著者
伊藤 正人 佐伯 大輔 山口 哲生
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ハトを対象に、遅延割引、社会割引、社会的ジレンマ場面における共有選択を測定し、価値割引率や選択率の間の相関関係を調べた。その結果、遅延割引率と、社会割引率や共有選択率との間に有意な相関は見られなかった。また、社会割引率と、チキンゲーム・サクラあり・ランダム条件で得られた共有選択率の間には、有意な負の相関が見られた。これらの結果は、衝動性-利己性の関係がハトとヒトにおいて異なる可能性を示している。
著者
矢神 真奈美 加藤 大也 林 安津美 脇阪 涼子 小林 憲司 鷲野 香織 山本 絢子 立石 早祐美 澤井 喜邦 稲垣 一道 金山 均 片田 直幸 伊藤 光泰
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.430-435, 2011 (Released:2011-07-15)
参考文献数
18

2型糖尿病患者(60名)に対して食品交換表にて指導を24週間介入後,さらにカーボカウント基礎編を上乗せする指導(カーボカウント上乗せ群;30名:男性/女性=14/16)と,食品交換表による指導(食品交換表継続群;30名:男性/女性=16/14)に無作為に振り分け24週間介入し,各群介入前後で糖代謝,脂質代謝,BMI及びメンタル面の比較検討を行った.介入後両群共にHbA1c及びLDL-Cは有意な改善が認められた,さらにカーボカウント上乗せ群では,HDL-C,BMIの有意な改善が認められた.両群間の変化率の比較では,カーボカウント上乗せ群は食品交換表継続群に比べてHbA1c(-13.0±12.8vs-3.8±15.5%;p=0.014)及びHDL-C(12.7±19.5vs 3.0±15.1%;p=0.038)の有意な改善が認められた.メンタル面の評価では,カーボカウント上乗せ群では有意に食事の満足度が高く,食事療法継続の苦痛感が少ないことが認められた.故にカーボカウント上乗せ群では食品交換表継続群に比べてより糖代謝を改善し,さらに患者QOLを高める可能性が示唆された.
著者
京泉 秀明 伊藤 光哉 山田 純嗣 鈴木 敏光 久光 久
出版者
特定非営利法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.639-647, 2008-12-31
被引用文献数
1

