著者
清水 研明
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.25-31, 1992

言語の「経済性」, すなわち, 有限数の音素から数十万の形態素を, さらにその形態素からほぼ無限数の文をつくりだすことが可能なのは, 自然言語が「二重」に「分節」されているからである.チンパンジーを中心にした類人猿に手話や人工言語を習得させるプロジェクトにおいて, この「二重分節」に言及されることが多い.「二重」に「分節」された手話や人工言語を使って語や文を産出しているのだから, 類人猿達の「言語」にも経済性がみられる, といった評価が一般的である.しかし, 類人猿達の産出する語や文はタイプの数が限られており, 人間のそれとは比較すべくもない.本論では, 「二重分節」という構造を持つシステムの習得が, 「経済性」の発現を必ずしも保障しないことを論じる.
著者
清水 一彦
出版者
日本教育行政学会
雑誌
日本教育行政学会年報 (ISSN:09198393)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.239-254, 1990-10-05 (Released:2018-01-09)

This paper aims to clarify the structural characteristics and problems of the credit system in Japanese universities by analyzing its transitional process. First of all, the author tried to settle the definition of the credit system and to set up the following 5 areas for studies : "one credit", "total credits", "distribution of credits", "optional registration", and "evaluation". Then, focusing on these five points, the author analyzed the transitional process of the credit system, especially during the period from the enactment of "the Standard of the University Establishment" in 1956 up to the present time. As a result, the study has yielded two findings as follows: 1. As for the standard of the credit system, there appeared to be two big tendencies. One is bringing to completeness the meaning of the credit system during the time from the enactment of the present standard to the period of university strife in the late 60's. The other is the trend of the flexibility of the system after that time until now. As to the former, the regulations enforced at the beginning were not properly applied due to traditional teaching methods, the lack of readiness of libraries and other facilities. Therefore, there was an attempt to include the significance of the credit system in the standard and to initiate the method of credit calculation and the addition of the number of credits. As to the latter, the problem of general education came to the surface amid the university strife and, in relation to this, each university was largely entrusted with autonomous judgment. Further, more flexible steps were taken to promote independent self-reform in each university and its faculties. However, in the process there were increasing conditional clauses and a more complicated standard was created. 2. According to the framework set for this analysis, the special characteristics of the credit system and its concrete problems are found as follows: "one credit": This expression was somewhat changed. However, the fundamental principle was maintained. The credit calculation method of teaching methods with more conditional clauses remained. "total credits": No particular problems existed. However, the upper limitation of increased credits was set up. "distribution of credits": With the introduction of fundamental education subjects, problems surfaced about the credits of general education subjects, while there was a tendency to put emphasis on professional education subjects. "optional registration": Flexible steps were taken, which was the biggest change. There was also a plan for subdividing the number of credits for each subject, and it had little regard for the opportunity of students in choosing subjects and their annual registration. "evaluation": Although many problems were pointed out, there was no change in the regulations and it still had little view of the educational effects. Finally, considering the actual situations and variety of the universities nowadays, the author would like to point out that the direction of the standard revision is not yet satisfactory. It is time that there should be an establishment of a new credit system which is particularly applicable to Japanese universities.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)
著者
土屋 大介 加藤 聡一郎 清水 裕介 田中 佑也 西沢 良平 吉川 慧 落合 剛二 持田 勇希 宮国 泰彦 海田 賢彦 山口 芳裕
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.397-400, 2023-12-28 (Released:2023-12-28)
参考文献数
16

症例は80歳代の男性。公共施設で腹部を押さえながら倒れたところを目撃され, 救急要請された。救急隊接触時, 傷病者はショック状態であり, 救命対応と判断した救急隊はランデブーポイントへ急行し東京都ドクターヘリと合流した。覚知からドクターヘリフライトスタッフと接触するまでに要した時間は34分だった。フライトスタッフが実施した超音波検査で破裂性腹部大動脈瘤が強く疑われ, この情報から搬送先医療機関では血管内治療に備えた受入体制が整えられた。ドクターヘリ搬送後, 緊急でステントグラフト内挿術が施行された。その後の経過は良好であり, 入院19日目に, 独歩で自宅退院した。破裂性大動脈瘤の救命には, 地域の救急診療体制および搬送中の傷病者管理が大きく影響するとされている。本事案は, 都市部で運用されるドクターヘリと救急隊の連携が, 早期収容と初期蘇生, 専門医療機関への迅速かつ安寧な搬送, および速やかな血管内治療の実施につながったことで, 良好な転帰を得たものと考えられた。
著者
清水 龍来
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100174, 2014 (Released:2014-03-31)

