著者
今井 瞳良
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.95-113, 2020-07-25 (Released:2020-08-25)

本稿は、日活ロマンポルノの団地妻シリーズが性別役割分業を前提とした「団地妻」イメージの起源でありながら、固定化された「団地妻」言説を批評するシリーズでもあったことを明らかにする。ロマンポルノ裁判をきっかけに興隆した映画評論家や批評家によるロマンポルノ言説は、低俗な娯楽とみなされるロマンポルノを称揚するために、芸術的創造の主体としての監督を必要とした。そのため、複数の監督によって製作された団地妻シリーズが批評的な評価を得ることは、ほとんどなかった。ところが、団地妻シリーズの第1作『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎監督、1971年)は、専業主婦として家にいる女性と仕事で通勤している男性を分割するジェンダー化された空間である団地を舞台に、性別役割分業を前提とした中流階級の安定性を支える高度経済成長期以後の戦後史の語りに組み込まれることで、「団地妻」イメージを室内で退屈する専業主婦として固定する「団地妻」言説を生み出していった。しかし、その後の団地妻シリーズは人気シリーズとしてマンネリの打破やメディア状況の変化、他社製作などに対応しながら1971年から1987年まで全29作も作り続けられたことによって、多様な「団地妻」を描き出し、固定化された「団地妻」言説に対する批評性を獲得していることを明らかにした。
著者
泉 裕子 平松 直樹 糸瀬 一陽 井上 隆弘 柄川 悟志 西田 勉 垣内 佳美 外山 隆 中西 文彦 井倉 技 田村 信司 辻井 正彦 辻 晋吾 考藤 達哉 竹原 徹郎 笠原 彰紀 佐々木 裕 福田 和人 今井 康陽 林 紀夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.109-115, 2004-02-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は58歳女性. 全身倦怠感, 発熱にて近医受診したところ, 総ビリルビン6.4mg/dl, AST 8327U/l, ALT 10879U/l, プロトロンビン時間7.5%と著明な肝機能低下を認めたため, 当院入院となった. 発症3日後の入院時には脳症II°となり, 劇症肝炎急性型と診断し, 直ちに血漿交換などの集中治療を開始したが, 肝炎劇症化から15時間後には脳圧の上昇とともに, 深昏睡となった. 2日後, 生体肝移植術を施行. 術後, 肝機能の増悪はなかったが, 意識レベル低下, 脳圧亢進は改善せず, 感染症を併発して入院8日目に死亡した. 剖検にて, 脳に出血や梗塞による組織変化は認めず, 脳圧亢進は肝性脳症によるものと考えられた. また, 本症例の劇症肝炎の原因はB型肝炎ウイルス (HBV) 感染であった. HBV genotype Bで, precore 領域, corepromoter 領域の遺伝子配列はともに変異型であった. 劇症肝炎発症の極めて早期に, HBs抗原陰性, HBs抗体強陽性となり, その後のIgM HBc抗体価3.2 (cut off index), IgG HBc抗体57.6% (200倍希釈) の結果から, HBV初感染による劇症肝炎と診断しえた. 比較的予後良好とされる急性型劇症肝炎において, HBV初感染による電撃型ともいえる劇症肝炎を経験した. HBV初感染による劇症肝炎例では, 本症例のように急速な転帰をとる症例があり, 肝移植を念頭に入れたより迅速な対応が必要であるものと考えられた.
著者
天野 絵里子 岡野 恵子 稲石 奈津子 今井 敬吾
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.83-91, 2015-05-01 (Released:2015-05-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1

京都大学では,2011年度より研究推進に携わる専門職としてリサーチ・アドミニストレーター(University Research Administrator: URA)を任用し,学術研究支援室と8つの部局URA室,2つのユニット付きURAからなるURAネットワークを構築してきた。URAによる主要な研究推進業務の1つとして研究資金獲得支援があげられる。本稿では,URAネットワークで実施している科研費申請支援,人文・社会科学系(人社系)研究者のための支援,ICTを活用した情報の集約と分析について紹介する。また,支援業務の中で浮かび上がってきた,学内でのナレッジの共有,よりプロアクティブな支援の必要性,人社系研究支援の検討などの課題について述べる。
著者
今井 福司 岡部 晋典
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.368-373, 2011
参考文献数
5