レジンセメントで合着したコンポジットレジンインレーの物理的性質や審美性を改善するため,フロアブルレジンの合着材としての可能性について検討している.本研究の目的は,フロアブルレジンの被膜厚さおよびインレーを通過した照射光によるフロアブルレジンの重合状態について検討することにある.試験材料として11種類のフロアブルレジン,1種類のラミネートベニア合着用レジンおよび比較材料として1種類のレジンセメントを使用した.各材料を2枚のガラス板の間に挟み,3種類の温度環境下(4,23,37℃)においてそれぞれ150Nで10分間加圧した.光照射後,材料の被膜厚さを測定した.また,接着材料の厚みも弱圧(0.05MPa)および強圧(0.10MPa)によるエアーブロー後,光照射し,それぞれ測定した.フロアブルレジンの重合状態は,0から5mmまでの厚みのコンポジットレジンインレーブロックを通して40秒間光照射した試験材料の表面硬さを測定することにより評価した.その結果,次の結論を得た.1.環境温度が上がると試験材料の被膜厚さは低下する傾向が認められた.2.試験材料の被膜厚さと強圧でエアーブローした接着材料の厚みの合計は,37℃において1種類のフロアブルレジンを除くすべての材料で合着用セメントの規格である25μm以下を満たしていた.3.コンポジットレジンインレーの厚みが2mmを超えると,試験材料の表面硬さが次第に減少する傾向が認められた.
著者
吉村 洋輔 石田 弘 小原 謙一 大坂 裕 伊藤 智崇 吉政 かおり 井上 かよ子 伊勢 眞樹 渡邉 進
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ab0417, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 人間は歩行中,両側の腕を無意識のうちに振っているが,これは単なる振り子運動ではなく,歩行を円滑に行うために中枢神経系に組み込まれた機構の一つであると考えられている.しかし,実際の生活の中では荷物を持つ,ポケットに手を入れて歩くなど腕を振らないで歩いていることも少なくはない.さらに臨床場面に目を向けると,高齢者や障害者では杖をつく必要があったり,上肢の機能障害のために腕を振れない状態にある者も少なくはない.また,近年では,下肢の振りに合わせて対側ではなく同側の上肢を振った方が歩行速度の改善や歩行耐久性の向上につながることも報告され,いくつかの実証例も存在する.歩行時の上肢の腕振りの状態が歩行動作の歩行率やエネルギー消費にどう影響するかを検討した報告は少なく,特に下肢の筋活動についての比較は見当たらない.ここでは歩行中の腕振りの状態が下肢筋活動にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることにより,今後の歩行指導に役立てることを目的とした.【方法】 対象は研究の趣旨に同意を得られた健常成人8名(平均年齢22.5±0.5歳,平均体重52.7±1.7kg)であり,男女の内訳は男性4名,女性4名であった.各自の快適速度にて10m平地歩行をした際の歩行速度を算出し,その速度にて (1)腕の振りを固定しない自由な歩行(以下,自由歩行群),(2)上肢を同側の大腿部に固定し,腕の振りを制限した歩行(以下,固定歩行群)をそれぞれトレッドミル上にて30分間行った.その後,それぞれの条件下での歩行時の右大腿直筋(以下,RF),右大腿二頭筋(以下,BF),右前脛骨筋(以下,TA),右外側腓腹筋(以下,GL)の筋活動を表面筋電計(キッセイコムテック社製,Vital Recorder 2)にて計測し,付属のソフトであるBIMUTAS IIにて解析を行った.なお,両群での筋活動をフットスイッチからの信号により立脚相と遊脚相に分けてそれぞれを比較した.なお,筋疲労の蓄積を考慮し,自由歩行群と固定歩行群の計測には3日以上の間隔をあけて実施した.筋活動の比較は各筋の最大随意収縮値を100%として正規化し%MVCとして3歩行周期分の平均にて比較検討した.統計学的解析には統計ソフトウェアSPSS 17.0 J for Windows(エス・ピー・エス・エス社製)を用いて,Wilcoxon符号順位和検定を行い,危険率5%未満をもって有意とした.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には事前に本研究の趣旨と目的を文書にて十分説明した上で協力を求め,同意書に署名を得た.【結果】 自由歩行群の30分トレッドミル歩行後のRF,BF,TA,GLの筋活動は,立脚相ではそれぞれ13.6±10.3(%),15.1±16.9(%),11.2±5.5(%),60.4±41.9(%)であり,遊脚相では12.4±14.0(%),18.4±14.3(%),22.7±6.8(%),15.4±9.0(%)であった.固定歩行群の30分歩行後のRF,BF,TA,GLの筋活動は,立脚相ではそれぞれ10.7±8.4(%),8.8±7.6(%),11.3±3.5(%),53.5±25.9(%)であり,遊脚相では6.1±4.2(%),12.0±5.2(%),20.7±6.8(%),18.2±21.6(%)であった.自由歩行群と固定歩行群の歩行後の各筋の筋活動の比較では,RFの立脚相では有意差を認めなかったが,遊脚相では有意差を認めた.BF,TAにおいては立脚相,遊脚相ともに有意差を認めなかったが,自由歩行群に比べ固定歩行群では筋活動が低値である傾向を認めた.GLでは両群間の立脚相においてその筋活動に有意差を認めた.【考察】 遊脚相におけるRFと立脚相におけるGLの筋活動は歩行周期の中で特にその働きが重要であるが,自由歩行群に比べ固定歩行群では,それらの筋活動において有意な低下を認めた.その他の筋の活動においても,固定歩行群では低値を示す傾向にあった.長い時間の歩行においては,上肢の振りを下肢の振りに合わせた方が下肢筋への負荷や疲労が少ないことを示唆する結果となった.なんば歩行と呼ばれる腕振りを同側下肢の振り出しに合わせた歩行様式ではエネルギー消費や酸素摂取量が変化することも報告されており,陸上競技などでのコーチング内容として紹介されることも多い.さらに,日常場面や臨床場面では上肢の動きが制限される場面もある.また理学療法治療場面では,下肢筋力や筋持久力が低下している患者も多いが,そのような患者がある程度以上連続して行える歩行能力の獲得には腕振りの状態を考慮する必要があるといえる.【理学療法学研究としての意義】 連続歩行の際に腕振りを制限することによる下肢機能への影響を下肢筋活動の観点から示すことができた.筋力低下や廃用症候群などにより歩行障害を呈する患者への歩行練習を指導する際の基礎的資料となり得ることから,理学療法学研究としての意義があるものと考えられる.
著者
橋本 かほる 能登谷 晶子 原田 浩美 伊藤 真人 吉崎 智一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.132-137, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
10

