著者
牟田 和恵 古久保 さくら 伊田 久美子 熱田 敬子 荒木 菜穂 北村 文 岡野 八代
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

・本研究課題の中心的目標の一つであった女性運動・研究の動画発信チュートリアルサイトを制作し、web上での公開に至った。 http://movie-tutorial.info/ これにより、ITやパソコンに疎い女性たちが、自らの手で簡易な機材と安価な手段で、容易に自分たちの活動や研究の成果を動画に撮影、簡単な編集を施してweb上で動画を発信し、より多くの人々に情報伝達することのできる可能性を提供した。なお、同サイトは、当初の研究計画では、ウィメンズアクションネットワーク(WAN)のサイト(https://wan.or.jp/)上に公開する予定で、WAN側の了解も得ていたのだが、研究費使用の公正性を確実に担保するため、自前独立のサーバーを用意し公開した。・「私のアソコには呼び名が無い」コロキウムを行った(12/19)。これは、アメリカのフェミニズム運動のVagina Monologue から始まり中国でVachina Monologue として発展した運動の中心人物であった柯倩テイ中山大学(広州)副教授をお招きし日本での展開の可能性を探ったものである。これにより、とくに若い世代のフェミニストの活動の支援を行うことができた。・中国海南島および山西省の日本軍戦時性暴力被害者の支援運動に関する調査を行うとともに、新たに発足した台湾「慰安婦」博物館(阿媽家・台北)の開館式に参加し現地活動家との交流を行った。これらにより、昨年度・一昨年度に続き、香港や中国のとりわけ慰安婦問題・性暴力に取り組む女性運動組織との連携をいっそう深めることができ、アジアの女性運動のネットワーキングが大いに達成された。
著者
小路田 泰直 住友 陽文 小関 素明 岡田 知弘 小林 啓治
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

本年度は、当該年度を含め5年にわたる史料調査および研究によって蓄積されてきた成果の、一般的公表を念頭に、研究実施計画に照らして、とりわけ日本の各地域における原子力を中心とする電源開発史の総合を目指して、研究を継続した。特記すべきは、以下の二点である。まず、これまでの5年間でおこなってきた聞き取り調査(被災した福島県浪江町の首長、ビキニ事件における民間での活動関連、原発設置反対運動関連)、ならびに、おなじくこの5年間で収集した原子力関連史料(電源開発にかかわる新聞資料)の公表を、プライバシー等の問題に配慮しつつ、学術雑誌『史創』第7号において、おこなった。さらに、前年度、当科研の代表・研究分担者・研究協力者らを中心に出版した『核の世紀 原子力開発史』(東京堂出版)についての自己批判的な討議、新聞紙・雑誌に掲載された書評における真摯な批判をもとに、研究をさらにより広く、また深めるべく、奈良女子大学および福島大学において、二度のシンポジウムを開催した。以上の研究により、日本における原子力を中心とする電源開発の歴史、またそのなかで形成された安全神話の内実、さらには、戦前からつづく世界全体での原子力開発の歴史的な意義、また戦後の日本史全体を貫く原子力政策の意義が深く追究され、これまで五年に渡って積み重ねられてきた研究成果は、ひろく一般に公開されるとともに、今後、研究成果を飛躍的に応用するための重要な処方をえることができた。
著者
金 富子 中野 敏男 倉田 明子 橋本 雄一 吉田 ゆり子 澤田 ゆかり 野本 京子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

2016年度は1)中国東北への予備調査を兼ねたフィールドワーク、2)満蒙開拓平和記念館を含む長野県飯田市フィールドワーク、3)公開の国際シンポジウムおよびワークショップ、4)研究会を開催し、ほぼ所期の目標を達成できた。1)では、2016年8月に、翌2017年の本調査の候補地として大連・延辺を訪問した。この調査旅行の目的は、12月に開催予定の国際シンポジウム及びワークショップ(以下の3))の打合せをするとともに、本調査のための予備調査にあった。現地訪問し、研究交流や人脈づくりをしたことは、次につながる成果となった。2)では、2016年9月に本科研メンバー全員で、日本人の「満洲」移民の最大の送り出し先である長野県のなかで飯田市を訪問した。飯田歴史資料館では専門的研究者による研究史の現状に関する講演とともに、3人の移民経験者(子孫含む)の証言を直接聞く機会をもった。さらに川路村資料館での資料調査と文献収集、満蒙開拓平和記念館の訪問と館長の講演・面談をした。これらのフィールドワークを通じて、移民経験者の聞き取りや研究交流、人脈づくりをしたのは成果であった。3)では、第四課題に即して、2016年12月に中国延辺から研究者2人を招聘して、研究分担者・協力者、日本国内の研究者とともに、国際シンポジウム及びワークショップ「植民地を移動した〈在満〉朝鮮人の生活と抗日~その記憶と痕跡を移民史・オーラルヒストリーでたどる~」を2日間開催した。これらを通じて、翌2017年の本調査地の目処がついたとともに、現地研究者のよる写真集の出版企画が浮上したのは大きな成果であった。4)では、2016年3月に、本調査を前に、日本国内の研究者を招請して日本人「満洲」移民に関する公開研究会を開催した。本科研メンバーが同じ大学にいるという地の利を活かして、全体会議や予備調査打合せを精力的に開催した。
著者
福島 昭治 森村 圭一朗 鰐渕 英機 ALINA M Romanenko
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

