著者
小島 優子
出版者
広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター, 西日本応用倫理学研究会
雑誌
ぷらくしす (ISSN:18808638)
巻号頁・発行日
no.20, pp.103-112, 2019-03-28

広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター研究成果報告書統一テーマ : [平和と和解] 《Frieden und Versöhnung》本稿は研究課題番号 16H03338 科学研究費補助金基盤(B)「哲学分野における男女共同参画と若手研究者育成に関する理論・実践的研究」の成果によるものである。
著者
和泉 ちえ 森 一郎 飯田 隆 小手川 正二郎 秋葉 剛史 河野 哲也 笠木 雅史 池田 喬 鈴木 伸国 村上 祐子 大河内 泰樹 佐藤 靜 加藤 泰史 吉原 雅子 小島 優子 菅原 裕輝
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.男女共同参画推進および若手研究者支援に関して先駆的取り組みを展開している英国哲学会理事のJoe Morrison博士を日本に招聘し,第76回日本哲学会大会ワークショップ「どう変わる!日本哲学会」(2017年5月21日,於・一橋大学)において啓発的な講演と率直な議論を重ねる機会を企画実践した。またMorrison博士によるレクチャーは,千葉大学,東北大学,京都大学においても開催され,幅広い層の研究者たちと共に議論を深めることができた。特に男女共同参画を確実に実践するために英国哲学会が策定した「Good Practice Scheme」について哲学的視点に基づく論拠をMorrison博士を交えて再検討する機会を得たことは有意義であった。日本の哲学分野における男女共同参画および若手研究者支援に関して,今後も英国哲学会と緊密に連絡を取り合いながら積極的に推進する方針が確認された。2.哲学分野で活動する若手研究者を対象に実施した大規模アンケート結果を分析・公表すると共に,諸方策について提言をとりまとめた。3.日本学術会議総合ジェンダー分科会と協力しながら,日本哲学会大会の時機に合わせた人文・社会科学系学協会男女共同推進連絡会の正式発足会合に向けて実質的な貢献を積み重ねた。また日本学術会議公開シンポジウムにおいても哲学分野における男女共同参画推進・若手研究者支援の取り組みについて報告と提案を行った。4.国際会議「ジェンダー研究と哲学史」(於・一橋大学)を共催開催した。5.若手研究者を対象にした査読論文指導ワークショップを開催した(於・立教大学)。6.日本全国の諸大学における哲学分野の専任教員ポストに関して調査を行った。7.日本哲学会の機関誌『哲学』第69号特別企画「ハラスメントとは何か?ー哲学・倫理学からのアプローチ」を取りまとめ諸論点を提起した。
著者
小島 啓史 竹内 亮太 石川 知一 三上 浩司 渡辺 大地 柿本 正憲 近藤 邦雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1886-1898, 2014-08-15

オーロラのCGアニメーションのために,オーロラ特有の複雑な運動を擬似的に再現する手法を提案する.これまで,オーロラを対象にしたビジュアルシミュレーションの研究が多く行われてきた.しかしながら,実際のオーロラのように分断したり,接続して再統合したりするような複雑な様子を再現できる研究は行われていない.本研究では,分布特性を考慮してオーロラの擬似的な分布を無数の点群で近似する.水平方向に広がる2次元平面上に,ひとつながりになるように複数の点を配置する.この点列に対して,オーロラの分断と再統合の現象を考慮した接続関係の変更処理を行う.点列を切断し一部を分離する処理を行うことで,ひとつながりのオーロラが分断して複数のオーロラになるような様子を再現する.分離した複数の点列が再び接続する処理を行うことで,分断したオーロラのひだが再統合することでひとつながりのオーロラを形成する様子を再現する.また,電磁場計算と流体計算を用いた運動モデルを構築し,ひだの運動を表現する.オーロラの2次元分布を変化させることでオーロラ特有の複雑な運動を再現する.さらに,オーロラの2次元分布をもとに発光過程の計算を行いオーロラの3次元分布を計算する.1/fノイズを用いることで揺らぎのある自然な分布を再現した.この3次元分布をスクリーンに射影し描画することでオーロラのCGアニメーションを生成する.
著者
日下 渉 初鹿野 直美 伊賀 司 小島 敬裕 宮脇 聡史 今村 真央 日向 伸介 北村 由美 新ヶ江 章友 青山 薫 小田 なら 田村 慶子 岡本 正明
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

