著者
新井 智之 伊藤 健太 高橋 優太 丸谷 康平 細井 俊希 藤田 博暁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.559-557, 2019 (Released:2019-10-28)
参考文献数
23

〔目的〕本研究は不安定面上での片脚立位時のライトタッチの効果を,足圧中心動揺と下肢筋の筋活動から検討することを目的とした.[対象と方法]対象は健常男子大学生13名とした.支持なし(フリー),ライトタッチ(1 N以下の接触),フォースタッチ(5 N以上の接触)の3条件で,足圧中心動揺と6つの筋の筋電図を測定した.〔結果〕総軌跡長,矩形面積,実効値面積は,フリー条件に比べ,ライトタッチとフォースタッチが有意に低値を示した.またライトタッチ条件に比べ,フォースタッチが有意に低値を示した.大殿筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,非腓腹筋の筋活動においては,フリーとライトタッチ時の%RMSに有意差はなかった.〔結論〕片脚立位中のライトタッチは,下肢筋の筋活動を減少させずに,足圧中心動揺を減少させる効果があることが示された.
著者
藤巻 峻 新保 彰大 松井 大 時 暁聴 神前 裕
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.78-90, 2015-09-30 (Released:2015-12-26)
参考文献数
96
被引用文献数
1

In the previous article (Kosaki, Shi, Matsui, Shimbo, & Fujimaki, 2015) we reviewed studies regarding how animals represent temporal information in classical conditioning. In this article, we first review various issues pertaining to interval timing in operant conditioning, with the main goal of providing a concise summary of procedural and theoretical developments in interval timing research. In the remainder of the article, we will review recent empirical findings and theories about the neural substrates underlying timing mechanisms both in classical and operant conditioning, and discuss how the hippocampus and striatum might contribute to different aspects of temporal information processing during conditioning. We then argue that the potentially different timing mechanisms implemented by the hippocampus and the striatum, as evidenced by the recent discovery of time cells in the hippocampus and consistent findings regarding involvement of the striatum in interval timing, might each be considered to constitute a part of functionally dissociable multiple memory systems that have been described elsewhere in the literature, particularly in the context of spatial learning and the organisation of voluntary behaviour.
著者
長富 一暁
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.102-114, 2010 (Released:2017-05-08)
参考文献数
43

イギリスでは近年,選挙区割りについての研究が発展している。とりわけジョンストン,パティー,ドーリング,ロシター(Johnston, Pattie, Dorling & Rossiter, 2001)が提起した選挙区割りの分析の枠組みは画期的であった。この枠組みは国会や地方議会の選挙区割りに適用されている。このような研究の発展の背景にイギリス政治およびイギリス政治学の展開がある。現実の政治の側面で重要なのは,イギリス政治の多党化によって小選挙区制の不公平性についての認識が広まったことである。政治学の側面で重要なのは,イギリスの選挙研究に特徴的な選挙地理学の影響である。選挙区割りの研究の発展はイギリスの政治や政治学の現状を如実に反映しているわけである。このように,イギリスの選挙区割りの研究を理解することを通して,イギリス政治やイギリス政治学への理解を深めることができる。
著者
白井 暁彦 久米 祐一郎 津田 元久 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.6 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.77-84, 1997-02-03 (Released:2017-06-23)

3次元ディスブレイによって生成された物体との対話において、視覚に加えて触覚や力覚情報の人間への提示が重要である。本研究では皮膚の2点に振動刺激を与えることによって生じるファントムセンセーションを用いて、把持時の疑似力覚の提示を試みた。小型の工具を把持する際に指・手掌部との接触握部に振動子を組み込むことにより、刺激素子の装用感が少ない状態で、皮膚に振動刺激を与えることが可能である。本報告では指・手掌部の振動刺激に対する皮膚感覚の受容特性、静的や動的ファントムセンセーションの生起条件等を明らかにした。また2つの振動子と、PSDを用いた光学式3次元位置検出法と組み合わせ、力学的なバランス感覚も提示できる3次元画像との仮想対話作業ツールを試作した。
著者
郝 暁卿
出版者
福岡県立大学
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 = Journal of the Faculty of Integrated Human Studies and Social Sciences, Fukuoka Prefectural University (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-27, 2008-07-31