本報告では,Twitterを用いた大学間での授業実践について述べる。現在ICTの活用が幅広い分野で求められており,TwitterはICT活用のメディアの1つとして挙げられる。今回は異なる二大学間で電子書籍に関する同一の課題を設定し,Twitterを用いて発言させる演習を行った。それぞれの授業は曜日も時間帯も異なっていたが,Twitterを用いることで,互いの受講生の交流を実現でき,協力要請を行った大学図書館員の授業参加を容易に行えた。授業後の受講生に対するアンケート結果では,授業に対する積極的な評価がある一方,授業計画の見直しや,教材について改善が必要であることを示唆するような評価も見られた。
著者
池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.203-212, 2020-10-10 (Released:2020-10-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究の目的は,上司による業務プロセスへのフィードバックとジョブ・クラフティング,若年労働者の職場における能力向上の関連を明らかにすることである.そのために,インターネット調査を行い取得したデータをもとに,構造方程式モデリングを用い,仮説の検証を行った.分析の結果,第1に,上司による業務プロセスへのフィードバックがジョブ・クラフティングの全ての因子及び職場における能力向上の全ての因子に正の影響を与えること,第2に,ジョブ・クラフティングの次元によって,影響を与える能力に違いがあることが確認された.以上より,若年労働者の職場における能力向上および,ジョブ・クラフティングを促す上で,上司による業務プロセスへのフィードバックが有効である可能性が示唆された.
著者
七里浩志 柳本 卓 今井 正 張 成年
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.AA2020, pp.AA2020-5, 2020 (Released:2020-05-09)

Genetic diversity of common freshwater shrimp Palaemon paucidens in the Kanto region (Tokyo, Kanagawa and Chiba) of Japan, was investigated using mitochondrial 16S rDNA sequence analysis. All 98 individuals collected at 31 localities were determined to be type A, which included 52 individuals collected at 18 localities in Inner Tokyo Bay Basin. A total of 12 haplotypes were detected, which were phylogenetically classified into 3 groups (designated by A-I, A-II and A-III). Number of individuals comprising each group was 44 for A-I, 38 for A-II and 16 for A-III. A-II was determined to be an indigenous group distributing central to northern Japan. A part of A-I group may be domestic alien probably originated from Lake Biwa. A-III was determined to be invasive group probably originated from commercially imported individuals from Korea and/or China. Although the human-mediated contact between indigenous and alien groups must threat the genetic integrity of indigenous group, nothing is known about hybridization and genetic introgression among these groups.
著者
塩見 尚礼 近藤 雄二 小道 広隆 片野 智子 宮沢 一博 原田 佐智夫 稲葉 征四郎 上田 泰章 今井 俊介
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.1592-1596, 1996-07-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
6

豊胸術後に発生した稀な乳癌の3例を経験した.症例1は43歳の女性.豊胸術後11年目に外傷にてシリコンバッグ破裂.以来乳腺腫瘤の生検を繰り返され, 3年後に乳癌と診断され,左Brp+Ax,広背筋皮弁移植を行った.症例2は56歳の女性,豊胸術後24年目に右腋窩リンパ節腫脹を認め,自潰してきたため当院受診.多発性骨転移を認める進行例であった.術前化学療法を行った後両側Brt-Axを施行した.症例3は66歳の女性.豊胸術後28年目に左乳房緊張感を主訴に受診.腫瘍摘出術にて乳癌と診断されBrt+Axを施行した.豊胸術後の乳癌は本邦では1970年以来37例の論文報告をみるに過ぎず.稀な疾患である.自験例3例を含め,文献的考察を加えて報告した.
著者
今井 福司 岡部 晋典
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.368-373, 2011-09-01

本報告では, Twitterを用いた大学間での授業実践について述べる。現在ICTの活用が幅広い分野で求められており, TwitterはICT活用のメディアの1つとして挙げられる。今回は異なる二大学間で電子書籍に関する同一の課題を設定し, Twitterを用いて発言させる演習を行った。それぞれの授業は曜日も時間帯も異なっていたが, Twitterを用いることで, 互いの受講生の交流を実現でき, 協力要請を行った大学図書館員の授業参加を容易に行えた。授業後の受講生に対するアンケート結果では, 授業に対する積極的な評価がある一方, 授業計画の見直しや, 教材について改善が必要であることを示唆するような評価も見られた。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
今井 俊吾 柏木 仁 佐藤 夕紀 武隈 洋 菅原 満
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-10, 2022-05-31 (Released:2022-06-11)
参考文献数
11
被引用文献数
1

Objective: Recently, special features on “dangerous” prescription drugs have been frequently published in few mass media platforms, such as weekly magazines. However, to our knowledge, there have been no prior studies, systematically organizing and evaluating the contents of these articles (e.g., drugs and their side effects that are reported). In this study, we aimed to evaluate the relevance of the information on “dangerous drugs” that was published in weekly magazines using the modified “Media Doctor” instrument.Methods: We extracted articles on “dangerous” prescription drugs from 10 weekly magazines for which the table of contents of previous issues are available on their official websites. Information regarding the target drugs and their classifications was compiled and organized. The relevance of the extracted news articles was assessed by two independent evaluators. The evaluation index was based on the modified “Media Doctor” instrument, and 9 evaluation criteria were used to assign the following categories: satisfactory, unsatisfactory, or not applicable.Results: A total of 1,064 articles were screened, and 19 articles were selected for further evaluation. A total of 179 drugs (belonging to 34 drug classes) were listed. The most frequently mentioned class of drugs included hypnotics and sedatives, and the most frequently listed was triazolam. Of the 19 articles, 11 had zero items that were judged satisfactory by both the evaluators. The number of unsatisfactory items was widely distributed, but in 11 of the 19 articles, five and more items were judged unsatisfactory by both the evaluators.Conclusion: We revealed that a wide variety of drugs have been termed as “dangerous” by weekly magazines. Additionally, we found that these articles were inadequate and incomplete with respect to scientific validity, and that there are many aspects that require further improvement.
著者
今井 康之 黒羽子 孝太 渡辺 達夫
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