幼児期金沢方式による言語訓練中に人工内耳を装用した12例の就学後の問題点と対策について報告した。就学時までに3000語以上の文字言語理解を獲得した文字先行移行パターンを示した8例中7例は就学以降も学業に著しい問題を示さず, 人工内耳においても文字言語の有用性が示唆された。幼児期に手話先行未移行パターン, 文字先行未移行パターンを示した例は就学以降の言語習得に問題が多いことがわかった。したがって, 人工内耳装用後も就学前に十分な言語力を獲得しておく必要があると考えた。さらに, 就学以降も言語力ならびに構音の維持のために定期的な評価・指導の必要性が示唆された。
著者
河原 達也 住吉 貴志 李晃伸 武田 一哉 三村正人 伊藤彰則 伊藤 克亘 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.100, pp.37-42, 2001-10-19
参考文献数
20
被引用文献数
24

連続音声認識コンソーシアム(CSRC)は、IPAプロジェクトで開発された「日本語ディクテーション基本ソフトウェア」の維持・発展をめざして、情報処理学会 音声言語情報処理研究会のもとで活動を行っている。本稿では、2000年度(2000年10月-2001年9月)において開発されたソフトウエアの概要を述べる。今回、大語彙連続音声認識エンジン Julius の機能拡張、大規模なデータベースを用いた音響モデルの作成、種々の音響・言語モデル及びツール群の整備を行った。本ソフトウエアは現在、有償で頒布している。Continuous Speech Recognition Consortium (CSRC) was founded last year under IPSJ SIG-SLP for further enhancement of Japanese Dictation Toolkit that had been developed by the IPA project. An overview of the software developed in the first year (Oct. 2000 - Sep. 2001) is given in this report. We have revised the LVCSR (large vocabulary continuous speech recognition) engine Julius, and constructed new acoustic models using very large speech corpora. Moreover, a variety of acoustic and language models as well as toolkits are being set up. The software is currently available.
著者
相馬 秀廣 高田 将志 舘野 和己 小方 登 伊藤 俊雄 白石 典之
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、QuickBird, Coronaなどの高解像度衛星画像をベースとして,地理学・歴史学・考古学・第四紀学などが連携した文理融合的研究を通して,点から線さらに面への空間的視点,および,過去から現在あるいは現在から過去への時間的視点の両側面から,囲郭・集落(居住拠点跡),耕地・耕地跡(生産活動),水利用(灌漑水路跡),それらの空間的関係(施設配置,シルクロード,交通路),さらに放棄後の景観変化などを例として,中央アジアから中国,モンゴルにかけての乾燥・半乾燥地域を主な対象として,遺跡立地と景観復元に関わる方法論,衛星考古地理学的研究法を確立することを目的とした.2012年度は、2011年度に引き続き,モンゴル南部オムノゴビ県のサイリン・バルガスン遺跡および周辺地域において,モンゴル科学アカデミー考古研究所の協力を得て,研究分担者の白石を中心として、囲郭の詳細,灌漑水路跡の有無確認などの現地調査を8月に実施した.また、6月には、研究分担者の小方が「1960年代に撮影された偵察衛星写真の遺跡探査・歴史的景観復原における有用性」のタイトルで、京都大学で開催された日本文化財科学会第29回大会で、成果の一部を発表した。しかしながら、研究代表者相馬の予期せぬ急逝により当該研究の遂行が不可能となったため、残念ながら本研究課題は、8月11日をもって終了することとなった。
著者
御厨 貴 小塩 和人 牧原 出 野中 尚人 河野 康子 伊藤 隆
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

今年度の研究の進展状況については、前年度から継続して行なってきた鈴木俊一氏(前東京都知事・現自治体国際化協会名誉顧問)に対するインタビューを7回(前年度よりの通算では17回)、後藤田正晴氏(元警察庁長官・元内閣官房長官)に対するインタビューを10回(同通算14回)実施したことに加えて、今年度より奥野誠亮氏(元自治事務次官・元国土庁長官・現衆議院議員)に対するインタビューを2回行なったことが主たる成果である。旧内務省出身の三者から、継続的、集中的にインタビューを実施した結果、新たなる知見を得ることができた。具体的には、戦前・戦中における地方(県)行政の状況、占領戦後期のおける地方財政制度整備の方針、警察予備隊発足時のGHQとの交渉の経緯、戦後の警察行政の流れ、内閣官房の役割の変遷、東京五輪時・いわゆるバブル期の東京都政、などが主要なものとして挙げられる。自治省、警察庁、東京都、そして政界・知事職とそれぞれに要職を経験した立場から、その時々の官僚機構における人事運営や意思決定の手法をもまじえての重要な情報がもたらされた。このような継続的、集中的インタビューをより実効性のあるのもとして実施していくために、迅速で正確な速記録を作成し、多くの資料を準備することにより、インタビュー前後の論点整理や質問項目の検討に役立てた。全体としては本プロジェクトは着実に成果を挙げ、基礎研究としての性格から見ても意義ある進展を示したと考える。
著者
伊藤 康一 森田 歩 青木 孝文 樋口 龍雄 中島 寛 小林 孝次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.147, pp.61-66, 2005-06-20
参考文献数
8

