著者
樋口 満 坂本 静男 田口 素子 東田 一彦
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

運動前の糖質摂取によって引き起こされるインスリンショック(運動誘発性低血糖)と呼ばれる現象について、主に朝食摂取の有無による違いに着目し研究を行った。本研究の結果、絶食条件だけではなく、実際のスポーツ現場に近い状態である朝食を摂取した条件においても、運動誘発性低血糖を発症する場合があることが明らかになった。さらに、低血糖の発症のしやすさには個人差が認められ、絶食条件においては、高いインスリン分泌能を有している者が、また朝食摂取条件においては、高い有酸素性能力を有している者が、運動誘発性低血糖を生じやすいことが明らかとなった。
著者
梶 光一 吉田 剛司 久保 麦野 伊吾田 宏正 永田 純子 上野 真由美 山村 光司 竹下 和貴
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

ニホンジカの島嶼化プロセスとメカニズムを解明するために、島に導入されたニホンジカの生態・形態・遺伝の年代的変化を調べた。餌資源化で体の小型化が生じ初産齢が上昇したが、間引きによって体重の増加と初産年齢の低下が生じた。餌の変化に対応して第一大臼歯の摩耗速度は初回の崩壊後に早まった。一方、臼歯列サイズは、減少から増加に転じた。有効個体群サイズおよび遺伝的多様性も一度減少したが、その後それぞれ安定および増加に転じた。以上は、餌資源制限下で形態・遺伝に対して正の自然選択が働いた可能性を示唆している。
著者
永山 貴宏
出版者
鹿児島大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

平成25年度に作成し、名古屋大学IRSF1.4m望遠鏡に導入した減光率5000分の1の部分減光フィルタの性能評価を行った。その結果、減光率をJバンド:1/5546(±4%)、Hバンド:1/6486(±4%)、Ksバンド:1/6427(±2%) と決定し、これらの値は、1年の間に変化しないことを確認した。なお、これらの値は設計値と最大30%異なるが、値が高い精度で決まっていれば、30%程度の差は、実用上、問題とならない。また、減光部分内での透過率一様性は<0.02等(~2%)以下であり、こちらも実際の天体観測において問題ないことが分かった。現在、このフィルタを用いて、ηカリーナのモニタリング観測を行っている。次に北半球の明るい天体を観測するため、このフィルタを鹿児島大学の1m望遠鏡に導入した。IRSFでの測定と同様の測定を行い、鹿児島においても問題なく観測に使用できることを確認した。さらに、ベテルギウス、アンタレスなどのより明るい天体を観測するため、減光率20万分の1の部分減光フィルタを製作した。このフィルタをIRSF1.4m望遠鏡、および、鹿児島大学1m望遠鏡のどちらにも導入した。実際に、近赤外線で全天で明るいベテルギウスのテスト観測を行い、検出器が飽和せず、観測できることを確認した。以上から、北天・南天のいずれの空で非常に明るい天体現象が起きても対応できるようになった。
著者
辻 和成 辻 勢都
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本調査では、グローバル経営を進める製造会社の英語事情について総合的な分析を行った。1,000名以上の従業員を雇用する企業を幅広い業種から選び、オンラインでのアンケート調査を実施した。その結果、ものづくり系企業での英語使用と英語教育の現状を明らかにし、産業界のニーズに適合するため、英語教育での企業と大学の接合の必要性を示すことができた。本調査の特徴の一つは、日本経済の中核を担う製造業に着目し、主たる部門をディスコース・コミュニティとみなしニーズ分析を行った点である。幅広い業種から機能分担がより鮮明である大手の企業を調査対象として選択し、ニーズ分析と研究成果の有用性と汎用性を確保することに努めた。
著者
宮澤 眞一
出版者
埼玉女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度から平成13年度の三年継続の本研究計画が認可されたとき、サトウ自筆日記の日本滞在に係わる三つの時期(1862-1869;1870-1884;1895-1900;1906)のなかでも、前半部分(1862-1884)に集中することが、私の当面する研究の必要性と、力量の及び範囲と考えていた。実際に三年間という長い呼吸の歳月の進行とともに、研究意欲は膨らむ一方の勢いとなった。結果的に三年間の継続研究の研究実績は、アトウ自筆日記全39冊の解読・活字化を達成して、66年に及んだサトウ日記執筆の全体像を把握できたことである。その成果を纏めるのに更に一年を要したが、2003年3月には研究成果報告書において、幾つかの事項に関して詳細に報告した。第一の事項は、上記全体像に係わる点である。「表1:サトウ日記の自筆原稿(manuscripts)と転写原稿(transcriptions)の概算」(上記報告書p.18)を纏めあげることによって、サトウ日記の総体を眺望する内外で初めての資料となった。具体的な一例を挙げるなら、当初計画の自筆日記分(1862-1884)は、約2537頁となり、全39冊分の総頁数が約9373頁であるのだから、当初計画の約3.7倍の基礎作業を完了したことになり、A4版30行の転写原稿は、約6457枚の総枚数を数えることが一目して分かる。第2報では全自筆日記資料の書誌的纏め方について、を表2に言及しつつ、極めて簡略化した「記入日リスト」の形にした今回のを述べてある。今後の研究実績の予定されている発表について、最後にひとこと触れておきたい。本研究の中核となる仕事は、解読し活字化した転写テキストを書物として発表することにある。本年度は幕末維新(1861-1869)を出版し、向こう5年間に全20巻で逐次出版することで出版社と協議中である。また、来年度には新書版で「アーネスト・サトウの日記」を出版して、本研究の実績報告の内容を一般読者に向けて公表することになっている。
著者
桂 英史 田甫 律子 西條 朋行 渡辺 好明 清水 秀一 塚田 信吾 長田 謙一 山口 祥平
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