化学物質アレルギーにおいて、抗原感作を強める作用(アジュバント作用)の機構には不明な点が多い。マウス接触性皮膚炎モデルにおけるフタル酸エステルのアジュバント機構について、侵害刺激受容チャネルTRPA1の重要性を明らかにした。作動活性のある既知の天然物、アンタゴニストを用いた実験結果も上記の機構を支持した。アジュバント物質の予測において、TRPA1作動活性の検索が有用であることを、化粧品や薬剤処方に汎用されている代替可塑剤を題材として明らかにした。
著者
伊藤 保彦 五十嵐 徹 立麻 典子 今井 大洋 吉田 順子 土屋 正己 村上 睦美 福永 慶隆
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.239-244, 1999-08-15 (Released:2000-04-12)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

We have encounted two patients with fibromyalgia (FM) initially diagnosed as having autoimmune fatigue syndrome (AIFS). To investigate the relationship between AIFS and FM, the distribution of the tender points in patients with AIFS was assessed according to the ACR criteria for FM. It was revealed that AIFS patients had 5.6 tender points on averages. Patients with headaches, digestive problems, or difficulty going to school had more tender points than patients without. Patients with ANA titers
著者
今井 芳枝 雄西 智恵美 板東 孝枝
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.2_73-2_85, 2016-06-20 (Released:2017-01-27)
参考文献数
83

本研究の目的は「納得」の概念分析を行い,納得の定義を明確にし,納得を導く看護支援を検討することにある。研究方法はRodgersの概念分析を用いて「納得」の概念分析を実施した。その結果,対象文献74文献より,8つの属性,4つの先行要件,7つの帰結が抽出され,納得は『ある事象に対して自分のもつ価値や自分への利益を明確にすることで理解を深め,認知的にも感情的にも受容した状態であり,主体的かつ他者との信頼関係のなかで生み出される流動的な状態』と定義された。納得の概念は,利益,能動性,信頼関係の特徴があると考えられた。納得の概念分析より,治療を受ける患者に対して,主体性を尊重しながら,患者のもついままでの経験を踏まえつつかかわる重要性や,納得を支えるうえで,日々の看護師の行う日常生活援助が鍵となることが示唆された。
著者
今井 千速
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.354-359, 2020 (Released:2021-02-16)
参考文献数
47

CAR-T細胞療法は,キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor: CAR)遺伝子により遺伝子改変した自己T細胞を用いるがん免疫療法である.CD19を標的とするCAR-T療法(tisagenlecleucel)は,再発・難治の急性リンパ性白血病において目覚ましい治療成績を示し,2017年8月に米国で,本邦でも2019年5月に保険診療として認可された.本稿では,CARの初期開発から臨床的成功に至るまでの歴史を概観する.さらにCAR-T細胞療法の共刺激シグナルによる治療成績の差異や,CAR-NK細胞療法の開発の歴史についても簡単に触れたい.
著者
今井 忠則 長田 久雄 西村 芳貢
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.433-439, 2012 (Released:2014-04-24)
参考文献数
21

目的 「生きがい」を測定する簡便な尺度の実用化のために,9 項目から構成される「生きがい意識尺度(Ikigai–9)」の信頼性と妥当性を検討した。方法 60歳以上の地域中高年者428人(男性128人,女性300人,平均年齢65.4±4.3歳,範囲60~85歳)を分析対象として,尺度の得点分布,信頼性(Cronbach の α 係数),SF–36v2 との併存的妥当性,因子的妥当性を検討した。尺度は,「生きがい概念の高次因子モデル」を構成概念とし,モデルの観測変数である 9 項目で構成された。回答は各 5 件法で求め,各素点を合計して総得点(範囲 9~45点)および 3 つの下位尺度得点(範囲3~15点)を算出した。結果 得点の分布は,総得点および下位尺度得点ともに分散していた(とくに,総得点では統計学的正規性が認められた)。尺度の信頼性は,全体で α=.87,下位尺度ごとでは α=.76~.82であった。総合点と SF–36v2 の身体的健康度(PCS)との相関は無相関(rs=−.05, P=.33),精神的健康度(MCS)との相関は正の相関(rs=.33, P<.001)であり,理論的予測と一致し,併存的妥当性が確認された。また,確認的因子分析の結果,高次因子モデルの適合度は GFI=0.95等と良好であり,因子的妥当性が確認された。結論 60歳以上の地域中高年者を対象とした場合の Ikigai–9 の得点分布•信頼性•妥当性は良好であり,高い実用性が示された。