米山海岸地域は、近年のGPS観測によって明らかになった最大剪断歪み速度の大きい地帯(新潟−神戸構造帯)(Sagiya et al. 2000)に含まれ,日本海東縁変動帯の陸域への延長部と考えられている。そこでは、歪みが塑性的な変形として蓄積され、主要な活構造が分布している(大竹ほか 2002)。近年、本地域の南西部に位置する高田平野の東縁に高田平野東縁断層帯(渡辺ほか 2002)が報告され、また周辺海域において2007年7月16日新潟県中越沖地震(M6.8)の震源断層と考えられているF−B断層や,より南西のF−D断層(原子力・安全保安委員会 2009)も報告されており,詳細な変動様式の解明と定量的な評価に基づく本地域のネオテクトニクスの解明が必要である。本地域には数段の海成段丘が分布し、分布高度が南西に向かって増大する傾向が指摘されていた(渡辺ほか 1964)。しかし、米山海岸地域全域に渡る系統的な地形・地質調査に基づく編年・対比は行われておらず,また隆起を引き起こす活構造など詳細は不明であった。本研究では米山海岸地域全域の地形・地質調査を実施し段丘の編年・対比を試みた。その上でそれらが示す地殻変動の傾向と周辺の活構造との関連を考察した。 本研究では米山海岸地域に分布する段丘地形を、HH、H1、H2、M1、M2、Lの5面に区分した。岸ほか(1996)はM1面構成層と風成砂層との境界付近にNG(中子軽石層=飯綱上樽cテフラ:15–13万年前噴出(鈴木 2001))を見いだし、M1面を下末吉面相当とした。本研究では、M1面構成層とされる安田層及び大湊砂層を、より南西方まで追跡し、M1面の分布を明らかにした。また小池・町田(2001)などによってMIS5eに対比されていた上輪新田付近の段丘について,東京電力株式会社(2008)は、構成層にクサリ礫を含むことに加え、風成層上端から90cm以内にAT,DKP,Aso-4を確認しその下位に数mの風成ローム層を挟んで、温暖期を特徴付けると考えられる古赤色土(松井・加藤 1962)が存在することから,本面の形成を下末吉期より大きく遡ると考えた。本研究でも東京電力株式会社(2008)の見解を支持する結果が得られ本面をH1面に対比した。 研究地域全域に広く分布するM1面の分布高度から地殻変動の傾向を明らかにした。M1面の旧汀線及び分布高度は、柏崎平野付近において約20mで南西に向かって高度を増大し、青海川付近で約50m、笠島付近で45mと概して北東へ傾動する傾向を示すことがわかった。 周辺に分布する活断層の活動が,段丘の形成や高度分布に影響すると仮定し、Okada(1992)のディスロケーションモデルに基づき活断層の地殻変動量をモデルを用いて計算した。またF−B断層に関しては、国土地理院が公開している新潟県中越沖地震時の地殻変動データを参考にした。その結果、米山海岸地域の北東への傾動は、上越沖に分布するF−D断層の活動による南西側の大きな隆起による効果と,F−B断層の活動による北東側の沈降が大きく寄与すると考えられる。一方、ひずみ集中帯の重点調査研究による地殻構造調査では、高田平野東縁断層最北部では上端の深さは約3kmの東傾斜の断層が地下に認められている。この断層がより北東方向へ伸びるとすれば、米山海岸地域の傾動に寄与する可能性がある。   参考文献 Okada 1992.BSSA 82:1018-1040.大竹ほか編 2002『日本海東縁の活断層と地震テクトニクス』.岸ほか 1996.第四紀研究135:1-16.原子力・安全保安委員会 2009.東電柏崎刈羽原発敷地周辺の地質・地質構造に関わる報告書. 小池・町田編 2001.『海成段丘アトラス』.地震調査研究推進本部2009a.高田平野東縁断層帯の長期評価について:1-31.鈴木 2001.第四紀研究40:29-41.東京電力株式会社 2008.東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所 敷地周辺の地質・地質構造に関わる補足説明:1-14.ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究プロジェクト『平成23年度成果報告書』.松井・加藤 1962第四紀研究 2:161-179. 渡辺ほか 1964.地質学雑誌70:409.渡辺ほか 2002.国土地理院技術資料 D・1-No. 396. Zeuner 1959.The Pleistocene Period :447 Hutchins
著者
西川 潤 細川 歩 渕野 真代 高取 俊介 岩本 真也 菓子井 良郎 坂東 正 清水 哲朗 峯村 正実 杉山 敏郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.115, no.3, pp.299-304, 2018-03-10 (Released:2018-03-12)
参考文献数
27

