著者
井上 智正 伊藤 義人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木情報システム論文集 (ISSN:13423894)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.165-172, 1997-10-28 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4

複雑で規模の大きい計画設計支援システムを従来の構造化システム開発手法でモデル化することは非常に困難である。本論文では、橋梁計画設計支援システムの開発にオブジェクト指向アプローチを適用し、プロトタイプシステムを作成した。また、この場合のシステム作成における問題点を挙げ、その解決方法を示した。
著者
今坂 友亮 福永 智洋 伊藤 章 杉谷 栄規 小西 啓治 原 尚之
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1032-1033, 2014

近年,電力需給ひっ迫に対応するために,ピーク電力抑制を目的としたデマンドレスポンスが注目されている.本報告では,蓄電池の残量と過去の総供給電力に比例した電力価格情報に基づき,各世帯が所有する蓄電池の充電開始時刻を決定する自律分散型のモデルに,多相同期現象を発生させ,ピーク電力が抑制できることを示す.さらに,ピーク電力を抑制するシステムパラメータの領域を,数値シミュレーションで調べる.
著者
大塚 静英 及川 哲郎 望月 良子 早崎 知幸 小曽戸 洋 伊藤 剛 村主 明彦 花輪 壽彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.93-97, 2009-01-20
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

難治性の顔面の皮疹に葛根紅花湯が著効した3症例を経験したので報告する。症例1は39歳男性。20歳頃より鼻に限局して丘疹が出現し,以後,塩酸ミノサイクリンの内服にて寛解,増悪を繰り返し,いわゆる酒さ鼻となったため,2007年5月に当研究所を受診した。葛根紅花湯(大黄0.3g)を服用したところ,3週間後,鼻全体の発赤が軽減し,丘疹も減少,額・頬部の発赤も消失した。症例2は,56歳女性。鼻,口周囲を中心としたそう痒感を伴う皮疹にて2006年10月に当研究所を受診した。ステロイド外用剤にて軽減するものの中止すると増悪を繰り返していたことより,酒さ様皮膚炎と診断した。葛根紅花湯(甘草0.8g,去大黄)を服用し,ステロイド外用剤は同時に中止したところ,3週間後,全体的に紅斑は鼻と口周囲のみとなり,8週間後には症状はほぼ消失した。症例3は,26歳女性。鼻口唇部の紅斑,アトピー性皮膚炎にて当研究所を受診した。黄連解毒湯にて全体的には症状が軽減するも,鼻口唇部の紅斑は不変であったため,葛根紅花湯(大黄1g)に転方したところ,2カ月後,鼻口唇部の紅斑は消失し,6カ月後には鼻口唇部の色素沈着がわずかに残るのみとなった。葛根紅花湯は,従来,いわゆる酒さ鼻に用いられてきたが,鼻だけでなく,顔面・鼻周囲の皮疹にも応用が可能であると考えられた。
著者
伊藤 嘉明
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー = Nikkei information strategy (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.8-12, 2016-01

当初は2016年1月の出荷を予定していましたが、2015年12月の『スター・ウォーズ』最新作公開に間に合わせようと頑張りました。映画公開でますます話題に拍車がかかると期待しています。—「世界最小の洗濯機」や「プロジェクター型冷蔵庫」など、ユニークな商品…
著者
伊藤 倫子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.401-409, 2011-10-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
62

図書購入予算が減少を続ける現在,米国図書館はインターライブラリー・ローン(ILL)を利用し図書館間のリソース・シェアリングを効果的に行うことで対応している。世界的な減少傾向に反し,米国のILL活動は以前活発であるが,その要因として,図書館がITを積極的に活用し,図書館のサービスやマネジメント技術の向上を図ってきた点が指摘できる。一方で,新しいサービスの導入や電子リソースの急激な増加に伴い,図書館は新たな問題に直面している。本稿は,米国におけるILL活動について概観し,ILLサービスの変化,発展,あるいは課題について述べる。
著者
伊藤 成朗
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-48, 2008

