著者
勝山 恒男 安家 武 野村 祐士 若本 雅晶 野島 聡 木下 和彦 村上 孝三
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.1810-1822, 2009-08-15

IPスイッチの処理能力向上にともない,レイヤ2ネットワーク規模が拡大し,経済的に大規模なレイヤ2ネットワークの構築が可能となってきている.これにともない,障害の波及範囲も広域化し,障害復旧に時間を要し,可用性を低下させる要因となっている.レイヤ2ネットワークの典型的な大規模障害であるループ障害では,ループパケットは,消滅することなくネットワーク内を転送し続ける現象が起き,システム全体の稼働停止に至ることがよく知られている.この現象は,本来バス構造であったLANセグメントをスタートポロジにしたが,ブロードキャスト型のプロトコルを変えていないために起きる本質的問題である.これを回避する従来技術としてSTP(Spanning Tree Protocol)が適用されているが,十分な効果が得られない場合も多い.そこで,本論文では,ループ障害を対象に,従来の障害事前防止型のアプローチではなく,その原因箇所をリモートホストから迅速に探索発見する診断型のアプローチを提案する.本方式は,第1ステップとして,診断探索を行う端末から送信するロングパケットによってノード負荷の低減を行い,また,架空MACアドレスからのブロードキャストARP要求の送信によってMACアドレス誤学習を訂正し,本来の通信機能の回復を行う.次いで,第2ステップとして,誤学習の成否と大量パケット受信ポートの分析によってループ箇所の特定を行う2ステッププロセスからなるリモート診断を特徴としている.
著者
坂口 昌幸 新宮 聖士 春日 好雄 小林 信や 天野 純 保坂 典子 野村 節夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.3021-3026, 1998-12-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
52

症例は45歳女性.検診で前頸部腫瘤を指摘され,縦隔内甲状腺腫と診断された.この時に胸部X線で右横隔膜の挙上を指摘され, CT, MRIにて右肺下面と横隔膜との間に巨大な腫瘤を認め,右肺中葉を圧排していた. CT値より脂肪腫,胸腺脂肪腫が疑われた.これらの腫瘍を摘出した.縦隔内甲状腺腫は256g,縦隔内巨大腫瘤は2,000gで,病理組織学的にはそれぞれ腺腫様甲状腺腫,胸腺脂肪腫と診断された.縦隔内甲状腺腫を合併した胸腺脂肪腫は極めて稀で,われわれが検索しえた限りでは,本症例1例のみであった.
著者
川本 裕子 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1166, pp.100-103, 2002-11-11

問 竹中平蔵経済財政・金融担当相は不良債権処理に関して3つの方針を掲げています。自己資本の充実とガバナンス(経営規律)の強化、資産査定の厳格化ですが、これは川本さんの以前からの主張と重なりますね。 答 竹中さんのおっしゃる方向そのものは正しいと思います。10年来、日本の金融界が解決し得なかった問題をきちんと3点に絞り込んでいらっしゃいますから。
著者
平野 真子 野村 一俊
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.387-393, 2000

We examined the relationship between effusion of MRI findings and the clinical symptoms. Materials and methods: We examined MRI findings in patients with periarthritis scapulohumeralis. We excluded cuff tears, calcified tendinitis, instability of the shoulder fractures and impingement syndrome in young patients. The subjects comprised 75 cases 77 shoulders (45 men and 30 women), with an average age of 58.3 years (range 40-78). Scanning was performed on a Gyroscan T5- II 0.5-T (Philips). T1-weighted and T2-Weighted sequences in the coronal oblique plane, T2-weighted sequences in the coronal sagittal plane and horizontal plane were taken.<BR>Results: Degeneration of the rotator cuff was observed in 34 shoulders. Joint effusion was observed in 68.8% of glenohumeral joints, and 23.4% of subacromial bursa.69.4% had effusion in the sheath of the long head of the biceps long tendon. We studied the relationship between the MRI findings and the clinical symptoms.<BR>Conclusion: Glenohumeral joint effusion was observed in 68.8%. This suggested that there was arthritis in cases of periarthritis scapulohumeralis. We could not find a clear relationship between the effusion the clinical symptoms.
著者
江島 博康 野村 耕二 Bull Robert W.
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
The Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.623-626, 1994
被引用文献数
3

