著者
米田 稔 中山 亜紀 杉本 実紀 三好 弘一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究ではシリカナノ粒子を対象として、一般環境からのナノ粒子の曝露量評価を行った。シリカナノ粒子の生活環境中大気濃度をロープレッシャーインパクターで捕集し、ICP-AESで測定した。その結果、生活環境空気中シリカナノ粒子濃度として12. 7ng/m3という値を得た。この値をマウスの生体組織中シリカナノ粒子の分布モデルの計算に使用した結果、シリカナノ粒子の内、0. 3pgは肝臓に蓄積することが、また人間に対する分布モデルの計算では肝臓に1200pgのシリカナノ粒子が蓄積することが明らかとなった。
著者
長與 進 長縄 光夫 原 暉之 エルマコーワ リュドミーラ ミハイロバ ユリア 澤田 和彦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

4年間(平成13-16年)にわたった科学研究費補助金による研究課題「来日ロシア人の歴史と文化をめぐる総合的研究」は、研究代表者1名と研究分担者11名(研究開始時の分担者1名が途中で逝去されたため、平成15年より新たに1名を補充)を中心として遂行された。具体的な研究活動は、このメンバーを中心として組織された「来日ロシア人研究会」を母体として、上記年度内に合計して20回開かれた定例研究会(うち2回は函館と長崎における研究合宿)を軸として進行した。定期的な研究活動をもとにして、平成15年3月に『共同研究 ロシアと日本』第5集を、平成17年3月に『共同研究 ロシアと日本』第6集を刊行することができた(「研究成果報告書」その1とその2として提出)。その1には聞き書き2編、論文14編、資料1編が、その2には聞き書き2編、論文19編が収録されている。両論文集は国内のみならず、国外の関連大学・図書館・研究所などに広く配布された。さらに「来日ロシア人研究会」のニューズレターとして、『異郷』を合計11冊(11-21号)刊行した。具体的成果の積み重ねによって、本研究課題を開始した際の「研究目的」-来日ロシア人の社会活動と文化活動が、わが国の文化・思想・宗教・教育・芸術などの学術分野と、さらに日常生活の次元において、どのような形で残され、継承されているかを検証すること-は、かなりの程度果たされたと考えている。
著者
吉村 武彦 杉原 重夫 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

墨書土器に関する研究文献データベースは、総計が1,866件になった(継続中)。墨書土器データベースは、全国簡易版(釈文・遺跡名・所在地・出典データ)が108,744点、詳細版は四国4県、鹿児島を除く九州6県と、北陸の富山、東海の静岡、および飛鳥・藤原・平城宮出土の墨書土器を公開した。この成果により、関東以西の墨書土器の全国的比較研究と都城との比較が可能になった。地域研究は、千葉県市川市を対象に進めている。
著者
岡田 博美 和田 友孝 六浦 光一 大月 一弘 榎原 博之 棟安 実治
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,情報通信機器の未搭載車両を考慮した上で、衝突回避支援システム(VCASS)搭載車両が走行中の周辺状況の認識とその情報広報を自動的に行うことにより,安全な道路交通を可能とする次世代型システムの開発を行った。研究結果をまとめると以下のようになる。1)非情報化車両の搭乗者のもつ携帯端末に、VCASS機能を代行するシステムを装備し、車両間衝突回避を実現するS-VCASSを開発し、その有効性を実験で確認した。2)歩行者の動きを追尾し、位置予測を行うことにより車両との事故回避支援を行うP-VCASSを新たに開発した。3)関連要素技術として、RFIDシステムを用いた迅速で高精度の測距・位置情報獲得方式として新たにCRR方式、S-CRR方式を開発した。
著者
タレブ タリク
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の分野はConvergence of Networks(ネットワークの融合)として世界的なホットトピックとなっている。現在、次世代ネットワーク(NGN)に関する議論が盛んに行われているが、通信速度やカバレッジなど様々な特徴をもつ次世代ハイブリッドネットワークには、シームレスな接続に加えてセキュリティ問題やアプリケーションが容易に流通できるプラットフォームの開発が緊急かつ重要な課題である。本研究では以下の提案を行い、国内外で高い評価を得た。-ハイブリッドネットワーク向けの新しいQuality of Serviceアーキテクチャーの提案-安定性と効率を両立した経路選択技術の開発-無線、有線ハイブリッドネットワークにおける高効率・高品質な通信プロトコールの提案
著者
松井 幸雄 木村 修二 小酒 英範
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