「芸術の臨床」が地域医療およびコミュニケーションとどのような関係にあるかというテーマについて、実際の臨床やアートプロジェクトの事例を通して考察した。その結果、コミットメントの前後に、参加者(患者あるいは他者)とプログラム(治療者あるいは自己)の間にある、イメージをめぐるルールの変更がメタ・コミュニケーション的に行われることがプロジェクトの必要条件となることを論じた。
著者
日向 博文 片岡 智哉 青木 伸一 加藤 茂
出版者
愛媛大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

Worldview-2(Wv2)画像がもつ可視光域から近赤外域までの波長域におけるプラスチックのスペクトルを把握するため,ハイーパースペクトルカメラ(以下HSC)を用いた撮影実験を実施した.撮影実験は国総研屋上(標高12m) から真下にHSCを向けて行った.撮影実験にはNH-7(EBA JAPAN社製)を使用した.被写体は木片,海岸砂の上に設置したポリプロピレン(PP)とポリスチレン(PE)である.RGBの3バンドを使用してプラスチックを検出した場合,PPおよびPEが検出可能であるが背後の海砂もプラスチックとして検出されるが,Wv2の8バンドを使用した場合,海砂の誤検知はほとんど起きなかった.
著者
明間 立雄 藤原 清悦 黒坂 光寿 舩橋 利也
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ラットで受動的回避学習行い、ミクログリア特異的な阻害薬、ミノサイクリンを投与した。ミノサイクリンを投与したラットは嫌な記憶を早く忘れた。つまり、ミノサイクリン投与によりミクログリアの作用が弱まった結果、嫌な記憶の固定や再生が抑制されたと考えた。学習と関係のあるAMPA受容体のサブユニットを調べた結果、発現量にミノサイクリン投与による変化は認められなかった。しかし、リン酸化は減少する傾向が認められたことからPKAが関与する可能性が示唆された。マウスの受動的回避学習を解析する系を立ち上げた。その結果、ラットとマウスでミノサイクリン投与による受動的回避学習の変容が異なることが示唆された。
著者
青江 秀史 勝久 晴夫 谷口 勢津夫 正城 敏博 吉田 悦子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、大学と組織の連携で生じる知的財産情報に関する諸問題の制度的観点や政策的観点について、海外における取組みとの比較研究を通じ、各大学が定める知的財産ガイドラインのあり方、地域との「身近な産学連携」のために必要な施策の検討を行う。また知的財産法と契約法や租税法上の問題について、現行法制度との整合性について総合的に検討を行い、円滑な産学連携活動への示唆を試みることを目的とする。
著者
下田 正弘 蓑輪 顕量 永崎 研宣 大向 一輝 宮崎 泉 納富 信留 Muller Albert 苫米地 等流 藏本 龍介 船山 徹 高橋 晃一 師 茂樹 齋藤 希史 高岸 輝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は「人文学がデジタル時代にいかに遂行されうるか」という次世代の人文学にとって重要なテーマについて、人文学諸分野が参照可能なデジタル知識基盤を仏教学から提供し、人文学全体が共同で未来を開く方法論を検討する〈統合デジタル研究環境〉を形成する。そのため、人文学におけるテキスト、画像、事物、行為等の研究対象の相違と、思想、言語、歴史、行動科学等の研究方法の相違の両者を視野に入れ、両者から生まれる知識の多様性を、デジタル技術を通し効果的に保存し利用する多層的概念モデルを構築し、新大蔵経データベース(新SAT-DB)に実装して提供する。
著者
沙川 貴大 伊藤 創祐
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究では、情報と熱力学を融合させた理論、すなわち情報熱力学に基づいて、生体情報処理の理論的研究を行う。とくに、生体情報処理は本当に熱力学効率が高いのか、といった基本的な問いに答えることを目指す。また、情報理論の分野で注目を集めている「リソース理論」の考え方、さらにはトポロジーの概念を応用することで、狭義の情報熱力学にとどまらない多角的な理論研究を行う。さらに、情報幾何の手法と熱力学を組み合わせることにより、熱力学的な不確定性関係の新しい理論を発展させ、生体情報処理への応用を行う。
著者
小島 荘明 (1992) 小島 莊明 NOYA Oscar NOYA Belkisy 古田 隆久 松本 直樹 北 潔
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

