著者
岡田 東一 鈴木 健太郎 柴田 俊一 萩原 武士 兼田 利勝
出版者
福井工業大学
雑誌
福井工業大学研究紀要. 第一部 (ISSN:02868571)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.159-166, 2003-03-20

The time capsule [Biological and Environmental Specimens Time Capsule] aims at the storage of biological and environmental data on contemporary earth until 1000 year future from now on. In order to make the samples kept in the capsule for ultra-long time useful in judging that of biological and environmental degradation of the earth comparing the data with 1000 year time difference, two conditions for the biological contents in the capsule are necessary they are: (1) oxygen free and (2) temperature below -60℃, which should strictly be fulfilled for 1,000 years. The ultra-long-term recorder has been developed which is energized by the stored energy of the materials. The time span [t] is regulated by the torsion creep behavior of pure copper. The pressure [P] in the capsule is to be monitored by a pen cylinder type pressure gauge, and temperature [T] by bimetal. All these three essential key values: P, T, in the capsule and time are to be recorded on the clean surface of metal plate with the scratch of the needles, which follows on each sensor. The extrapolation of the torsion creep data gives approximately 8 rotations on time scale shaft, which leads us to the 40mm transverse motion of scratch needles during 1000 year [3×10^<10>sec] lapse of time.
著者
藤井 洋一 今村 誠 高山 泰博 鈴木 克志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.212-213, 1997-09-24
被引用文献数
4

近年大量のテキスト情報がインターネットなどを通じてアクセス可能となるにつれて, 蓄積された文書の分類整理を目的とする文書の自動ファイリングへの要求が高まっている。特に文書内容による自動ファイリングが望まれる。そのための技術としてベクトル空間モデルがある。ベクトル空間モデルによる自動分類は自動学習可能なため, 大量のテキストデータを扱う場合に適している。しかし, ベクトル空間モデルによる分類は単純に単語の出現頻度のみを捕らえて分類先を決定するため分類精度に問題があり, 精度向上のための方式が提案されている。例えば, 河合は単語の意昧属性を用いて分類精度が向上することを示し, 福本はクラスタリングにおいて辞書の語義文を用いた多義解消により精度が向上することを示した。我々は, [1]で指摘されている単語の多義性を共起情報を用いて解消すれば精度向上すると予測した。ただし, 従来の言語学で言われる「多義語」を多義解消するのではなく, 分類が詳細になった場合顕著となる複数分類項目で頻繁に出現する単語に注目した(例えば, 単語「大統領」は<首相<や>大統領選挙>といった複数の分類項目で頻繁に出現する)。この, 複数分類項目で頻繁に出現する単語を「分類多義語」と定義し, 共起情報を用いて「分類多義語」の多義を解消した自動分類を試みた。今回, 本方式で自動分類した結果と, 河合の方式のうち単語のみの情報で自動分類(従来方式と呼ぶ)した結果とを比較し, 本方式が有効な場合を明らかにする。また, 従来方式でも本方式でも解決できない点を分析する。
著者
鈴木 聡
出版者
日本微生物生態学会
雑誌
日本微生物生態学会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.23, 2007-09-15

海に目を向けてみよう.海にはクジラや魚からプランクトンにいたるまでたくさんの生物がいます.しかし,海洋にいる生物すべてを集めても,海洋全体の有機物の1%程度にすぎません.では, 99%の有機物はなんでしょう?それは「溶存態有機物」と呼ばれるもので,それを栄養として利用できる生物は微生物だけなのです.
著者
額尓徳尼 堀田 紀文 鈴木 雅一
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.338-350, 2009-11-30
被引用文献数
1

