著者
山中 由里子 池上 俊一 大沼 由布 杉田 英明 見市 雅俊 守川 知子 橋本 隆夫 金沢 百枝 亀谷 学 黒川 正剛 小宮 正安 菅瀬 晶子 鈴木 英明 武田 雅哉 二宮 文子 林 則仁 松田 隆美 宮下 遼 小倉 智史 小林 一枝 辻 明日香 家島 彦一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中世ヨーロッパでは、辺境・異界・太古の怪異な事物、生き物、あるいは現象はラテン語でミラビリアと呼ばれた。一方、中世イスラーム世界においては、未知の世界の摩訶不思議は、アラビア語・ペルシア語でアジャーイブと呼ばれ、旅行記や博物誌などに記録された。いずれも「驚異、驚異的なもの」を意味するミラビリアとアジャーイブは、似た語源を持つだけでなく、内容にも類似する点が多い。本研究では、古代世界から継承された自然科学・地理学・博物学の知識、ユーラシアに広く流布した物語群、一神教的世界観といった、双方が共有する基盤を明らかにし、複雑に絡み合うヨーロッパと中東の精神史を相対的かつ大局的に捉えた。
著者
前田 芳信 池邉 一典 香川 良介 岡田 匡史 権藤 恭之 神出 計
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

地域高齢者の疫学研究の結果から,残存歯数と平均歯周ポケット深さは,高血圧,認知機能といずれも有意な関連がみられた.一方,いくつかの循環器系疾患ならびに認知症関連遺伝子と歯数ならびに平均歯周ポケット深さとの間に,有意な関連がみられた.一般線型モデルによる分析の結果,高血圧,認知機能を従属変数とした場合,遺伝因子と歯数ならびに歯周ポケット深さの間に交互作用は見られなかった.以上の結果より,歯科疾患と循環器系疾患や認知機能との間には,共通の遺伝素因があることが示唆された.
著者
鈴木 康江 南前 恵子 前田 隆子 前田 隆子
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

2012年から参加同意者を募り、2014年までに931名の同意を得て、妊娠中期から順次調査を開始した。現在なお進行中ではあるが、現在までに生後1年までのデータを収集分析中である。妊娠女性の喫煙は一般女性の喫煙率よりも高い傾向にあった。禁煙は夫の喫煙状況と関連があった。喫煙男性は妊娠発覚を喜ぶ割合が有意に低かった(P<0.05)。家族機能(家族APGAR)は喫煙女性が有意に低かった(P<0.05)。出生児は現在452名であり、平均出生体重は3010.5±429.7 g、低出生体重児(2500g未満)は8.6%、極低出生体重児(1500g未満)は1.1%であった。
著者
益田 裕充 鈴木 康浩 藤本 義博 片平 克弘 森本 信也 久保田 善彦
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究はPLCとDBSの理論に基づいて、教師の資質・能力形成のプロセスを明らかにし、理科授業を通して学び続ける新たな教師教育プログラムを開発することである。研究の成果として、理科授業の「問題解決の過程」をコアにした授業カンファレンス、リフレクションのプログラムが、「集団としての一般化」、「課題解決の連動性・適応性」を高めることが明らかとなった。
著者
宮島 利宏
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

生物地球化学的物質循環上重要な各種の有機・無機化合物の炭素・窒素・酸素安定同位体比を手掛かりとして、河口域における物質の起源と変換プロセスを明らかにする研究手法を開発検証した。またこうした手法により得られるデータを効果的に利用して陸域から海域への物質輸送の在り方を評価するためのモデルによる解析手法を開発・提案した。
著者
高橋 智
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

