著者
山田 啓貴 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.57-62, 2015-06-19

近年における野生動物自動撮影カメラの大部分は,焦電型センサーを用いており,背景温度と対象動物の体表温度との温度差を検知して作動する。本研究の目的は,背景温度と動物体表温度が動物の検知率に与える影響を明らかにすることである。実験には3機種のカメラ(FieldNote Duo,LtlAcorn5210およびTrophyCam Basic Model)を用い,表面温度38℃の被写体の検知率をさまざまな背景温度のもとで調べるとともに,数種類の鳥獣の体表温度を異なる気温条件で調べた。センサーカメラの検知率は,対象動物と背景温度の差が6℃以下になると低下しはじめた。背景温度としての地温が高くなる夏季の昼間には,野外でこのような状況が生じる可能性がある。動物の体表温度は顔面部分では高い値を示したが,胴体部分では毛皮や羽毛の断熱効果によって背景温度と変わらぬ低い値を示すことも多かった。そのため,撮影範囲に胴体部分しか写らないような状況では,夏季以外の季節にも動物を検知できない場合があると予想される。
著者
山田 奨治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.14, pp.21-30, 1995-01-27
被引用文献数
6

古文書かな文字(変体かな)を自動認識する際に特有な諸課題(文字のくずし、散らし書き、連綿体など)を整理した。そしてこれらの課題に有効な特徴抽出方式である、高次局所自己相関特徴について述べ、それを利用した文字認識実験を行なった。高次局所自己相関特徴は、文字の位相的な特徴を反映し、位置に関して独立で、画像内での加法性を持っており、これらの特性を利用することで、変体かなを厳密に文字を切り出すことなく認識することができる。本方式は文書を限定した上で、システムが文字を学習しながら専門家の読解を支援してゆくシステムへの応用が期待できる。We arranged the problems of machine recognition of Japanese old Kana characters. The higher order local autocorrelation features, which is efficient to solve these problems, was described. We conducted some recognition experiments using this feature. The higher order local autocorrelation features reflects the topological features of characters. It is independent for position, and satisfies the low of addition. Using these features, old Kana could be recognized without strict character segmentation. Our method can be applied for specialists support system with auto character feature learning for single document.
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
山田 耕作 大和田 幸嗣 渡辺 悦司
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.1273-1311, 2012-03-05

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
山田 欣吾
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.519-538, 1970-11-01

論文タイプ||論説
著者
持橋 大地 山田 武士 上田 修功
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.36(2009-NL-190), pp.49-49, 2009-03-18

本論文では,教師データや辞書を全く必要とせず,あらゆる言語に適用できる教師なし形態素解析器および言語モデルを提案する。観測された文字列を,文字 n グラム ‐ 単語 n グラムをノンパラメトリックベイズ法の枠組で統合した確率モデルからの出力とみなし,MCMC 法と動的計画法を用いて,繰り返し 「単語」 を推定する。提案法は,あらゆる言語の生文字列から直接,高精度で未知語のない n グラム言語モデルを構築する方法ともみなすことができる。
著者
山田 朗
出版者
日本史研究会
雑誌
日本史研究 (ISSN:03868850)
巻号頁・発行日
no.533, pp.64-67, 2007-01
著者
野田 敏宏 新敷 祐士 安西 恵子 川崎 啓子 栗原 智仁 高市 和之 髙野 紀子 中村 峰夫 西野 健三 山田 和也 平井 みどり 田崎 嘉一 松原 和夫 吉山 友二 井関 健
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.93-98, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

要 旨目的 : 本研究ではサプリメント類の利用に関して来局患者および薬剤師両者の意識および実態を明らかにすることにより, サプリメント類利用における薬剤師の関わり方を検討した. 方法 : 東京都・北海道内の14保険薬局にて来局患者1,253人を対象に, サプリメント類に関するアンケート調査を来局時に実施した. また, 薬剤師289人に対してサプリメント類に関する意識および情報収集の実態について, 保険薬局および北海道薬学大会 (2011年・札幌) においてアンケート調査を実施した. 結果 : 来局患者からの回答数1,253人のうち, 約50%は薬剤師にサプリメント類の安全性や効果についての情報提供を望んでいるものの, 実際には薬剤師が来局患者の疑問に答えている例は7.3%にしかすぎないことが明らかとなった.  一方で, 回答を得られた薬剤師289人のうち67.5%の薬剤師は自身がサプリメント類の情報提供者として来局患者に期待されていると認識しているものの, サプリメント類の情報収集に積極的に取り組んでいる薬剤師は約30%であり, さらにその情報内容もインターネット上の情報に頼っていることが示された. 結論 : サプリメント類の説明に対する患者の期待と薬剤師による説明の実態には, 大きな隔たりがあることが分かった. 来局患者の期待に応えるためにも, 薬剤師はサプリメント類に対し科学的根拠に基づく理解を深め, 医薬品との関連を含めた統合管理の必要性が求められる.
著者
西村 清和 尼ヶ崎 彬 長野 順子 相澤 照明 山田 忠彰 中川 真 渡辺 裕 津上 英輔 青木 孝夫 外山 紀久子 大石 昌史 小田部 胤久 安西 信一 椎原 伸博 上村 博 木村 建哉 上石 学 喜屋武 盛也 東口 豊 太田 峰夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は従来自然美論、風景論、環境美学、都市美学という評語のもとで考えられてきたさまざまな具体的、個別的諸問題領域を、日常生活の場において企てられたさまざまな美的実践としてとらえなおし、あらたな理論化を目指すものである。具体的には風景、都市景観、森林、公園、庭園、人工地盤、観光、映画ロケ地、遊芸、雨(天候)、清掃アートなど多様な現象をとりあげて分析し、その成果を『日常性の環境美学』(勁草書房、2012)として刊行した。
著者
前田 昌弘 中川 雄輔 山田 協太 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.614, pp.183-190, 2007
参考文献数
20
被引用文献数
1 7