噴射率選定自由度及び制御応答性に優れている燃料噴射系であるコモンレール式を基本に、単発噴射化の改良、燃料噴射圧の向上をまず始めに進めた。単発噴射化は噴射コントローラーの改造と制御プログラムの開発によって対応した。また噴射圧力の向上は特設の増圧ユニットの新規開発によって実現した。上記燃料噴射系の単体性能試験に拠れば、最大噴射圧力は175MPaに至った。一方、噴射率制御に関しては、パイロット噴射、スプリット噴射、N回分割噴射が可能であることを確認した。予圧サプライポンプ、急速圧縮膨張装置の駆動、燃料噴射等の同期を具現化するためのコンピュータ制御システムを完成し、当該噴射系を急速圧縮膨張装置に組み込み、燃焼実験に供した。その結果、着火遅れ期間は噴射圧力の向上やノズル噴孔径の縮小につれて短縮されること、今回の実験範囲では噴射圧力の向上に対する着火遅れ期間短縮傾向は飽和領域に至っていないこと、パイロット噴射によると主噴射燃料の燃焼による燃焼器内圧力上昇率が緩和されること、分割噴射に呼応して複数回熱発生率が出現するものの、遅い噴射に対する熱発生率が緩慢になるなどの挙動が確認できた。さらに、ノズル仕様が噴霧燃焼の燃焼室壁面への熱損失に与える影響を急速圧縮膨張装置による燃焼実験で明らかにするために、ノズルの噴孔径・噴孔数・噴射方向などが燃焼効率と熱損失割合に与える効果の定量的な把握を試みた。その結果、噴霧火炎と燃焼室壁面の接触を極力回避することを狙い、小噴孔径化と噴孔数増加を組み合せると、熱損失は減少するものの、各噴霧間の相互干渉に起因すると考えられる燃焼効率の低下が見られること、この燃焼効率低下を避けるために、噴射角度の異なる噴孔2種を組み合せた二段型ノズルでは、燃焼効率は改善するが、逆に熱損失割合は顕著に増大するなどの実験的事実を得た。
著者
坂本 旬 山田 泉 村上 郷子 新井 紀子 菅原 真悟 御園 生純 シヤピロウ ノーマン・P シエラ オフマン・ガーシュ 樋口 浩明 TEP Vuthy 高木 勝正 重松 栄子 中村 優太 佐々木 順子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は、(1)「NetCommons」による文化探究学習の有効性を検証し、(2)文化探究学習理論を活用した「異文化理解」に国連やユネスコによる「メディア情報リテラシー教育」に関する最新理論を融合した教材の作成とその実践を行ないつつ、(3)日本及びアメリカ、カンボジア、中国の初等・中等・高等教育レベルの学校・大学とのICTを活用した協働的な文化交流学習の有効性を実証したことである。本研究の総括として、国際シンポジウム「文化葛藤時代のメディア・リテラシー教育-国連『文明の同盟』と日本の実践・課題」を開催した。
著者
滝澤 修 久田 嘉章 細川 直史 久田 嘉章 細川 直史 柴山 明寛
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

大規模災害時の被災地調査システムとして、RFID(電子タグ)リーダ・ライタ、GPS、GIS(地理情報システム)と携帯型パソコンを組み合わせた端末の研究開発を行った。RFIDを情報交換用の記憶媒体とするほか、GPSを補完する位置情報源として用い、調査作業の負担軽減及び時間短縮を実現した。
著者
横井 正信 近藤 潤三
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