イヌ赤血球型のDシステムについて, 30品種3,191例を対象にその品種別出現頻度および遺伝子頻度を比較検討した. 日本で飼育されている犬のDシステムの頻度は品種により大きく異なることが明らかとなった. すなわち, D1型は在来種の方が欧米種に比較して高く, 欧米産の品種はD2型の頻度が高い傾向を示した. また, 日本において雑種と呼ばれる品種は, 在来種と欧米種との中間に位置する値を示した. これらの中で, 非常に興味深かった所見としては, アフガンハウンドのD1遺伝子頻度が在来種である柴犬と同じ0.3333を示した点, また, 在来種である土佐犬のD1遺伝子頻度は0.063と低く, 欧米産であるマルチーズの0.097よりも低い値であったことがあげられた.
著者
古澤 賢彦 金本 勇 若尾 義人 高橋 貢 宇根 有美 野村 靖夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.501-504, 1995-07-20
参考文献数
16

チャウチャウ系雑種雄犬 (1歳4ヵ月齢) が腹水と徐脈を主徴として来院した. 高度の心拡大をともなう特発性心房停止を認め, 利尿剤投与と腹水の穿刺除去を継続したが, 11ヵ月の経過で死亡した. 剖検では高度の右房拡張が, 病理組織学的検査では心房の脂肪線維化が認められ, 基礎疾患として特発性右房拡張症が考えられた.
著者
竹内 武昭 中尾 睦宏 野村 恭子 錦谷 まりこ 矢野 栄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.103-110, 2007-02-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21
被引用文献数
4

ストレス自覚度や社会生活指標が,筋骨格系症状に及ぼす影響を評価するため,日本の国民統計データの解析を都道府県単位で行った.国民生活基礎調査,人口動態統計,厚生労働省衛生業務報告に基づき,1995年と2001年におけるストレス自覚度と19の社会生活指標の計20変数を抽出し,腰痛,関節痛,肩こりの有訴率との関連を調べた.因子分析の結果,19の社会生活指標は,「都市化」「加齢と生活の規則性」「個人化」の3因子に分類されたが,ストレス自覚度は,「都市化」因子に属する社会生活指標8変数と有意な相関があった.重回帰分析により,そうした「都市化」因子の影響を調整しても,ストレス自覚度は,腰痛(1995年と2001年)・関節痛(2001年のみ)・肩こり(1995年と2001年)と有意な関連が認められた.ストレス自覚度は,「都市化」因子と密接なつながりがあったが,その交絡要因の影響を調整しても,筋骨格系症状の有訴率に関連していることが示唆された.
著者
野村 卓生 吉本 好延 明崎 禎輝 冨田 豊 濱窪 隆 藤原 亮 東 大和生 佐藤 厚
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.D0503, 2006

【緒言】適度な身体活動の継続は,他の要因から独立して慢性疾患リスクを減少させるが,運動療法に関する教育を体系的に受けた糖尿病患者においても運動の継続は極めて困難である.数ある運動の中でも「階段を昇る」ことは,多くの個体集団に適用可能で,日常生活における運動習慣定着へのモデルになると考えられる.本研究では,階段使用促進を目的としたメッセージを付記したバナー(バナー)を用い,不特定多数を対象に「階段を昇る」行動が促進されるかどうかの検討を行った.<BR>【方法】測定場所は,階段(37段)とエスカレーター(昇り)が隣接したH県内某私鉄の駅構内とした.測定者は2名とし,測定者1が階段を昇る通行者,測定者2がエスカレーターを使用する通行者を記録した.測定は平日,午前7時からの2時間30分とし,週2回,計16回の測定を実施した.通行者は,性別,年代層別(高齢層,青中年層,学生層,新生児及び小児は除外)に分類し,カウンターで記録した.2週間隔で通行者数を合算し,SPSSを用いて統計解析を行った.<BR>【介入手順】まず,ベースライン測定を2週間行った.ついで,バナーを階段前額面,柱側面,壁面に計45枚貼付し,同様の測定を4週間行い,4週目の測定最終日にバナーの撤去を行った.フォローアップ測定としてバナー撤去から3週後に2週間,同様の測定を行った.なお,本研究は臨床研究に関する倫理性に十分に配慮した.<BR>【結果】全測定期間において通行者は計43,241名測定された.階段使用者の割合は,全通行者でベースライン3.58%,バナー貼付後1-2週4.93%,バナー貼付後3-4週5.80%,フォローアップ3.68%であり,ベースラインに比較してバナー貼付後1-2週,3-4週においては有意な増加を示した(p<0.001).性別及び年代層別では,ベースラインと比較してバナー貼付後1-2週においては男性高齢層,青中年層,学生層でそれぞれ3.76%,0.10%,6.33%,女性高齢層,青中年層,学生層でそれぞれ1.44%,0.42%,16.6%の増加を示した.バナー貼付後3-4週において,男性高齢層,女性高齢層,女性学生層ではバナー貼付後1-2週より階段使用者率は低下したが,ベースラインと比較して高い階段使用者率が維持されていた.フォローアップでは,男性青中年層のみ有意な階段使用率が維持されていた.<BR>【考察】階段の昇り1回に要する消費カロリーは小さいが,生活範囲の多くの場所において身体活動促進のための啓発・教育が実施されるならば,個人の運動消費カロリーを現状よりも増加させ,慢性疾患の予防・進展抑制効果が期待できる可能性は高い.人の運動行動を誘発し,行動を維持させることは非常に困難である.本研究では,不特定多数の人の行動を簡便な方法で,全体で約2%であるが変容させることに成功できたことは非常に意義深い.
著者
李 在麟 太田 啓路 河合 隆史 吉田 菜穂子 井澤 修平 野村 忍 イームズ ダグラス 山崎 恵 貝谷 久宣
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.57-65, 2007-03-31 (Released:2017-02-01)