内蒙古自治区全域における砂漠化と緑化事業がもたらした植生変化の実態を把握するために,NOAA/AVHRR の衛星リモートセンシングデータから求めたNDVI(正規化植生指数)を用いた検討を行った。まず,文献から植生変化の実態が明らかな地域において,NDVI の変化と植生変化について比較し,1982~1999 年までの約18 年間における植生の変動を調べた。植生変化が少ない地域でのNDVI の変動から,植生増減を判断するNDVI 変化の閾値を検討し,1982~1986 年と1995~1999 年の夏季NDVI の差を ΔNDVI とし,植生の増減を8km 分解能のピクセル毎に求めた。そして,ΔNDVI により植生が変化した地域を抽出して図化した。その結果,内蒙古自治区全体としては,NDVI が増加した地域の割合が減少した地域の割合を大きく上回り,植生増加の傾向が示された。赤峰市(特に敖漢旗)の植生増加が顕著であり,次いでシリンゴル盟,フフホト市,バヤンヌール市の一部にまとまったNDVI 増加が示され,内蒙古全域においてNDVI が増加した面積が約20 万km<SUP>2</SUP> 程度見られた。北半球の高緯度地域では温暖化によるNDVI の増加が報告されているが,行政区毎に求めたNDVI が増加した地域の面積と,統計資料に基づいて集計した造林面積と耕地化された面積の合計に良好な比例関係が見られ,内蒙古自治区における夏季のNDVI 増加は主に緑化と農耕地の拡大という人為的な要因による植生増加である。一方で,NDVI 減少が抽出された内蒙古自治区西部(アラシャ盟),東北ホルチン砂地周辺などでは,もともと植生が乏しい地域であり,これらの地域では砂漠化による植生減少が指摘された。
著者
鈴木 智也
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2006

自然界には多数の要素が相互作用し,複雑な現象を生み出す力学系が多く存在する.近年,観測技術の向上により,メカニズムに関与する要素の振る舞いを同時に観測することが可能になってきた.しかし,膨大な情報から有用な情報を引き出すには,効率の良い解析手法を考える必要がある。本研究において,観測データのみから,元のシステムを構成するネットワーク構造を捉える解析手法を提案してきた.提案手法の性能を評価する実験では,数理モデルを用いて多面的に分析を行った.例えば,結合写像力学系や神経回路網モデルなどを構成し,時間発展させることにより時系列データを観測する.その観測データのみを用いて,元のネットワークの構造を推定し,その推定精度をもって提案手法の性能を評価した.また,実験に用いたネットワークのトポロジーとして,近年注目を浴びているSmall-WorldネットワークやScale-freeネットワークを生成し,複雑ネッ.トワーク科学により得られた知見を本研究に積極的に取り入れた.さらに応用研究として,ネットワーク構造を活かしたシステムの振舞いの予測法や,ブートストラップ法を予測法と組み合わせることにより,少数データでも高い予測精度を維持する手法などの検討も行っている.
著者
鈴木 松三
出版者
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09168400)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.85-95, 2006-03-25

「…雪がどっさり降ったのです。その雪の上からお日様がキラキラと照らしていたので、雪は眩しいほどに反射していたのです。」南吉はこのような日本の原風景の中で、民話的なメルヘンの世界を描いている。そして、その風景の中で重荷を背負いながら歩んで行くという悲劇性を織り込んで展開させていく。ではいったい、その悲劇性であるモチーフはどこにあったのか、そのことを作品・日記から探ってみることにする。今回はその前編として、作品「帰郷」までを対象にすることとする。
著者
村田 育也 鈴木 菜穂子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.435-442, 2009
被引用文献数
1

近年,携帯電話使用の低年齢化にともない,未成年者が携帯電話を用いた犯罪の加害者や被害者になる事件が増えている.年齢によって持てる責任に限界がある未成年者に,保護者の監督下から離れて,携帯電話を1人で使用させることには大きな問題がある.本研究の目的は,未成年者の年齢と責任能力の関係を明らかにし,未成年者の責任能力の観点から携帯電話の使用適正年齢を検討するための資料を作ることである.まず,未成年者に関する法律や判例などで認められている未成年者の責任能力について整理した.その上で,未成年者が関わった出会い系サイトに関する事件を,新聞社2社の記事データベースを用いて2002年から2005年までの4年間について調べた.重複を除く1,130件の事件事例を収集し,これらの事件に関わった未成年者1,314名の年齢分布を用いて,未成年者の責任能力について考察した.
著者
鈴木 佑 大竹 孝平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.363, pp.7-12, 2004-10-14
被引用文献数
1