インドでは,貧困家計が質の高い医療サービスを利用しづらいのが大きな保健問題である。広大で多様な国土によって農村・遠隔地に公立医療施設が未だに不足しているためである。公立医療施設があっても,医師や看護師の欠員や無断欠勤でサービスをいつ受けられるか予測できなかったり,無料薬の在庫切れ,長い待ち時間,接見態度,賄賂などの問題もある。貧困家計は医療保険を持たないので,多大な出費を要する私立病院は最終手段である。このため,貧困家計を中心に医学知識を持たない無免許医を利用する傾向がある。データによる検証でも,貧困層の利用は質が低いとされる公立病院が主で,利用日数も富裕層より少ない。公的医療サービスの質が低いのは,職員に適切な職務環境とインセンティブを政府が供与できていないためである。よって,施設を拡充しつつ,成果を人事評価に反映させる必要がある。最低限の医療の質を確保する人事評価制度の運営は容易であるが,同時に病院経営の独立性を確保し,市町村自治体に監視を委ねる必要がある。こうした改革は州政府がすべての権限を持つ現体制では不可能であり,分権化が要請される。分権化は中央政府が数十年間標榜しているが,既得権益に反するために大多数の州で停滞している。公立だけでなく,私立病院を利用しやすくするために,マイクロインシュアランスなどを通じた医療保険も整備すべきである。民選された州議会のイニシアティブを仰ぎつつ,革新的な人事評価制度の試行,分権化の促進,マイクロインシュアランスの試行などは,外国ドナーが政策対話を通じて働きかけてよいであろう。
著者
伊藤 泰典 高橋 公也 宮本 真孝 高見 利也 小林 泰三 西田 晃 青柳 睦
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.17, pp.1-6, 2011-02-04

圧縮流体の解析ツールである Large Eddy Simulation(LES) を用いて、2 次元、および 3 次元エッジトーンのシミュレーションを行った。Lighthill の音源分布を計算し、渦度分布と音源の関係を考察した。
著者
伊藤 かおり 井上 公基 石垣 逸朗
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.114, pp.214, 2003

