著者
庄 建倉
出版者
統計数理研究所
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、地震の発生時系列を例として、欠測事象がある場合の点過程に関する統計的推測手法を開発し、地震に関連したいくつかの経験則の性質を明らかにした。本研究は以下の成果生み出した。:1)統計モデルによる地震クラスタリングを生成することによって前震現象の経験則といわれているものが再現が出来た;2)本震と最大余震のマグニチュードの差に関するBath法則の理論的解釈を与えた;3)Neyman-Scott点過程の点配置データからクラスタの親点の推定する方法を与えた;4)一般に認知されていない方法や主観的要素を含む地震予測(ブラックボックス型予測法)に対する性能を実際の地震発生データに基づいて客観的に評価できるのギャンブリング評価法を考案した。
著者
花村 昌樹 吉田 正章 金子 昌信
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1。 混合モティーフ理論1. 体k上のうえの混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)のなす三角圏(triangulated category)D(k)が構成された。論文1にまとめられた。これは、1980年代はじめ、Beilinson等に予想されていた理論である。混合モティーフ層はその応用もふくめ、大きく数学界で注目されている。2. 混合モティーフ層の圏D(k)がt-構造をもつための条件が論文2で考察された。高次Chowに対するMurre,Beilinson-Souleの予想からその条件がしたがうというのが結果である。t-構造の核を考えることにより、混合モティーフ層のアーベル圏の候補が得られる。3. 射影代数多様体にその勘合モティーフ(あるD(k)の対象)を対応させるこができることを示した(論文3)。D(k)の定義自体は非特異射影多様体を用いるが、cubical hyperresolutionという技法により、射影代数多様体を非特異なもので置き換えられることをつかう。4. 位相的層についての分解定理とは、代数多様体の間の固有写像による定数層の順象が交叉複体の直和に分解するという主張である(Beilinson-Bernstein-Deligneによる)。この類似定理を混合モティーフ層について定式化し、それをいくつかの特別な場合に証明し、その応用を見つけることが興味深いことである。この研究はその原理的解決がA.Cortiと論文4においてなされている。さらに実際にモデユラー多様体へ応用ができる形で米国のB.Gordon,オランダのJ.Murre両氏と共同研究が進行中である。2。代数多面体のscissors合同群の理論分担者の吉田正章氏と代表者の花村はツイストコホモロジーに対するホッジ理論の応用を研究し論文Hodge structures on tiwsted cohomology and twisted Riemann's inequality,Iにまとめた。ツイストコホモロジーを研究するのに、ホッジ理論が有用であることは興味深い。我々はこの結果を高次元の場合に拡張することを、研究目標にしている。
著者
所 木綿子
出版者
東京外国語大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は19世紀北アフリカのアルジェリアにおいて、フランス植民地軍に対する武装闘争であるジハードを指導し、思想探求者としても知られる、アミール・アブドゥルカーディル・ジャザーイリー(Amīr 'Abd al-Qādir al-Jază' irī, 1807-1883、以下アブドゥルカーディル)の思想について、彼の準拠していた国際法としての側面を以下の点から明らかにすることを目的とした。①異教徒との対立、調停におけるイスラーム法の役割、イスラームにおいて言及されてきた社会秩序について、政治哲学、国家思想の側面からアブドゥルカーディルの思想における法の役割について②彼の著作で述べられているイスラーム法と関連する概念について他のイスラーム学者との見解の共通点と差異について分析することで、彼の思想の位置づけについて。