著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文 濱田 州博 上條 正義 金井 博幸 坂口 明男 森川 陽 池田 和子 鈴木 美和子 北折 貴子 鄭 永娥 藤本 隆宏 正田 康博 山村 貴敬 高橋 正人 中嶋 正之 太田 健一 堀場 洋輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

我が国ファッション事業の国際化に寄与する研究を目指し,国際ファッション市場に対応する繊維工学的課題の解決,国際ファッション市場に通用するTPS/テキスタイル提案システムの構築を行った.国際市場に実績ある事業者を対象とし,現場の調査,衣服製作実験,商品の評価を行い我が国との比較を行った.欧州・中国と日本における衣服・テキスタイル設計,評価および事業の違いを明らかにし,事業と技術の課題を明らかにした.デザイナーのテキスタイル選択要件を調査し,テキスタイルの分類法,感性評価値を組み込みTPSを構築した.日欧で評価実験を行い有効性を確認した.また,衣服・テキスタイル設計評価支援の技術的知見を得た.
著者
佐藤 哲
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.70-85, 2008
被引用文献数
2

<p>地域社会に特徴的な野生生物や生態系は,環境アイコンとして環境保全,自然再生,地域振興に活用されている。兵庫県豊岡市におけるコウノトリをアイコンとした地域再生,沖縄県石垣市白保におけるサンゴ礁をアイコンとした環境保全と地域振興,長野県佐久市における佐久鯉をアイコンとした稲田養鯉の復活を事例に,環境アイコンの生成要因と求心力の基盤,環境アイコンが象徴する多様な生態系サービス,環境アイコンの活用におけるレジデント型研究機関の役割,環境アイコンの活用を通じた人と自然とのかかわりを検討した。環境アイコンの生成には,環境改変による喪失・危機が契機となっており,地域の日常生活に密着した伝統文化や自然資源利用,および他の地域との差異化につながる環境アイコンの独自性を基盤とした人々の強い愛着と誇りが基盤となっている。環境アイコンの保全・再生が生態系サービスの改善をもたらすことが,多様なステークホルダーの合意形成と求心力の維持に貢献している。生態系サービスの現状と未来を評価する科学研究の担い手として,地域社会に常駐するレジデント型研究機関の役割が重要である。環境アイコンは地域振興に密接にかかわる生態系サービスを象徴するものととらえるのが適切であり,人と環境アイコンとのかかわりは,人が一方向的に破壊,保全,再生する対象ではなく,環境アイコンの保全と再生を行いつつ,多様な生態系サービスを創出してその恩恵をうける相互的な関係としてとらえなおされるべきである。</p>
著者
佐藤 哲
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.421-433, 2006-12-25

This paper presents numerical solutions for relativistic dynamics by the Symplectic Integrator (SI) and Totally Conservative Integrator (TCI), and proposes Symmetric TCI (S-TCI) for improving the TCI. For some kinetic problems, the TCI is more efficient than the SI, e.g. faster calculation and higher accuracy. However, some inaccuracy results by the TCI for relativistic dynamics are indicated. To overcome its problem, time-reversal S-TCI is derived based on composition methods with the adjoint method. Numerical solutions by S-TCI show greatly improvement compared with the ordinary TCI.
著者
中岡 義貴 佐藤 哲司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.204, pp.57-62, 2014-09-10

インターネット上に存在する多くのレシピサイトでは,料理のジャンルや使用する食材など,様々な条件を指定することで,膨大なレシピ集号の中から単体のレシピを検索することができる.本研究では,調理者がこれまでに経験した食材や調理法に基づいて,無理なく調理のレパートリーを拡大することを目的とする,調理レパートリー拡大手法を提案する.レシピに出現する食材と調理手順に含まれる調理法の出現頻度,およびそれらの関係性を分析し,調理者の負担が少ない,未経験の食材と調理法を含むレシピを優先的に推薦する.大規模なレシピ共有・検索サイトのデータを用いて,推薦法を実装した評価実験用システムを用いた評価結果から,調理の負担が軽いレパートリー拡大やより多くの調理経験を積める効果的なレパートリー拡大などの,作り手の状況に合わせたレパートリー拡大について考察する.
著者
大塚 淳史 関 洋平 神門 典子 佐藤 哲司
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.1-11, 2011-10-03