芽殖孤虫は、無制限ともみえる自己増殖を行ない、人体に寄生した場合最終的には全身諸臓器を侵して宿主を死に至らしめる寄生虫であるが、その生活史や感染経路については未だ明らかでない。そこで、この寄生虫の自然界における宿主を見出すべく、ヴェネズエラにおいて、トカゲ・カエル・フクロネズミなど水辺において捕獲した小動物の寄生虫について検索した。その結果、芽殖孤虫は発見できなかったが、これらの動物から、新種と思われる糸状虫1種、Taenia属条虫3種を見出したほか、回虫類、鞭虫、蟯虫、鉤頭虫などを得た。さらに、感染宿主の免疫応答や免疫変調、感染に対する感受性や病理学的変化の差異について検討するため、各種の純系マウスを用いて感染実験を行なった。虫体を1虫ないし1/3から1/7まで切断し、マウス腹腔内に注入し、経時的に血球算定と抗体産生について検討するとともに、虫体の増殖と病理組織学的反応について検討した。その結果、IgE抗体の産出については、C57BL/6において最も早く感染後18日目から検出され、かつ7週目に最も高いPCA抗体価(1:160)が得られた。虫体の増殖や感染動物の病理学的反応は必ずしも一定せず、また注入した虫体の大きさにも関係なく、早い場合には感染後3週目に腹水の貯留が顕著となり、死亡する個体も出現したが、奇妙なことには、それらから得られた虫体を同系統のマウスに継代しても、同様に激し状を起こすことなく6カ月以上経過する例も存在した。腹水貯留例について剖検すると、腹水は血性、膿性はリンパ性で激しい腹膜炎が起きており、肝表面に白色苔状の付着物が認められ、辺縁部は鈍となり、肝脾の腫脹が認められた。虫体は注入時より成長し、複雑に分岐したり、分裂増殖して個体数が増加していた。断端組織構造は、D.erinaceiのプレロセルコイドに類似していた。
著者
倉持 利明 北 潔
出版者
国立科学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

芽殖孤虫とはヒトの芽殖孤虫症を引き起こす幼条虫に対して与えられた名称であり、Ijima(1905)による発見以来世界から14症例が報告されている。芽殖孤虫および芽殖孤虫症のきわだった特徴は、この幼条虫がヒト体内で無秩序な分芽増殖を起こし、あらゆる臓器組織に侵入することにあり、上記14例のいずれもが死亡例である。芽殖孤虫はこの医学的な重要性にもかかわらず成虫が見出されていないばかりか、自然界における終宿主や中間宿主等の生活史は知られていない。マンソン裂頭条虫は、その幼条虫がヒト体内で様々な程度の幼虫移行を主徴とするマンソン孤虫症を引き起こすことから、古くから芽殖孤虫との類縁性が検討されてきたが、NADH脱水素酵素サブユニットIII遺伝子を解析した最近の研究によれば、芽殖孤虫はマンソン裂頭条虫と近縁ではあるが、同遺伝子の塩基配列は両者で異なることを示した。そこで本研究は芽殖孤虫の種の決定を最終目標に、裂頭条虫科条虫の分子系統解析を行った。はじめに芽殖孤虫、マンソン裂頭条虫、日本海裂頭条虫(裂頭条虫科)シトクロームc酸化酵素サブユニットI遺伝子について配列決定し、円葉目条虫を含めた系統解析を行った。その結果芽殖孤虫はマンソン裂頭条虫との類縁性を示しつつ、擬葉目条虫に含まれることが明らかとなった。続いて野外調査を通して得られた海棲哺乳類由来の海産裂頭条虫6種を解析に加え、芽殖孤虫と一致する配列を持つ種、あるいはより近い類縁性を示す種の検索を試みた。海産裂頭条虫は芽殖孤虫、マンソン裂頭条虫とは異なったクラスターに配置されこの試みは成功しなかったが、この両種と海産裂頭条虫とは早期に分岐したこと、さらに両種間の遺伝的な距離は、他の海産裂頭条虫種間の距離に匹敵もしくはむしろ遠いことが示された。これらは芽殖孤虫が淡水域を起源とする裂頭条虫に由来するものであり、またマンソン裂頭条虫とはおそらく異なる種に含まれることを示唆している。
著者
藤川 賢 片岡 直樹 除本 理史 石井 秀樹
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