中国医療システムには中医学、現代医学、中西医結合医学という三つの流れと医療が存在する。本稿は「中医学、ウイグル医学、日本の代替医療の医療人類学的比較研究―リサーチプランのための基礎研究―」のプロジェクトの一部として、中西医結合医学を中心に、その歴史と成果および問題点を述べたものである。結論として、中西医結合医学の実践は現代医学の衝撃を受けながら中医学の存続が激しく議論され、中医学の医学関係者と擁護者たちが絶え間ない努力をした歴史過程の中で、また、中華人民共和国が成立した後、中国政府が盛んに提唱したのを背景に行われたものである。このような試みは中国の国内で賛否両論があるが、認められた治療思想や治療法などが数多くあるため、今後も中医学と現代医学のすぐれたところをとりながら、開拓し続けていくだろうと見られる。しかし、この新しい医学としての価値と展望については将来における更なる実践の中で証明し、開かなければならないと思われる。
著者
田畑 暁生
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学発達科学部研究紀要 (ISSN:09197419)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.247-260, 2002-09
著者
中田 尚 吉見 真聡 片桐 孝洋 吉瀬 謙二 岡本 吉央 津邑 公暁
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2009-ARC-184, no.24, pp.1-6, 2009-07-28

先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS2009 併設企画として,マルチコアプログラミングコンテスト 「Cell チャレンジ 2009」 を開催した.文字列の編集距離を求める規定課題部門,および各チームが自由に課題を設定できる自由課題部門の 2 部門で行ったところ,のべ 77 チームの参加を集め,盛況に終えることができた.本稿では,Cell チャレンジ 2009 の実施報告を行う.
著者
山本 俊幸 大槻 マミ太郎 佐野 栄紀 森田 明理 奥山 隆平 五十嵐 敦之 川田 暁
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.128, no.13, pp.2835-2841, 2018-12-20 (Released:2018-12-20)
参考文献数
14

日本乾癬学会による,3年間の乾癬性関節炎疫学調査の結果をまとめた.本邦患者の臨床的特徴は,1)男性が女性の2倍弱多い,2)乾癬発症の平均年齢は30歳代後半,関節炎は40歳代後半,3)乾癬のタイプは尋常性(局面型)が9割以上,4)関節炎のタイプは,多関節炎型かDIP型が多い,5)乾癬の家族歴は5~7%程度,6)付着部炎は2割強,7)指趾炎は6割前後に認められる,などであった.生物学的製剤による治療は,約半数に導入されていたが,中止または他剤へのスイッチ例も15~20%強に認められた.爪病変,併存症,職業についても合わせて調査した.
著者
松本 美富士 前田 伸治 玉腰 暁子 西岡 久寿樹
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.87-92, 2006-03-30 (Released:2016-12-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2

Fibromyalgia (FN) is a common rheumatic disorder in American and European populations. In Japan, however, FM is not a well-accepted concept because it is a poorly recognized disorder. Epidemiological findings of Japanese patients with FM are still unclear due to a lack of nationwide epidemiological surveys. We conducted the first nationwide epidemiological survey for FM in Japan. The estimated annual number of patients diagnosed and treated in hospitals was 2,670 (95% confidence interval (CI) 1,850-3,490), and the number of patients treated by Japanese rheumatologists was 3,930 (95% CI 3, 220-4,640). Only 31.7% (734/2,313) of Japanese rheumatologists could diagnose the patient as having FM. The age distribution was from 11 to 84, with an average age of 52.3±16.2 years of age and 3.6% of them were in their childhood. The estimated onset ages were 44.0±16.1 (9-76) years, and the time elapsed from onset to the survey date was 4.7±6.7 (0-50) years. The male to female ratio was 1: 4.8, and primary FM to secondary FM ratio was 3.1: 1. Among secondary FM cases, underling disorders were as follows: rheumatoid arthritis (35.5%), other rheumatic disorders (44.1%) and others (20.4%). The Japanese patients were treated by rheumatology clinics and physicians. Most of the patients were outpatients, and only 12.5% were hospitalized. For one year, the rate of recovery from FM was only 1.5%, and a half of the patients had poor activity in daily life. These findings show that only a small portion of FM patients would be received medical management in Japan.
著者
白井 暁彦 鈴木 百合彩
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.452-457, 2015-09-18