コミュニティ QA サイトでは,ユーザの疑問や知りたいことが自然言語で記述された質問記事として投稿されている.本論文では,Web 検索で必須な言語化された検索クエリの想起を,質問記事を提示することで支援する,クエリ拡張型 Web 検索システムを提案する.提案システムでは,検索者から入力されたキーワードと関連する質問記事を複数のカテゴリから抽出し,拡張するキーワードとともに提示するクエリ拡張を実現する.検索者は,提示された質問記事を閲覧することで,自身の情報要求を拡張の根拠として言語化された検索クエリとして確認することができる.潜在的意味インデキシングを用いてシステムを実装し,実運用されたコミュニティ QA サイトの質問記事を用いて評価を行い,提案システムによって多様なクエリ拡張と,根拠となる質問記事を提示できることを確認した.In community QA websites,huge number of questions written in natural language are posted by users. We propose a new query expansion system to support Web search users by using community QA resources. In our system, users can get diversified query candidates from questions in multiple Yahoo! chiebukuro (Yahoo! Answers) categories relevant to the search query, and will find queries relevant to their information needs by browsing question articles. We also report experimental results to extract diversified question articles with latent semantic indexing.
著者
鈴木 聡 森松 博史 江木 盛時 清水 一好 松崎 孝 佐藤 哲文 片山 浩 森田 潔
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.215-220, 2011-04-01 (Released:2011-10-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

術後の発作性心房細動の発生は,ICUや病院滞在日数,医療費の増加につながることが報告されており,その管理は重要である。我々は,食道癌術後に難治性の発作性心房細動を合併し,短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロールを使用した7例を経験した。症例は51~87歳で,いずれも男性であった。複数の抗不整脈薬が無効であり,塩酸ランジオロール投与を開始した。初期の急速投与は行わず,4.3~33.5μg/kg/minと低用量の範囲で開始し,投与前と投与1時間後の心拍数は平均153[140, 167][95%信頼区間] /minから101[88, 116] /min(P<0.0001)と有意な低下を認めた。平均血圧は88[78, 94] mmHgから82[74, 89] mmHg(P=0.37)と有意な変化を認めず,重症な低血圧に陥る症例もなかった。6例では投与開始24時間以内に洞調律に回復した。複数の抗不整脈薬に抵抗性の食道癌術後発作性心房細動に対する低用量の塩酸ランジオロール投与は,大きな血圧の低下なく心拍数の安定をもたらした。
著者
佐藤 哲郎
出版者
松本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は社協ワーカーが地域福祉活動を推進していくために、どのような技術を活用し地域へ働きかけているのかそのプロセスを明らかにすることである。研究方法は社会福祉士有資格者で実務経験が10年以上の社協ワーカー14名を対象に半構造化インタビューを行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにおいて分析を行った。分析の結果2つのコア・カテゴリー、8つのサブ・カテゴリー、24の概念からなるプロセスを生成した。次に、実践に関する55項目を抽出した質問使調査を行った。その結果、6因子・30項目からなる評価尺度を作成した。
著者
近藤 フヂエ 武田 光一 山本 眞也 郷 晃 佐藤 哲夫 丹治 嘉彦
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度は、地域文化の活性化に資する表象芸術の在り方を究明するために、新大アートプロジェクト2003「うちのDEアート」を実施し、また、各地域での同種の活動の取材と意見交換を通じて、本研究に関する資料を得たが、平成16年度は、それを用いてメンバーの専門領域の立場から考察した。たとえば近藤は、美術史の立場から、芸術表象の地域性について、イメージ信仰に時代を超えた特質を見出すことができるとする解を得た。教育の立場から佐藤は、アートプロジェクトと美術教育がホモロジカルな関係にあるとする視点から、その課題を明らかにし、柳沼は、具体的に小・中学校との連携による表象芸術の意義を示した。また、実際に関わったプロジェクトとの関係で、橋本は、パブリックスペースという環境を問題にし、アートやデザインの可能性を示した。郷は、街づくりに果たす彫刻シンポジウムの役割を示した。丹治は、2003「うちのDEアート」に、最も深く関わった経験などを通して、表象芸術が地域においてどのような意味を持つのかについての一つの結論を導いた。武田は、加茂市若宮神社の天井画という新出資料について、地域における江戸後期の書画愛好の気風を明らかにした。山本は大学所有の屏風絵の模写を通じて技法研究を行い、社会的な模写の意義と効用について明らかにした。また16年度も15年度に引き続き、種々地域に根ざしたアートプロジェクトを実施した。新潟県の豊栄市の早通地区のコミュニティーの活性化のために、「光のロータリー ロウソクを灯して」等。震災を乗り越えて「元気出そう新潟県」の趣旨による、小・中・大の児童、生徒、学生による造形ワークショップ・「虹色アトリウム-光の壁画をつくろう-」など、多数の活動を行った。引き続き、本研究で得られた成果をもとに、新大アートプロジェクト2005「うちのDEアート」の実施に向け、活動を行っている。
著者
音琴 淳一 渡邊 英俊 大野 美知昭 日垣 孝一 佐藤 哲夫 椎名 直樹 伊豫田 比南 温 慶雄 上條 博之 坂本 浩 河谷 和彦 伊藤 茂樹 太田 紀雄
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.13-24, 2001-03-28
被引用文献数
2

