324, 2022-10-01 (Released:2023-10-15)
参考文献数
6

多くの脳卒中片麻痺者ではフォアフットロッカーが消失する.本研究では単脚支持期間中に麻痺側の踵を挙上させフォアフットロッカーを機能させるための装具(HUS-AFO)の開発と評価を目的とした.HUS-AFOは4節リンク構造を有し,MP関節より近位に位置する仮想的なロッカー軸(HUS軸)と装具側方に位置する圧縮バネによって踵挙上をアシストするものである.背屈制動機能を有する短下肢装具の靴底底面にHUSデバイスを内蔵することで,歩行中の足関節底屈モーメントを増加させ,COPの前進をアシストするとともに,MP関節より近位に位置するHUS軸を床反力作用点が超えることで,単脚支持期間中に踵を挙上させることを明らかにした.
著者
清水 俊夫
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.580-584, 2023 (Released:2023-11-27)
参考文献数
52

Weight loss is frequently observed in early–stage amyotrophic lateral sclerosis (ALS) and is considered an independent predictor of survival. Weight loss observed in ALS is associated with multifactorial etiology, including muscle wasting and dysphagia. Recent studies have implicated disease–specific hypermetabolism as one of causes of weight loss in ALS. Involvement of the hypothalamus in ALS has been the other topic in metabolic dysfunction in ALS. TDP–43 protein aggregates detected in the hypothalamic subnuclei may be associated with weight loss or abnormalities of eating behavior in patients with ALS. Nutritional intervention to maintain body weight could become one of disease–modifying therapies, and recent studies have reported that slowing of weight reduction rate after diagnosis was associated with better survival and that a high–calorie fat diet improved survival in patients with rapidly progressive disease. Nutritional education regarding a high–calorie diet, weight control, and early gastric tube placement is required at the time of diagnosis. Formulas to estimate the recommended daily energy intake for patients with early–stage ALS were reported from USA, Europe and Japan. Multidisciplinary team approach and rehabilitation is necessary to support patients with swallowing disturbance. Surgical intervention to prevent aspiration is often needed for patients who frequently develop aspiration pneumonia.
著者
清水 光治 若杉 雅浩 渕上 貴正 波多野 智哉 川岸 利臣 松井 恒太郎
出版者
日本救命医療学会
雑誌
日本救命医療学会雑誌 (ISSN:18820581)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.23-28, 2023 (Released:2023-04-28)
参考文献数
11

【目的】 院外心肺停止への器具を用いた気道確保の是非や最適なタイミングには, いまだ十分なエビデンスがない. JRC蘇生ガイドライン2020では初期心電図波形と関連づけての器具を用いた気道確保の実施タイミングの検討が必要としている. そこで実際の病院前救護での器具を用いた気道確保完了時間に影響を与えている因子を明らかにする目的で本研究を実施した. 【方法】 2013年1月から2021年12月の9年間に白山野々市広域消防本部管内での全心肺停止事案のうち, 外因性を除き内因性かつ器具を用いて気道確保された事案を対象とした. 気道確保完了時間に影響を与える可能性のある因子 (電気的除細動適応可否, 発生場所, 出動隊員数, 救急救命士乗車数, 実施特定行為内容) について, 気道確保完了時間の中央値を算出し, 求めた中央値を基準に器具を用いた気道確保完了時間が短時間群と長時間群の2群に分けて比較検討した. 【結果】 調査対象となった全心肺停止傷病者事案は880件, うち検討対象となった事案は542件であった. 器具を用いた気道確保完了時間の中央値は4分 (最小値1分-最大値24分) であった. 単変量解析では救急救命士2名以上乗車群は救急救命士1名乗車群に比べて (p<0.01), 活動隊員4名以上群は3名群に比べて (p<0.05), 有意に器具を用いた気道確保完了時間が早い結果となった. さらに, 多変量解析を行ったところ, 救急救命士乗車数2名以上 (vs 1名, オッズ比2.809 [95%信頼区間1.889-4.179]) が気道確保完了時間に影響していることが明らかとなった. 【考察】 救急救命士が2名以上乗車することで, 並行して器具を用いた気道確保および静脈路確保・薬剤投与の処置を行えたため, 1名乗車に比べて器具を用いた気道確保完了時間が有意に早い結果となったと考えられる. 【結語】 病院前救護における気道管理戦略において, 単に乗車人数を増やすのではなく, 救急救命士の乗車人数の増加が迅速な器具を用いた気道確保に繋がることが示唆される.
著者
清水 大志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3Rin478, 2020 (Released:2020-06-19)