ウクライナのチェルノブイリ原発事故後、周辺汚染地域では過去15年間で膀胱癌の発生頻度が約1.6倍に上昇したと報告されている。その原因として現在も土壌中に残存する低レベルCs137の長期間暴露が考えられる。我々は臨床的に膀胱がん症状のない汚染地域住民の膀胱粘膜に、上皮異形成や上皮内がんを含む膀胱がんの発生率が、汚染地域住民の24時間尿におけるCs137レベルにほぼ比例して上昇していることを見いだした。我々はまた、汚染地域住民の膀胱に上皮異形成や粘膜内癌を高頻度に伴う特異的な慢性増殖性膀胱炎を見いだしチェルノブイリ膀胱炎と命名した。その膀胱病変においてはp53,p21,サイクリンD1等、様々な癌関連遺伝子が異常発現していると共にiNOS, COX2なども異常発現しており、この地域の膀胱病変発生には酸化的ストレス傷害が深く関与することを証明した。さらに、原発事故後に認められた膀胱癌が事故前に同地域で得られた膀胱癌と比べp53遺伝子変異頻度が有意に低く、この地域の膀胱癌発生のメカニズムが一般的な膀胱発癌と異なった経路で発症する可能性が示唆されたため、近年その異常発現がヒト膀胱発癌に深く関与すると考えられているgrowth factor receptorの発現を免疫組織学的に検索した。その結果、抗FGF-R3、抗EGF-R1、抗EGF-R2抗体について汚染地域の症例は非汚染地域症例に比べ有意に高い染色性を示し、汚染地域住民の膀胱粘膜病変の発生にはこれらgrowth factor receptorの発現も関与していることが判明した。以上、これまでの研究によりチェルノブイリ原発事故後の周辺汚染地域住民には膀胱癌が多発する傾向にあり、またその発生原因に関しては現在一般的に考えられている膀胱発癌経路と異なった経路で発生する可能性があることが示された。
著者
森山 優 森 茂樹 宮杉 浩泰 小谷 賢
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

(1)日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアの文書館を調査し、外交・インテリジェンス関係の一次史料を収集した。従来の研究では見逃されてきた多数の貴重な史料を発掘できた(2)これらの史料を整理して、その一部をデータベース化した。(3)先行研究を収集して、問題点を検討した。(4)収集した史料を総合し、日本の情報戦に関する理解を深化させた。(5)成果の一部を学会報告・論文・書籍、マスコミ取材等で発表・発信し、学界のみならず一般社会に向けて研究の意義を強調した。
著者
實政 勲 中田 晴彦 堺 温哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