小・中学校だけではなく高校においても特別支援教育を構築し、高校生が抱える多様な困難・ニーズへの支援の具体化が早急の課題となっている。公立高校では徐々に特別支援教育に関する取り組みが検討され始めているが、私立高校においてはほとんど未着手の状態である。しかし高校の特別支援教育の実態そのものが不明であり、その解明は不可欠の課題である。本研究では、高校における特別支援教育の現状と当面の検討課題を探るため、(1)近年の文部科学省や都道府県・政令指定都市教育委員会等の高校特別支援教育施策、(2)学界・当事者団体等における高校特別支援教育に関する論議や調査研究、(3)高校現場で取り組まれている発達障害等の特別な配慮を要する高校生への教育実践について整理し、高校特別支援教育の全体的動向を把握した。高校特別支援教育のシステム開発をしていくための検討課題として、以下の点を指摘できる。第一に、高校はその入り口と出口で多様な接続・連携が求められている。中学校と高校の接続の課題、高校以降の進学・就労等に関する進路指導・移行支援の課題など検討すべき課題は多い。高校の場合、入学者選抜試験を経ている等の理由からわが子の障害を認めない保護者も目立つ。しかし障害者手帳の取得や外部専門機関(教育相談・医療・福祉・就労)との連携が特別な配慮を要する生徒の将来を切り拓くきっかけになることから、発達障害者支援センター・就労支援センターなどと連携する必要がある。第二に、特別な配慮を要する生徒の困難・ニーズの実態をふまえて入学試験、欠時数、単位取得、進級・卒業認定の配慮など、これまでとは異なる評価基準の検討や教務規定の弾力的な運用を行う必要がある。そのためには文科省レベルでの法令整備や都道府県・政令指定都市教育委員会によるガイドラインの作成等が必要である。第三に、国・自治体からの財政措置の問題である。高校における特別支援教育支援員や専門職の配置、教員の加配、教職員の研修、学習環境のユニバーサルデザイン化などの体制整備に行政による財政措置は不可欠である。とくに私立高校には特別支援教育推進の経費が国・自治体から支給されておらず各校の自助努力に任せられている。このことの見直しも不可避である。
著者
柴田 悠
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

まず、1.研究課題「現代社会における他者援助」の公的な典型形態である「所得再分配」(一般政府による公的支出)に関する研究として、(1)所得再分配の規定要因について、歴史社会学的研究と計量社会学的研究を、国内研究会での発表と議論をつうじてさらに精緻化し、ワーキングペーパーと博士論文(2011年7月京都大学大学院人間・環境学研究科受理)にまとめた。また(2)再分配政策の(自殺率・出生率・経済成長に対する)効果についての計量社会学的研究を、国際会議や国内学会での口頭発表と議論をつうじてさらに精緻化し、博士論文(同上)と投稿論文(投稿中)にまとめた(結果の詳細は博士論文などを参照)。つぎに、2.「現代社会における他者援助」の私的な典型形態である「親密性」に関する研究として、とりわけ今後の日本社会で活性化が必要と考えられる(幼児と高齢者の間の非血縁の世代間ケアが生じうる)「多世代コミュニティ」に着目し、国内先進事例に関する文献調査と現場調査(子育て支援施設と高齢者の居場所を兼ね備えたボランティア運営施設での参与観察とインタビュー)を行い、「多世代コミュニティの活性化条件」に関する理論仮説を得ることができた(その成果は現在、論文として執筆中である)。また、東アジアでの国際的な質問紙調査のマイクロデータ(日本・韓国・中国・台湾・バンコク・ハノイ)を用いて、「親子間ケア」(家事援助と金銭援助)のパターンを統計的に分析し、ベトナム・ハノイでの国際研究会で発表した(成果は論文として執筆中)。さらに研究計画にはなかった追加的研究として、子どもと高齢者に対する公的援助(ケアサービス)と私的援助(ケア行動)に関して、東アジア諸国(日本・韓国・中国・台湾・シンガポール・タイ・ベトナム)のマクロデータを、海外研究者たちの協力のもとで、先行研究を上回る規模で収集し、集計した(成果は論文として執筆中)。
著者
飯吉 弘子 渡邊 席子 西垣 順子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