近年の経済のグローバル化、経済成長率の低下、国民の高齢化といった先進諸国共通の構造変動がドイツの協調重視型の経済社会・福祉国家体制をどのように変容させつつあるかを、具体的な政策対応の面から調査分析した。その結果、福祉国家体制再編のための政策面での選択肢の幅の狭さが二大政党の政策面での実質的接近をもたらすと共に、両党間の差異を不鮮明化させ、従来のドイツの政党システムに大きな変化をもたらす可能性があることを明らかにした。
著者
加藤 哲郎 田中 ひかる 丹野 清人 堀江 孝司 小野 一 岡本 和彦 井関 正久 大中 一彌 高橋 善隆 鳥山 淳 島田 顕 許 寿童
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、研究代表者が長年進めてきた現代国家論研究と近年取り組んでいる情報政治研究の結節点で、経済のグローバル化と共に進行する国内政治の国際政治化、国際政治の地球政治化を解析した。モノ・カネ・ヒトが国境を越える「帝国」型グローバル政治の形成と、そのもとで進行する民衆の移動・越境・脱国家化の動きに注目し、既存の概念の変容と新しい課題を実証的な国際比較と歴史的・思想的系譜から考察した。
著者
小沢 慎治 斎藤 英雄
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究はインタラクティブな放送を実現するために、サッカー中継を例に取り上げ、視聴者の意図に適合した視点からの映像を自動的に生成するシステムを開発する事をめざしている。サッカーなど広域にて行われるスポーツにおいてはひとつのカメラですべての動きを撮影することはむずかしく、役割の異なる複数のカメラで撮影して、シーンに適切な映像に切り替えて放送されており、画像処理に基づく自動化が望まれている。視聴者の好みに基づいて視点を選択したいという要求に応える、インタラクティブな映像生成システムを実現することを目的としたもので以下に成果を述べる。多視点撮影環境の構築 複数の解析用の固定カメラはサッカーフィールド全体を取り囲むように設置し、放送用カメラは経験により適切な位置に固定して設置し、試合を撮影するシステムを構築した。サッカーの多視点画像列からの選手およびボールの検出と追跡 フレーム毎のボールの検出にはテンプレートマッチング、フィールド上の選手の検出には背景差分に基づいた抽出手法を用い、フレーム間の追跡を行って軌跡を求めるアルゴリズムを確立した。1台のカメラの画像からボールおよび選手の軌跡の抽出手法は充分な成果をあげている。オクルージョンによる誤りの回避アルゴリズムの開発 1台のカメラの画像処理でオクルージョンが発生した場合には複数のカメラからの画像情報および3次元情報を統合して協調的にボールおよび選手の位置を推測しロバストな追跡を行う手法を開発した。最適視点の決定 ボールおよび選手の追跡情報を評価対象としてそのシーンに最適な視点の放送用カメラを選択する手法を開発した。プレーの判別アルゴリズムの開発 ボールの近傍の選手を検出して、ボールの位置速度情報および選手の動きからパス、シュート、タックルなどのプレーを判別するシステムを構築した。
著者
河合 隆裕 竹井 義次 小池 達也 青木 貴史 神本 晋吾
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1. 高階パンルヴェ方程式 (P_J)_m(J=I, II, IV; m = 1, 2, …) に対し、その 1 型変わり点の近くにおいて、そのインスタントン型解は 2 階 I 型パンルヴェ方程式の解に変換できることを示した。議論は高階パンルヴェ方程式の背後に在るシュレーディンガー方程式の WKB 解析的・半大域的変換論に基く。2. その WKB 解析的標準型がマシュー方程式となる一連の方程式の変換論を構築し、その WKB解の解析的構造を超局所解析的手法により明らかにした。
著者
幸田 正典 中島 康裕 宗原 弘幸 苅野 賢司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