香料は古代文明発祥地のエジプトやインドにおいて紀元前から知られた存在で、美的効果やリラックス感を演出する有用物質である。ところが、近年人工香料による水質や魚類等の汚染が報告され、その生物蓄積性や環境リスクが懸念されるようになった。本研究は、人工香料による生態系およびヒトへの汚染状況とそのリスク評価を解析した。始めに有明海の海水と様々な栄養段階の海洋生物を採集・分析したところ、ほぼ全ての試料から環状型香料のHHCB(CAS#:1222-05-5)とAHTN(同:21145-77-7)が検出された。とくに、海洋生態系の高次捕食動物である海生哺乳類(イルカ)や鳥類(カモ・カモメ)から世界で初めてHHCBの蓄積を確認され、その生物濃縮係数(海水とイルカの濃度値)は12,000と比較的高値を示し。過去30年間に目本近海で採集したイルカを分析したところ、HHCB濃度は1980年代半ばから近年にかけて増加しており、香料汚染力観在も進行中であることがわかった。ヒトの脂肪および母乳を採集・分析したところ、いずれの試料からもHHCBが検出され、日本人における人工香料の汚染が初めて確認された。このことは、授乳により人工香料が母子間移行していることを示しており、化学物質に敏感な乳児への暴露リスクが懸念された。また、5種類の合成香料を対象に甲状腺ホルモンレセプターを介した細胞のアッセイを試みたところ、一部の物質がホルモン撹乱作用を有することが明らかになった。海洋生態系の高次物にまで生物濃縮され、さらに汚染の進行が窺える化学物質が見つかる例は最近では少なく、ヒトへの染拡散や乳幼児へのリスク、さらにホルモン撹乱作用の懸念を考慮すると、2003年に改正された化審法の理念を参照して一部の合成香料の製造・使用について何らかの制限を設ける時期に来ている。
著者
加野 芳正 矢野 智司 湯川 嘉津美 鳶野 克己 村上 光朗 古賀 正義 越智 康詞 松田 恵示 毛利 猛 櫻井 佳樹 西本 佳代
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

マナーに関する理論研究と実証的研究を平行して進めてきた。その結果、以下のような知見が得られた。(1)法律や道徳と比較したときにマナーは独自の領域を構成している。(2)マナー(あるいは礼儀作法)は人と人を結びつけ、公共的な社会に参加していく上で不可欠なものである。(3)マナーは文明化や社会の近代化とともに私たちの社会に出現してきた。(4)日常生活におけるマナーとしては挨拶を重視する人が多い、また、家庭でのマナー教育に焦点を絞れば、食事の場面を重視する人が多い。(5)どのようなマナーが求められるかは、文化によって規定されている。
著者
伊東 孝 鈴木 伸治 武部 健一 津田 剛 原口 征人 藤井 三樹夫 鈴木 盛明 小野田 滋 為国 孝敏
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

近年、「ハードな土木」に対し、土木政策や事業決定のプロセスなど「ソフトな土木」を解明することも土木史の重要な課題と考えられるようになった。本研究は、日本の高度経済成長の牽引役を果たしてきた高速道路に焦点をあて、欧米で普及しているオーラルヒストリーの手法を用いて、1)関係者がご存命のうちに、話を聞き、整理し、資料として後世に残すこと、2)あわせて土木史研究に適用できる方法論を確立することを目的としている。本研究成果の概要は、次の通りである。本研究は、土木学会土木史研究委員会オーラル・ヒストリー研究小委員会がおこなった。1)インタヴューの実施及び証言記録の作成と保管本研究では、4箇年の研究期間をとおして、戦後の道路行政の黎明期を代表する3人の技術官僚にインタヴューを実施し、証言記録の作成と保管をおこなった。(1)平成14〜15年度は、高橋国一郎氏(元建設省事務次官・元日本道路公団総裁):通算7回(2)平成15〜16年度は、井上孝氏(元建設省事務次官・元参議院議員・元国土庁長官):通算6回*井上氏は平成16年5月以降、体調をくずされ、11月に逝去された。今回のオーラルヒストリー・インタヴューが氏の最後のお仕事になった。(3)平成16〜17年度は、山根孟氏(元建設省道路局長・元本州四国連絡橋公団総裁):通算10回2)土木史研究におけるオーラルヒストリー手法の構築3人のインタヴュー対象者へのインタヴューをとおして、オーラルヒストリーの方法論構築に向けての内容蓄積と検討をおこなった。そして最終年度に、5冊の報告書(「実践編」3冊と「理論編」2冊)を作成した。それぞれのインタヴューは、「実践編」として3冊の速記録にまとめた。また蓄積したオーラルヒストリーの方法論を「総括編」とし、ワン・デイ・セミナー(16年度開催)の速記録とともに、2冊の「理論編」としてまとめた。
著者
原田 あゆみ 小泉 惠英 末兼 俊彦 藤田 励夫
出版者
独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

本研究は、タイ内外地域間の結びつきを示すモノ、思想をできるだけ具体的にしていくことで、相互の関係をより明確に示すことを目指した。交易品の調査研究では、これまで見過ごされていた文化財の正しい評価を行い活用に寄与することができた。特にタイにおける日本刀の受容のあり方と展開について明らかにした。また仏教美術においては仏教説話の受容と展開に着目した。スリランカの蔵外仏典から影響を受け、タイで流布したプラ・マーライ説話は、他地域に比べ弥勒菩薩が重要な役割を果たしている。弥勒菩薩の図像の特徴と諸要素を明らかにし、弥勒信仰の背景を探った。
著者
柴田 正良 長滝 祥司 金野 武司 大平 英樹 橋本 敬 柏端 達也 三浦 俊彦 久保田 進一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