As a result of the case study on two cities in the south west coast, it was clarified that the way of restoration of settlements was quite different. (1) In Moratuwa, victims have restored their settlement for themselves although there is few support by aid groups due to the coastal regulation. (2) In Hikkaduwa, restoration has been advanced initially with support of external people such as international organizations and NGO. However, residents in the buffer zone have been confused by the revival policy and coast construction regulation. Especially, through the reconstruction process of the settlement in Moratuwa, it was understood that people can reconstruct their settlement for themselves, if the settlement has enough physical basements such as common infrastructure and houses suitable for their life style and social relationship for mutual aid based on closeness to job or blood relationship.
著者
佐藤 和夫 汐見 稔幸 宮本 みち子 折出 健二 杉田 聡 片岡 洋子 汐見 稔幸 宮本 みち子 折出 健二 杉田 聡 片岡 洋子 山田 綾 小玉 亮子 重松 克也
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

男女共同参画社会を形成するにあたって不可欠な課題と言うべき男性の社会化と暴力性の問題を、ヨーロッパおよびアメリカ合衆国の研究と施策について、比較研究調査した上で、日本における男性の暴力予防のために必要な研究を行い、その可能性を学校教育から社会教育にまで広めて調査した。その上で、先進諸国における男性の暴力性の関する原理的問題を解明した。
著者
小田 清 小坂 直人 松田 光一 武市 靖 大西 有二 山田 定市 千葉 卓
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

北海道・有珠山は平成12年3月31日、23年ぶりに噴火した。事前避難活動が徹底していため、人的被害は皆無であったが、道路や水道等のライフラインや住宅地、工場や病院等は大きな被害を受けた。また、地域経済の活動中心地であった洞爺湖温泉街は、「危険地域」という風評被害的なものもあって観光客が激減し、地域経済にとって大きな痛手となっている。その後、噴火活動は沈静化し、大部分の地域では平常さを取り戻しつつある。しかし、3年有余が経過した現在、復興に向けて、各種の公共事業が展開しつつあるが、新たなハザードマップの作成や土地利用計画、観光産業の不振による経済生活の不安定さと有効な手段の欠如、教育施設や福祉施設の移転等による不便さなど、新たな問題が山積している。本研究では、平成13年度に引き続き、(1)経済・産業の復興視点、(2)地域社会・生活・教育の復興視点、(3)復興に伴うインフラ整備と地方財政問題視点、(4)復興に伴う行政・法的諸問題の視点から、総合的な地域復興計画を探ることを目的とし、地域実態調査と補足調査を実施してきた。その結果、ほぼ、上記の4つの視点からの研究成果が得られた。すなわち、(1)の視点からは、現実に経済活動を行っている地域を「危険地域」として非居住地にすることの根強い地域住民からの反対と法的規制の困難さ、(2)医療・福祉・教育施設の移転に伴う諸問題と避難住民・生徒のケア問題の存在、(3)インフラ整備と財政負担問題、国庫補助の引き上げ問題、(4)災害復興に関する行政対応と義援金配分問題の存在などである。その結果、20〜30年周期で予想される再噴火に対応しての防災マニュアルづくりの難しさが浮き彫りになってきている。行政の防災対応と生活している地域住民との折り合いをどうつけるのか、地域経済の再興をどのように実現するのか、これらに関しては、さらに詳細な地域実態調査・研究が必要であると考えている。
著者
山田 誠
出版者
神戸市外国語大学
雑誌
神戸外大論叢 (ISSN:02897954)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1-21, 2003-11-30
著者
西園 晃 アハメド カムルディン 齊藤 信夫 山田 健太郎 鈴木 基 グエン キューアン パカマッツ カウプロッド エリザベス ミランダ
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

東南アジアにはイヌ肉を食する文化があり、感染犬とその食肉の取り扱いに伴う狂犬病感染リスクが想定されるが、実態は全く知られていない。3年間の計画で、ベトナム、フィリピンでのイヌ肉取り扱いによる非定型狂犬病曝露の可能性、リスク因子の解析を行った。その結果、これらの国では動物咬傷に依らずイヌ肉を食するまたはその肉を扱うことで、狂犬病ウイルスに感染する非定型的な感染様式が存在することが明らかになった。特にベトナムのイヌ食肉市場従事者の中には、イヌからの咬傷曝露歴や狂犬病ワクチン接種歴がないにもかかわらず狂犬病ウイルスに対する抗体を有し、微量のウイルスの曝露による不顕性感染が成立したと考えられた。
著者
山田 友幸
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.77-89, 2004-07-25 (Released:2009-05-29)

This book is the last book of Iida's celebrated series, "Summa". It includes a detailed argument for homophonic semantics and an equally detailed exposition of his truth-conditional semantics for three fragments of Japanese, the third of which contains indexical expressions and tensed verbs. As one might expect, the semantics given for this fragment is far from being homophonic. I will examine what role his argument for homophonic semantics plays in his defense of his non-homophonic semantics. I will also examine how Iida avoids treating moods in his semantics, and point out the need to treat illocutionary acts within semantics.