著者
柳澤 一希 吉川 徹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.597, pp.127-133, 2005
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to formulate routes and load of quest for objects based on visual information in urban space. First we defined signs, objects attached to buildings and articles on display as visual information and classified them into five categories. We assumed that finding out visual information of a category means finding out an object included in it and that we search visual information of the target object hierarchically in urban space. Secondly, we defined the probability of finding out objects by their visual information so as to formulate the routes and load of search for objects. The probability differs, if we remember signs and objects after we watch them once, from that if we do not. Consequently we formulate a mathematical model for determining the route of searching goods and the load of the search. Finally, we applied our model to the real urban space in Akihabara.
著者
茂木 伸之 吉川 徹 佐々木 毅 山内 貴史 髙田 琢弘 高橋 正也
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2022-0018-CHO, (Released:2023-09-05)
参考文献数
28

日本では教員の長時間労働や精神疾患による病気休職者数が減少していない状況である.本研究は,過労死等の重点業職種である教職員に該当する義務教育教員の多くを占める公立小中学校教員の公務災害の過労死等防止対策に資する課題抽出を目的として,公務災害として認定された過労死等の負荷業務の特徴について検討した.対象は2010年1 月から2019年3月までに公務災害に認定された全392件(脳・心臓疾患事案146件,精神疾患等事案246件)の内,教員88件(脳・心臓疾患事案52件,精神疾患等事案36件)とした.その結果,脳・心臓疾患の100万人当たりの発症件数は男性が80%を占め,男女の疾患名では脳内出血が最も多かった.精神疾患等は,100万人当たりの発症件数は男性が多く,疾患名はうつ病エピソードが最も多かった.学校別の件数は,脳・心臓疾患は中学校で多く,精神疾患等は小中学校それぞれ半数であった.脳・心臓疾患事案では,負荷業務として「部活動顧問」が最も多く,長時間労働を認定要件とする事案に影響を及ぼした.精神疾患等では,業務による負荷の「住民等の公務上での関係」における保護者によるものが最も多かった.負荷業務である「部活動顧問」,「住民等の公務上での関係」の課題を解決することが,公立小中学校教員の過労死等防止対策のひとつになると考えられる.
著者
池田 大樹 久保 智英 井澤 修平 中村 菜々子 吉川 徹 赤松 利恵
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2023-0006-CHO, (Released:2023-07-19)
参考文献数
28

勤務間インターバルとは,勤務終了後から翌始業までの休息時間のことを言う.本研究は,勤務間インターバルと睡眠時間の組み合わせと職業性ストレスおよび病気欠勤の関連を検討した.本横断調査は,WEB形式で2022年2月に実施した.日勤労働者13,306名に対して勤務間インターバル,睡眠時間,職業性の高ストレス(職業性ストレス簡易調査票),病気欠勤について尋ねた.参加者を勤務間インターバルと睡眠時間に基づき14群に分類し,これを独立変数,高ストレス判定と病気欠勤を従属変数としたロジスティック回帰分析を実施した.その結果,短いインターバル(<11時間)と通常睡眠(≥6時間)や十分なインターバル(15時間)と短時間睡眠(<6時間)の組み合わせで,基準(十分なインターバルと通常睡眠)と比べてオッズ比が有意に高かった.これは,勤務間インターバルと睡眠時間を十分に確保することが職業性ストレスの低減に重要であり,勤務間インターバル制度によりインターバルが十分に確保されても,睡眠時間が短いと健康リスクが生じる可能性を示している.病気欠勤について,短いインターバルと短時間睡眠の組み合わせでオッズ比が有意に低かった.この原因として,勤務間インターバルが短い(長時間働かなければならない)人々は,忙しいために病気欠勤が必要な状況になっても休みを取れずあるいは取らず,結果的にオッズ比が低くなった可能性が考えられる.
著者
楠 拓也 吉川 徹 讃岐 亮
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.803, pp.212-223, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

This research aims to clarify the related structure of regional characteristics and the distribution of medical and long-term care resources in secondary medical areas throughout Japan. Structural equation modeling was applied to variables concerning regional characteristics, the number of hospital beds, and the capacity of long-term care insurance facilities. The results suggest that urbanity and depopulation as latent factors of regional characteristics are indirectly related to the distribution of medical and long-term care resources through the concentricity of the elderly which is higher in the suburb. This may lead to the need for relaxation of zoning regulation on related facilities.
著者
吉田 泰寛 吉川 徹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.50-56, 2021-06-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
9