われわれのプロジェクトは、身体動作をある程度こなすことのできる人型ロボットに<個性>を付与することによって、(1)「個性」の認知哲学的基盤を解明し、また、(2)現在流行しつつある人型ロボットの性質と能力を「個性」の観点から評価し、それによって(3)将来における人間とロボットの「個性をベースにした共生」のあり方を探求することである。今年度は、4回にわたる「研究打合せ」を行い、第2回目からは、実際の人型ロボット(ソフトバンク社製のペッパー)の動作確認と、会話を中心としたインタラクションの準備を行った。第1回は中京大学豊田キャンパスで開催し、今年度の研究方針と各分担者の役割分担を決定した(5月3日~4日)。第2回は琉球大学及び沖縄高専で「複雑系科学×応用哲学 第2回沖縄研究会」として開催し、各分担者の研究発表と、沖縄高専で購入しているペッパーの身体動作能力を具体的にチェックした(8月19日~8月21日)。第3回は、金沢大学サテライトプラザ武蔵及び北陸先端大で開催し、10月に自分たちで購入したペッパーを主に会話機能の面でチェックし、どのような対人コミュニケーションが可能かを検討した(12月27日~29日)。第4回も金沢大学サテライトプラザ武蔵及び北陸先端大で開催し、ペッパーに会話の中で与えるべき「個性」を実装するためのプログラムを開発するため、その「個性」の具体例として当面、2タイプの性格(頑固・強引型と迎合・優柔不断型)を会話のプロットとして作成した(平成28年3月6日~8日)。なお、これらの研究打合せの詳細は、当科研費研究ウェブサイト:http://siva.w3.kanazawa-u.ac.jp/katsudo-h27.htmlを参照されたい)。今年度全体として、会話に見られる性格としての「個性」をプログラムに落とし込む準備が整った、と言える段階である。
著者
佐藤 郁哉 川嶋 太津夫 遠藤 貴宏
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

平成27年度は、予備調査で収集した文献や資料を通して、日英両国における研究評価およびそれにもとづく選択的資源配分の実態を把握するとともに、資料調査や海外での聞き取りを通して新たに入手した情報の検討を加味した上で、平成28年度以降におこなう本格的な国際比較研究のための分析枠組みの構築につとめた。特に注目したのは、英国の研究評価事業においては、回を重ねる毎に、評価対象として提出される研究業績の刊行種別の構成に大きな変化が見られる、という事実である。また、資料調査の結果、その変化のパターンには、学問分野別に顕著な違いが観察される場合が少なくないことが明らかになった。すなわち、英国においては、1986年以来ほぼ5~6年の周期で通算7回にわたって全国レベルでの研究評価がおこなわれてきたが、回を追う毎に提出業績の中でジャーナル論文の占める比率が高くなっているのである。実際、1996年の研究評価事業では、論文の割合は6割程度に過ぎなかった。これに対し、直近の評価事業である2014年におこなわれたResearch Excellence Framework(REF)の場合にはそれが8割以上にのぼっている。また、たとえば、経営学系の分野においては、6割以下であったものが約96%にまで達している。このような現象は、選択的資源配分と不可分に結びついた研究評価のあり方が、競争原理の強化を通して研究の質を高める、という当初の目的とは別に、研究の内容に対して甚大な影響を与え、ひいては質の低下という意図せざる結果をもたらす可能性を示唆するものである。平成27年度の研究においては、特にこの点に焦点をあてて、研究評価のパネルメンバーであった英国人研究者および研究資金管理団体の関係者等への聞き取りを通して、研究評価の政策効果と意図せざる結果に関する分析枠組みの構築につとめた。
著者
Hanley Sharon 櫻木 範明 伊藤 善也 玉腰 暁子 大島 寿美子 山本 憲志 岸 玲子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