歯周病患者のパノラマX線写真パラメーターを臨床パラメーターと比較することにより,歯周病と骨粗髷症の関係を明らかにし、さらにパノラマX線写真パラメーターを用いて骨粗髷症の診断を試みた。被験者は歯周治療経験,全身疾患のない20歯以上を有する歯周病患者(男性群113名,女性群113名)とした。パノラマX線写真パラメーターとして歯槽骨吸収量,下顎下縁皮質骨量(MCW),Central panoramic mandibularindex(C-PMI)を計測した。臨床パラメーターとして現在歯数,プラークコントロールレコード,臨床的アタッチメントレ・ベル,Gingivallndex,Gingival Bleeding lndex,動揺度を測定した。被験者は男性群と女性群,女性群を閉経前群と閉経後群(閉経後1〜5年群,閉経後6〜10年群,閉経後11年以上群)に分類し,年齢は20代から70代の各年代群に分類した。年齢およぴ閉経後年数と各パラメーターとの相関関係,各パラメーター問の相関関係を各群間で評価した。さらに,MCWを用いた骨粗髷症の診断を試みた。その結果,男女群間にはMCWを除いて全ての計測値に有意差を認めなかった。女性群においては,閉経後6年を越える群に歯槽骨吸収量の有意な増加およぴMCWの有意な減少を認めた。閉経後群は現在歯数の減少,閉経後11年以上群には臨床的アタッチメントレ・ベルの有意な増加を認めた。男性,女性群において年齢と歯槽骨吸収量,女性群において年齢と現在歯数および歯槽骨吸収量,MCWと歯槽骨吸収量,閉経後群において閉経後年数と歯槽骨吸収量,MCWと臨床的アタッチメントレベルは相関関係を認めた。またMCWから2名の女性被験者において骨粗髷症を発見することができた。この結果から歯周病と骨粗髷症との関連が示され,MCWを用いた女性歯周病息者の閉経後骨粗髷症診断の可能性が示された。
著者
佐藤 哲也 坂本 和子 森本 一成 浦川 宏 大谷 芳夫 松本 裕司 梶原 莞爾 石田 泰一郎
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,人間の視感覚によって感じる印象・感情,また,質感がどのようなものであるかを数量的に解析し,消費購買活動にどの程度寄与しているのか考察した.印象と質感ついては,人間の視感覚の本質的な部分の研究を行うとともに,計測手法や統計手法を用いることで,色彩,光沢感などの客観評価の可能性を見出し,生活者が受ける印象については,モノや生活空間から受ける印象の数量的な解析を行い,その特徴を見出した.たとえば,衣服の見た目の風合いは,衣服を見る角度によって変化し,変角分光光度計で計測される反射率や明度によって捉えられることを見出した.また,実際の消費購買活動の研究では,視感覚の消費購買活動への影響について実験・調査を行い,視感覚から得られる情報が消費購買活動に影響を与えていることを見出した.
著者
佐藤 哲子 長谷川 浩二 小谷 和彦 小川 佳宏
出版者
独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