本研究は、私鉄の駅前の広告物の色彩には沿線ごとに傾向があり、また開業年や乗降客数などの駅特性にも影響を受けるのではないかとの仮説を検証することを目的とした。このため、京王相模原線、東武東上線、小田急多摩線を対象として、色彩と駅特性の関係を、判別分析とクラスター分析によって検討した。結果として、沿線ではなく都心部からの距離によって、またターミナル駅より都心側か郊外部側かによって、色彩が大きく異なっていた。
著者
佐野 友美 吉川 徹 中嶋 義文 木戸 道子 小川 真規 槇本 宏子 松本 吉郎 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2019-010-B, (Released:2019-10-26)
被引用文献数
2

目的:医療機関における産業保健活動について,現場での事例をもとに産業保健活動の傾向や実施主体別の分類を試み,現場レベルでの今後の産業保健活動を進めていくための方向性について検討した.対象と方法:日本医師会産業保健委員会が各医療機関を対象に実施した「医療機関における産業保健活動に関するアンケート調査」調査結果を活用した.自由記載欄に記載された現在取り組んでいる産業保健活動の記述内容を対象とし,複数名の専門家により各施設の産業保健活動の分類を試みた.特に,1.個別対策事例(具体的な取り組み事例・産業保健活動の主体)2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類の2点に基づき分類を行い,各特徴について検討した.結果:有効回答数1,920件のうち,581件の自由記載があり,1,044件の個別の産業保健活動が整理された.1.個別対策事例のうち,具体的な取り組み事例については,個別対策毎の分類では「B労務管理・過重労働対策・働き方改革(35.7%)」,「Cメンタルヘルス対策関連(21.0%)」,「A 労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)」等が上位となった.また,施設毎に実施した取り組みに着目した場合,「B労務管理・過重労働対策・働き方改革関連」と「Cメンタルヘルス対策関連等」を併せて実施している施設が施設全体の13.2%に認められた.産業保健活動の主体による分類では,「a:産業保健専門職・安全衛生管理担当者(71.7%)」が最も多く,「b:現場全体(18.4%)」,「c:外部委託(2.4%)の順となった.2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類では①包括的管理(42.0%)が最も多く,②問題別管理(23.8%),③事例管理(16.5%)の順となった.考察と結論:医療機関における産業保健活動として,過重労働対策を含む労務管理・働き方改革,メンタルヘルス対策への取り組みが多く実践されていた.特に,メンタルヘルスにおける一次予防対策と過重労働における一次予防対策を併せて実施している点,外部の産業保健機関,院内の各種委員会,産業保健専門職とが連携し産業保健活動が進められている点が認められた.厳しい労働環境にある医療機関においても,当面の課題に対処しつつ,医療従事者の健康と安全に関する課題を包括的に解決できる具体的な実践が進められつつある.また,各院内委員会や外部専門家との連携によりチームとして行う産業保健活動の進展が,益々期待される.
著者
羽賀 正和 吉川 徹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.55-62, 2011-04-25 (Released:2011-12-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究は、都市形態や都市構造に多様な影響を与える地形、特に坂が小売り商店に立地に与える効果に着目し、実際の都市空間における小売り商店の分布を調査して、傾斜角との関連を分析することを目的とする。このために、東京都世田谷区下北沢において、商店街が途切れる傾斜角の値を求めた。始めに、地理情報システムを用いてクランピング法による分析を行ったところ、小売り商店が集合している領域に比べ、小売り商店から離れている領域の傾斜角は大きいことが判明した。さらに、下北沢駅からの距離帯別にAICを用いた統計的分析を行ったところ、駅から300メートル以内では2~6度の傾斜角で商店街が途切れる傾向があることが判明した。その一方で、駅から300m以遠では明瞭な傾向が観察されなかった。
著者
吉川 徹 北島 洋樹 橋爪 絢子 藤森 洋子 池崎 陽子 松田 晋哉
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.77-88, 2013 (Released:2015-01-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