①1844年隣国モロッコがフランスとの戦争に敗北した結果を受け、アブドゥルカーディルに対するモロッコの態度が援助から敵対に転じた事例、イスラーム国家と非イスラーム国家との間に締結された和平の是非に焦点を当てて検討を行った。このときアブドゥルカーディルは自らのジハードの遂行を妨げる、和平の是非について、エジプトの法学者ムハンマド・イライシュに法的判断を仰いだ。それによるとモロッコが住民の安全上必要不可欠であるとして和平を締結したことは、受け入れざるを得ないものであった。したがってアブドゥルカーディルの法的判断とは、ジハードの必要性を最大限主張し、その指導者である自らの立場をも主張したといえ、戦闘の劣勢によりジハードより和平が優先される事態を食い止めきれるものではなかったといえる。②アブドゥルカーディルの主張は、伝統的なイスラームのマーリキー学派、シャアフィイー学派の見解に依拠し、とくに北アフリカの法学者によって多く参照され、スペインの「国土回復運動」の渦中にあった15世紀の法学者、ワンシャリースィーの議論を土台としていることが今回注目された。彼の議論のイスラームと異教徒との関係をアブドゥルカーディルがどのように再考してきたのか、彼に至る思想の歴史の実態とはどのようであったのか今後も検討していきたい。
著者
松尾 剛次
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究の狙いは、室町幕府の重要な宗教政策の1つである安国寺・利生塔政策の具体相について実証的lに明らかにすることであるが、本研究によって以下の点などが明らかとなった。(1)安国寺・利生塔は、建武5(1338)年から康永4(1345)年2月以前に設定され、とくに暦応2(1339)年が画期であった。とくに、暦応2年8月16日に、後醍醐天皇が足利尊氏らを呪いつつ死去するという大事件が起こっており、足利尊氏兄弟にとって、かつては主人でありながらも、結局は反逆することになった後醍醐天皇の鎮魂こそが非常に重要であった。それゆえ、歴応2年に安国寺あるいは利生塔として設定されたものが多い。(2)安国寺・利生塔政策は、南北朝動乱で協力した寺院への論功行賞の意味もあった。安国寺のうち寺格がもっとも高いのは、山城安国寺で、第2位は丹波安国寺であったが、丹波安国寺は、足利尊氏の生母上杉清子の菩提寺で、尊氏誕生の地という伝説がある。こうした寺が、安国寺に指定され、高い寺格を与えられたのは、常に味方し、祈願してくれた生母の菩提寺に対する論功行賞の意味があったことを示している。(3)従来、安国寺は、すべて五山派寺院すなわち禅宗寺院と考えられてきた。しかし、下野薬師寺(栃木県)・大和安国寺(奈良県)のように律宗寺院も少しあることは重要である。他方の利生塔は、禅宗寺院(30箇寺のうち13箇寺、うち2寺は曹洞宗)のみならず、備後浄土寺を初めとして律宗寺院も多く(10箇寺)設置された。このように、安国寺・利生塔は室町幕府の禅.律寺院優遇策の一環であった。(4)利生塔は五重塔ないし三重塔であるが、若狭神宮寺三重塔も利生塔の1つであった。(5)安国寺は、聖武天皇が天平13(744)年3月に詔を出して国ごとにおいた国分寺制度を、他方の利生塔は、インドの阿育王が建立したという八万四千塔をモデルとした。
著者
吉田 如子
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究においては、調査票調査と面談調査という、量的および質的調査法を駆使することにより、従来の警察研究においてほぼ無視されてきた、組織運営と政策立案・策定をその職務の中心とする都道府県警察幹部警察官の存在を確認し、彼らのキャリアパス、研修内容、都道府県警察外への出向経験等と、それらの経験が日本警察運営とその政策策定、さらには地方自治体における行政、政治両部門における力関係にもたらす影響を詳らかにすることができた。
著者
池田 忠広
出版者
兵庫県立人と自然の博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