幼児期に身につけた生活習慣は成人期に持ち越され、その内容によってはがんのリスクを高める行動に繋がる。本研究の目的は、学童の健康教育の歴史が長い英国・豪州のがん教育を参考に、小中学生向けの教材を開発する。両国では、効果的な教材の開発の為に保健医療省と教育省が連携している。英国では小児期の肥満が問題となり、保育園から食生活と運動習慣が健康教育に含まれている。気候のよい豪州では、屋外での活動は一般的であるが、皮膚がんのリスクが増加する為、紫外線への曝露を避けるように学校単位で指導される。どちらの国でも、学校単位でのHPV教育が効果的に行われている。現在、英国の教材を日本で使えるよう翻訳を進めている。
著者
中村 治 嘉田 由紀子 古川 彰 鳥越 皓之 松田 素二 西城戸 誠 土屋 雄一郎
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

水害現象を水害文化として長期的で経験論的かつ価値論的な視野からとらえることによって、総体としての日常生活世界の中で、水害被災当事者の生活の視点から捉え直し、生活再建や地域社会の再生のプロセスを環境社会学的に明らかにした。また、文書や写真などの水害記録を発掘し、聞き書きにより経験者の記憶を生活史として再構成しながら、これを災害教育としていかに次世代につなぎ水害文化の継承を図るか、その社会学的手法の開発に取り組んだ。
著者
石黒 直隆 猪島 康雄 松井 章 本郷 一美 佐々木 基樹
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2013-05-15)

絶滅した日本のオオカミ(エゾオオカミとニホンオオカミ)の分類学上の位置をミトコンドリア(mt)DNAのゲノム解析により明らかにし、両オオカミの起源と系譜を海外の考古資料から調査した。エゾオオカミは、大陸のオオカミと遺伝的に近く、ニホンオオカミとは大きく異なっていた。ロシアおよび中国の古代サンプル143検体を解析したが、ニホンオオカミのmtDNA配列に近い検体は検出できなかった。また、モンゴルのオオカミ8検体および国内の現生犬426検体を解析し、ニホンオオカミのmtDNAの残存を調査したが見つからなかった。これらの結果は、ニホンオオカミはオオカミ集団の中でもユニークな系統でることを示している。
著者
園山 繁樹 濱口 佳和 下山 真衣 松下 浩之 江口 めぐみ 酒井 貴庸 関口 雄一
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本研究は選択性緘黙について以下のことを目的としている。第1に、選択性緘黙の多様性を明らかにする。第2に、学校における選択性緘黙児童生徒の在籍率、支援の在り方、年齢による状態像の変化を明らかにする。第3に、選択性緘黙の多様性のアセスメント法の開発と個に応じた支援方法を検討する。平成28年度は以下の研究活動を行った。1.幼・小・中学校への質問紙調査:学校における選択性緘黙児童生徒の在籍率と支援の在り方を明らかにするために、14の自治体の公立幼稚園・小学校・中学校全校269カ所を対象に質問紙調査を行った。調査結果は、平成29年度に学会でポスター発表する予定である。また予備的検討として選択性緘黙の有病率に関する先行研究の検討を行い、平成29年3月開催の障害科学学会第12回大会でポスター発表した。選択性緘黙経験者に対する質問紙調査については質問紙の作成を終えたが、実施方法の細部について研究協力を得た当事者団体と検討中である。2.事例研究:大学教育相談室において2名の事例研究を行った。うち1名の相談経過について、平成29年9月開催の日本特殊教育学会第54回大会でポスター発表予定である。フォローアップを行った1名の相談経過を論文にまとめ、「障害科学研究」第41巻第1号に掲載された。3.キックオフシンポジウム:平成28年9月開催の日本特殊教育学会第53回大会において、自主シンポジウム「選択性緘黙のある子どもへの支援―支援事例の検討から支援の多様性を考える-」を開催し、研究分担者を中心に研究発表した。4.先進的実践・研究の実地調査:平成29年3月にMcMaster大学(カナダ)を訪問し、大学附属小児病院を中心に実施されている実践と研究について情報収集した。また本研究課題で取り組んでいる研究内容に関する情報交換を行い、特に年長児に対する新しい支援方法についての貴重な情報を得た。
著者
佐藤 達哉 望月 昭 滝野 功 松見 淳子 下山 晴彦 小林 亮 松原 洋子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