エソメプラゾール投与により発症した横紋筋融解症の1例を経験した.逆流性食道炎に対してエソメプラゾールを投与したところ,約10カ月後に横紋筋融解症を発症した.投薬の中止と補液によって腎障害を合併することなく改善した.横紋筋融解症はプロトンポンプ阻害薬投与にともなうまれな副作用であるが,速やかな診断と対応が求められる貴重な症例であり報告した.
著者
木本 志津江 砂田 祥司 柴崎 千代 小川 喜通 實森 直美 清水 洋祐 國冨 留美 小川 弘太 市場 泰全
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.501-504, 2014 (Released:2014-10-04)
参考文献数
15

【目的】難治性嘔吐に対しオランザピンを使用し, 経過途中でせん妄, 痙攣が生じた症例を経験したので報告する.【症例】70歳代, 男性. 肺がん. 化学療法後, 持続する嘔気・嘔吐に対し, オランザピンを使用した. せん妄が出現し, その後, 痙攣が出現した. せん妄のリスク因子の除去後もせん妄症状の改善がみられなかった. オランザピン中止後, せん妄症状が改善した. バルプロ酸を使用し, その後痙攣発作は生じなかった.【結論】オランザピン中止後, せん妄は改善し, 痙攣発作も消失したので, オランザピンがせん妄や痙攣発作の要因であった可能性が考えられた.
著者
清水 一 山﨑 文惠 柏俣 玲於奈 矢野 照雄 高橋 康輔 田島 麻衣 伊藤 耕 佐藤 毅
出版者
埼玉医科大学 医学会
雑誌
埼玉医科大学雑誌 (ISSN:03855074)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.9-15, 2022-08-31 (Released:2022-09-10)
参考文献数
33

近年,歯科インプラントによる治療は一般的になりつつあり,インプラント周囲に生じる悪性腫瘍症例がいくつか報告されている. インプラント周囲の発がん危険因子には,口腔癌の既往とそれに関連する放射線療法の既往,白板症や扁平苔癬などの粘膜疾患,飲酒および喫煙が含まれるが,病因はいまだ不明である. 今回われわれは,インプラント埋入手術から 10 年後に右上大臼歯のインプラント周囲の歯肉に発生したインプラント周囲扁平上皮癌のまれな症例を経験した.. 症例は 74 歳の男性.右上大臼歯歯肉に潰瘍性病変を呈していた. 口腔内検査により,右上第二大臼歯の口蓋側歯肉に 5×2.5 mm の潰瘍性病変が認められた. エックス線検査では 2 本のインプラントが右上大臼歯に埋入されており,垂直的な骨吸収像も見られた. 生検での病理組織検査では扁平上皮癌の診断結果であったため,全身麻酔下で上顎部分切除術を行った. 手術から 18 ヶ月が経過し再発や転移はなく経過良好である.本症例に加えて,PubMed および Medline データベースを使用し渉猟した 61 症例をまとめ,文献的考察を行い報告する.
著者
清水 英佑 永山 和之 鈴木 孝之 竹村 望
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.774-781, 1980-12-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
28
被引用文献数
4 4

