著者
坂本 葵
出版者
印度民俗研究会
雑誌
印度民俗研究 (ISSN:09116982)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-41, 2014-03-31
著者
坂本 義峰 児玉 雄二 青木 啓成 村上 成道
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2255-CbPI2255, 2011

【目的】投球動作を全身の運動として捉えることは重要とされている。われわれは投球動作について運動軸を中心として考え、体幹機能の評価を主としたパフォーマンステスト(PF)を行っている。PFを用いたメディカルチェック(MC)を某長野県立高校野球部(高校野球部)に対して行ない、結果を第44回、45回日本理学療法学術大会、第7回肩の運動機能研究会において報告した。今回の目的は3年間に得られたデータよりMC毎のPF、関節可動域(ROM)と肘関節痛(肘痛)を有する選手の人数の推移から肘痛の予防と改善について考察することである。<BR>【方法】対象は平成20年に入部した高校野球部員25名のうち、外傷により長期離脱した2名を除いた23名とした。MCは 20年4月、8月、12月、21年4月、8月、12月、22年4月の計7回行ない、PFとROMを計測した。運動軸の評価のうち8種目をPFとして実施し合計12点を満点とした。ROMは肘関節屈曲、伸展、肩関節屈曲、外転90°での内外旋、屈曲90°での内旋、水平内転、股関節屈曲、伸展、内旋、外旋の11項目であり、肘関節、股関節は左右差なしを1点、肩関節は左右差10度以内を1点とし合計11点を満点とした。ここでの肘痛とは内側型、外側型等の分類はせず、投球動作において疼痛を有するものとした。MC毎のPF、ROM、肘痛を有する選手の人数の推移をそれぞれ比較検討した。検定にはWilcoxonの符号付き順位検定を用いた。有意確率は5%未満とした。<BR>【説明と同意】MCは同校の依頼で実施し、事前に指導者と選手にはMCについての説明を行ない、同意を得た。<BR>【結果】MC毎の肘痛を有する選手数はのべ20名で20年の8月から20年12月にかけて増加し、さらに21年の4月に最も多く認め、その後減少した。肘痛により長期離脱した選手は20年12月に約2週間十分に投球できなかった選手1名のみであった。<BR>PFの平均点は、20年6.5±2.7点、21年8.8±2.5点、22年10.7±1.8点と徐々に増加する傾向にあり、20年4月と20年8月、21年4月と21年8月の間に有意な増加を認めた(P<0.05)。<BR>ROMの平均点は、20年6.4±1.4点、21年6.1±2.3点、22年4.2±2.8点と緩やかに減少する傾向にあり、20年12月と21年4月では優位な増加を、21年4月と21年8月では優位な減少を認めた(P<0.05)。<BR>【考察】20年12月から21年4月にかけてROMの点数は有意に増加し、ROMの改善を示しているにも関わらず、肘痛の選手数が増加したことは、ROMの改善のみでは肘痛を予防し得ないことが推察された。また、21年4月から21年8月にかけてROMの点数は有意に低下したにも関わらず、肘痛の選手数が減少していたことは、PFの点数が有意な増加を示したことが要因ではないかと推察された。PFが高い値を維持している21年8月以降も同様に肘痛の選手数は少ない値を推移している。これらのことより、肘痛の予防においては、ROMの改善のみでは不十分であり、PFで高い点数を得られる身体機能にしていくことが重要であると推察された。同校にはMC以外にも、運動軸の改善を目的としたセルフケアやトレーニング方法をチーム全体や個別に指導しており、その結果肘痛の改善と予防に効果があったのではないかと考えている。<BR>【理学療法学研究としての意義】障害予防に対する意識が広がり専門的な知識を必要とする監督や選手が増えている中、野球の現場へストレッチや筋力強化などの知識を持った理学療法士が介入することは有用と考えられる。野球の現場に臨む際は、選手に対し短時間で良い反応を引き出すことが求められ、そのためには全身を簡便に評価する必要がある。MCに用いた評価方法は野球現場での障害の改善と予防に対して効率的な評価が行なえるとともに、点数化したことにより選手自身にも指標となりやすい基準であったのではないかと考える。現場に赴いて成長期の経時的な変化を追い、時期に応じたケアやトレーニングを調整することにより障害がなく練習を継続できる身体機能にすることは意義があると考える。<BR>
著者
永塚 優輝 坂本 直志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.464, pp.311-316, 2013-02-28