兵庫県丹波市・篠山市に分布する下部白亜系篠山層群からは、カエル類、トカゲ類といった小型脊椎動物化石が多数産出している。本研究では、これら化石群の一部を対象とし、他地域の同群中生代化石種と形態学的比較を行い、その分類学的帰属について検討を行った。結果、カエル類はそれぞれ新属・新種として記載報告され、トカゲ類は、新種を含む8タイプのトカゲ類に同定された。上記の結果から、篠山層群からの一部のトカゲ類の産出は、先行研究により指摘されている中国大陸と日本の同分類群相の近縁性を支持するが、他のトカゲおよびカエル類化石は大陸の化石種とは系統的に異なり、両化石群に明瞭な類縁性が認めらない。
著者
栗原 聡 諏訪 博彦 篠田 孝祐
出版者
電気通信大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

早急な開発と運用が求められるスマートグリッドやアンビエント情報基盤,そしてビッグデータを背景とする次世代情報社会インフラシステム等の構築に際しては「多段創発型階層構造」に基づく設計が重要である.そこで,多段創発型階層構造における「下層が上層をボトムアップ的に多段階に創発するしくみ」を本研究の主目的とした.そして,群知能型手法の代表であるACOを土台とする方法を提案した.この方法により,階層性のある時系列パタンが含まれるデータからの階層構造抽出を可能とした.多数の自律エージェントが簡潔なルールに基づき他のエージェントと協調することで,データに隠された階層構造を抽出することができる.
著者
見上 彪 松浦 善治 川喜田 正夫 児玉 洋 喜田 宏 永井 美之 小沼 操
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究はニュ-カッスル病ウイルス(NDV)の生態と病原性を総合的に解明することを目的とする。そこで病原性に深く関るNDVのヘモアグルチニンーノイラミニダ-ゼ蛋白(HN)ならびに膜融合蛋白(F)をコ-ドする遺伝子をリコンビナントワクチニアウイルス(rVV),リコビナント鶏痘ウイルス(rFPV)あるいはバキュロウイルス(BV)に捜入し,発現HNあるいはFの生物性状、免疫原性などの検討し,以下の成績を得た。1)。NDVのHNを発現するrVVを作出し,NDV感染防御におけるHNの役割を検討した。8×10^6PFUの生rVVを接種した鶏は,すべて強毒NDVによる致死的に耐過した。一方同量の不活化rVVを接種した鶏は,同様の攻撃により死亡した。攻撃耐過鶏はHNに対する抗体産生が攻撃前あるいは攻撃前あるいは攻撃後に認められたのに対して,非耐過鶏では認められなかった。2)。FPVのチミジンキナ-ゼ遺伝子内にVV由来のプロモ-タ-P.7.5制御下にNDVのHNを発現するrFPVを作出した。このrFPVはNDVのHNに特異的なウイルス中和活性のある単クロ-ン性抗体と反応し,SDSーPAGE上でNDV HNとほぼ同じ移動度を示すHNを産生した。3)。NDV宮寺株のHNをコ-ドする _cDNAを組みこんだBVは感染細胞表面にHNを発現した。このrHNはSDSーPAGE上でNDV感染細胞で発現するHNと同じ移動度を示し,ツニカマイシ処理により,そのアミノ酸配列から予想される分子量とほぼ同じ大きさとなった。4)。NDV F蛋白の全長あるいはC端のアンカ-部位を除いた遺伝子を組み込んだ。これらのうち強毒株由来の全長の遺伝子を発現したもののみ下蛋白の前駆体がF_1F_2サブユニットに解裂し,これらはジスルフィド結合でヘテロダイマ-を形成していた。
著者
永井 美之 審良 静男 菅村 和夫 柳 雄介 吉開 泰信 堀井 俊宏 光山 正雄 山本 直樹
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