1. はじめに 健全な森林や良質の木材を育成するためには、森林施業が不可欠である。また、林道を開設し森林施業を効率的に進める必要がある。しかし、林道開設にともなう伐採は、その周辺の水辺林の機能が損なわれている場合もある。また林業地帯では、河川の水際までスギ・ヒノキなどの針葉樹が植林され、水辺本来の植生が失われつつある。 水辺林の機能には、日射の遮断や倒木の供給、落葉・落下昆虫の供給、野生動物の生息環境の提供などがある。本研究では、林相の違いによる水辺林の機能を評価するために、広葉樹流域と針葉樹流域における、水温・水質・一次生産量・水生生物の種数を測定し、両者の比較検討を行った。2. 調査地概要 本調査地は、最上川支流である山形県村山市の樽石川の支流(T)と千座川の支流(S)を対象にした。Tの流域面積は141.5haであり、そのうちの97%が広葉樹林で占められている。渓畔域は、主にトチノキ・カツラ・モミジなどの樹種で構成され、それ以外はブナ林である。河川勾配は21.3%である。一方、Sの流域面積は79haであり、そのうち99%が針葉樹で占められており、河川の水際までスギが植林されている。河川勾配は6.7%である。3. 方法 T・Sの両支流にそれぞれ4ヶ所の測定地点を250m間隔毎に設置し、上流よりT1,T2,T3,T4とS1, S2,S3, S4とした。測定は2002年7月28日~12月3日の118日間行った。水温は、これら8地点で1時間間隔にエスペック社製のサーモレコーダーミニRT__-__30Sに記録した。また、日照はT3,T4とS3,S4とT3,S3の河岸から林内20mの地点で、アレック電子株式会社製のWin MDS-Mk V/Lを用い10分間隔で計測した。水面に投影される樹幹は、水温・クロロフィル量・水生生物に影響するとの考えから、河川水面に投影される樹幹投影面積をT4とS4の地点より上流に向かって50m間隔ごとに樹幹開空度を測定し、河川水面への投影面積を算出した。そして、3区間における被覆面積の平均値を算出した。一方、一次生産量として、付着性藻類を採取した。採取方法は、河川内の石を取り5cm四方に付着している付着性藻類をブラシで擦り採取した。クロロフィル量の分析は吸光光度計でおこなった。水生生物は50cm立方のコドラートを用いて採取し、同定した。クロロフィルと水生生物の採取日は、開葉期にあたる7/27__から__29,8/20・21・25と落葉期にあたる10/17__から__19,12/2__から__4の12日間とした。クロロフィルと水生生物の採取場所は、前述した3区間の投影箇所と非投影箇所である。また、河川全体のクロロフィル量と水生生物の種数は、3区間にて採取したクロロフィル量と水生生物の種数に投影面積もしくは非投影面積を乗じて求めた。水質測定は、河川ごとに設定した4地点にて採水した。採水は、クロロフィルと水生生物の採取日と同日の平水時におこなった。分析は、吸光光度計と液体クロマトグラフィーを用いて行った。4. 結果と考察水温と投影割合の関係を図__-__1に示した。Tの水温変化は、T1,T2間とT3,T4間で上昇しているが、T2,T3の間で低下している。水温低下を促した区間の投影割合は54%であった。一方、Sの水温変化は、途中区間で水温が低下することなく、S1からS4にかけて徐々に水温が上昇している。水温上昇が生じた区間の投影割合は31__から__33%であった。また、平均水温はTが12.2℃、Sが13.8℃であった。水生生物数はTで46586匹、Sで20804匹であり、TはSの2.2倍であった。また、採取した種類と区間別の採取数については両支流とも大きな差はみられなかった。水生生物数と河川の投影面積の関係については図__-__2に示した。投影箇所と非投影箇所にて採取した水生生物数は、いずれも投影割合が大きい程増加していた。しかし、投影割合が低下すると両箇所の水生生物数も減少していた。以上の結果から、広葉樹の多いTは水温の低下や水生生物が生息しやすい環境を形成していることがわかった。今後は、水温上昇の抑制を促す水辺林の規模を定量的に測定し、水辺域での森林伐採による水温上昇や、水生生物の減少を緩和する水辺林の規模を算出する必要がある。
著者
金子 隆昌 村上 周三 伊藤 一秀 深尾 仁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.71, no.606, pp.43-50, 2006-08-30 (Released:2017-02-17)
参考文献数
27
被引用文献数
8 11

This paper (Part 1) gives an outline of the series of this productivity research and presents on the results of field intervention experiment. Here, we focused our attention on the effects of air change rate and studied thermal / air environmental effects on academic performance. The field intervention experiment was conducted in actual classroom with actual students, during normal lessons. It also involves quiz that are a part of a teaching curriculum. When air change rate is increased from 2.6 to 18.6m^3/h per person, academic performance evaluated by quiz score is improved significantly by 5.8% on average (p<0.0007). Similar trends were observed for self-estimated performance. Correlation analyses show that lower air change rates link to reduced academic performance. This experiment indicates that improving indoor environment conditions in classroom can substantially improve academic performance.
著者
野口 佳裕 伊藤 卓 川島 慶之 西尾 綾子 本田 圭司 喜多村 健
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.97-106, 2013 (Released:2013-06-01)
参考文献数
40