スマートフォンなどの画面の小さなモバイル端末でのプラウジンクにおいて、専用に作られたサイト以外では不便に感じることがある。これは1画面に詰められるの情報量の制限と、画面上に配置されたナビゲーションがモバイル環境では使いにくいことによることが多い。そのための解決手法としては、通常はモバイルデバイス専用サイトの構築が行われている。しかし、デスクトップサイトをモバイルデバイスに最適化するのは容易ではなく、また、デスクトップとモバイルを別々に作成する必要があり、製作コストが増加する。そこで本研究では、デスクトップコンテンツに少しの修正を加えるだけで、デスクトップ環境から見えるデザインは変えずに、モバイル環境からは画面を自動分割して情報量を抑え、さらにj Queryを活用したナビゲーションしやすいモバイルコンテンツに自動的に変形させる手法を開発した。
著者
坂本 嘉弘
出版者
THE JAPANESE ARCHAEOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.13, no.21, pp.125-138, 2006

中世大友城下町跡は戦国時代「府内」と呼ばれた瀬戸内海の西端部の別府湾に注ぐ大分川の左岸の自然堤防上に立地する中世都市である。近年この「府内」が大分駅周辺総合整備事業に伴い大規模な発掘調査が実施されている。その結果,これまで古絵図からの復元や,文献史料で知られていた「府内」について,さらに都市構造や変遷・性格などが明らかになりつつあることを報告した。<BR>発掘調査にあたっては,考古学的な時間軸を明確にするために,「府内」から出土する土師質土器の編年作業を行った。その結果,14世紀初頭から16世紀末まで約300年間にわたる大まかな編年案を提示することが出来,「府内」各所での遺構の時期の並行関係をとらえることが可能になった。<BR>また,古絵図には「府内」を南北に貫く街路が四本描かれているが,これを東から,第1南北街路・第2南北街路と順に名づけ発掘調査した。大分川沿いにある第1南北街路は上市町・下市町・工座町の名称が示すように,発掘調査でも街路に沿って短冊形の地割が確認され,商工業者が居住する地域であることが裏付けられた。第2南北街路は,大友館や萬寿寺沿いに「府内」を貫く最主要街路である。この街路の大友館東側や萬寿寺西側については,町屋の状況を示す古文書も残されている。発掘調査では,その町屋の実像だけでなく,成立までの経過も明らかにすることが出来た。第4南北街路は,「府内」の西端の街路であるが,古絵図には街路西側にダイウス堂と記載された場所があり,キリシタン施設が想定されていた。発掘調査の結果,小児墓やキリシタン墓を含む13基の墓が検出され,宣教師たちが報告した墓地の南端にあたる可能性が強いと想定している。<BR>「府内」からは,多量の貿易陶磁器が出土する。特に,第1南北街路と第2南北街路を結ぶ横小路町で検出された遺構からは,中国・朝鮮のみでなく,タイ・ミャンマー・ベトナムなど東南アジアの陶磁器が集中的に出土し,中国南部と直接関わる人物の存在が指摘されている。<BR>また,キリシタンの活動に関連する遺物としてメダイがある。ヴェロニカのメダイ以外は,「府内」の第2南北街路と名ヶ小路との交差点部で検出された礎石建物付近で,分銅と共に製作された可能性が強いと考えられる。<BR>このように,16世紀後半の「府内」は海外との結びつきの強い特異な中世都市として存在する。残された史料も,古絵図,古文書,宣教師たちの報告など多彩であるが,これに考古資料が加わり,「府内」の実像がより立体的に明らかにされようとしている。
著者
坂本 彬 井上 博之 中川 致之
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.326-330, 2012-07-15
被引用文献数
4