本特定領域は感染と宿主応答の分子論的な最高度の基礎研究を推進し、感染症制御のための技術を開発することを目的とする。総括班は本特定領域研究の目的を厳正かつ遅滞なく達成するために組織された。総括班は班員に理論的、実質的なガイドラインを提示し、且つ、彼らの成果を評価したが、単に研究の質を問うのみではなく、微生物学と免疫学のように異なる研究分野の研究者間の共同研究を支援してきた。そのため、総括班は毎年全体班会議を開催した。会議では各班員が各年度の研究成果を報告し、その評価を受けた。さらに、総括班は、遺伝子操作マウスの作成、霊長類を用いた研究の支援を行うとともに、若手研究者を育成するために、沖縄フォーラムをはじめとする種々の会議を主催した。平成16年、17年度は顕著な研究成果を上げつつある45研究課題を計画研究とし、公募研究課題は100課題を採択した。研究期間中に審査制度のある国際的学術雑誌に3,993編の掲載または掲載確定の論文が公表された。特にImpact Factor (IF)が高いとされるNatureに27編、Scienceには17編が掲載または掲載確定された。その他、IF 10.000以上の一般学術誌では、EMBOに35編、JEMに101編、PNASに87編が掲載または掲載が確定された。これらの研究業績には微生物学者と免疫学者の共同研究による優れた業績も少なからず含まれている。また、これらの業績は総括班が共催する「あわじしま感染症・免疫学国際フォーラム」(平成14年、15年)において発表された。平成17年度には国際シンポジウム「Molecular Bases Underlying Microbial Infections and the Host Responses」を開催し、5年間の成果を発信した。さらに、基礎研究の成果を社会に還元するため、抗マラリア薬N86化合物とDNA/センダイベクター骨格のAIDSワクチンの前臨床試験及び、SE36マラリアワクチンと抗エイズ薬CCR5阻害剤(AK602)の第I相臨床試験を実施した。
著者
小柳 義夫 永井 美之 増田 貴夫 岡本 尚 塩田 達雄 志田 壽利 足立 昭夫 高橋 秀宗 生田 和良
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

小柳はウイルス感染個体内でCD4陽性T細胞がアポトーシスに陥るのに関わる細胞性因子であるアポトーシス誘導シグナルとしてFasLでなくTRAILが関与することをSCIDマウスにヒト細胞を移植した感染系を用いて明らかにした。さらに神経組織にウイルスが侵入すると同じTRAILが中枢神経細胞を殺すことを見出した。塩田はウイルスのコレセプターであるCCR5にアジア人特有の遺伝子変異をみつけ、この変異によりこの分子の細胞表面への輸送が低下しHIVに対する感受性が低下することを見つけた。さらにIL-4の遺伝子変異が起こるとエイズ発症が遅延することも見出した。岡本はHIVの転写に必須の細胞性因子としてNF-κB p65のトランス活性化領域に結合してコレプレッサーとして働くAES/TLEとコアクチベーターとして働くFUS/TLSを発見し、ウイルス発現調節機構の新たなメカニズムを明らかにした。増田はHIVインテグレースの細胞核内への移行シグナル部位が従来考えられていたものと異なることを見つけ、この分子移行に関与する細胞性因子の同定を目指している。志田はウイルスRNAの核内から核外へ移行に必須であるウイルス蛋白質Revに結合するCRM1の機能ドメインを明らかにし、Revの多量体化にCRAM1が必要であること、さらにマウス細胞内でも機能を発揮することを見つけ、マウス細胞へのヒトCRAM1遺伝子の導入は意義のあることがわかった。
著者
下島 昌幸
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

低温馴化株をベースにした組換えインフルエンザウイルスの作製HA分節にVSV-G遺伝子、NA分節にVenus遺伝子を持ち、残り6分節を低温馴化ウイルス由来のものとしたインフルエンザウイルスの作製をリバースジェネティクス法で試みたが、増殖するウイルスは得られなかった。そこで、低温馴化ウイルス由来ではないWSN株由来の分節と様々な組み合わせを作り検討したところ、少なくともMおよびPB2分節はWSN株由来でないと33℃で増殖するウイルスが得られないことが判明した。残り4分節をすべて低温馴化ウイルス由来にすることはできなかったが、幾つかの分節が低温馴化株由来で33℃において増殖するウイルスが5種類(5つの組み合わせ)得られた。増殖可能な組換えウイルスの低温馴化得られた5種類のウイルスは33℃では増殖可能だが、この温度では接種対象としたいショウジョウバエは生存できない。そこで、まずこのウイルスの低温馴化(2℃ずつ、BHK細胞、MOI=0.0005で接種)を行った。31℃ではいずれも増殖可能であったが、29℃では増殖性が急激に低下し、5種類のうち2つは増殖不可能となった。残り3種類に対し更に2回29℃で増殖させたところ、増殖能の上昇が認められ約5x10^4~5x10^5PFU/mlのウイルス液が得られた。すべての分節がWSN株由来のものが最も高いウイルス価を示し、低温馴化は予想に反し比較的容易おこることが判明した。
著者
廣田 薫 董 芳艶
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

5体の眼球ロボットをRTM(Windows版)でインターネット接続をしたマスコットロボットシステムを構築、4人の人間と5体の眼球ロボットがホームパーティを楽しむというシナリオのもとで複数の人間・ロボットがさりげないコミュニケーションを実施する例として15分程度のデモビデオを作成、理論的にはファジィ雰囲気場の概念およびその可視化手法を提案してビデオに反映、成果を都合10件以上のジャーナル論文・国際会議招待講演などで発表。
著者
横越 英彦 寺島 健彦 早瀬 和利 新保 真理
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食品成分や香気成分を使用し,動物実験では脳内神経伝達物質や記憶・学習行動に対して、またヒトの場合には、自律神経活動やリラクゼーション作用に対する影響を解明した。
著者
石井 俊輔
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

熱ショックストレスなどによるエピゲノム変化がATF-2ファミリー転写因子を介して誘導されるメカニズムが明らかにされ、それが次世代に遺伝することが示された。そしてATF-2ファミリー転写因子が、自然免疫系の免疫記憶、精神ストレスによるテロメア短縮にも関与することが示された。さらに、栄養条件や精神ストレスによっても、ATF-2ファミリー転写因子を介してエピゲノム変化が誘導され、それが次世代に遺伝することを私達は観察している。このように、ATF-2ファミリー転写因子が「多様な環境要因によるエピゲノム変化とその記憶」に大きく関わっていることが示された。
著者
村山 綾
出版者
関西学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

実際の裁判員裁判に類似したシナリオを用いて、裁判員役の大学生3名と裁判官役の実験協力者1名の4名からなる評議体(合計93名、31評議体)が被告の有罪・無罪について話し合う評議実験と、有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連を検討する調査研究(144名が参加)を行った。実験の結果、裁判官役と同一判断に意見を変容させる参加者が多かった。また、有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連が見られ、妥当な判断を行った参加者は批判的思考態度が高い傾向にあった。
著者
志田原 美保
出版者
独立行政法人放射線医学総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、PET脳神経受容体機能の臨床診断において、形態異常部位、形態異常はないが機能異常がみられる部位などを今まで以上に的確に診断するために、MRIによる解剖情報を積極的に導入し様々な脳機能を高精度に画像化することを目指し、MRI画像の形態情報を用いてPET画像特性を向上させるためシステム構築した。また、その有用性を、脳を模擬した数値シミュレーションによって実証した。
著者
川村 友美
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

結び目または絡み目とは3次元空間内の閉じた紐のことである。結び目不変量または絡み目不変量とは、結び目または絡み目の複雑さを数値などで表したもので数多く構成されている。本研究では、プレッツェル結び目と呼ばれる結び目についてある条件付きで、ラスムッセン不変量やオジュバットとサボーの不変量の値を決定した。また結び目の種数という不変量を求めやすくする「射影図上の橋の架け替え」が、絡み目のオイラー数という不変量についても有効であることも確かめた。
著者
福原 達郎 槙宏 太郎 柴崎 好伸 鐘ケ江 晴秀 平出 隆俊 加藤 博重
出版者
昭和大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