あるテキストをもとに,その著者を推定するという研究は古くから行われている.日本語で書かれたテキストにおいては,単語の使用頻度や品詞のn-gramの分布,読点前の文字の分布といった特徴量に注目した手法が行われてきた.また判別モデルについてもランダムフォレスト法やニューラルネットワークといった様々な機械学習手法が用いられている.ここで本研究では,2014年に提案されたDoc2Vecと2018年に提案されたBERTに注目し,これらとニューラルネットを用いた教師あり学習を行って著者推定を行なった.学習データ及びテストデータとして使用する作品はインターネット上で公開されている青空文庫から取得した.Doc2Vecにおいては作品を数値ベクトルに変換し,それをニューラルネットの入力としている.Doc2Vecにおいては84.89%,BERTにおいては55.43%の精度が達成できた.
著者
進士 誠一 横堀 將司 清水 哲也 神田 知洋 林 光希 安康 勝喜 吉田 寛
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.98-104, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2

During their clinical clerkships (CCs) in surgery, medical students are generally introduced to such areas as surgical indications, surgical techniques, and perioperative management through rounds and practical skills training on wards and in operating rooms. Given the technological advances made in virtual reality (VR) over recent years and its increasing use in education and corporate training, we decided to try using VR for the benefit of students on surgical CCs. To this end, we developed what we termed a "VR surgery tour" in the field of gastrointestinal surgery, which involved students using VR goggles to view edited 3D images. We then asked 26 fifth- and sixth-year medical students at Nippon Medical School assigned to CCs in gastrointestinal surgery between November 2020 and September 2021 to evaluate the VR surgery tour via a questionnaire survey. The questionnaire included questions using a five-point Likert scale and space for free comments. Our results showed that all respondents felt satisfied with the VR surgery tour, with 96% of them indicating it was a viable alternative to clinical training; moreover, about 90% of the students found it useful as a teaching aid for pre-learning and requested that VR teaching materials be made available in other fields as well. We concluded that our VR surgery tour is a valuable supplement to practical training in gastrointestinal surgery and that it increases medical students' motivation to learn. We believe VR is an effective teaching aid and that there will be increasing demand for its use in various education and training programs.
著者
清水 充 野田 勉 山野 哲夫 山田 明男 森田 茂
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.215-220, 1993-09-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
20

化学的合成品以外の食品添加物31種36品目についてマウスおよびラットにおける急性経口毒性試験を実施し、以下の結果を得た。1) 投与量が5.0g/kg以下の用量で動物の死亡が認められた試料はパルマローザ、ボアドローズ、茶抽出物、キラヤ抽出物、ヒノキチオールの5品目であった。これらのうちキラヤ抽出物およびヒノキチオールのLD50値はいずれも2.0g/kg以下であった。2) キラヤ抽出物を経口投与したマウスでは腺胃および小腸粘膜に浮腫、出血がみられた。3) ヒノキチオールを経口投与したマウスでは間代性および強直性痙攣がみられた。4) 上記以外の試料では動物の死亡は認められなかったが、観察期間終了の剖検ではクチナシ黄色素投与による肝臓の肉眼的変化が観察された。
著者
光井 卓 清水 奈保子 田中 雄悟 大路 剛 亀井 克彦 眞庭 謙昌
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.57-61, 2020-01-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
15

症例は46歳女性.中米を拠点として中南米で勤務している.健診で胸部異常陰影を指摘され,CT検査で右肺下葉に辺縁明瞭な2 cmの小結節が認められた.現地でCTガイド下生検術を施行されるも悪性所見は認めず,抗酸菌,真菌の感染所見も認めなかった.精査目的で帰国後,前医で気管支鏡検査を施行されるも壊死のみで診断がつかず,肺生検目的で当科に紹介となった.胸腔鏡下右下葉部分切除術を施行し,術中迅速検査にて悪性所見は認めず,炎症性肉芽腫の診断であった.検体は黄白色調,凝固壊死を伴った類上皮肉芽腫であり,病理診断では抗酸菌染色は陰性,Grocott染色で類円形,楕円形の酵母様真菌が認められた.術後血清H. capsulatum陽性を確認し,肺ヒストプラズマ症と診断した.免疫正常者であり,無症状であることからIDSAガイドラインに則り,経過観察となった.術後20ヵ月現在,感染の再燃なく経過している.
著者
大西 新介 小野寺 良太 杉浦 岳 高橋 宏之 近藤 統 岡本 博之 大城 あき子 清水 隆文 森下 由香 奈良 理
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.469-474, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
8