Recently, attention is being brought to exposure treatment methods using Virtual Reality for those suffering from panic disorder accompanied by agoraphobia. Overseas, contents for exposure treatment introducing Virtual Reality began development in the 1990s and positive evaluations are being made regarding its treatment methods and treatment effects. On one hand, there are still no cases developed professionally in Korea and even evaluations cases introduced into treatment are being made using contents developed overseas. For such reasons, this study has attempted to develop Virtual Reality Exposure contents which fully reflect Japan's culture and environment. Developed contents were focused on subway environments where avoidance was shown the most among patients receiving treatment in community hospitals. Contents were produced through Virtual Reality by modeling existing places and objects in their actual size to express a high sense of reality. Also, mutual interaction functions were strengthened to allow exposure suitable to the diverse symptoms of each patient. Although evaluations through this study are still in progress, changes in avoidance behavior regarding anxiety and fear are being confirmed and treatment effects are being verified through additional experiments.
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
田野村 忠温 Tanomura Tadaharu タノムラ タダハル
出版者
大阪大学大学院文学研究科 日本語学講座 現代日本語学研究室
雑誌
現代日本語研究
巻号頁・発行日
no.12, pp.18-37, 2020-12

動詞-名詞という形をした日本語の漢語複合名詞には,"N をV"などの動詞句に相当する意味と"V したN"などの連体修飾句に相当する意味の両方を表すものがある。しかし,前者の意味しか表さないものもあれば,後者の意味しか表さないものもある。複合名詞の事例ごとに事情が異なり,全体としてきわめて複雑な様相を呈しているが,その中にも一定の原理があるのではないかという見込みに基づき,動詞-名詞型漢語複合名詞の意味のあり方を統一的に説明するための観点を仮説として提示する。ここで論じる問題を大きく支配しているのは,中国語を範とした語形成と日本語の感覚による再解釈という2つの要素である。現代日本語の共時的な分析では見えてこない現象の論理を,通時的な要素を加えた考察を通じて探ってみたい。
著者
市川 真士 村田 崇 木野村 茂樹 鈴木 岐宣 三好 達也
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会機関誌えねるみくす (ISSN:24323586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.232-238, 2018

<p>新型のプリウスPHVに搭載されている新開発プラグインハイブリッドシステムは,旧型のプリウスPHVと比べ,よりいっそうの高効率・低損失化と小型・軽量化を目指して開発を推進し,次世代環境車の柱となるにふさわしい省エネ性能を実現した。EV性能は,EV距離とEV出力ともに旧型より大幅アップを実現し,実使用でのEVカバー率の向上が可能となった。さらに,駆動用バッテリの充電は,ACおよびDC充電に加え,世界初のソーラー充電システムを採用した。駐車中のソーラー充電で,日当たり最大EV距離6.1 km分の充電が可能であり,よりCO<sub>2</sub>フリーなEV走行が可能となった。</p>
著者
野村 正晴
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.673, pp.739-747, 2012-03-30 (Released:2012-07-02)

The Marunouchi is representative office district in Japan. It began to be constructed when the Mitsubishi financial clique had received public land disposed of in 1890s. This district was developed by the Mitsubishi, largest landowner in this area. The character of this development can be observed from the view point of change of its land. In this research, focused on the transaction type and the business partner to which the land right was transferred, the interrelation between the change of the land and the developmental strategy of the Mitsubishi will be clarified.