エンタテイメントシステムにおける再現可能な実験や客観的な評価手法の確立は,本分野を科学研 究として発展させるために重要な研究である.本発表では特に,複数のエンタテイメントシステムにおけ る「おもしろさ」を物理的・客観的に測定するため,自然な体験環境で行うパブリックテストを成立させ るための同意書および実験運用方法,ガイドラインを提案する.
著者
箕輪 はるか 北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 齊藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 上杉 正樹 遠藤 暁 奥村 真吾 小野 貴大 小野崎 晴佳 勝見 尚也 神田 晃充 グエン タットタン 久保 謙哉 金野 俊太郎 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 髙橋 賢臣 竹中 聡汰 張 子見 中井 泉 中村 駿介 南部 明弘 西山 雄大 西山 純平 福田 大輔 藤井 健悟 藤田 将史 宮澤 直希 村野井 友 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 山守 航平 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【はじめに】日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした研究グループにより、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の陸域での大規模な調査が2011年6月に実施された。事故より5年が経過した2016年、その調査結果をふまえ放射性物質の移行過程の解明および現在の汚染状況の把握を目的として本研究プロジェクトを実施した。2016年6月から9月にかけて、のべ9日間176名により、帰還困難区域を中心とする福島第一原子力発電所近傍105箇所において、空間線量率の測定および土壌の採取を行った。プロジェクトの概要については別の講演にて報告するが、本講演では福島県双葉郡大熊町・双葉町の土壌中の放射性セシウム134Csおよび137Csのインベントリ、土壌深部への移行、134Cs/137Cs濃度比、また空間線量率との相関についての評価を報告する。【試料と測定】2016年6・7月に福島県双葉郡大熊町・双葉町の帰還困難区域内で未除染の公共施設36地点から深さ5 cm表層土壌を各地点5試料ずつ採取した。試料は深さ0-2.5 cmと2.5-5 cmの二つに分割し、乾燥処理後U8容器に充填し、Ge半導体検出器を用いてγ線スペクトルを測定し、放射性物質を定量した。【結果と考察】137Csのインベントリを航空機による空間線量率の地図に重ねたプロットを図1に示す。最大濃度はインベントリで137Csが68400kBq/m2、比放射能で1180kBq/kg・dryであった。インベントリは空間線量率との明確な相関がみられた。深部土壌(深さ2.5-5.0 cm)放射能/浅部土壌(深さ0-2.5 cm)放射能の比はおおむね1以下で表層の値の高い試料が多かったが、試料ごとの差が大きかった。また原子力発電所より北北西方向に134Cs/137Cs濃度比が0.87-0.93と明確に低い値を持つ地点が存在した。
著者
松原 幹 阿部 知暁
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.305-311, 1999 (Released:2009-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1
著者
阿藤 誠 津谷 典子 福田 亘孝 西岡 八郎 星 敦士 田渕 六郎 吉田 千鶴 岩間 暁子 菅 桂太 中川 雅貴 曺 成虎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

研究成果の概要(和文):本研究では第一に男性の未婚化・晩婚化は非正規雇用の増大により引き起こされ、女性の未婚化・晩婚化は高学歴化に伴う賃金稼得力の上昇と関係がある。第二に結婚や家族に対して非伝統的な価値意識を持つ人ほど出生力が低く、反対に伝統的な意識を持つ人ほど出生力が高い。第三に男性と比べて女姓は結婚・出産を経験すると家事や育児を極めて多く遂行するようになる。第四に高齢の親に対しては男性よりも女性の方が心理的、経済的支援をより多く行っており、特に配偶者の親よりも自分の親に対して顕著である。また、孫がいない夫婦より孫のいる夫婦の方が祖父母から様々な支援をより多く受けていることが明らかとなった。
著者
今野 暁子 佐藤 玲子
出版者
尚絅学院大学
雑誌
尚絅学院大学紀要 (ISSN:13496883)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.123-129, 2006-01
被引用文献数
2