(1) 日本国内で市販されている世界各地で生産された紅茶12銘柄を購入し,その化学成分などを分析,測定した.12銘柄はスリランカ4,インド3,中国2,日本1である.<BR>(2) タンニン,カテキン類8項目,没食子酸,テアフラビン類4項目,L-グルタミン酸,L-テアニン,<I>γ</I>-アミノ酪酸,遊離糖類3項目の含有量は変動が極めて大きかった.グルタミン酸,テアニン,また総アミノ酸については並級煎茶に匹敵する量を含む銘柄もあった.また<I>γ</I>-アミノ酪酸を60mg%以上含む銘柄もあったが発酵過程で増加したものであるかは判別できなかった.<BR>(3) 4種のテアフラビンを個別に定量した結果,テアフラビン-3,3'-di-0-ガレートが最も多く,ついでテアフラビン-3-0-ガレート,次ぎに遊離のテアフラビンでテアフラビン-3'-0-ガレートが最も少なかった.また,テアフラビン合計値と赤色彩度を示す表色値aの間に相関が認められた.<BR>(4) 遊離の糖類のうち,蔗糖,ブドウ糖,果糖,麦芽糖を分析したが麦芽糖は含まれず,検出された3種のうち蔗糖,ブドウ糖が多く,糖類合計として平均1.6%であった.<BR>(5) 紅茶に含まれる有機酸のうち,シュウ酸を分析した.12銘柄平均含有量は0.54%であったが,シュウ酸特有のエグ味として影響する量ではないように思われた.<BR>(6) pHは緑茶同様にほぼ一定範囲に収まり,ほぼ5.00~5.4の範囲であった.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
坂本 賢三
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.456-464, 1983-06-01 (Released:2010-05-31)
参考文献数
27

A role of imported steamships and their main engines at the beginning of modern industry in Japan is scrutinized and examined in this paper.Before the first arrival of steamship to Japan in the year 1853, some of Japanese artisans had endeavoured to make up a side-lever engine only in dependence on a translation of a Dutch textbook. They successfully built up a steamship and it operated well in 1854, but these trials were suspended and many western steamships were imported, because it was so difficult to make up complicated marine engines such as an oscillating engine without machine-tools and related industry. In addition, there was no time to prepare for the foreign pressure. But the importation of steamships played a great part for the progress of Japanese marine engineering.At that time, in Europe the marine engine had been in the era of innovation, for example, the spread of oscillating engine or double-cylinder engine etc., and also the change from paddle wheel to screw in propeller. Steamships equipped new-type engines were imported successively, and Japan could keep up with the times. In 1862, excellent engineers went abroad for study and joined in construction of an ordered ship in the Netherlands, thus they could learn in practice. Using the imported ships, Japanese engineers grew accustomed to operation and repair of new machines. There was a rather good understanding of the necessity of dockyards for repair and such shipyards made a contribution to the development of marine engine in Japan.
著者
坂本 千城 渡辺 武夫 坂本 洋子 宮本 治子 山岡 寿美子 三浦 治子 松村 一主功 松井 利充 中尾 実信 藤田 拓男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.485-490, 1983-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
11

閉経期後又は老年性骨粗鬆症の原因は複雑であり, 現代までに, 内分泌的, 栄養的, 物理的, 遺伝的等の諸因子が考えられたが, 免疫学的因子は未だ検討されていない. しかしながら, 骨粗鬆症が, 多くの膠原病や自己免疫疾患と同様に, 女性に多いこと, 又免疫異常の起り易い老年に多いこと, 自己免疫疾患として有名な慢性関節リウマチで, 関節周囲に骨粗鬆症様の変化が見られること, 更に骨粗鬆症では, 骨の吸収と形成してアンバランスが見られるが, 骨の吸収の主体である破骨細胞は, マクロファージ起源であるともいわれ, リンフォカインの一種であるOAFによって, その活性が刺激される等の現象は, 骨粗鬆症の原因の一つに, 免疫異常があることを, 疑わせるのに充分である.加齢とともに細胞免疫の一つの指標であるツベルクリン反応は陰性のものが多くなり, ことに骨粗鬆症を示すものでは, 示さないものよりも同年齢でも陰性者の率が高く, 又ツベルクリン陰性者は陽性者に比べて, 橈骨の鉱質合量が低下している. 末梢総リンパ球数及びTリンパ球数には, 骨粗鬆症患者と骨粗鬆症を有しないものの間に差はないが, OKT4/OKT8 (ヘルパー/サプレッサー) 比は, 骨粗鬆症患者では骨粗鬆症を有しないものに比べて, 高値を示す. 0.5μg/日の1α(OH)ビタミンD3を投与すると, 骨粗鬆症患者におけるツベルクリン反応は陽転するものが多く, 又, OKT4/OKT8比は低下する. これらの所見から, 骨粗鬆症にはある種の免疫異常, ことに細胞性免疫の低下が存在すると思われるが, その病態生理学的意義は, 今後の検討を要する.
著者
坂本 真惟
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
北海道大学大学院文学研究科研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-14, 2014