申請者らが構築した肥満・糖尿病・メタボリック症候群のデータベース1050例を対象に、ヒト単球の採取とその機能解析により、単球機能(炎症M1・抗炎症M2マーカーなどの質的異常)と既知の心血管病リスクが強く関連し、さらに糖尿病薬や高脂血症薬によりヒト血中単球機能が改善することを初めて報告した。この研究成果より、肥満・糖尿病・メタボリック症候群における単球機能改善を標的とした早期動脈硬化進展の診断法や心血管病予防・治療戦略の可能性が示唆された。
著者
内田 慎一 藤森 淳 浦辺 徹郎 砂村 倫成 坪野 公夫 須藤 靖 三河内 岳 佐藤 哲爾 二宮 哲平
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース (ISSN:21873070)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.5-9, 2013-03

退職にあたって/内田慎一先生を送る/定年の今送る「手紙~拝啓十五の君へ~」/浦辺徹郎先生を送る/時代はまわる/坪野公夫先生を送る/宮本正道先生を送る/前へ!/定年後の8万時間
著者
原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 中富 昌夫 浅井 貞宏 水兼 隆介 奥野 一裕 福島 喜代康 伊藤 直美 井上 祐一 小池 隆夫 大西 勝憲 大道 光秀 山田 玄 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 武内 健一 新妻 一直 柳瀬 賢次 友池 仁暢 中村 秀範 加藤 修一 佐田 誠 池田 英樹 板坂 美代子 荒川 正昭 和田 光一 原口 通比古 星野 重幸 五十嵐 謙一 嶋津 芳典 近 幸吉 瀬賀 弘行 関根 理 鈴木 康稔 青木 信樹 滝沢 敬夫 兼村 俊範 竹村 尚志 長尾 光修 濱島 吉男 坂本 芳雄 坂田 憲史 豊田 丈夫 大角 光彦 小林 宏行 河合 伸 酒寄 享 杉浦 宏詩 押谷 浩 島田 馨 佐野 靖之 荒井 康男 北條 貴子 小川 忠平 柴 孝也 吉田 正樹 岡田 和久 佐藤 哲夫 古田島 太 林 泉 宍戸 春美 松本 文夫 桜井 磐 小田切 繁樹 鈴木 周雄 綿貫 祐司 高橋 健一 吉池 保博 山本 俊幸 鈴木 幹三 下方 薫 川端 原 長谷川 好規 齋藤 英彦 酒井 秀造 西脇 敬祐 山本 雅史 小笠原 智彦 岩田 全充 斉藤 博 三木 文雄 成田 亘啓 三笠 桂一 二木 芳人 河端 聡 松島 敏春 副島 林造 澤江 義郎 高木 宏治 大泉 耕太郎 木下 正治 光武 良幸 川原 正士 竹田 圭介 永正 毅 宇都宮 嘉明 秋山 盛登司 真崎 宏則 渡辺 浩 那須 勝 橋本 敦郎 後藤 純 河野 宏 松倉 茂 平谷 一人 松本 亮 斎藤 厚 健山 正男 新里 敬 伊志嶺 朝彦 上地 博之 比嘉 太 仲本 敦 我謝 道弘 中島 光好
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.901-922, 1997-11-25
参考文献数
20
被引用文献数
19
著者
佐藤 哲哉 阪井 康友 福原 奈津子 上田 眞太郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.23-28, 1997 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