一般的な指紋照合手法は, 指紋画像から特徴点を抽出し, 画像間で一致する特徴点ペアの数に基づいて指紋照合を行う手法である.指紋照合において最も困難な問題の1つとして, 環境や個人的な要因によって指先の状態が変化し, それに伴って照合精度が大きく影響を受ける問題がある.この問題を解決するために, 本稿では, 位相限定相関法(Phase-Only Correlation: POC)を使った指紋照合アルゴリズムを提案する.POCは, 2次元離散フーリエ変換した画像より得られる位相成分を使って画像間の類似度を調べる照合法であり, 状態の悪い指紋画像に対してロバストに照合することができる.本稿では, 乾燥肌や肌荒れ, アレルギーなどが原因で指先の状態が悪い人から採取した指紋画像を使い, 特徴点を使った照合アルゴリズムと比較して提案するアルゴリズムが高性能であることを示す.
著者
新見 將泰 中島 祥夫 坂本 尚志 遊座 潤 伊藤 宏文 三浦 巧 鈴木 晴彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.97-104, 1994

近年,運動関連脳電位については手指の単純な屈伸運動に関する詳細な研究はあるが,発声に関する報告は少ない。本研究では,ピッチ変化と母音の変化における発声関連脳電位の変化を等電位図法と双極子追跡法(頭部均一媒質による)を用いて解析することを目的とした。18-35歳の健康な男女10名(右利き)を対象とし,高低数種類のピッチで母音を自己のペースで発声させた。脳波は頭皮上においた21個の表面電極より導出した。喉頭前面皮膚上においた加速度計波形の立ち上がりをトリガーとして用い,発声前2.5s,発声開始後2.5sの脳波を加算平均し,等電位図の作成と双極子追跡法により電源位置の推定計算を行い,被験者のMRI画像を用いて電源位置を検討した。発声に約1200ms先行して両側の中側頭部に緩徐な陰性電位が認められた。これは正常のヒト発声時の大脳皮質の準備状態を反映する発声関連脳電位と考えられた。この陰性電位は,分布範囲,強度とも左半球優位の場合が多かった。また発声のピッチを高く変化した場合には,右側の振幅の変化が,より大きくなる傾向があった。一般にヒトの発声において言語中枢は(左)優位半球に広く存在すること,発声周波数(ピッチ)の変化は(右)劣位半球の関与が大きいことが知られている。上記の結果はこの説に一致すると考えられた。発声に先行する陰性電位の電源部位は双極子追跡法により両側の中心前回下部付近に限局して分布した。発声のピッチや母音を変えても電源位置に変化は認められなかった。
著者
青木 治三 伊藤 潔 多田 堯 藤井 巌 山内 常生 伊神 煇
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.1181-1194, 1970-11

9月9日の岐阜地震は犬山地震観測所の北方約50kmに発生し,数多くの余震が観測された.震源の精度をあげるため予備観測および郡上郡奥明方村奥住小学校における10日間の余震観測を追加した.犬山観測網のDataにより9月20日より11月30日までの余震の分布を調査した.余震は主震の南東約3km地点を中心にとしNW-SE方向にのびる二次元の正規分布で近似できる.標準偏差は推定断層に垂直および平行な方向にそれぞれ2kmおよび4kmであった.この余震の中心は古生層,濃飛流紋岩の境界をなす構造線と一致し,観測された余震は主震に伴った断層がこの構造線により大きな残留歪を生じたことを示していると考えられる.|Since the earthquake of September 9, 1969 occurred at about 50km north of the Inuyama Seismological Observatory, a number of aftershocks were recorded at four recording stations: Inuyama, Sinpukuzi, Takazawasan and Ohira. It was intended immediately after the main shock to conduct a preliminary observation of damage and aftershocks for the estimation of the aftershock region and to find the best complementary recording site for the determination of hypocenters. During the two-day observation beginning Sep. 10, we could not find on the ground surface any sign of an earthquake fault. The observed P-S duration times however suggested that the depths of the aftershocks were very shallow.
著者
伊藤 周男 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1240, pp.102-105, 2004-05-03