従来のくし形フィルタなどフィルタ形のピッチ検出法では、検出する音階の基本周波数および倍音周波数で零出力とする遮断形のくし形フィルタを用いているため、音階検出手順が煩雑で、検出精度や処理量の点で問題があると考えられる。本論文では、各音階の基本周波数および倍音周波数でシャープなバンドパス特性を持つ通過形のくし形フィルタである音階分離フィルタバンクを用いたピッチ検出法を提案している。音階分離フィルタバンクと音階検出特性を向上させる音階レベル検出器の構成法を明らかにし、また、計算機シミュレーションにより音階検出特性を示している。
著者
米澤 朋子 鈴木 紀子 安部 伸治 間瀬 健二 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.25-30, 2008-05-21

擬人的媒体等とのインタラクションに伴う音声表現に,連続的な声色表情付与を狙いとし,STRAIGHT を用いた音声モーフィングを同一歌唱者の表情無し歌声-表情付き間歌声間に適用した.合成音の声色の表情強度に関して一対比較を行った結果,第一刺激に比べて第二刺激の表情強度が増す場合と減る場合で,刺激間の差分の知覚が異なることがわかった.これに基づき声色の表情付け手法を議論する.This paper proposes and evaluate a method for synthesizing continuous expressions in vocal timbre by gradually changing spectral parameters based on STRAIGHT speech morphing algorithm among differently expressed singing voices. In order to synthesize natural change of various and continuous strengths of singing voice expressions, a singing voice without expression, "normal," is used as the base of morphing, and singing voices of the particular singer with three different expressions, "dark," "whispery" and "wet," are used as targets. The results of the paired comparison between different strengths of vocal timbre suggested that the decrease of the expression in vocal timbre is more perceived than the increase in some expressions.
著者
澤邉 知子 鈴木 純司 小野 定康
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1207-1214, 1994-10-20
被引用文献数
2

パイプライン演算器を中心とする従来のDSPは, 画像符号化への応用に対し, 積和演算が主体の変換符号化等の処理効率は高いが, シリアルなビット列に対する論理演算が主体のハフマン符号化等の処理効率は低いという問題があった.本論文では, こうした特性を有するエントロピー符号化の高速処理が可能で, しかも実現アルゴリズムをプログラムで記述することにより, 機能の柔軟性をも兼ね備えた新しいシステム構成法を提案している.最初にJPEG符号化を例に, 符号化処理に含まれるビット列処理の比率を明らかにし, ビット列処理と演算器との不整合性を指摘する.そして, 高位記述論理合成LSI-CADシステムとFPGA(Field Programmable Gate Array)による新しいアプローチを提案し, 実際にハフマン符号化部の設計を行った結果について述べ, DSP/汎用マイクロプロセッサとの処理速度の比較結果から, 高速性と機能の柔軟性の2つの目標が達成可能であることを実証している.
著者
松原 宏 加藤 和暢 鈴木 洋太郎 富樫 幸一
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.443-450, 2000-12-31
被引用文献数
1

経済地理学会大会シンポジウムの前日(2000年6月3日)午後, 駒澤大学にて「グローバリゼーションと産業集積の理論」と題したラウンドテーブルを企画した.以下には, ラウンドテーブルの主旨, 加藤・鈴木・富樫の3氏の報告要旨, 討論の概要を掲げる.なお, オーガナイザーは, 松原が務めた.
著者
鈴木 智典 宮崎 智
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.92-97, 2009-05-16