パーキンソニズムの姿勢反応障害は日常生活(ADL)の障害をきたし,転倒の誘因ともなっている。そこで我々はパーキンソニズムの立位姿勢反応障害の推定とその特徴の検討を目的に,後方外乱によるPostural Stress Testを施行した。後方外乱刺激には,1.0%体重量による60cmの落下エネルギーを用い,刺激直後の前後重心動揺を経時的に測定を行った。加えて,20秒間の静止立位の重心動揺測定も行った。対象はパーキンソニズム10例および健常者10例で,結果はパーキンソニズムのADL障害の重度化に伴って,後方外乱刺激から平衡反応までの潜時時間は遅延し,この時の後方重心移動距離も延長した。パーキンソニズムの姿勢反応障害の特徴は,静止時のS.D-Areaでなく,後方外乱によるPostural Stress Testに対しての反応を示唆し,臨床評価にその有用性を明らかにした。
著者
佐藤 哲也
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.79-85, 2003-02-05
参考文献数
1
被引用文献数
3

地球シミュレータの第一義的使命は,地球環境変動(地球温暖化,エルニーニョ,台風,地殻変動)のメカニズムを深く理解し,その変動を的確に予測することを可能にするシミュレーション基盤を固めることにある.しかしながら,その性能は予想をはるかに上回るものであり,単に従来のシミュレーションの解像度,精度を上げるという定量的な貢献と同時に,システムを部分(要素)に分解し,システムから切り離し,その部分のメカニズムを解明するという従来のシミュレーションから脱皮飛躍し,ミクロからマクロまでのプロセスが複雑に絡み合っておりなすシステム全体の営みを,ありのまま探求する"ホリスティック"コンセプトを打ち立てる研究手段としての使命を担っている.
著者
吉野 正純 佐藤 哲生 北田 徳蔵 古川 左近 染谷 幸雄 橋詰 和宗 森地 敏樹
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1048-1053, 1987-12-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
15

生乳中の細菌数の測定で, Breed法の適用性の限界, 並びにBreed法による直接鏡検個体数 (全菌数) と標準平板培養法による生菌数との関係を, 別報のBactoscan 17600 (A/S N. Foss Electric, Denmark) の性能試験で得た成績を用いて検討した.生乳305点で, Breed法で求めた全菌数の対数値とBactoscanのインパルスのそれとの相関係数は, 0.936であったが, これをBactoscanのインパルス1000 (約50万/mlの細菌数に相当) 以下の場合, 1000~10000の場合, 10000以上の場合に分けると, それぞれ, 0.491 (n=70), 0.809 (n=144), 0.824 (n=91) となり, 最初のものは, 著しく低い値を示し, Breed法の適用性の限界が示唆された. また, Bactoscanのインパルスで1000以上を与える試料について, 全菌数の対数値と生菌数のそれとの相関係数は0.819であった. 生菌数を何倍すれば, 全菌数に見合う数値になるか調べるため, 生菌数に種々のファクターを乗じた値を求め, 対応する全菌数の, この積に対する比率の度数分布を比較した. この結果, ファクターが3.5の場合, 全菌数/(生菌数×ファクター) で計算される比が0.33~3.0の範囲に入る試料の (点数の) 割合が84.7%と最大となり, かつヒストグラムの形も左右対称に最も近かった. 即ち, 生菌数に, 3.5を乗じた値で, 直接鏡検個体数のオーダーを把握できることが明らかとなった. そして, この値は生乳中に分布する細菌の菌塊 (コロニーの形成単位) の平均個体数に相当すると考えられる.