1529年からの神聖ローマ皇帝カール5世によるイタリア凱旋巡行のために,イタリア各地ではその地の最高の芸術家を動員して,その祝祭に備えた。イタリア中部の都市シエナも例外ではなく,カール5世来訪を歓迎するために,政府は多くの芸術家に作品制作を依頼していた。その中で最も重要であったのが,ドメニコ・ベッカフーミ(1486-1551年)によるシエナ市庁舎コンチストーロの間(Palazzo Pubblico,Sala del Concistoro)の天井画である。これまで先行研究では,本作品に示された思想的な源泉を探ることが中心に論じられることが多く,その図像に関する考察は十分とは言い難い。そのため,本稿ではそれまでのシエナ美術との比較を通して,本作品にシエナ美術の伝統とベッカフーミの新しい工夫の双方が示されていることを指摘する。具体的には«スプリウス・カッシウスによる打ち首»と«アエミリウス・レピドゥスとフルウィウス・フラックスの和解»の二場面を取り上げ,「斬首の図像」,「抱擁の図像」,「背景の建築モティーフ」に注目する。以上の議論を通して,本作品がシエナ美術の伝統を踏襲しながらも,新たな工夫を加えて描かれ,そのことによって古代ローマにさかのぼるシエナの系譜と,政治・芸術の面での繁栄を誇った13-14世紀シエナの黄金時代の再来を示していると結論づける。
著者
下方 浩史 葛谷 文男 吉峯 徳 浅井 幹一 坂本 信夫
出版者
The Japan Geriatrics Society
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.391-397, 1983

老化と深いかかわりを持つ高脂血症・動脈硬化の予防と治療に関する研究の一環として, 食事と血清脂質の関係について明らかにするための検討を行なった. 121名の健康な成人を対象に3日間の食事内容を調査し, 同時に測定した肥満度, 血圧, 血清脂質との関係について多変量解析の手法を用いて検討した.<br>まず血清脂質と食事内容とに対して正準相関分析を行ない, 弱いが有意な相関があることを確認した. 食事内容に血圧, 肥満度を加えて血清脂質との間に正準相関分析を行なったところ, より強い相関関係が示された. 次に血清脂質の各々について食事内容との間に重回帰分析を行なった. 総コレステロール, 高比重リボ蛋白コレステロール (以下HDL-コレステロールと略す), トリグリセライド, Atherogenic Index は食事内容に肥満度, 血圧を加えることによってはじめて有意な相関を示したが, リン脂質は食事内容のみでも有意な相関を示した.<br>食事のどのようなかたよりが血清脂質に大きな影響を及ぼすかについて次に検討した. 摂取食品に対して因子分析を行ない, 各食品の摂取状態の分布を求めたところ, 食品を大きく4つの群に分けることができた. しかし得られた各因子と血清脂質との間には, はっきりした関係は見い出されなかった. そこで食事のかたよりの具体的な指標として, 食品を植物性のものとそうでないものに分け, 植物性食品の摂取量と血清脂質との関係について検討した. その結果, 植物性食品は多少総コレステロールを低下させる傾向があるが, それ以上にHDL-コレステロールを大きく下げることがわかった.
著者
名取 良太 岡本 哲和 石橋 章市朗 坂本 治也 山田 凱 ISHIBASHI Shoichiro 坂本 治也 SAKAMOTO Haruya 山田 凱 YAMADA Gai
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 = Journal of informatics : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.31-42, 2016-08