Enlargement of the vestibular aqueduct (EVA) is the most common malformation of the inner ear. EVA can be observed in various disorders including DFNB4/Pendred syndrome, branchio-oto-renal/branchio-oto (BOR/BO) syndrome, and distal renal tubular acidosis (dRTA). Characteristic phenotypes of EVA include progressive, fluctuating hearing loss (HL), and repetitive vertigo. In this study, we compared the audiovestibular findings in patients with mutations of SLC26A4, ATP6V1B1 or SIX1 to clarify whether the anatomical enlargement itself was related to the characteristic phenotypes. We enrolled five Pendred syndrome patients with SLC26A4 mutations, one dRTA patient with ATP6V1B1 mutations and two BO syndrome patients with a SIX1 mutation. One patient with a SIX1 mutation showed unilateral EVA, and the others had bilateral EVA. All five patients with SLC26A4 mutations had progressive HL, fluctuating HL and/or repetitive vertigo. A patient with ATP6V1B1 mutations also showed repetitive progression HL, fluctuating HL and repetitive vertigo. Fluctuating HL and repetitive vertigo were not recognized in two patients with SIX1 mutation, although one patient showed slight progression of HL. There were no significant positive associations in patients with SLC26A4 mutations between EVA widths and pure tone averages, and the widths and maximum slow phase velocities. These findings suggested that EVA itself had no relationship with either progressive, fluctuating HL, nor repetitive vertigo. The product of SLC26A4, the Cl-/HCO3- exchanger pendrin, and the product of the ATP6V1B1, B1-subunit of H+-ATPase, can play a role in the maintainance of endolymph pH homeostasis. Therefore, a disruption of endolymph pH homeostasis can be associated with the characteristic phenotypes.
著者
杉山 憲嗣 難波 宏樹 野崎 孝雄 伊藤 たえ
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.23-29, 2013 (Released:2017-02-16)
参考文献数
24

DBSは,疼痛疾患,不随意運動の治療法として始まり,中枢神経のループ回路障害の治療法として注目され,近年,難治性の強迫性障害(OCD),うつ病等々の精神科疾患にも適応されるようになった。中でも難治性 OCD に対する DBS は,USA で FDA の認可,ヨーロッパでも CE Mark approval を獲得し,そのDBS施行数は,論文発表例のみでも94症例となっている。複数報告例(総患者数= 81例)での治療有効率は約64 %(63.8 ± 21.9%)である。各ターゲットごとの報告例数,術後 YBOCS15点以下の改善者数,20点以下の改善者数は,①内包前脚/腹側線条体刺激:報告例数42 例,15点以下12 例,20点以下15例,②側座核刺激:報告例数33 例,15点以下8 ~ 11 例,20 点以下 13例,③視床下核刺激:報告例数19 例,15 点以下7例,20 点以下 11例であった。DBSによる治療が,精神科内,OCDの患者や患者家族内で選択しうる補助療法として認識され,検討されることを望むものである。
著者
UBARA Ayaka SUMI Yukiyoshi ITO Kazuki MATSUDA Arichika MATSUO Masahiro MIYAMOTO Towa KADOTANI Hiroshi 乳原 彩香 角 幸頼 伊藤 一樹 松田 有史 松尾 雅博 宮本 都和 角谷 寛
出版者
MDPI AG
雑誌
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻号頁・発行日
vol.17, no.23, pp.8971, 2020-12-02
被引用文献数
11

We aimed to analyze (a) the changes in depression, sleepiness, insomnia, and sleep habits in relation to the degree of self-isolation and (b) the effects of changes in sleep habits and social interactions on depression, insomnia, and sleepiness during the coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic. We enrolled 164 patients who visited the sleep outpatient clinic in Shiga University of Medical Science Hospital. We compared the sleep habits, depression (Patient Health Questionnaire-9: PHQ-9), insomnia (Athens Insomnia Scale: AIS), and sleepiness (Epworth Sleepiness Scale: ESS) of patients during the period from April to July 2019 vs. May 2020 (a period of self-isolation due to COVID-19). A Wilcoxon signed-rank test indicated no significant differences in PHQ-9, ESS, and AIS scores between 2019 and 2020 within both the strong self-isolation group and no/little self-isolation group. With respect to sleep habits, earlier bedtime (p = 0.006) and increased sleep duration (p = 0.014) were found in the strong self-isolation group. The former (p = 0.009) was also found in the no/little self-isolation group, but we found significant differences in sleep duration between the no/little self-isolation group and the strong self-isolation group (p = 0.047). Therefore, self-isolation due to COVID-19 had relatively small one-year effects on depression, sleepiness, and insomnia in a clinical population.
著者
中尾 矩也 戸張 和明 杉野 友啓 伊藤 佳樹 三島 光博 前田 大輔
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.1, pp.18-27, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