学生の「思考力(自分で考える力)」とその育成に焦点を当て、(A)「育成対象(思考力自体と学生の発達意識)」と(B)「育成主体(大学教員とその教育実践)」両面の文献調査・言説分析・質問紙調査の量的質的分析・ナラティヴ調査・実践事例研究等の各種調査分析を通して、「大学教育が担うべき思考力育成とその教育実践と教育の評価のあり方」の総合的研究を行い、批判的に思考する「態度」育成の重要性やその教育実践事例分類、学生の発達意識や教員の意識における思考力育成の可能性や重要性の認識分析、カリキュラムと教育の評価のあり方分析等を行い、批判的に思考する能力や態度の育成のあり方の方向性と可能性を考察した。
著者
宮本 誠子
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

成年後見人に法律の専門家が選任されるケースが増加するにつれ、成年被後見人死亡による成年後見終了後の財産管理をいかにおこなうかが問題となっている。成年被後見人の死亡により、成年後見は終了し、後見人には財産管理の権限も義務もなくなる。しかし、財産はなお成年後見人の手元に残ることから、相続人の遺産管理との抵触が生じる。本研究では、フランス相続法の中に、相続人の権限や遺産分割の規律と抵触しない分野を見いだし、死後の事務の法的理論化への示唆を得た。
著者
アレクシッチ ブランコ
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

シナプス足場タンパク質のMAGI2はグルタミン酸受容体を含む多様な機能分子と相互作用し、統合失調症の認知機能障害との関連が示唆されている。本研究ではMAGI2の遺伝子多型と統合失調症の関連解析を行い、さらにその多型が認知機能に与える影響について検討を行った。その結果、MAGI2の2つの遺伝子多型(rs2190665、rs4729938)が統合失調症と関連し、さらにrs2190665は統合失調症に特徴的な実行機能障害にも関与することが明らかになった。
著者
大島 義信
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

最終年度では,階段形状の反射ターゲットを用いた変位計測法に関して,前年度明らかとなった問題点を改善するため新たに補正法を考案し,実橋において実証を行った.提案するレーザー変位計の変換原理は,レーザー入射角とターゲットが垂直になっていることが基本であった.そのため,測定現場などで入射角が垂直とならない場合,換算値と実質の変位が異なる可能性があった.そこで本研究では,ターゲットを二つ組み合わせて,入射角に拘わらず変換値が真値に最も近づく理論を考案し,実橋において実証を行った.その結果,1.二つのレーザー変位計を用い,ターゲットの一つを斬増する方向,もう一つを斬減する方向に組合せ,同時に測定を行う.この場合,対象のある変位方向に対し,一つ目のレーザーからは斬増する値が得られ,もう一つからは斬減する値が得られる.理想状態の場合,これらのデータを足し合わせればゼロとなるが,入射角の相違のため誤差が生じてゼロとはならない.この誤差には角度の情報が含まれるため,この値を用いて補正を行えば,角度を陽に意識することなく変位が得られる.2.レーザーの入射角が-5度から+5度までの範囲内であれば,ターゲットを二つ組み合わせることで,正しい変換値を算定できる.3.実橋において,たわみ量を提案技術で測定した結果,接触式変位計と同等め変位値が得られた.よって,新たな測定原理を適用すれば,提案技術の課題であった角度補正につ恥て特に意識することなく,橋梁の変位を計測できることが明らかとなった.
著者
岩堀 信子 仲根 孝 小池 和彦 井上 政久 伊原 信一郎 本間 龍雄
出版者
青山学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