問 今年はアテネオリンピックがあり、薄型テレビなどが景気の牽引役になると期待されています。 答 我々は薄型テレビの中でもプラズマテレビに特化しています。まず、プラズマテレビの日本市場だけを見ると、2002年はワールドカップがあって非常に良かった。ところが昨年は、期待していたほどは伸びなかった。別に悪かったわけじゃなくて、あまりにも期待が大きすぎたんですね。
著者
伊藤 隆
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.121-136, 2012-03

This study examined the impact of EFL learners' proficiency differences on their CMC interaction in two types of tasks. First, 114 university students were divided into three pairs: the higher proficiency learner (H)-lower proficiency learner (L) pair, the H-H pairs, and the L-L pair. Each pair performed a symmetrical convergent task. Second, they were split into four pairs: the higher proficiency sender (HS)-lower proficiency receiver (LR) pair, the lower proficiency sender (LS)-higher proficiency receiver (HR) pair, the HS-HR pair, and the LS-LR pair. Each type of pair completed an asymmetrical convergent task. In the symmetrical convergent task, the L in the H-L pair generally surpassed the L in the L-L pair in fluency and adequacy. In the asymmetrical convergent task, the LR in the HS-LR pair generally surpassed the LR in the LS-LR pair in fluency.
著者
村井 芳夫 東 龍介 篠原 雅直 町田 祐弥 山田 知朗 中東 和夫 真保 敬 望月 公廣 日野 亮太 伊藤 喜宏 佐藤 利典 塩原 肇 植平 賢司 八木原 寛 尾鼻 浩一郎 高橋 成実 小平 秀一 平田 賢治 対馬 弘晃 岩崎 貴哉
出版者
北海道大学大学院理学研究院
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.147-158, 2013-03-19

2011年3月11日に,太平洋プレートと日本列島を乗せた陸側のプレートとの境界で2011年東北地方太平洋沖地震が発生した.この地震は,日本周辺では観測史上最大のマグニチュード9という巨大地震だった.本震発生後には多数の余震が発生するが,大地震発生のメカニズムを解明するためには,正確な余震分布を調べることが重要である.全国の6つの大学と海洋研究開発機構,気象庁気象研究所は,本震発生直後から共同で100台以上の海底地震計を用いて余震観測を行った.2011年6月中旬までのデータから,震源域全体で約3か月間の精度の良い震源分布が得られた.余震の震源の深さは,全体的に陸に近づくにつれて深くなっていた.震源分布からは,本震時に大きくすべったプレート境界では余震活動が低いことがわかった.上盤の陸側プレート内では余震活動が活発で,正断層型と横ずれ型が卓越していた.太平洋プレート内の余震も多くが正断層型か横ずれ型だった.このことから,日本海溝付近の太平洋プレート内の深部と上盤の陸側プレート内では,本震の発生によって応力場が圧縮場から伸張場に変化したことが示唆される.
著者
高橋 毅 鈴木 一也 伊藤 靖 松下 晃三 数井 暉久
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
巻号頁・発行日
2000

症例は50歳, 男性.1996年9月3日, 悪性胸膜中皮腫に対し左胸膜肺全摘, 心嚢, 横隔膜, 胸壁合併切除術, 及び温熱化学療法を施行した.外来にて経過観察されていたが1999年11月, 胸部CTにて左胸壁に径3cmの腫瘤を指摘され, CTガイド下針生検にて悪性胸膜中皮腫の再発と診断された.全身精査にて転移巣のないことを確認し2000年1月, 再発巣の切除術を施行した.rights: 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation:isVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001272251/
著者
岡田 長保 住田 良夫 高島 康治 田中 徳太郎 明石 善久 大橋 高明 伊藤 一夫 絵野 幸二
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.143-150, 1997-04-20
参考文献数
10
被引用文献数
5

肺癌検診発見肺癌の特徴や検診が内包する問題点を考察するため, 1987年以降7年間に, 兵庫県津名郡に於ける老健法に基づく検診で発見された肺癌23症例(A群)について検証した.臨床病期は0,I期が13例(56%), 根治手術率48%, 5年生存率48.9%, 95年9月現在, 11例が生存中でその内10例までがI期発見であった.23例中, 発見前年には受診歴がない非経年受診群は12例, 前年にも受診歴がある経年受診群は11例でIIIB期以上の進行癌は前者に多かった.然しI期症例の62%が前者に属し, その原因は個々の肺癌症例の肺癌進展速度差にあり, 検診成績を支える予後良好なI期肺癌の多くは進展速度が緩やかな症例であった.又, 検診と同一期間, 同一地域での日常診療発見肺癌29症例(B群)との対比でも, length biasを始め種々のbiasが認められ, 進展速度が遅い肺癌はB群よりもA群に多かった.進展の速い肺癌をできるだけ早期に検診で発見するという困難な課題が残されている.