世界各地の国家と市民社会は、性的マイノリティに対して「黙認」「抑圧」「矯正」「支援」など多様な対応をとってきた。なぜ国家と市民社会による性的マイノリティへの対応は、かくも多様なのか。一般に西洋では、民主主義と自由な市民社会が性的マイノリティの権利拡大に寄与するとされる。しかし東南アジアでは、性的マイノリティの権利要求は、民主主義体制のもとで何十年も放置されたり(フィリピン)、暴力的な弾圧されたり(インドネシア)、一党独裁制や軍政の下で進展を見せたり(ベトナム、タイ)、権威主義体制下で限定的に認められることもある(シンガポール)。このように、性的マイノリティの権利拡大の異なる程度は、政治体制の違いや市民社会の自由度からでは説明できない。本研究では、諸国家と市民社会による性的マイノリティへの異なる対応は、国民国家の正統性を支える「象徴」として、彼女/彼らがどのように利用されているかによって説明できるのではないかと仮説を立てて研究してきた。本年度は、6月にアジア政経学会において「アジアにおける性的マイノリティの政治:家族・宗教・国家」と題したパネルを開き、田村慶子が台湾とシンガポールについて、伊賀司がマレーシアについて、宮脇聡史がフィリピンについて、それぞれの事例を報告した。10月中旬には合宿を行い、2日間にわたってメンバー全員が報告を行い、共通の課題について徹底的に議論した。10月末には、マレーシアからPang Khee Teik氏 、インドネシアからAbdul Muiz氏を招いて、国際ワークショップを開催した。翌年2月にも、マレーシアからtan beng hui氏、フィリピンからJohn Andrew G. Evangelista氏、オーストラリアからPeter A. Jackson氏、タイからAnjana Suvarananda氏を招聘して、国際ワークショップを開催した。
著者
堀口 俊英 谷岡 由梨 米澤 加代 小島 加代子 小暮 更紗 山内 淳 古庄 律
出版者
日本食品保蔵科学会
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.129-134, 2019 (Released:2019-11-14)

コーヒー豆の梱包資材,輸送コンテナ,保管倉庫の違いによる入港時から1年後までの成分変化の分析と併せて官能評価を行い,適切な生豆の品質維持方法について検討することとした。実験の結果,試料生豆は入港時に比べ1年後は,有意に総脂質量の低下がみられ,酸価とpHが上昇した。官能評価の結果は,入港時はいずれの試料もスコア80以上でSPの基準値を上回ったが,1年後はRC/VP/CTW保管が高いスコアを維持していたものの,DC/GS/WTC保管の評価はSPの基準値を下回った。官能評価と理化学的分析値間の相関関係について解析した結果,理化学的な分析により得られた数値の有意性は官能評価の点数をよく反映していることが明らかとなった。これらの結果から,生豆品質は1か月程度の輸送ではコンテナや梱包資材の影響は少ないと判断された。しかし,保管する倉庫の温度,湿度の影響を受け,理化学的分析値である総脂質量,酸価および焙煎試料豆抽出液のpHは経時に変化することが明らかとなった。この中でRC/VP/CTW保管は,最も成分の変化が少なく,1年間程度はSPとして使用可能な官能評価のスコアを維持した。一方,DC/GS/NTW保管の場合は風味の低下が大きく,SPとしての基準スコア80を下回ったことから,半年以内の消費が望ましいと考えられた。
著者
堀口 俊英 谷岡 由梨 米澤 加代 小島 加代子 小暮 更紗 山内 淳 古庄 律
出版者
日本食品保蔵科学会
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.55-61, 2019 (Released:2019-08-07)

市場で流通している生産地の異なるスペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーのpHおよび滴定酸度,有機酸,総脂質量および酸価を測定し,それらの差異がコーヒーの風味に与える影響を官能評価と関連づけて検証した。(1) 各生産地のSPは4.75から5.00,COは4.79から5.05とSPのpHが有意に低く,また滴定酸度は高い傾向がみられ,それらが酸味に影響を与えていると考えられた。(2) 各生産地のコーヒーは,クエン酸の含有量が多く柑橘果実のような酸味を与えていると考えられた。(3) 各生産地のSPの総脂質量は,17.2~18.4g/100gであり,COの17.2~17.6g/100gに比べ多い傾向があり,風味におけるBody(コク,滑らかさ,質感など)に影響を与えていると考えられた。(4) 各生産地の酸価は,2.7~7.1の幅があり,SPは2.7から4.4とCOより有意に数値が低く,生豆の品質指標の1つになることが明らかとなった。(5) 理化学的な分析により得られた数値の有意性は官能評価の点数に反映されていることが判明した。
著者
上野 紘一 岩井 修一 小島 吉雄
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-18, 1980-01-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
19
被引用文献数
7 11 6