地方議会は,民主主義において重要な役割を担う存在である.しかしながら,日本の地方議会は,多くの市民から信頼されず,その役割を十分に果たしていないと考えられている.ところが,「地方議会が十分に役割を果たしていない」と主張するための定量的な根拠は,ほとんど示されていない.その原因の一つは,地方議会に関する膨大な資料から,適切なデータを取得するのが困難なことにある.そこで我々は,会議の開催状況や議案の審議過程,各議員の属性・発言内容・議案への賛否態度などを,定量データとして格納した地方議会データベースを開発した.本論文では,会議録や広報紙などから,どのようにデータテーブルを作成したかを説明するとともに,データベースを活用してどのような分析が可能になるかを紹介していく.Although the local assembly is one of the key organizations supporting the democratic system, many Japanese recognize that the local assemblies do not perform their expected roles. However, there is no quantitative evidence for this inadequate performance due to the difficulties in collecting quantitative data about the local assemblies. In this study, we explain the database system that we developed regarding local assemblies and present the data files for use in quantitative analysis.
著者
早田 保義 坂本 隆行 河塚 寛 坂本 宏司 筬島 豊
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.517-525, 2002-07-15
被引用文献数
2 7

メロンの香気成分分析においてPorapak Qカラム濃縮法(PQM)の有効性を明らかにするため, 従来の抽出方法である直接ヘッドスペースガス採取法(DHSM)および減圧連続蒸留抽出法(SDEM)と成分の回収量や回収率および再現性等について比較・検討した.検出された揮発成分数はPQMが103成分で最も多く, 次いでSDEMが66成分, DHSMが8成分であった.同定された揮発性成分は76成分であり, アルコール類では, 2-Methyl-1-propanol, 2-Methyl butanol, 1-Hexanol, 1-Heptanol, 1-Nonanol, (Z)-3-Nonen-1-ol, (Z)-6-Nnen-1-ol, (Z, Z)-3, 6-Nonadien-1-ol, Benzyl alcoholおよび2-Phenethyl alcoholなどがPQMで比較的多量に検出された.アルデヒド類では2-Methyl butanal, 3-Methyl butanal, Nonanal, (E, Z)-2, 6-NonadienalおよびDodecanalが, PQMで多く回収された.エステル類では両抽出法でPropyl acetate, 2-Methylpropyl acetate, Butyl acetateおよびBenzyl acetateが比較的多量に回収されたが, 回収効率はEthyl propionateおよびMethyl butyrateなど低沸点成分の多くがほぼ同程度であり, 中高沸点成分はPQMが良好であった.含硫化合物はEthyl (methylthio) acetateおよび2-(Methylthio) ethyl acetateがPQM, SDEM共に, Ethyl 3-(methylthio) propionate, 3-(Methylthio) propyl acetateがPQMでのみ検出された.成分の抽出変動係数はPQMでは平均11.90%であったが, SDEMでは平均37.13%とPQMの安定的な再現性が得られた.また, PQMで得られた香気濃縮物そのものの香りはメロン特有の自然な香りであったが, SDEでは煮え立ったような重い匂いに変性した.PQMは従来の抽出方法に比べ操作が簡便・迅速に行え, 更に幅広い沸点範囲の香気成分を変性させること無く回収でき, 再現性が高いことからメロンの香気抽出法として優れた方法であると判断された.
著者
坂本 真士
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.156-161, 1994-06-20 (Released:2010-07-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

There have been two views on how depressed people perceive themselves. One argues that they attend excessively to negative aspects of their selves. The other views that the depressed attend evenly to positive and negative sides of themselves, and the nondepressed persons attend more to their positive aspects. This study examined these views of cognitive bias, through a comparison of self referent judgments of trait adjcetives by mildly depressed and nondepressed groups of people. The Beck Depression Inventory was used to measure the severity of depression, and mildly depressed and nondepressed students, 342 in total, made self-referent judgments with a list of trait adjectives. The list consisted of pairs of semantically similar adjectives with contrasting desirability. With negative words, the mildly depressed tended to judge themselves more negatively than the nondepressed control. With positive words, no significant differences were found between the judgments by the two groups. It was concluded that negativity bias in self judgments was characteristic of the depressed persons.