目的:消防覚知段階の情報から墜落外傷のトリアージが可能か検討する。方法:2003年4月からの4年間に当院へ救急搬送された墜落外傷症例を導出コホート,検証コホートに分けて後方視的に調査した。まず墜落高の重症外傷(ISS≧25)予測能についてROC解析を行った。次に重症予測にかかわる因子の多変量解析を行い,スコアリングを作成し検証した。結果:導出コホート111例において墜落高の重症予測能はAUCが0.65であり,墜落高の閾値は4mとなった。多重ロジスティック解析では高所,高齢,受傷時の意識障害が独立した重症予測因子であった。それぞれの因子を1点としたスコアリングを用いるとAUCが0.76となった。検証コホート128例においてもAUCは0.77であった。結論:墜落外傷においては,墜落高だけではなく高齢,受傷時の意識障害の情報を付加することでより正確なトリアージが可能となる。
著者
西原 伸二 大月 健朗 清水 正人
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.92-95, 2002-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

平成8年から12年まで鎖骨骨折にて当院で加療した70例の治療成績について検討した. 男性43例, 女性27例. 年齢は3ヶ月から88歳平均年齢は34.8歳であった. 骨折型は中1/3例, 外1/3例であった.40例は保存的治療, 30例に観的治療 (プレート固定25例, 引き寄せ締結3例, その他2例) を行った. 保存療法例は全例骨癒合が得られた. 観血的治療例の4例に固定材料破損, 偽関節が生じた.そのうち3例がリボンプレートを用いた症例であった. プレート破損例は全例青壮年男子であり, プレートの強度が適していないと考えられた. 鎖骨骨折は原則保存的治療が原則であるが, 整復困難例では観血的治療が選択される. しかし観血的治療では偽関節, 固定材料に破損を生じやすく, 注意を要する.
著者
西 大樹 清水 光治 矢敷 和也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.782-788, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
11

目的:病院前救護の場において,救急救命士の経験数など,静脈路確保成功に影響を与える因子を明らかにする。方法:白山野々市広域消防本部の2013年4月〜2019年3月までの7年間で静脈路確保が実施された1,141件を対象とした。結果:年齢,心停止有無,実施場所,留置針口径,救急救命士経験年数,年間静脈路確保経験回数が静脈路確保成功に影響を与えていた。また,救急救命士経験年数3年以下と比較して4年以上,年間経験回数14回以下と比較して15回以上の成功率が有意に高かった。結論:本研究から救急救命士経験年数と年間静脈路確保経験回数が病院前救護における救急救命士の静脈路確保成功に影響していると明らかになった。また,今回の研究内容が当消防本部と同規模で病院研修カリキュラムの再構築を考えておられる方々の一助になれば幸いである。
著者
清水 教之 村本 裕二
出版者
名城大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、含水冷却固化させた竹繊維(竹-氷複合系)をガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の代替材料として極低温超電導機器の電気絶縁システムに適用する可能性を検討することにある。従来から、超電導電力機器に必要とされる極低温領域の電気絶縁材料としてはもっぱらGFRPが使われてきた。しかし、GFRPは廃棄の際に環境に与える負荷が大きいことが問題視されている。これに対して、竹と氷で構成した竹-氷複合系は廃棄の際に環境に与える負荷は著しく小さい。竹材は、構造上水分を吸収するために、竹材に水分を含浸させた後、極低温冷媒中(液体窒素)に含浸し竹-氷複合絶縁系を形成させることを考えた。この複合系を試料として絶縁破壊特性を観測し、極低温領域における新しい複合材料の電気絶縁構成の可能性を評価した。本年度は、竹-氷複合絶縁系における交流絶縁破壊特性に及ぼす竹の異方性の影響を取り除くために竹をパルプにし、竹パルプ-氷複合系として実験を実施し、検討を行った。その結果、竹が持つ構造上の異方性を取り除くことができ、交流絶縁破壊特性に及ぼす異方性の影響も小さくすることができた。交流絶縁破壊特性においては、GFRPのものと同等程度の値を得ることができた。さらに竹をパルプ化することで形状を変化させることが可能となった。これらの結果より竹パルプ-氷複合系は、低環境負荷の極低温電気絶縁材料であることが実証され、今後、GFRPの代替材料として実機への応用の可能性が示された。
著者
清水 直樹
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.108-125, 2020 (Released:2023-11-16)
参考文献数
26