本研究は新規開発された「止血弁つき安全装置つき静脈留置針(以下,留置針A)」の末梢静脈カテーテル留置手技における心理的負担軽減効果について,①留置針Aを利用している医療従事者536名への質問紙調査,②従来針と留置針Aの作業分析による比較により明らかにした。その結果,73.0%の使用者が留置針Aの使用は患者のケアと安全にとって効果的であり,82.3%が医療従事者の安全にとって効果的だと回答した。止血弁があることで従来針より末梢静脈ルート確保手技がしやすくなっていることが明らかとなった。作業分析から,留置針Aは従来針より非利き手の「押さえる」行為の平均動作時間が7秒短縮され,非利き手の「離す」,「持つ」の動作は2秒増加していた。止血弁により,非利き手の自由度を確保したことが,作業の余裕を生み,血液曝露による不安を軽減したものと考えられた。一方,止血弁の存在をうっかり忘れてしまうことによる止血弁解除後の血液漏れなどの事例も報告されており,従来針に新たな性能が付加された器材の導入には別の血液曝露リスクももたらされることも確認された。(図2,表5)
著者
髙田 琢弘 吉川 徹 佐々木 毅 山内 貴史 高橋 正也 梅崎 重夫
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.29-37, 2021

<p>本研究は,過労死等の多発が指摘されている業種・職種のうち,教育・学習支援業(教職員)に着目し,それらの過労死等の実態と背景要因を検討することを目的とした.具体的には,労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センターが構築した電子データベース(脳・心臓疾患事案1,564件,精神障害・自殺事案2,000件,平成22年1月~平成27年3月の5年間)を用い,教育・学習支援業の事案(脳・心臓疾患事案25件,精神障害・自殺事案57件)を抽出し,性別,発症時年齢,生死,職種,疾患名,労災認定理由および労働時間以外の負荷要因,認定事由としての出来事,時間外労働時間数等の情報に関する集計を行った.結果から,教育・学習支援業の事案の特徴として,脳・心臓疾患事案では全業種と比較して長時間労働の割合が大きい一方,精神障害・自殺事案では上司とのトラブルなどの対人関係の出来事の割合が大きかったことが示された.また,教員の中で多かった職種は,脳・心臓疾患事案,精神障害・自殺事案ともに大学教員と高等学校教員であった.さらに,職種特有の負荷業務として大学教員では委員会・会議や出張が多く,高等学校教員では部活動顧問や担任が多いなど,学校種ごとに異なった負荷業務があることが示された.ここから,教育・学習支援業の過労死等を予防するためには,長時間労働対策のみだけでなく,それぞれの職種特有の負担を軽減するような支援が必要であると考えられる.</p>
著者
中村 高康 吉川 徹 三輪 哲 渡邊 勉 数土 直紀 小林 大祐 白波瀬 佐和子 有田 伸 平沢 和司 荒牧 草平 中澤 渉 吉田 崇 古田 和久 藤原 翔 多喜 弘文 日下田 岳史 須藤 康介 小川 和孝 野田 鈴子 元濱 奈穂子 胡中 孟徳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、社会階層の調査研究の視点と学校調査の研究の視点を融合し、従来の社会階層調査では検討できなかった教育・学校変数をふんだんに取り込んだ「教育・社会階層・社会移動全国調査(ESSM2013)を実施した。60.3%という高い回収率が得られたことにより良質の教育・社会階層データを得ることができた。これにより、これまで学校調査で部分的にしか確認されなかった教育体験の社会階層に対する効果や、社会階層が教育体験に及ぼす影響について、全国レベルのデータで検証を行なうことができた。
著者
吉川 徹
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.35-49,134, 1996-05-31 (Released:2016-12-22)
被引用文献数
1

