著者
金子倉吉 著
出版者
製菓実験社
巻号頁・発行日
1934
著者
金城 克哉
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.No.11, 2014-03

本論は、ゲイ向け雑誌『G-men』誌に掲載された官能小説(「野郎小説」)に頻出する9つの男性器表現を述語との共起関係から特徴づけることを目的とするものである。従来このような性に関する言葉は学術的に研究されることがほとんどなかった。本論では因子分析により3つの因子を抽出し、また階層的クラスター分析によって9つの表現の類似度を示すことに成功している。セクシュアリティと言葉の関わりという点から、これまでなされていない新たな研究の可能性が示唆されたと言える。
著者
角田 圭子 高木 潤野 臼井 なずな 冨岡 奈津代 梶 正義 金原 洋治 広瀬 慎一
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.47-55, 2022-11-30 (Released:2022-12-26)
参考文献数
21
被引用文献数
2

本研究の目的は,場面緘黙(SM)児の発話行動を評価する日本版SMQ(SMQ-J)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することである。4歳から12歳のSM児の養育者139人を対象に日本語に訳されたSMQ及びCBCL/4-18を実施した。原版SMQは3因子構造であるが,探索的因子分析の結果,4因子が抽出された。「社会場面」と「家族関連場面」の他は,原版の「学校場面」因子が「教師」と「同級生」に区別された。各下位尺度の信頼性が確認された。また,本研究のSM児と冨岡(2016)の統制群101人との比較から,SMQ-Jの判別的妥当性が示された。さらに,SMQ-JとCBCL/4-18との関連から弁別的妥当性は示されたが,SMの程度と不安の高さとの関連性は明確には示されなかった。本研究の結果から,SMQ-Jの信頼性と妥当性が概ね確認され,SM児の発話行動の評定ツールとしての有用性が示唆された。
著者
小林 由佳 吉澤 重克 金子 誠二 清水 敏克
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.158-164, 2016 (Released:2016-08-18)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

現在,消毒剤として広く使用されている次亜塩素酸ナトリウムに比して,人体への影響が少なく,有機物存在下でも殺菌効果が期待できる亜塩素酸水について,Escherichia coli (E. coli)の殺菌効果とネコカリチウイルス(feline calicivirus: FCV)の不活化効果およびその濃度と効果との関係を検証した.  亜塩素酸水は有機物としてのウシ血清アルブミン(bovine serum albumin: BSA)存在下でも,殺菌・不活化効果があり,この時の遊離塩素濃度と殺菌・不活化効果に高い相関性が認められた.  さらに,亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムを,有機物としてのBSAと接触させ,接触前後の遊離塩素濃度の推移並びに溶液に対するE. coliの殺菌効果およびFCVの不活化効果を検討した.  亜塩素酸水のBSA接触後の遊離塩素濃度は,30分以上の接触時間でほぼ一定となり,残存遊離塩素は40~70%であった.高濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液でもBSAと30分間接触後の遊離塩素は激減した.  亜塩素酸水はBSA接触後,E. coliおよびFCVに対する有効な殺菌効果およびウイルス不活化効果が確認されたが,次亜塩素酸ナトリウムではそれらが認められなかった.  亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムと比較して有機物との共存下における遊離塩素濃度が高く,有機物存在下でも消毒効果が期待できる薬剤であると考えられた.
著者
金 博男
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.39-57, 2019

近代中国における「日曜日」の受容に関しては、これまで文学や歴史学、社会学などの分野において研究が進められてきた。しかしながら、それらの先行研究の大多数は、民国期に重点が置かれたものであり、清末期における「日曜日」の受容についての考察は十分とは言えない。本稿は、清末における一週七日制の名称を検討した上で、清末の新聞『申報』の記事を中心に、休息、娯楽、および犯罪事件といった三つの観点から清末における「日曜日」の受容を考察するものである。
著者
金 釆洙
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.28, pp.177-207, 2004-01-31