最終年度である今年度は、現地調査は協同的一妻多夫魚カリノクロミス(以下カリノ)とハレム型社会を持つサボリの繁殖について主に調査した。カリノについては、特に雌の果たす役割に焦点をあて、現地での水槽実験も合わせて行った。また、国内では過去の資料を含め、マイクロサテライトを用いた血縁判定、並びに過去の資料の解析及び整理を行い、複数の投稿原稿として準備あるいは公表を行った。カリノは岩の割れ目を繁殖巣として利用する。これまでの野外観察からカリノの雌は、くさび形の形をした巣を利用すること、大型の雌ほどそのような巣を占めていることから、雌は多様な形の巣のうちから、くさび形の巣を好むと考えられた。水槽実験として、くさび形巣と'幅広巣'を雌に選択させたところ,多くの例で雌はくさび形巣を選んだ。このことは亜野外観察の結果と一致する。また野外調査では、産卵の観察事例を増やせた。本調査により、11産卵のうち10例では、雌はくさび形巣の中で大型のα雄が最も奥に入り込めるところに産卵することが確認できた。この産卵場所選択も雌が行っているとみなされる。これにより、雌はα、β雄の父性の操作を行っているとの仮説を立てた。共同繁殖する動物で雌による父性の操作の可能性および重要性が示唆されているが、この仮説が検証されれば、体外受精動物での初めての父性の操作となる。野外調査からサボリに、ヘルパーが存在することが確認された。おそらくこれは血縁ヘルパーと思われ、このタイプの共同繁殖がハレム型の社会を持つ種では初めての事例である。サンプルは国内に持ち帰っており、これらにより親子判定を現在実施している。また、サボリの生魚40個体をいかして国内に持ち帰っており、今後これらを用いて大阪市立大学にて水槽実験を行っていく予定である。
著者
幸田 正典 中嶋 康裕 宗原 弘幸 狩野 賢司 渡辺 勝敏
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

最終年度には,安房田,大田,守田の三名を調査地に3ヶ月間派遣し,それぞれ,共同繁殖種オルナータス,雄の繁殖多型種ビッタータス,ランプロロギニ族全体の精子競争の問題の解明にあたった。まず,今回の調査でオルナータスは,おそらく脊椎動物の中でも最も多様な婚姻形態をとる種であることがほぼ明らかになってきた。一夫一妻,一夫多妻,共同的一妻多夫,古典的一妻多夫,多夫多妻とこれまで知られるありとあらゆる婚姻形態が確認された。大きな個体が雄だけでなく,雌にも存在する事がカワスズメ科魚類のなかでも最も婚姻形態が多様であることの要因であると言える。雌が雄より優位に振舞える点そして社会の複雑性の点で,鳥類の繁殖では,ドングリキツツキの共同繁殖に類似している。精子競争や婚姻形態の成立過程だけではなく,共同繁殖での操作,雌雄の対立,相互利他主義という極めて興味深い問題の実験材料として優れた対象動物であることが明らかとなった。今後様々な実験系を組むことで,実証研究材料として研究の発展が期待される。また,カリノクロミスについては,大型雌が存在しないため,鳥類の共同繁殖としてはヨーロッパカヤクグリ型と言う事ができる。ここでは最優位個体は雄である。このように種によるちがいの輪郭が明らかになってきた。ビッタータスでは,雄の代替繁殖戦術は条件次第で大きく変わりうる事,大きな可変性を持つ事が明らかになった。また,パイレーツ雄やスニーカー雄の存在は,共同繁殖のα雄戦術,β雄戦術の基本型とも見なしうる。本族の分子系統解析から,Telmatochromis属とJulidochromis,Chalinochromis属は類縁関係が近い事がわかってきた。雄の代替繁殖寄生戦術と共同繁殖におけるα,β雄の起源は相同的である可能性が高いことも示唆された。
著者
三村 寛一 三村 寛一 奥田 豊子 朝井 均 鉄口 宗広 安部 惠子 三村 達也 塩野祐也 檀上弘晃 上田真也 辻本健彦 織田恵輔 北野雄大
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