平成19年度は最終年度にあたるため、これまでのまとめを行った。日本心理学会第71回大会においてワークショップ「欧米諸国における臨床心理学資格の実際とその歴史」(2007年9月18日)を開催し、その記録を『ヒューマンサービスリサーチ』NO 10「心理学の歴史に学ぶ」として刊行した。このワークショップは欧米における臨床心理学関連の資格について英仏独米の現地調査に基づいた結果をもとに議論したものであり、企画趣旨は以下の通りである。「資格は学問と社会をつなぐメディア(媒介)の一つである。日本の臨床心理学関連資格のあり方を相対化して考えるためには歴史研究と比較研究が必要である。このワークショップでは企画者が日本の臨床心理学史を簡単に紹介した後、欧米のいくつかの国を例にとって臨床心理学の資格の内容や成立の過程や訓練のカリキュラムについて検討していく。イギリスについて下山が、ドイツについて小林が、フランスについて滝野が、それぞれの国における現地調査をふまえて報告を行う。これらの報告を受け松見が、アメリカの資格の状況もふまえて、文化的視点に配慮し討論を行う。各国の歴史的文化的な背景が資格制度の成立にどのように影響しているのか、資格付与機関のあり方は社会によって異なっているのか、費用は誰が負担するのか、資格は社会に対してどのような機能を持っているのか、などについて差異と共通点を考えていく」。公刊した論文の執筆者とタイトルは下記の通り。小林亮「ドイツにおける心理療法士-資格制度とその活動状況」下山晴彦「イギリスの臨床心理学の歴史-日本との比較を通して」滝野功久「独自な主張をするフランス臨床心理学の歩み」松見淳子「欧米諸国における臨床心理学資格の実際とその歴史」。
著者
山中 茂樹 北原 糸子 田並 尚恵 森 康俊
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

本研究は、今後30年以内に発生するだろうといわれる首都直下地震において発生する膨大な避難者たちの行動を予測するとともに、その対応策を考えるのが目的であった。ところが、2011年3月11日、東日本大震災が発生。加えて東京電力福島第1原発の事故で福島県民を中心に多くの強制避難・自主避難が生じた。そこで、同時進行している事象の実態把握と解析も進めた。3年間の成果として、住民票を移さずに避難した人達の在留登録制度の新設や避難元自治体と避難先自治体が避難住民の名簿を共有する避難者台帳の整備、広域避難者の支援に充てるファンドの創設など多くの政策・制度を提案した。
著者
杉山 あかし 神原 直幸
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究の目的は、今日、世界的にも注目を集めている我が国「おたく文化」の文化社会学的分析を行ない、文化に関する社会学理論の再構築を行なうことである。具体的な研究対象はコミック同人誌即売会「コミックマーケット」(通称「コミケ」)である。このイベントは現在、東京、有明の国際展示場を借り切って夏と冬の年2回、3日間日程で催行されており、参加者は一日あたり15万人を超える。運営はボランティアによるものであり、世界最大規模の文化運動と呼ぶことができる。本研究では初年度(平成16年度)に以下の(1)〜(3)の3調査、そして平成17年度には(4)の調査を実施し、調査対象の巨大さに対応して、文化社会学分野でこれまでにない規模の、極めて膨大なデータを集積した。このデータについてその後の各年度において分析作業を行なってきた。(1)【サークル参加者質問紙調査】サークル参加者全数調査。得られた質問紙回答は37,620票。(2)【スタッフ参加者質問紙調査】コミックマーケットを運営するボランティア・スタッフに郵送法によって行なった質問紙調査。得られた質問紙回答は336票。(3)【スタッフ参加者グループ・インタビュー調査】コミックマーケットを運営するボランティア・スタッフに対して行なったグループ・インタビュー調査。6グループについて実施。テープ起こし字数、総計23万5千字。(4)【米澤嘉博氏インタビュー調査】コミックマーケット準備会代表、米澤嘉博氏への聞き取り調査。テープ起こし数、総計3万5千字。データ分析・検討の結果、大衆操作という観点から立論された大衆文化論、ならびに、反抗の契機として大衆文化を捉えるカルチュラル・スタディーズといった、これまでの文化理論のいずれもが適用できない、"中間文化的"な現代日本文の動態が明らかとなった。
著者
本多 真 児玉 亨
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

眠気と脂質代謝:カルニチンの効果主観指標を用いたL-カルニチン過眠改善効果について、奏功基盤を動物での基礎検討と客観指標を用いた臨床研究で検討した。L-カルニチンは中枢・末梢ともにCPT1活性指標を改善させ、ドパミン系などの脳内の遺伝子発現や代謝産物を変化させ、実際に休息期特異的に睡眠の増加をもたらした。臨床研究と共通し睡眠段階遷移指標での睡眠安定化作用が示唆された。4割程度にL-カルニチン反応群が存在し、その判別法を検討した。