湾岸戦争以降、世界の情勢はアメリカ中心になりつつある。EC(ヨーロッパ共同体)は、世界の情勢がアメリカ中心になっていくことを防ぐ方法としてEU(ヨーロッパ連合)に転換してきた。しかし、東アジア地域の国々は二十世紀のナショナリズムに縛られ、アメリカやヨーロッパの動きに対応できるような連帯形態を作れないのが現状である。 本研究は、アメリカ、ヨーロッパ連合に対応できる東アジア連帯構築のための雰囲気醸成の一つとして、グローバル的観点から近代日本のナショナリズムがどのように形成され、またどのように展開されてきたのかを考察することを目的とする。 考察は近代化過程における日本人のナショナリズムがどのように形成されたのかという問題を、まずその時代的背景と思想的背景から論じ、次に日本の為政者たちがどのようにそれを啓発していったのかを検討する。そしてそれをどのように国民に注入していったのかを把握する。最後にナショナリズムへと転換していった時の国民がどのようにナショナリズムを発揮していったのかを考察してみることにする。 その考察から筆者は近代日本のナショナリズムの成立とその展開様相について次のような結論を導き出した。第一、日本のナショナリズムは十九世紀初めから東進してきた近代西洋の産業資本主義勢力との接触とその勢力と対決してゆく過程で成立したと言える。すなわち、それは近代西欧勢力と日本との対立構造から生まれたというのである。第二、明治維新を通して政権を握った、幕府時代の外様藩を中核とした藩閥政府が西欧列強諸国から国家的安全と彼らとの平等を追究していきながら彼ら自身の政権を維持していく過程でそれが拡大・強化され、定立されたと言える。第三、日本のナショナリズムは「皇祖皇宗」という観念を基礎とする国体思想が明確に提示され、「大日本帝国憲法」の発布と「教育勅語」の発布を契機として、国体思想が学校教育を通して被教育者に注入されることによって確立されたと考察される。第四、日本のナショナリズムはその後日清戦争、日露戦争、満州事変、日中戦争、太平洋戦争などといった戦争を通して展開していき、敗戦後には占領軍の日本文化の断絶政策に対抗して文化的次元で展開していったのである。第五、近代日本のナショナリズムは神道・皇道思想などの基礎をなす自然思想と深く結ばれており。近代西洋の科学思想とも深く結ばれている。第六、近代日本のナショナリズムは近代西欧勢力との接触とそれとの敵対的関係を通して成立・確立されていったにもかかわらず、日本がその過程で彼らの文物を学んで行かざるを得ない立場であったため、その中には「洋才」思想に基づく「殖産興業」思想や「科学立国」の近代西欧勢力に対する友好的感情なども内包していると言える。第七、近代日本のナショナリズムの目標の一つはアジア主義を実現していくことであり、近代以前徳川幕府との友好関係を結んでいた韓国・中国等の大陸の国々を支配していくことであったと言える。第八、近代日本のナショナリズムは敵対と友好とで特徴づけられる現代日米関係の原型として捉えられる。
著者
山口 昭三郎 金古 善明 山岸 高宏 大山 良雄 天野 晶夫 新井 昌史 中村 哲也 長谷川 昭 倉林 正彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.143-145, 2003-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

67歳,女性.クラリスロマイシンの投与を受けた後, torsades de pointesが頻発した.内服中止後に頻拍は消失し,本剤により惹起されたQT延長症候群と診断した.内服中止後も, QTc延長(0.51秒)とV2-6の二相性T波,イソプロテレノール,メキシレチン静注投与後のTU波の形態変化を認め,基礎に再分極異常の存在が示唆された.本剤は使用頻度の高い薬剤であり,投与後の経過に十分留意する必要がある.
著者
深見 良子 石津 日出子 大鹿 淳子 代継 由紀 井上 吉世 大江 隆子 大重 淑美 梶本 五郎 金谷 昭子 木村 雅美 高村 仁知 竹井 よう子 富山 久代 中原 満子 原 知子 福井 広子 藤井 美紗子 堀内 攝之 真砂 佳美 的場 輝佳 椴山 薫 夜久 冨美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.104-108, 1996-05-20
被引用文献数
8