古典型リ-群の表現論とその表現空間上の多頃式環の不変式について、次のような結果を示した。有限型及びtame型zuivers(有向グラフで各失印の重複変は1)がA,D,E型及びA^^〜,D^^〜,E^^〜型のコクセタ-図形(但し矢印の向きは任意)と対応していることはよく知られており、有限表現型の代数の分類、及び単純成分が有限個の代数の分類に用いられている。quiverFの表現(各頂点iに対して,線型空間Vi(i←I,Iは頂点集合)を置き,矢印にその向きの線形写像をおく。)に対して、直積群G=TT GL(Vi)が、線形空間V=+Hom(Vi,Vj)(但し,i→j inF)に自然に作用する。よってGはV上の多項式環S(V)に自然に作用するが,その相対不変式の全体,及び絶対不等式環をquiversの型がA,D,A^^〜型のとき,(矢向の向きは任意)具体的生成元を与えることにより記述しその生成元が代表的に独立なことを示した。証明はリトルウッド・リチャ-ドソン規則,標準盤(ヤング図形の)の理論を用いた組合せ論的なものである。また球関数の変形であるジャック対称関数について、その具体形と特別な場合にシュ-ア関数の和として表わすスタンレ-の一つの予想を解いた。証明は、ウェイトの重複変と表わす。コストカ数の計算と,2頃係数の和のある種の変形(超式何級数 _4φ_3のうまいウェイトの場合に丁変対応する)に基づくものである。また、特にA^^〜型quiversで矢向の向きが一方通行のとき(このときのみ定数でない絶対不等式が現われる)絶対不変式環は多頃式になり、これは古典的によく知られた正方行列の絶対不等式環が固有多頃式の係数を生成元とする多頃式環になることの一般化である。
著者
ベグム S
出版者
東京農工大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究は、再生可能な木質バイオマスの量や質を決定する形成層活動の制御機構を細胞生物学的に明らかにすることを目的とした。そこで、交雑ヤマナラシとスギを用いて、形成層活動休眠中の冬期の樹幹に人為的な加温処理(約22℃)を行い、樹幹温度の上昇のみで形成層細胞の分裂開始が誘導されることを明らかにした。さらに、樹幹への局部的な加温処理をモデル系として、形成層再活動に伴うデンプンや脂質など貯蔵物質量の変化パターンを詳細に解析した結果、形成層細胞や師部柔細胞内に含まれる貯蔵物質量が細胞分裂や細胞分化に伴い減少することから、光合成年よる同化産物の供給が制限されている時期において、デシプンなどが細胞分裂開始に必要なエネルギーの供給源であると結論づけた。また、形成層細胞内の微小管を蛍光抗体染色法で観察し、微小管の低温に対する感受性が、形成層細胞の活動期と休眠期では異なることを明らかにした。一方、形成層活動の開始時期と最高気温、平均気温、最低気温との関連性を統計的に解析し、形成層活動の開始時期には最高気温との間に密接な関連性があることを明らかにし、形成層活動を制御する温度閾値を計算した。これらの結果を基に、形成層活動開始時期を予測するために有効な新しい形成層活動指標(Cambial reactivation index ; CRI)を提案した。さらに、CRIには樹種や形成層齢による特性があり、形成層細胞の温度に対する感受性の違いが形成層活動の開始時期の違いを制御していることを明確にし、冬期や初春の気温が上昇した場合の形成層活動の開始時期の変化を予測した。
著者
仲間 裕子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ドイツのドレスデン美術館やロシアのエルミタージュ美術館を始めとした国外調査を経て、ドイツ・ロマン主義画家のフリードリヒの作品分析を行い、画家の世界観、および近代における視覚の変容がいかに作品に反映されたかを考察した。また、フリードリヒの作品の受容をめぐる諸問題を、フリードリヒが"再発見"された1906年の「ドイツ100年展」を主軸に調査し、国家権力に左右された経緯とともに考察した。さらにこうした受容の反省に立つ戦後のドイツ美術作品を"崇高性"、"アイロニー"、"社会関与"の観点から分析し、ドイツ・ロマン主義の20世紀における継承と変容を指摘した。研究結果は、まず、フリードリヒ研究成果をまとめた著書、『C.D.フリードリヒ、《画家のアトリエの眺め》-視覚と思考の近代』(三元社、2007年3月)である。第1章《画家のアトリエからの眺め》、第2章フリードリヒの「抽象」、第3章リューゲン島の風景-自然、主体をめぐる言説、第4章北方の風景-トポグラフィーとアイデンティティ、第5章観照の美学から新しい美学へ、第6章「ドイツ100年展」、第7章メランコリーとロマン的イロニー-フリードリヒから今日のドイツ美術へ、から構成されている。また、フリードリヒの手記を翻訳・解説した『ドイツ・ロマン派風景画論』(共訳、三元社、2006年)を出版した。次に、海外共同研究者のエアランゲン=ニュルンベルク大学のハンス・ディッケル教授を日本に招聘し、2007年9月21日に京都国立美術館でシンポジウム「ドイツ・ロマン主義の<現在>」、24日に国立新美術館で講演会「ドイツ・ロマン主義と現代美術」を開催し、ドイツ・ロマン主義の伝統と今日性について様々な角度からの報告とパネリストを交えた討論の機会を得た。
著者
木山 博資 小西 博之 中込 咲綾
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