大規模な環境汚染からの地域再建には自然・社会関係の回復が必要であるが、とくに放射能に関しては、そのリスク評価をめぐる揺らぎなどが影響を及ぼす。他方で、産物や芸能などを含めた地域固有の伝統や文化の役割も大きい。これらの作用と過程には事例ごとの差があるものの、時代や国を超えた共通点も指摘される。本研究は、福島原発事故後の地域を中心に自然・社会関係の回復に向けた長期的過程を検討するものである。福島での調査では、阿武隈高地とその周辺を主対象とした事例調査等により、自然と人との関係、人と人との関係の回復を模索する。並行して、国内外の事例と比較総合しつつ、知見の国際的共有に向けた検討を行う。
著者
桜井 武
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

ナルコレプシーは日中の強い眠気を主訴とする特徴的な睡眠障害であリ、視オレキシンを産生するニューロン群の後天的な脱力によって発症する。その症状のひとつであるカタプレキシーは、喜びや笑いなどポジティブな情動によって誘発される脱力発作であるが、その発動機構は未解明のままである。本研究では、カタプレキシーを発動する神経回路を明らかにすることを目的にし、ナルコレプシーモデルマウスにおいてレム睡眠の制御にかかわる領域や、報酬系にかかわる領域および情動にかかわる領域に光遺伝学的刺激を行い、数種の領域において、カタプレキシーを誘発する刺激条件を見出した。
著者
森 樊須
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

マレ-シアのFicus属植物から発見したツメダニの一種Hemicheyletiamoriiは葉裏の葉縁部に薄い粗い綱を張って、その中に家族(雌、第2ニンフ、第1ニンフ、幼虫、卵)が群居している。産雌単性生殖で、雄はいない。Ficusでの密度は100葉当たり4.3巣、巣内の齢構成は(平均個体数)、雌3.48、第2ニンフ4.36、第1ニンフ5.82、幼虫5.19、卵4.27であった。輸入後の試験ではナミハダニ、タケスゴモリハダニ、ケナガカブリダニ、チリカブリダニの成虫を捕食した。H.moriiの家族は巣に接近した餌の脚部を触肢で瞬時に捕獲、家族共同で捕殺することが多い。摂食所要時間は約50〜120分、餌の死体は巣外(葉外、葉縁部、巣から離れた葉面上)に、捕食に参加した1個体が担いで投棄する。H.moriiは巣をはなれて葉内を単独で歩くワンダ-リングを行なうことがある。雌1、ニンフと幼虫25の巣では、雌個体が巣をはなれ葉表・裏を36分間かけて一巡して巣にもどった。次に雌3,ニンフ・幼虫22の巣では、雌1個体が日中から夜に立て続け20分間、51分間、38分間のワンダ-リングを行なった。ワンダ-リング中に他巣の雌を実験的に接触させても干渉しないことや、巣内に群居する個体は、他の巣からの個体を排撃することなく自分の巣内に受入れることなどから、ワンダ-リングは分散前の先駆的な行動と考えられた。従従供試したFRIM(マレ-シア森林研究所)のFicus葉から採集したツメダニ(Ficus系統)と、遠隔地のタケから採集したツメダニ(Bamloo系統)を用いてpermeability(浸透性)を実験した。両系統のツメダニ個体は、同系統間においても、他系統間においても、他の巣からの侵入(intruder)と巣内への受入れ(receiver)を行なった。このことから、これらグル-プメンバ-相互の親近性は、種の社会性の指標と見られている凝集性cohesivenessを示したことになる。巣を構成するメンバ-にとって、捕食・防衛・増殖上有利かもしれない。
著者
浅野 茂 嶌田 敏行
出版者
山形大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

IR先進国とされる米国においても、IR部署及びアセスメント部署が提供するデータを実際の意思決定につなげるのは一筋縄ではいかない。その理由を「ゴミ箱モデル」や「コンティンジェンシー理論」の枠組みに沿って考察したところ、大学の執行部はデータを絶対視するのではなく、意思決定に向けた合意を形成するための参考情報として活用し、ある共通認識の醸成へ向けて、各種情報を活用するという地道な努力の積み重ねが重要であることを明らかになった。データ利用者がデータ提供者であるIR部署等のデータをどのように活用しているかの先行研究は乏しいなか、本研究を通じて仮説的にではあるが一定の知見を示すことができた。