フライ油の使用限界を官能検査法で判定できるか、油の風味と化学的性状(AnV、CV、AV、トコフェロール残存率)との関連を見ながら6種の食品(豚ヒレ、鶏ささ身、さわら、いわし、ピーマン、じゃがいも)を揚げて検討した。各揚げ種は1回50gを、1日2回、4時間毎に、大豆油500gを入れた電気フライヤー中で170℃で揚げ、官能評価により揚げ油が風味点数3になるまで加熱を続けた。油の風味点数が3(油臭い、重い、油っぽい)になるまでの加熱時間は揚げ種により異り、獣鳥肉類・魚類の方が野菜・いも類に比べ短かった。獣鳥肉類・魚類の間には、脂質含量や脂肪酸組成に大きな差があるにもかかわらず、余り有意差がみられなかった。じゃがいもとピーマンの間にも、水分含量の差やクロロフィルの有無などにかかわらず、ほとんど差が見られなかった。風味点数3の揚げ油のAnV、CV、AVおよびトコフェロール残存率は揚げ種による差が余りなかった。すなわち風味点数3の油の劣化度は、ほぼ同じであることが分かった。いずれの場合も酸化毒性が現れる程酸化は進んでいなかった。以上の結果より、獣鳥肉類・魚類は野菜・いも類に比べより多く風味を劣化させるが、化学的性状への影響は同じと考えられる。フライ油の使用限界の判定に油の風味の点数3を基準に用いることは、家庭などでの簡便法として有効であると考えられた。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
金内 さよ 三浦 麻子 唐沢 穣
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20301, (Released:2021-03-31)
参考文献数
16

The present study compared two forms of reciprocity, namely, a selfish versus altruistic one. In two experiments, participants played two rounds of the dictator game. In the first round, they were all assigned the “recipient” role, and were either over- or under-benefited by the game partner in the “allocator” role. In the second round, the participants were instead assigned the allocator role, with the recipient being either the same partner from the first round or a new partner. The results consistently showed that those who had under-benefited in the first round in turn over-benefited in the second round, regardless of whether the partner remained the same or was replaced. In contrast, those who had over-benefited previously returned the favor, but this was the case only toward the same partner rather than the new one. Hence, selfish behavior was generalized to strangers, whereas a (an altruistic) favor was not generalized, being returned only to the original benefactor. Implications of the asymmetry in chain reactions, as well as methodological issues, are discussed.
著者
平野 綾 奥平 奈保子 金井 日菜子 峯下 圭子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.418-427, 2010-09-30 (Released:2011-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

単語の復唱・音読は良好だが呼称時のみ音韻探索が著明で,多彩な錯語を呈した流暢型失語の 1 例を報告した。症例は 69 歳,右利き女性,高校卒。左側頭─頭頂葉の脳梗塞で中重度流暢型失語を発症,会話時ほとんど錯語はなく流暢に話すが,指示代名詞の多い空虚な発話だった。呼称時の誤反応を,語彙性,意味的関連性,音韻的関連性の観点から,意味性・無関連・形式性・混合性・音韻性錯語および新造語の 6 つに分類した結果,これらすべての種類の反応が認められた。特に,音節・韻律構造といった語の「枠組み」が保たれた非単語が多数認められた点が特徴的で,これらは,語の音韻形式のうち音節・韻律情報に比べて音素情報が得にくく,回収された語の枠組みを埋めようと音素を探索する過程で表出されたと考えられた。また,形式性錯語や,複数語彙が混合したと思われる非単語が認められたことから,語選択における語彙レベルと音韻レベルの相互的な影響も示唆された。
著者
菊地 賢 金指 あや子 大曽根 陽子 澤田 與之 野村 勝重
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.457-464, 2015 (Released:2016-04-19)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1

ハナノキは,東海丘陵地域に生育する落葉高木で,絶滅危惧II類に指定されている絶滅危惧種であるが,自生地域では街路樹としてよく植栽されている。こうした植栽木の中に北米原産の近縁種アメリカハナノキとみられる個体が混入し,一部で実生が定着している実態が明らかとなった。近縁外来種は,競争だけでなく,浸透性交雑や繁殖阻害のように生殖を介しても影響を与えるため,在来種の存続に深刻な影響を与える可能性がある。そこで外来種を同定するための簡便な種識別手法の開発を試みたところ,葉の形態的指標である LDIは,種間で有意差が見られたものの識別手法としては有効とはいえなかったが,葉緑体遺伝マーカーは種の識別に有用であった。さらに生理生態特性の解析から,アメリカハナノキは暗条件下でハナノキより高い光合成速度を示すこと,さらに,ハナノキとアメリカハナノキとが交雑可能であることが明らかとなり,アメリカハナノキの侵入可能性が示された。今後,アメリカハナノキの侵入拡大を未然に防除するために,早急に植栽混入の現状や流通経路を究明し,生物学的侵入リスクを生態・遺伝・生理等の面から評価する必要がある。
著者
玄 武岩 張 慶在 金 春玉
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
no.15, pp.57-77, 2012