神経再生を促進する分子群の発現を統合的に制御している中核的転写機構が存在すると予想されていた。今までの成果から、転写因子のATF3,cJun,STAT3の関与がとりわけ重要であることが分かっていた。本研究では、神経損傷特異的に発現する遺伝子DINEのプロモーターを用いて、これらの転写因子が別の転写因子であるSp1に結合し、Sp1を介してDNAに結合していることを明らかにした。この新たな転写因子複合体は、一部の他の神経再関連分子の転写も同様に制御することから、神経再生を起動する新たな再生コア因子複合体であることが明らかになった。
著者
佐久間 一郎 児玉 逸雄 本荘 晴朗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,計測は1台の高速度カメラで行い,撮影フレームごとにVm用/Ca2+用2種の光学フィルタを高速で切り替えて2つの信号を同時に取得するシステムを開発した.標本からの計測光は複数枚のレンズを組み合わせた光学レンズ系によってフィルタ位置で絞られ,撮影素子に復元する.本システムによりウサギ摘出心を用いて同時計測を行い,ペーシング時の活動電位波形,Ca2+動態を観察に成功した.また当初の基礎的検討では1台カメラ・フィルタ回転同期システムの光学機構設計に難航したため,平行して2台カメラとダイクロイックミラーを組み合わせた従来手法を改良し,Mutual Informationを用いて膜電位変化とCa動態を精緻に画像位置補正する装置も開発した.
著者
橋本 俊顕 森 建治 原田 雅史
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

自閉症には脳の器質的障害があり、「心の理論」、実行機能、中枢統合機能などの機能不全が生じ社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害の3徴候を示すと推測されている。このことから、社会のルール、特に明文化されない暗黙の了解、道徳的、倫理的事柄の把握が困難である。さらに、学校生活での問題行動や日常生活においての様々なトラブル、触法行為を起こしてしまうことも報告されている。本研究では自閉症児に見られるこのような問題行動と脳機能の関係を明らかにするために、倫理・道徳的場面を画像として課題負荷し、良い、悪いの判断を求め、その情報処理の過程の脳活動をfMRIを用いて測定した。対照は無意味図形とした。刺激は課題負荷45秒-コントロール課題45秒を2回、1シリーズ3分の構成のbox-carデザインで行い、判断できた合図は右手でスイッチを押させた。対象は高機能自閉症男児7名(11〜17歳)と健常男児3名(13歳)、健常成人7名、非自閉症のてんかん、Sotos症候群各1例の計19名である。検査に際しては保護者及び被験者に十分に説明し納得と同意を得た。健常者では側頭・後頭境界部〜側頭葉中部(左>右)、左右前頭葉背外側および前内側に活動性の亢進が見られた。高機能自閉症では前頭葉背〜腹(左<右)、前頭葉全部内側、頭頂葉〜側頭・後頭境界部〜側頭葉前部(左<右)に活性が見られた。その他、左中心前回、右前頭葉腹側および正中部に活性が見られた。自閉症と健常児の間では課題の正答率に差はなかった。課題の正答率に差がなかったがこれは課題内容が簡単であったことが想定されるが、実際の場面とこのような課題負荷では情動の影響が異なっていること、自閉症ではいかに行動すべきか解っているが実際に採るべき行動が採れない解離現象があることから、差が出なかったとも考えられる。fMRIの結果から自閉症では課題処理の系が健常者と異なることが想定されるが、さらに例数を増やし、課題の工夫をして検討することが必要である。
著者
鈴木 祥之 小松 幸平 下川 雄一 中尾 方人 北守 顕久 秦 正徳 中治 弘行 森 拓郎 須田 達 松本 慎也 向坊 恭介 向井 洋一 山田 耕司 後藤 正美 斎藤 幸雄 斎藤 幸雄 棚橋 秀光
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

伝統構法木造建築物では、仕口・接合部や耐力壁など構造ディテールの性能評価を含めた総合的かつ合理的な構造設計法は、いまだ確立されていない。本研究では、木材のめり込みなどによる仕口・接合部の耐力発現のメカニズムおよび土塗り壁や木造軸組の力学特性や破壊性状を実験的かつ解析的に解明するとともに、構造ディテールに基づく伝統木造建築物の設計法に適用するための評価手法を開発した。
著者
星野 周弘 原田 豊 野田 陽子 矢島 正見 米里 誠司 加門 博子 田村 雅幸 麦島 文夫
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、今日のわが国において非行の発現・深化の過程がどのような要因の影響によって生じているかを明らかにすることを目的とし、非行少年・一般少年に対する質問紙を用いたケースコントロール型の調査と、公的記録による追跡型の調査とを組み合わせたデザインによって実施した。平成12年度に行った先行研究のレビューに基づいて、平成13年度に、公立中学校の第2学年に在学中の少年(コントロール)と、非行をして警察に補導された同学年の少年(ケース)とに対し、同一の調査票による調査を実施した。平成14年度〜15年度には、非行少年に対する質問紙調査を継続するとともに、非行少年の非行反復状況を警察記録によって調査した。調査対象地は大阪府であり、最終的な分析対象者は、非行少年289人、および一般の中学2年生2,046人である。非行少年と一般中学生とを対比した分析の結果、家族との情緒的関係や父母の養育態度の悪さ、逸脱的な友人との相互作用、中学校入学以前の問題行動や中学校での学業不振、学校の規則や行事への関与の低さ、衝動性・攻撃性・興奮追求傾向・反抗性の高さ、および自己効力感の低さが非行のリスクファクターとなること、問題行動を許容しない保護者の厳格な姿勢、友人による遵法的活動への勧誘、地域における人々相互の親しいつきあいや少年の健全育成活動などが非行のプロテクティブファクターになることが明らかになった。非行反復状況に関する分析の結果からは、分析対象者の約4割が本件以外にも非行で警察に補導されていること、調査対象者の約25%は本件以前にも非行で補導された経験をもっていること、本件以後に再度非行で補導された者の割合もほぼ25%であるが、女子(17%)に比べて男子(27%)の再非行者率が高いこと、学業成績や教育アスピレーション、友人関係に関する項目が、再非行と相対的に強く関連することなどが明らかになった。
著者
津村 耕司
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究課題にて、当該年度中にすばる望遠鏡・ハッブル宇宙望遠鏡・Spitzer宇宙望遠鏡での観測をほぼ完了した。前年度までに確立した、本研究目的に特化した観測手法にて観測を実施し、データ解析を行った所、エウロパ・ガニメデ・カリストが近赤外線での波長域において木星の影中においてもわずかに明るいという新たな事実を発見した。この現象の解明は、本研究目的においても必須である為、新たに惑星科学の専門家達と相談し議論・検討をすs目多結果、木星上層大気による差太陽光の散乱が最もありえる説であるとの結論を現時点で得ている。この新発見は、今までほとんどデータが得られていなかった圧力帯(10mbar付近)での木星大気構造について、地上観測から制限を付けられる可能性を秘めており、今後の発展が期待される。そこで、これらの観測結果をまとめた論文を用意し、投稿した(現時点で査読中)。また、ガリレオ衛星食観測で目指す観測目的である赤外線背景放射について、赤外線天文衛星「あかり」やロケット観測実験CIBERによるデータ解析・成果発表等も並行して実施した。