本稿の目的は,都道府県の経済データと2012,2014,2017年の衆議院選挙データを分析し,経済が選挙結果に与える影響を明らかにすることである。日本の経済投票に関する先行研究は,サーベイ・データによる研究が中心で,集計データによる研究が少ない。その理由として,第1に,時系列データの場合,選挙ごとに異なる政治状況や経済状況の影響を除去できないこと,第2に,地域間のクロスセッション・データの場合,地域特性や候補者特性の影響を除去できないことが挙げられる。本稿では,安倍内閣の下で実施された衆議院選挙のデータを利用し,その選挙に出馬している同じ候補者の得票率の差を計算したデータを用いることで政治状況や候補者特性などを除去する。そして,このデータを用いて,経済が選挙結果に与える影響を分析する。分析の結果,経済が選挙結果に与える影響は,かなり限定されたものであると結論付ける。
著者
西村 俊弥 清水 義明 田村 学
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.230-235, 1997-04-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

The quantitative evaluation of tarnish of stainless steel was carried out using cyclic corrosion test (CCT) and computer image analysis. Test samples were austenitic stainless steels which contained 10-18wt%Cr and had various roughness of surface. Effect of surface finish on tarnish has been studied, and main results are as follows. Total area of tarnish (AR) after CCT depends on Cr concentration in passive film and roughness of surface. AR increases with decreasing of the former and with increasing of the latter. Among conventional surface finishes such as 2B, HL, BA and Miller of stainless steel Type 304, sample of 2B-finished indicates the worst resistance against tarnish after CCT. Compared with the resistance against tarnish of another sample which has the same Cr concentration in passive film and roughness of surface, sample of 2B-finished indicates worse resistance. This result could be persuaded by the fact that sample of 2B-finished has the intergranular corrosion at the grainboundary on the surface because of the pickling treatment in the surface finish process.
著者
井上 建 小坂 浩隆 岡崎 玲子 飯田 直子 磯部 昌憲 稲田 修士 岡田 あゆみ 岡本 百合 香山 雪彦 河合 啓介 河野 次郎 菊地 裕絵 木村 大 越野 由紀 小林 聡幸 清水 真理子 庄司 保子 髙倉 修 高宮 静男 竹林 淳和 林田 麻衣子 樋口 文宏 細木 瑞穂 水田 桂子 米良 貴嗣 山内 常生 山崎 允宏 和田 良久 北島 翼 大谷 良子 永田 利彦 作田 亮一
出版者
日本摂食障害学会
雑誌
日本摂食障害学会雑誌 (ISSN:24360139)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-12, 2023-10-05 (Released:2023-10-05)
参考文献数
19

COVID-19パンデミック下,摂⾷障害患者における社会からの孤立,受診控え,症状の悪化,さらに新規患者の増加などが報告された。そこで我々は,2019,2020,2021年の神経性やせ症(Anorexia Nervosa: AN)および回避/制限性食物摂取障害(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder: ARFID)の新規患者数,入院患者数,性別,年齢層,COVID-19の影響の有無について,国内で摂食障害を専門的に診療している医療機関に対して調査を依頼した。すべての項目に回答のあった28施設の結果について集計・解析した。ANの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は400人,266人,2020年は480人,300人,2021年は610人,309人であった。一方,ARFIDの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は70人,15人,2020年は97人,22人,2021年は112人,17人であった。AN,ARFIDともに2019年と比較して2020年,2021年は新規患者数,入院患者数ともに増加し,これは10代でより顕著であった。さらにANにおいては20代の患者も増加していた。COVID-19 パンデミック下にARFID 患者数の増加が示されたことは重要な知見であると考えた。