- 著者
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山家 芳子
斎藤 隆
- 出版者
- Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
- 雑誌
- 生物環境調節 (ISSN:05824087)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.4, pp.261-264, 1999-12-31 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 7
R. multiflora var. adenochaeta, R. withuraianaおよびR.hybrida Hort.の数種の園芸種を用い, 組織解離酵素ドリセラーゼの1%液で処理したバラの種子の発芽に対する温度の影響について検討した.1) R.multiflora var.adenochaetaの種子をドリセラーゼ1%液で36時間処理した後, 5, 10, 15, 20および25℃の温度で発芽試験を行った結果, 20℃区で発芽は最も早く, 15℃区では若干遅れたが, 両区の最終発芽率は約75%の高発芽率を示した.10℃区では発芽はさらに遅れたが, 最終発芽率は82%と高かった.5℃区では発芽は著しく遅れたが, 41日目までに78%の発芽率を示した.25℃区では発芽は比較的早かったが, 最終発芽率は36%と低かった.2) R. wichuraiana, R. hybrida Hort. の‘Carolina’, ‘Playboy’およびRamblerの種子をドリセラーゼ1%液で48時間処理した後, 5, 10, 15, 20および25℃の温度で発芽試験を行った結果, いずれの品種でも10~20℃の範囲で発芽がみられたが, 温度による差は少なく, R.wichuraianaで10%前後, ‘Carolina’では15~20%, ‘Playboy’では25%前後, Ramblerでは5~10%の発芽率を示し, 品種によって若干差がみられた.いずれの品種でも5℃および25℃区では発芽はみられなかった.3) バラの種子の発芽に対する最適温度は10~20℃の範囲にあり, 5℃では発芽は遅れるが, 長期間を要すれば十分に発芽可能であり, 25℃では発芽率が低く, 高温過ぎると考えられた.