This paper presents a control scheme for smooth torque production in permanent-magnet synchronous motor drives. The proposed control scheme consists of two techniques: a feedforward compensation for torque ripple minimization and an online parameter estimation technique for harmonic fluxes. The feedforward compensation is constructed on a position-sensorless vector control system and generates voltage commands to suppress torque ripples. The command calculation process requires the parameters of the harmonic fluxes; therefore, the proposed control scheme includes their estimator and calculates them from detected current information. These techniques are simpler than existing ones and can be implemented on a computational device with a small amount of calculation load. The proposed control scheme is verified by performing simulations and experiments.
著者
伊藤 栄作 戸谷 直樹 西江 亮祐 村上 友梨 福島 宗一郎 吉田 博 三澤 健之 大木 隆生
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.29-32, 2019-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
21

下肢静脈うっ滞症状を呈する33例において,血管内皮機能検査(flow-mediated dilation: FMD)について検討した。CEAP分類別のFMD中央値はC1: 4.2%, C2: 3.7%, C3: 4.3%, C4: 3.3%, C6: 2.4%で,C4–6群はC1–3群に比し有意に低下していた(p=0.035)。動脈硬化リスク因子(糖尿病,高血圧,脂質異常症)とFMD値とは関連はみられなかった。下肢静脈うっ滞症状と血管内皮機能障害は関連する可能性が示唆された。
著者
佐藤 恵美子 松田 トミ子 山田 チヨ 渡邊 智子 山口 智子 伊藤 知子 伊藤 直子 太田 優子 小谷 スミ子 立山 千草 玉木 有子 長谷川 千賀子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じた聴き取り調査結果から、昭和35~45年頃までに定着した新潟県のおやつについて報告する。<br />【方法】村上、新潟、長岡、柏崎、魚沼、上越、佐渡の7地域のおやつについて検討した。<br />【結果】新潟県は米を中心とした主食の豊かな食文化があり、うるち米、もち米、くず米、米粉を使ったものが多く、おやつにも主食と類似した文化がみられた。うるち米を使ったものには、おにぎりに生姜味噌をつけて焼いた「けんさん焼き」(魚沼)、米を二度炊きにしてから搗いた「にたて餅」(村上)があった。もち米を使った「餅」はきな粉や砂糖醤油をつけて頂き、「あんこ雑煮(おしるこ)」や「あられ」・「かたもち」(新潟)にして食された。米麹から作る「甘酒」(新潟)、灰汁に漬けたもち米を笹の葉で巻いた「灰汁笹巻」(村上)も特徴的である。もち米や米粉を使ったものには、新潟県の特産品として親しまれている「笹団子」(新潟・県全域)があり、中に餡を入れたものだけでなく、ひじきやあらめの煮物を入れたものも食された。新潟県のおやつには笹の葉を用いたものが特徴的であり、笹団子の他に「三角粽」(柏崎・県全域)や「笹餅」(魚沼)などがあり、地域により笹の用い方に違いがみられた。くず米の利用として、あんや大根菜を入れた「あんぼ」(魚沼)、「おやき」(柏崎)、「みょうが団子」(上越)などがある。佐渡では米粉を使ったものとして、雛祭りには「おこしがた」、釈迦祭りには「やせうま」、ケの日には「とびつき」が食べられていた。その他のおやつに含まれるものに「バタバタ茶」(上越)があり、糸魚川市で泡立てた番茶をいただく風習があった。