Cultural reproduction theory, which was suggested by P. Bourdieu and J-C. Passeron (1970), S. Bowles and H. Gintis (1976) or B. Bernstein (1971) has been imported to Japan for more than twenty years. Studies of social mobility are inevitably related to it. However there are not so many empirical studies discussing the relationship between these two fields. This paper examines the validity and the extent of cultural reproduction theory in relation to the status attainment process in contemporary Japan. H. Fujita, T. Miyajima and their colleagues conducted two surveys in order to replicate Bourdieu and Passeron's work in Japan. They invented some Japanese original variables to measure cultural capital. One of them is a vocabulary test as an index of linguistic ability. We also applied it to our own research on 1990s' Japanese junior high and high school students and their parents (686 families). The research design allows me to analyze the relationship between social class and linguistic ability of adult men (fathers) , and the relationships among that of students and their parents. The conclusions are the following. Social class does have a meaningful effect on parental linguistic ability. However, there are significant but small magnitude of parent-child relationships of linguistic abilities. Then there is no longer a significant relationship between social class and students' linguistic ability. These conclusions indicate that it is not appropriate to apply cultural reproduction theory to all Japanese social strata. This also implies that the effect of school education will be more important than that of cultural capital when we explain status attainment process in contemporary Japan.
著者
飯田 裕貴子 吉川 徹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.53-64, 2014 (Released:2016-01-25)
参考文献数
20

本研究では,呼吸用保護具の着用教育未経験者11名,着用教育経験者1名に折りたたみ式使い捨て呼吸用保護具を着用させ,着用方法の教育前後での全漏れ率を評価した。また,着用教育未経験者から観察された代表的な着用方法の間違いについて検討を行った。漏れ率の測定は米国労働安全衛生局の定量的フィットテスト手順に従い,測定器は労研式マスクフィッティングテスターMT-03™を使用した。着用方法の教育後,漏れ率の減少が確認された。また,着用時の動作よりも,着用教育の有無が漏れ率に大きく影響していた。代表的な着用方法の間違いとしては,折りたたみ面体を立体にしない,締め紐の位置不適切等が確認された。(図8,表4)
著者
湯淺 晶子 吉川 悦子 吉川 徹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.10-29, 2019 (Released:2020-02-10)
参考文献数
35

参加型職場環境改善の評価における課題と生産性・職場活力向上に資する指標について文献検討した。3つのデータベース(医中誌,,PubMed,,CHINAL)から1999〜2016年に発表された原著論文のうち,参加型職場環境改善の介入研究において何らかの評価結果が記載されている文献を分析対象とし,コーディングシートに従って文献に記載されている内容を整理した。その結果,32編の論文が抽出された。評価指標は,「身体的な健康アウトカム」,「心理社会的な健康アウトカム」,「職場風土・職場文化に関する指標」,「生産性に関するアウトカム」,「労働災害・災害休業・職業性疾患の発生件数」,「その他」に分類され,すべての研究が複数の評価指標を設定していた。この中で12編は介入により有意な改善がみられた。参加型職場環境改善に対する評価指標の選択には,改善する動機や目的を主効果として測定しており,それぞれの取り組み背景や主目的により設定する評価指標そのものが異なっていた。有意な改善が見られていない報告もあり,職場環境改善の目的に応じた適切な評価指標の設定と体系的な評価方法を用いることが重要である。(表1)
著者
吉川 徹雄
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.117-120, 1963-12-31 (Released:2008-02-26)
参考文献数
16

In the study of the lamination of the masseter of the higher primates which include the crab-eating monkey, orangutan, gorilla and man, the zygomaticomandibular muscle originates from the supraorbital eminence and terminates along the oblique line of the mandible, spreading along the concaved surface of the frontal and zygomatic bones (YOSHIKAWA et al., 1961b, 1962a). The space which is occupied by this muscle is proposed to be called the sulcus musculi zygomaticomandibularis, which is expected to be a new characteristic to prove the natural and reasonable reconstruction of the human fossil skull.In the Saldanha skull, however, the sulcus is too narrow to expect the existence of the zygomaticomandibularis. So the author concludes that the reconstruction of the skull is unnatural.In the Saldanha skull, the mandible, which is reconstructed from a fragment of a mandibular branch after the Heidelberg mandible, is too large to harmonize with the reconstructed cranium and is expected not to be of the same individual. (Fig. 1)
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一 吉川 徹 小西 秀樹 船木 由喜彦 今井 亮佑 品田 裕 飯田 健 井柳 美紀 遠藤 晶久 清水 和巳 Jou Willy 千葉 涼 日野 愛郎 三村 憲弘 村上 剛 山崎 新 横山 智哉 加藤 言人 小川 寛貴 坂井 亮太 中西 俊夫 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる。