著者
久保 陽太郎 渡部 晋治 中村 篤 小林 哲則
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-6, 2010-02-05

識別学習は,デコーダの出力する認識仮説と比較して正解ラベルの尤度を相対的に高めることで識別に特化したモデルを得るための手法であるが,経験的に過学習しやすいことが知られている.近年,音響モデルの識別学習において過学習を軽減するため,最小相対エントロピー識別が音響モデルの識別学習に導入されてきた.この手法ではパラメタ推定の不確実性をパラメタ分布によって表現することで適切に取り扱うことを可能としており過学習に強いと考えられるが,従来の実現法では大量の認識仮説,および大量のトレーニングデータを取り扱うには膨大な量の計算を単一のコンピュータで実行しなければならなかった.そこで,本研究では,ラティス型認識仮説表現を導入することで認識仮説の数に対する計算効率を,また勾配法に基づく並列化可能な最適化法を導入することでトレーニングデータの数に対する並列計算効率を向上させた.提案法を用いることで,最小相対エントロピー識別学習に必要なステップのほぼ全てがグリッドコンピュータのような並列計算環境で実現可能になり,また,従来の N-best に基づく認識仮説表現では表現しきれないような膨大な数の認識仮説に対する最適化が行なえるようになった.In order to improve the performance of automatic speech recognition, discriminative training methods are introduced for training processes of acoustic models in speech recognizers. Recently, minimum relative entropy discrimination (MRED) training of acoustic models is introduced in order to prevent overfitting problems in discriminative training methods by representing parameters as random variables. Despite of these advantages, the conventional implementation of MRED lacks scalability to the amount of training dataset and the number of the hypothesis label sequences obtained from decoders. In this study, we attempt to improve scalability of MRED training. The lattice-based representations of the hypothesis label sequences are introduced in order to improve scalability due to the number of the hypothesis label sequences. Further, the gradient-based optimization method is introduced in order to ensure parallelism in the MRED training method. By incorpolating proposed methods, it is confirmed that the MRED training procedure can now be performed in parallel computing environments such as grid computers. Furthremore, the large number of the hypothesis label sequences can be handled in the MRED by using hypothesis lattices obtained from decoders.
著者
下浦 享 小橋 浅哉 小池 真 中村 尚 川邉 正樹 永田 俊 三谷 啓志 井尻 憲一 山本 昌宏
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.6-11, 2011-05

「原子核とその安定性」/「放射線と半減期」/「原子核分裂」/「セシウム137およびヨウ素131の環境化学」/「放射線に関する単位」/「大気中の物質拡散」/「海洋中の物質拡散」/「生態系における濃縮(生物濃縮)」/「放射線の生物影響」/「体外被曝と体内被曝」/「土壌中の汚染物質の拡散の数理と予測」
著者
中村 覚 吉川 元 伊勢崎 賢治 高橋 和夫 中西 久枝 澤江 史子 栗栖 薫子 森 伸生 北澤 義之 立山 良司 坂井 一成 泉 淳 小林 正英 細井 長 齊藤 嘉臣 末近 浩太 土佐 弘之 木村 修三 小塚 郁也 福田 安志
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、国際関係論、安全保障論、中東地域研究の専門家による協働研究を通じて、日本における中東の安全保障問題に関する本格的な研究の基盤づくりを目的とした。また、中東における武力紛争の傾向や特質に関して論ずるのみではなく、短期的な紛争解決と、中長期的な予防レジームの構築に関する課題と可能性に関して考察した。その際に特に、日本への政策的示唆を生み出す視点を重視した。また当該の研究課題の遂行のために必要とされる国外の研究者とのネットワーク作りと同時に、国外への研究成果の発信で成果を上げた。
著者
坂本 旬 山田 泉 村上 郷子 新井 紀子 菅原 真悟 御園 生純 シヤピロウ ノーマン・P シエラ オフマン・ガーシュ 樋口 浩明 TEP Vuthy 高木 勝正 重松 栄子 中村 優太 佐々木 順子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は、(1)「NetCommons」による文化探究学習の有効性を検証し、(2)文化探究学習理論を活用した「異文化理解」に国連やユネスコによる「メディア情報リテラシー教育」に関する最新理論を融合した教材の作成とその実践を行ないつつ、(3)日本及びアメリカ、カンボジア、中国の初等・中等・高等教育レベルの学校・大学とのICTを活用した協働的な文化交流学習の有効性を実証したことである。本研究の総括として、国際シンポジウム「文化葛藤時代のメディア・リテラシー教育-国連『文明の同盟』と日本の実践・課題」を開催した。
著者
中村 香子 ホルツマン ジョン
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、民族文化観光が、ホストである地元の人びとにとって、どのような経済的資源・文化的資源となっているのかを解明し、地域社会の開発=発展のために民族文化観光が果たしうる役割を探究することを目指している。本研究では、アフリカの「マサイ」を事例に、現地の人びとがみずからの「伝統的な文化」(ダンス、儀礼、装身具、衣装、家屋など)を外国人観光客に提供する民族文化観光が、地元の人びとの経済を支え、自文化に対する誇りを高めるために果たしうる役割に関する情報基盤を提出する。
著者
南須原 美恵 鹿島 雄介 中村 隆志 山内 常生 大槻 憲四郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.63-78, 2011 (Released:2011-06-02)
参考文献数
72
被引用文献数
3 1

宮城県沖大地震に関連した前兆的地下水変動を検出するため,逆断層性活断層の上盤側にある深層孔井を選び,自動リアルタイムデータ受信システムを備えた観測網を構築した.孔井2本の水理学的条件,気圧,地球潮汐,降水の影響,水温観測の解像度を検討した後,観測期間2004年4月6日 から2007年末までに起こった地震の中から地震に関連した可能性のある3つの水温変動を同定した.それらは2005年12月2日の宮城県沖地震(MJ 6.6)の本震の2.7時間前から始まる0.003℃の低下,2007年4月12日に仙台湾で起こった浅発地震(MJ 4.5)の2時間前から始まった0.0012℃の上昇,および2007年5月29日に宮城県北部で起こった浅発地震(MJ 4)と同時の0.02℃に達する低下である.もし,将来の宮城県沖大地震がMJ 6.5以上の地震に相当する先駆すべりを伴うなら,我々の観測システムはそれを前兆的温度変化として捉え得る可能性がある.
著者
伊藤 靖 三浦 浩 中村 憲司 吉田 司
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.1019-1026, 2009-11-15
参考文献数
28
被引用文献数
5 5

マアジの行動様式を把握するため日本海佐渡島羽茂地先の水深 45 m に設置された人工魚礁において,超音波バイオテレメトリー(V9P-1H, VEMCO 社製)を全長 30 cm のマアジへ外部装着し,追跡を行った。追跡は 2008 年 6~7 月の間に 1 尾ずつ 7 回行った。マアジは日中には人工魚礁や天然礁の天端から高さ 10 m 程度に留まり,夜間は水深 5~10 m の表層を遊泳しながら礁から離脱し,早朝,礁に移動し,日中,礁に蝟集するといった明確な日周行動を示した。<br>
著者
戸田 年総 中村 愛 芝崎 太
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

二次元電気泳動と質量分析に基づくプロテオーム解析技術を用いて、髄液中の酸化修飾蛋白質の網羅的探索を行った。その結果、アルツハイマー病の患者の髄液中では、それ自体がアミロイド病の原因となる一方でβアミロイドとの結合性を有し、βアミロイドのオリゴマー形成を阻害することによりアルツハイマー病の発症に対して抑制的に働いている可能性が示唆されているトランスサイレチンが特に強く酸化を受けていることがわかった。
著者
高橋 公海 佐藤 進也 中村 哲也 松尾 真人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,SBM等のタギングシステムがユーザに浸透しつつある.タグにはタグ付け対象の特徴を客観的に説明する語が多く用いられてきたが,最近では「これはひどい」「あとで読む」等の主観的な語が用いられることも増えてきている.タグは,ユーザがコンテンツをどのように捉えているかを示すものであると考えられるため,この変化はコンテンツの捉え方の変化と考えることもできる.そこで本研究ではその変化を分析し,要因を探る.
著者
熊谷 エツ子 田中 龍二 熊谷 崇 東田 善治 尾道 三一 中村 郁夫 田上 省三 甲木 孝人 澤田 昭三
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.203-210, 1988-09
被引用文献数
1 1

To clarify the long-term effects of occupational exposure to low doses of radiation, Epstein-Barr virus (EBV)-specific antibody titers in sera from 104 radiological technologists (R.T.) and 118 controls in Kumamoto prefecture were measured by the immunofluorescence method. Antibody titers to viral capsid antigen (VCA)-IgG increased with the years of experience as R.T., and the prevalence of abnormal antibody titers to both VCA-IgG and early antigen (EA)-IgG were significantly higher in R.T. with over 15 years of experience or 30 rads of cumulative radiation dose than in the controls. However, there was no correlation between exposure and the frequency of abnormal EBV-associated nuclear antigen (EBNA) antibody titers. The EBY-specific antibody titers of 24 Hiroshima atomic-bomb survivors were also measured. They were similar to those of the R.T.with over 30 years of experience. The EBV-specific antibody titers of R.T. suggest that there may be an impairment of immunologic competence after continuous long-term exposure to low doses of radiation. Also, the correlation of EBV-specific antibody titers and frequency of cells with chromosome aberrations in 53 R.T. was studied. Some correlations were found between the antibody titers to both of the VCA-IgG and EBNA and the frequency of cells with chromosome aberrations.
著者
加納 政芳 戸本 裕太郎 中村 剛士 小松 孝徳
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本稿では,オノマトペが持つ音響的な特徴を用いて,オノマトペの類似関係を2 次元平面上に表現することを提案する.具体的には,ニューラルネットワークの恒等写像学習によって,多次元オノマトペ特徴を2次元に圧縮し,その空間内でのオノマトペの配置からオノマトペ間の類似性を判断・推測できるようにする.提案手法の有効性をアンケート調査によって確認した結果,「従来の辞書よりも理解しやすい」などの評価を得た.
著者
中村 成洋 松本 行弘
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.176-176, 2009-03-23

Apache HTTP サーバのもとで提供される Web サービスのような,ひんぱんにサブプロセスが生成される環境下では,現在 Ruby が採用しているマークビットをオブジェクトヘッダ内に持つマークスイープ方式のゴミ集め実装は,copy-on-write によるメモリページ共有を疎外し,必要以上にメモリを消費する.本研究では,マークをオブジェクトヘッダ内から独立したビットマップに移すことによるメモリ消費量実行性能の変化を示す.効率的なビットマップマーキングのためにはオブジェクトポインタからビットマップの特定の位置の計算が必要である.一般的にはビットマップ位置をたとえば 1M バイト単位でアラインしておきアドレスをマスクすることでビットマップ位置を求めることが行われている.しかし,Ruby のように種々のプラットフォームで動作する言語処理系では,利用できるメモリ割当て API はmalloc() しかないため,効率良くアラインされたメモリを確保する方法は知られていない.本研究では Ruby のオブジェクト配置方式を利用し,移植性を維持したまま,オブジェクトポインタから定数時間でビットマップ位置を計算する手法を提案する.また,二分検索を用いたビットマップマーキングと比較したマーキング性能の改善も示す.Since mark-and-sweep garbage collection scheme, which Ruby interpreter uses modifies every living object, it suffers performance problems due not to utilize copy-on-write memory page sharing among processes, under the circumstances like web-services running under Apache HTTP servers. In this paper, we proposes adding bitmap marking for Ruby's garbage collection. We show much memory usage and performance change by bitmap marking. For efficient bitmap marking, it is needed to calculate bitmap position from an object pointer. Prior art uses aligns heap memories and pointer masking to retrieve bitmap position from object pointer. But Ruby interpreter runs on various platforms, and we do not have portable memory allocation API to obtain aligned memory region without wasting region. In this paper, we propose portable scheme to map from object pointers to corresponding bitmap table in constant time. We also show how much proposed bitmap marking improves performance, comparing bitmap marking method using binary search to obtain bitmap position from object pointers.
著者
中村 哲也
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

民法の展開は、杜会における人々の行動様式及び規範意識の変化を基礎にするものであり、法形成は常に変動のなかにある。明治31年施行の民法典においては、財産法と家族(制度の)法の2本柱の下、個人の存在は財産主体(妻は制限的行為無能力)としての意味が中心であった。第2次大戦後の「個人」の進出は、財産主体たる地位にとどまらない個人の意義の承認・拡大を要請するものであった。しかしこのことは財産・市場と個人、家族と個人の関係の緊張のなかにあることによって、人格権・人格的利益の単線的拡大を意味するものでないとくに、大量生産・大量消費社会を押し進めてきた技術革新が情報及び医療分野で飛躍的展開を果たしてきていることによって、個人がその成果を享受するというだけでなく、人格の商品化に拍車がかり、そのことによって、個人と市場との緊張関係が新たな段階を迎えることになった。本研究はこの現象の損害賠償法での現れを、情報と医療それぞれにおける具体的問題を手がかりとして観察し、民法における人格保護の今後の方向を検討しようとしたものである。本研究は次の内容からなる。第1部人格権侵害と損害賠償法第2部Wrongful life訴訟にみる損害賠償法第3部補論(1)遺伝子組換え作物問題とドイツイミッシオーン法補論(2)末期がんの家族等への告知と個人の尊厳
著者
新里 貴之 中村 直子 竹中 正巳 高宮 広土 篠田 謙一 米田 穣 黒住 耐二 樋泉 岳二 宮島 宏 田村 朋美 庄田 慎矢 加藤 久佳 藤木 利之 角南 聡一郎 槇林 啓介 竹森 友子 小畑 弘己 中村 友昭 山野 ケン陽次郎 新田 栄治 寒川 朋枝 大屋 匡史 三辻 利一 大西 智和 鐘ヶ江 賢二 上村 俊雄 堂込 秀人 新東 晃一 池畑 耕一 横手 浩二郎 西園 勝彦 中山 清美 町 健次郎 鼎 丈太郎 榊原 えりこ 四本 延弘 伊藤 勝徳 新里 亮人 内山 五織 元田 順子 具志堅 亮 相美 伊久雄 鎌田 浩平 上原 静 三澤 佑太 折田 智美 土肥 直美 池田 榮史 後藤 雅彦 宮城 光平 岸本 義彦 片桐 千亜紀 山本 正昭 徳嶺 理江 小橋川 剛 福原 りお 名嘉 政修 中村 愿 西銘 章 島袋 綾野 安座間 充 宮城 弘樹 黒沢 健明 登 真知子 宮城 幸也 藤田 祐樹 山崎 真治
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

徳之島トマチン遺跡の発掘調査をもとに、南西諸島の先史時代葬墓制の精査・解明を行なった。その結果、サンゴ石灰岩を棺材として用い、仰臥伸展葬で埋葬し、同一墓坑内に重層的に埋葬することや、装身具や葬具にサンゴ礁環境で得られる貝製品を多用することが特徴と結論づけた。ただし、これは島という閉ざされた環境ではなく、遠隔地交易を通した情報の流れに連動して、葬墓制情報がアレンジされつつ営まれていると理解される。
著者
木村 龍治 坪木 和久 中村 晃三 新野 宏 浅井 冨雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本課題の重要な実績として、梅雨期の集中豪雨をもたらしたメソ降水系のリトリ-バルと数値実験を行ないその構造と維持機構を明らかにしたことと、関東平野の豪雨をもたらしたレインバンドの発生機構を明らかにしたことが挙げられる。1988年7月に実施された梅雨末期集中豪雨の特別観測期間中、梅雨前線に伴ったレインバンドが九州を通過し、その内部の風と降水のデータがドップラーレーダーのデュアルモード観測により得られた。このデータにリトリ-バル法を適用することによりレインバンドの熱力学的構造を調べ、維持機構を明らかにした。これにより対流圏中層から入り込む乾燥空気がメソβ降水系を形成維持する上において重要であった。またこの結果を2次元の非静力学モデルを用いて数値実験により検証したところ、この結果を支持する結果が得られた。さらに3次元の数値モデルを用いて降水系を再現し、その詳細な構造を明らかにした。関東平野において発生したメソ降水系のデータ収集とその解析を行なった。1992年4月22日、温帯低気圧の通過に伴い関東平野で細長いメソスケールの降雨帯が発生した。その主な特徴は、弧状の連続した壁雲の急速な発達により降雨帯が形成された点で、他の例に見られるような多くの孤立対流セルの並んだ降雨帯とは異なるものであった。この降雨帯は、それ自身に比べてはるかに広く弱い降雨域の南端に発達したもので、Bluesteinand Jain(1985)の分類では"embedded-areal-type"に属するものであった。最終年度には、メソ降水系の中でも特に梅雨前線に伴うメソβスケールの降水系について、平成8年6月27日から7月12日まで、北緯30度46.8分、東経130度16.4分に位置する鹿児島県三島村硫黄島で観測を行った。この観測期間中には気象研究所、名古屋大学大気水圏科学研究所、九州大学理学部、通信総合研究所など他の研究期間も同時に観測をしており、結果として大規模な観測網を展開したことになった。これらの研究機関の間ではワークショップを開きデータ交換も行なわれた。
著者
鍵弥 朋子 中村 美砂 森 一郎 谷口 恵美子 西上 圭子 尾崎 敬 覚道 健一
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.183-188, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
7

目的: 細胞診用に採取された尿を用いての遺伝子解析が可能な保存温度条件を明らかにするため, 尿の保存温度と時間経過による尿中細胞 DNA, RNA の変性・減少と細胞形態の変化を観察し検討した.方法: 自然尿を採取時から 15 日後まで 3 種の温度条件 (−20℃, 4℃, 25℃) で保存し, DNA, RNA を抽出した. PCR 法で p53 を検出可能であったものを DNA が保存されたと判定した. RT-PCR 法でβactin を検出可能であったものを RNA が保存されたと判定した. DNA, RNA 検出の再現性の確認のため, 9 例の尿を用いて検討した. 細胞形態は 2 回遠沈法で固定塗抹, パパニコロウ染色を行い観察. 顕微鏡下で細胞数を計測した.成績: 採尿直後に処理すれば DNA, RNA とも PCR 可能な状態で抽出できた. 尿を−20℃, 4℃で保存すれば DNA は 15 日後, RNA は 11 日後に抽出したものから目的配列を PCR 法で増幅可能であった. 抽出効率は男女間で差はみられなかった. 形態的検討では, 保存期間が長くなるにつれ塗抹細胞量が減少した. 細胞形態保存は 4℃保存が最も適していた.結論: 尿の至適保存温度は, 細胞形態保存は 4℃, 核酸保存は−20℃, 4℃であり, DNA は 15 日後, RNA は 11 日後の尿から抽出可能であった.
著者
望月 哲男 亀山 郁夫 松里 公孝 三谷 惠子 楯岡 求美 沼野 充義 貝澤 哉 杉浦 秀一 岩本 和久 鴻野 わか菜 宇山 智彦 前田 弘毅 中村 唯史 坂井 弘紀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ロシア、中央アジア、コーカサス地域など旧ソ連圏スラブ・ユーラシアの文化的アイデンティティの問題を、東西文化の対話と対抗という位相で性格づけるため、フィールドワークと文献研究の手法を併用して研究を行った。その結果、この地域の文化意識のダイナミズム、帝国イメージやオリエンタリズム現象の独自性、複数の社会統合イデオロギー間の相互関係、国家の空間イメージの重要性、歴史伝統と現代の表現文化との複雑な関係などに関して、豊かな認識を得ることが出来た。