我々は,現在インターネット上で公開されている生物学的データベースのURLや公開形式,検索ページのCGIパラメータなどを網羅的に集めたデータベースのデータベース(バイオメタデータベース)を構築し,データ検索から初め,遠隔操作によって複数のサイトの解析ツールを組み合わせて研究に応じた解析ワークベンチの動的な構築を試みている.メタデータベースの概要とワークベンチの事例について報告する.
著者
鈴木 智香子 大月 敏雄 深見 かほり
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.628, pp.1173-1180, 2008-06-30 (Released:2009-09-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

This study aims to clarify the background and the process of transformation of the Inari-yamashita accomodation housing built for the victims of the Great Kanto Earthquake built in Yokohama City in 1925, which was a 1st-floor wooden tenement house. We found that this housing was one of the two facilities for accommodating the victims evicted from temporary shanties, under the strong intention of social welfare by Yokohama City. And the planning of this accommodation was quite similar to that of the Dojunkwai Foundaation, but this accommodation has used the old materials like king-post-truss from the roof of the former shanties, so in a structural way, this was a big condition of construction of this accommodation. Through measuring this building, we investigated many activities of the dwellers to transform the housing.
著者
冨岡 亮太 鈴木 大慈 杉山 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.182, pp.43-48, 2009-08-24
被引用文献数
2

スパース正則化は凸最適化を通して変数選択や多様な情報源の統合を実現するための系統的な枠組みとして近年注目されている。多くのスパース正則化法は滑らかでない最適化問題として定式化されるため、このような問題を効率的に解く方法が求められている。本論文では、一般の凸な損失関数と広いクラスの正則化関数に対する最適化手法をproximal minimizationの枠組みから導出し、理論的な性質を議論し、既存の手法との関係を解説する。講演では実際のパターン認識やCVの問題を題材として、非常に多くの素性やカーネルが与えられたもとでいかに効率よくこれらを選択し学習することができるかデモンストレーションを行う。
著者
森脇 和郎 鈴木 仁 酒泉 満 松井 正文 米川 博通 土屋 公幸 原田 正史 若菜 茂晴 小原 良孝
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

日本産野生動物種には、日本列島の生物地理学的な位置づけを反映して独自の分化を遂げたものが少なくない。これらの起源を解明することは、日本の研究者が日本に生息する種を対象にするという「自国に目を向ける立場」を別にしても興味深い。従来、日本産野生物動種については形態的分析に基づく分類学的および生態学的な研究がおもに行われてきたが、この方法論だけではこれら野生種の起源を解明することは難しい。近年著しい進歩を遂げた分子遺伝学的解析法は、集団遺伝学的な種の捉え型と相まってこの問題の解決に大きな力を発揮することが期待される。一方、わが国における人口の増加、経済活動の増大に伴う国土の開発、自然環境の汚染などによって、自然界における野生動物種の分布が改変され、時にはそれらの生存する脅かされるに至った現状を注視すれば、日本産野生種の分布や起源を検討するタイミングは今をおいてない。本研究は、日本産野生動物種の中から各分類群に属する代表的な動物種を選び出し、種内変異や近緑グループとの関係を明らかにして従来の分類体系を再検討するとともに、系統分類学および生態的に異なる動物種の起源について総合的に比較検討することを目的としている。ハツカネズミ・イモリ・メダカ・ウニ・ホヤなど日本に古くから生息する動物種は生物実験材料としての実用性と将来性に富む素材であり、実験動物の開発・利用という観点からもその重要性は見過ごすことはできない。野生種の起源を遺伝学的な観点から解明する研究は、必然的に種分化の遺伝機構にも踏み込むことになろう。この機構の基盤にはHybrid dysgenesisという現象にみられるように、その根底には発生機構、生殖機構の遺伝的制御という問題も包含しており、今後の生物学の新しい展開への有効な基盤となる可能性を秘めている。