The aim of this paper is to examine the 'ideal image of family' of Japan, Korea and China through analyzing Japanese animation Chibi Maruko-chan. Recently, various genres of Japanese animations are popular worldwide. Especially, so called Home Anime which describes everyday life in Japan is widely accepted in East Asia. Although their stories are based on Japanese settings, which are often unfamiliar to the foreign audience, Home Animes such as Sazae-san, Crayon Shin-chan and Chibi Maruko-chan enjoy great popularity in Asia, especially in China and South Korea. The paper clarifies the reason behind the popularity of this kind of animations, focusing on the image of family through literature review, text analyzing and questionnaire survey of Chibi Maruko-chan.
著者
金 志成
出版者
日本独文学会
雑誌
ドイツ文学 (ISSN:24331511)
巻号頁・発行日
vol.160, pp.141-154, 2020 (Released:2021-06-04)

„Die vielen Preise für literarisches Schaffen, die heute in der ganzen gebildeten Welt verliehen werden, bezeugen den Glauben der Oeffentlichkeit, Schriftstellern etwas schuldig zu sein.“ – Emil Staigers Rede über Literatur und Oeffentlichkeit, die er 1966 anlässlich der Entgegennahme des Literaturpreises der Stadt Zürich hielt, bezeugte ironischerweise das Gewicht dieses „Glauben[s] der Oeffentlichkeit“, als sie mit der reaktionären Kritik an der Gegenwartsliteratur den „Zürcher Literaturstreit“ auslöste, in dessen Folge der Nimbus des Kritikers Staiger allmählich verblassen sollte. Solange sie veröffentlicht wird, kann Literatur nicht unabhängig von der Öffentlichkeit sein, die aber nicht uneingeschränkt mit der Leserschaft gleichgesetzt werden darf. Während letztere sich für den vom Autor geschriebenen Text interessiert, will erstere die Stimme des Autors hören. In diesem Sinne sind die heute in Deutschland veranstalteten Lesungen und Poetikvorlesungen als Teil der literarischen Öffentlichkeit anzusehen, in der sich der Austausch zwischen dem realen Autor und der Öffentlichkeit verwirklichen lässt. Scheinbar gleichgültig gegenüber den Tendenzen postmoderner Literaturtheorie wie der „Tod des Autors“ oder die „Logozentrismus-Kritik“ nimmt in der Öffentlichkeit die Präsenz des Autors immer mehr zu. Eine solche Vorstellung von Öffentlichkeit hat aber ihre Grenzen, die offensichtlich werden, wenn man sich einem Autor wie Thomas Melle zuwendet, der wegen seiner bipolaren Störung schon mit dem Betreten des öffentlichen Raums, wie er sagt, „überfordert“ sei. Weil er über die von Habermas vorausgesetzte „kommunikative Rationalität“ nicht verfügt, steht Melle unvermeidlich „alleine in der Ecke“, wenn er aus der Öffentlichkeit nicht gänzlich ausgeschlossen ist. Sein jüngstes autobiographisches Werk Die Welt im Rücken (2016), in dem der Autor seine manisch-depressive Erkrankung zum ersten Mal öffentlich machte, lässt sich – so die These – als ein Vorhaben lesen, gewissermaßen in der „Ecke“ der Öffentlichkeit eine „alternative Öffentlichkeit“ bzw. „Gegenöffentlichkeit“ zu konstituieren. Ausführlich rekapituliert wird in diesem Buch jeder dreiste und manchmal auch skandalöse Auftritt des Autors in den öffentlichen Veranstaltungen, was nicht nur sein public image als Schriftsteller schädigte, sondern ihn darüber hinaus zu einer „Gestalt aus Gerüchten und Geschichten“ machte. (View PDF for the rest of the abstract.)