Mutagenicity tests were performed using Ames' Salmonella typhimurium, strains TA98 and TA100, on the pyrolysis products of 4 fresh vegetables, boiled rice, seaweed, soy sauce, as well as three amino acids (alliin, methyiin and S-methyl-L-cysteine) and tetrafractane which are contained in garlic.Pyrolysis products of garlic, onion and seaweed were mutagenic to TA98 and TA100 only with S-9 Mix which consists of rat liver microsomes and some metabolic enzymes.Pyrolysates of the three amino acids contained in garlic were mutagenic, and this was especially strong for the pyrolysate of S-methyl-L-cysteine.Differences in mutagenicity of soy sauce pyrolysates as dependent on the duration of heating and temperature were investigated: Strongest mutagenicity was observed when soy sauce was heated for 30min. at 400°C.Checking the production of Soy sauce mutagens when heated in a frying pan, it was found that the longer the frying pan was preheated, the stronger was the production of mutagens.All of the pyrolysates tested revealed mutagenicity by metabolic activation in the presence of S-9 Mix.
著者
清水 太郎 濱本 英利 石田 竜弘
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.230-238, 2023-07-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
44

イオン液体は、室温で液体の塩であり、水や有機溶媒に続く第3の溶媒として注目されている。イオン液体は有機カチオンと有機・無機アニオンから構成され、その組み合わせを変えることによって無数の物性をもつ溶媒を作製することが可能である。イオン液体は薬物の溶解性や安定性や吸収性を向上させることが可能であるため、近年、イオン液体を医薬品開発に応用する研究が盛んに行われている。経皮投与は非侵襲的で利便性に優れた投与方法である一方で、親油性の低分子にしか適用し難かった。しかし、薬物をイオン液体に溶解する、または薬物自体をイオン液体化することによって、さまざまな薬物を皮膚透過できることが、近年報告されてきた。イオン液体とともに皮膚に適用した薬物は、皮膚局所だけでなく全身にも移行するため、さまざまな疾患治療への応用が期待される。本稿では、外用剤・経皮吸収製剤に用いられるイオン液体の特性および疾患治療への応用について紹介する。
著者
丸田 〓二朗 清水 正子
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.465-468, 1964-09-20 (Released:2009-10-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

Authors could make clear that the total unsaturation of α, β-unsaturated organic acids (crotonic acid, acrylic acid, methacrylic acid and maleic acid) can be estimated quickly by the method using aqueous solution of bromine chloride prepared by acidifying the aqueous solution of potassium bromate and potassium bromide with hydrochloric acid.The iodine value of fatty materials containing isolated double bonds (oleic acid, methyl erucinate, olive oil, rape seed oil and sesame oil), and water insoluble acid samples such as cinnamic acid containing α, β-ethylene linkage were measured by the method using the solution of bromine chroride in glacial acetic acid. The results obtained in the analysis by the method were essentially similar to that of the Wijs method, except the results in the case of cinnamic acid. There is a remarkable agreement between the estimated iodine value of cinnamic acid and its theoretical value.
著者
木村 優花 川上 和宜 中村 匡志 横川 貴志 清水 久範 小林 一男 青山 剛 鈴木 亘 羽鳥 正浩 鈴木 賢一 高張 大亮 小倉 真理子 陳 勁松 中山 厳馬 若槻 尊 山口 研成 山口 正和
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.143, no.12, pp.1075-1081, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)
参考文献数
21

Since it is important that patients take their oral anticancer therapy as prescribed, pharmacists need to assess adherence. In addition, oral anticancer drugs are expensive, and reuse of leftover drugs at outpatient pharmacy clinics is useful in reducing drug costs. The present study aimed to clarify when and why patients have leftover capecitabine tablets, and the cost of leftover capecitabine tablets reused at an outpatient pharmacy clinic, focusing on adjuvant capecitabine plus oxaliplatin (CAPOX) chemotherapy for gastric cancer. We retrospectively studied patients who received adjuvant CAPOX chemotherapy for gastric cancer between November 1, 2015, and April 30, 2021, at the Cancer Institute Hospital of the Japanese Foundation for Cancer Research. The cost of leftover capecitabine reused by pharmacists was calculated based on the National Health Insurance drug price standard for the study period. This study included 64 patients who received adjuvant CAPOX chemotherapy. Thirty-seven patients had 152 leftover capecitabine tablets. The most common reasons for leftover capecitabine tablets were nausea and vomiting (21.7%), missed doses (18.4%), and diarrhea (13.2%). The leftover capecitabine tablets for 25 patients were reused at the outpatient pharmacy clinic at a cost of JPY 604142.8 (JPY 24165.7 per patient). The study results suggest that evaluating capecitabine adherence and the reasons for leftover capecitabine tablets at outpatient pharmacy clinics as well as reusing leftover medication can contribute to reducing drug costs.