本年度は、本システムによる立体復構モデルを、実際の臨床における外科手術前の診断・術後の予測に応用した。まず、顎顔面部の左右非対称性がみられる患者において、三次元画像上におけるミラ-テクニックを用いた外科手術のシミュレ-ションをおこない、立体モデルとの比較をおこなった。その結果、三次元画像は、それまでのセファログラムの比べて、外科的な骨削除の部位や移動方向のおおよその推定は可能であるが、立体モデルと比べて、離断部位、削除量などが不正確であることが示された。また、本システムを用いた正確な部位の確認と削除量、移動量の検討により、顎関節部の形態、位置関係を前後的、上下的に容易に観察できるため、術後の骨片の動きなどを予測することが可能となった。モデルの作成に要した時間を以下に示す。1.CT撮影・外形線の抽出70(分)2.イメ-ジリ-ダ-による各断層像座標値の取り込み403.CAD内でのモデル構築204.CAMへの出力ならびに切削3005.積層時の外枠形態の出力(一体加工)406.積層・接着20したがって、本システムによる立体モデルは、外科矯正治療における診断・予測のうえで非常に有用であり、治療の支授システム、または、術者間のコミュニケ-ションツ-ルとしての大きな効果が期待されるものと考えられた。
著者
千原 一泰
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

小胞体ストレスはアルツハイマー病をはじめとする種々の神経変性疾患の病因のひとつに挙げられている。グリア細胞に特異的に発現する小胞体ストレスセンサーOASIS のノックアウトマウスでは野生型マウスに比べ、カイニン酸投与による神経細胞死が顕著に亢進する。本研究においてOASISによる神経細胞保護作用を解析した結果、OASISがアストロサイトにおける脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現と分泌に重要な役割を担っている事を示唆するデータが得られた。
著者
舩橋 晴俊 寺田 良一 中筋 直哉 堀川 三郎 三井 さよ 長谷部 俊治 大門 信也 石坂 悦男 平塚 眞樹 小林 直毅 津田 正太郎 平林 祐子 金井 明人 仁平 典宏 土橋 臣吾 宮島 喬 壽福 眞美 池田 寛二 藤田 真文 鈴木 宗徳 羽場 久美子 茅野 恒秀 湯浅 陽一 須藤 春夫 佐藤 成基
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-05-31

本年度は, 年度途中で廃止になったが, それでも, 下記の研究実績を上げることができた。【公共圏とメディアの公共性班】法政大学サスティナビリティ研究所内の「環境報道アーカイブス」に蓄積した東日本大震災及び福島原発関連の映像に付されたメタデータの分析を行った。分析から, 震災・原発関連番組の論点の変化や報道対象地域の偏りなどを見出した。【エネルギー政策班】『原子力総合年表一福島原発震災に至る道』を2014年7月に公刊した(すいれん舎刊)。また, 青森県下北半島における核燃料サイクル事業の動向を把握するため, 『東奥日報』を基に詳細年表を作成し, 地域社会の長期的な構造変動を追跡可能な情報基盤を整えた。エネルギー戦略シフトに関し, 各地の市民団体の調査および支援を実施した。【年表班】英文環境総合年表(A General World Environmental Chronology)を刊行した。英文による包括的な年表は世界初の試みであり, 環境問題に関する国際的なデータベース構築の第一歩を記した。また, その年表の成果をもとに, 7月に国際シンポを開催し, 各国の研究者との交流を図った。【基礎理論班】2013年12月に開催した国際シンポと講演会を基に, 論文集『持続可能な社会に向かって―ドイツと日本のエネルギー転換(仮題)』(法政大学出版局, 2015年)の編集作業を継続している。並行して, 『ドイツ・エネルギー政策の形成過程1980~2014―資料集』(新評論, 2015年)の本文編集作業はほぼ終了し, 現在は巻頭論文を執筆中である。【食・農と包括的コミュニティ形成班】学内の「食・農」に関する社会的活動拠点でもある「スローワールドカフェ」の活動に関与しながら, 個別に研究を進めてきた。研究成果は, 社会学部授業科目「社会を変えるための実践論」と「多摩地域形成論」に一定程度反映させてきている。