ライフコーダを用いて児童の1 週間の行動記録と運動量を測定し、児童の適正運動量は運動強度6 以上の出現率が10%以上あることが望ましいことを明らかにした。また、体力の低い非活発な児童を対象にライフコーダおよびインターネットを活用して、1 ヶ月間の半監視型運動療法を実施し、その効果は低学年ほど大きく、高学年になるにつれて小さくなることが明らかになり、特に休日における運動実践や学校生活における体育の重要性が示唆された。
著者
佐々木 伸一 渡邊 欣雄 池上 良正 黄 強 志賀 市子 河合 洋尚 曹 建南
出版者
京都外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、1990年代以降中国各地において顕著に見られる宗教復興の諸状況について人類学的なフィールド調査を行い、そこで得られた民族誌的資料をもとに、宗教を「象徴資本」として活用する国家や地方エリートの政策的側面と、それに対する宗教、とりわけ民俗宗教の職能者や信者たちとの複雑多岐にわたる相互作用によって構築される側面に焦点をあてつつ分析を行った。その結果、中国における宗教実践構築の諸相、及び宗教の象徴資本化の歴史性や政治性を明らかにした。
著者
小黒 康正 浅井 健二郎 小黒 康正 杉谷 恭一 小川 さくえ 増本 浩子 桑原 聡 恒吉 法海 東口 豊 恒吉 法海 福元 圭太 杉谷 恭一 小川 さくえ 坂本 貴志 増本 浩子 濱中 春 山本 賀代 岡本 和子 北島 玲子 桑原 聡 クラヴィッター アルネ オトマー エーファ
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ドイツ現代文学は、言語に対する先鋭化した批判意識から始まる。とりわけホーフマンスタール、ムージル、カフカの文学は、既存の言語が原理的機能不全に陥っていることを確信しながら、言語の否定性を原理的契機として立ち上がっていく。本研究は、ドイツ近・現代文学の各時期の代表的もしくは特徴的な作品を手掛かりとして、それぞれの作品において<否定性>という契機の所在を突き止め、そのあり方と働きを明らかにした。
著者
PENMETCHA Kumar SUBASH C.B Gopinath
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

転写制御蛋白質HutPと標的RNA複合体のX線解析を行った。その結果、HutPは6量体を形成していること、HutPは6量体の両面で、RNAの2個所のUAG繰り返し配列と結合していた。生化学的実験においても、UAG繰り返し配列の重要性が明らかにされた。また、in vivo実験により、活性発現がHutPにより誘導された。以上より、HutPはUAG繰り返し配列と結合し、RNAをステム-ループから3角形様構造に変化させるすることによって、転写終結解除する機構を明らかにした。
著者
長田 博文 舟木 直久 種村 秀紀 白井 朋之 香取 真理 乙部 厳己 篠田 正人 矢野 裕子 矢野 孝次
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、2次元クーロンポテンシャルに対しても適用可能な,干渉ブラウン運動の構成に関する一般的構成定理とSDE表現定理を確立した.その結果をGinibre点過程, Dyson点過程, Bessel点過程というランダム行列に関する代表的な測度に対して適用し,無限次元確率力学系を記述する確率微分方程式を求めて,解いた. Ginibre点過程のPalm測度の特異性を研究し,通常のGibbs測度と異なる興味深い結果を得た.更に、2次元ヤング図形の時間発展モデルを構成し,そのスケール極限を求めた。
著者
仲上 健一 小幡 範雄 周 〓生 高尾 克樹 中島 淳 竹濱 朝美 福士 謙介 加藤 久明 原 圭史郎 韓 驥 濱崎 宏則 李 建華 何 青 RAHMAN M. M. ISHRAT Islam GIASUDDIN Ahmed choudhury HASSAN Ahmadul FARHANA Ahmed REBA Paul
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

気候変動による水資源環境影響評価分析・適応策および統合的水管理に関する理論的研究を行い、水危機への戦略的適応策のフレームワークを構築した。アジア大都市圏(日本:琵琶湖流域、中国:上海市・太湖周辺地域、バングラデシュ:ダッカ市、メコン河流域諸国)における気候変動による水資源環境影響評価分析、気候変動への実態と課題を実証分析し、戦略的適応策の施策を体系化した。