Karyotypes of three spinous loaches, Cobitis biwae, C. taenia taenia and C. taenia striata from western Japan were investigated. As the result, chromosome polymorphisms and polyploid (tetraploid) were observed in these species. (1) C. biwae: Diploid specimens showed 48 chromosomes in 2n number. There were three types in chromosome constitutions such as 22M+20SM, ST+6A, 20M+20SM, ST+8A and 20m+18SM, ST+10A. On the other hand, teraploid specimens were characterized by 96 chromosomes which consisted of 38M+54SM, ST+20A. (2) C. taenia taenia: Diploid specimens with 50 chromosomes were characterized by 12M+4SM+34A. In the tetraploid forms, two types of individuals with 86 and 94 chromosome numbers were foud. These complements were made up of 32M+32SM, ST+22A in the former, and 26M+32SM, ST+36A in the latter. (3) C. taenia striata: Diploid form was the same as that of C. taenia taenia, whereas tetraploid form possessed 98 chromosomes consisting of 20M+22SM, ST+56A. (4) The geographical distribution on each group with different karyotypes showed that they have their own habitats forming respective isolated associations. Systematics and speciation in three species of Cobitidae were discussed on the bases of the karyotypic differentiation and habitat segregation.
著者
藤井 健太郎 秋光 信佳 藤井 紳一郎 加藤 大 月本 光俊 成田 あゆみ 横谷 明徳 丹羽 修 小島 周二
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

リボ核酸の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)は、生体エネルギー供与物質として様々な生化学反応へエネルギーを供与している。また同時に、遺伝情報の仲介物質であるメッセンジャーRNAを合成するための基質として、さらには細胞間情報伝達物質としても働く。本研究では、放射光軟X線により、ATPに生じた放射線障害が、ATPの持つ生物学作用にどのように関わっているかに注目して、その生物学的効果への寄与を解析することを試みた。そして、ATP分子の構造変化はガン細胞の放射線感受性に変化を生じさせている可能性を示唆する結果を得た。
著者
西村 丹子 船木 勇佑 澤田 哲生 齊藤 正樹 川部 隆平 小島 良洋
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.184, 2003

軽水炉の炉心溶融事故時における原子炉圧力容器の溶融破損を回避するためのアクシデントマネジメント策の一つとして考えられている外面冷却方策の有効性を調べるため、原子炉圧力容器冠水を想定した模擬実験及び一連の解析を行った結果について報告する。
著者
伊藤 慶明 木山 次郎 関 進 小島 浩 張建新 岡 隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.73, pp.17-22, 1995-07-20
参考文献数
17
被引用文献数
18

本稿では、人間と計算機の新しい対話形態,インタフェース・システムの提案を行う。本システムでは、マルチユーザによる音声とジェスチャのマルチモーダルな入力が可能で、これらの認識技術を統合することによって音声とジェスチャの同時かつ相補的な理解を実現する。さらに、システムの理解内容を合成音声と画像を通してリアルタイムにかつ漸次的にユーザにフィードバックすることによって、複数の人間と計算機との知的で、かつ豊かなコミュニケーションを実現する。本方式は、一種の思考の支援と考えることもでき、これを次世代のインタフェースと位置付ける。我々は、このインタフェースを実現するために、frame?wise and realtime spotting技術を用いて、複数話者による音声とジェスチャの同時認識/理解リアルタイム統合インタフェースシステムを試作した。This paper proposes a new type of dialog system, or interface system between men and computers. This system allows multi-modal input of speech and gesture by multiple users, and enables simultaneous and complimentary understanding for speech and gesture by integrating both recognition technologies. It realizes intellectual and affluent communication between multiple users and computers by real-time and gradual feedback of understanding state in the system, using synthesis speech and graphics image. The system can be thought as a novel interface system as it gives users a sense of reality and unity. We realized such a real-time interface system that integrates speech understanding and gesture understanding by multiple users.
著者
竹内 将俊 小島 宏海 渡辺 昌也 Masatoshi TAKEUCHI KOJIMA Hiromi WATANABE Masaya
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.115-122,

東京農業大学世田谷キャンパスにおいて鳥類のラインセンサスとポイントセンサスを実施し,同様の調査を行った馬事公苑と種構成や個体数を比較した。1年と3カ月にわたる両調査地の調査で,計24科42種が確認された。2つの調査地間で,2種類のセンサス法による月を単位とした種数,個体数,Shannon-Wienerの多様度指数を比較した結果,世田谷キャンパスに比べ馬事公苑で種数と個体数が多く,多様度指数が高い傾向が認められた。この理由として,馬事公苑は外周を階層構造の発達した樹林が取り囲むなど緑地の占める面積割合が高く,まとまった落葉広葉樹林や水辺,芝地など多様な環境が含まれることが影響していると考えられた。また,世田谷キャンパス全体を25m×25mの区画に区切り,シジュウカラ,メジロ,コゲラなど7種の観察総数と緑被率との関系を解析した結果,すべての種で緑被率と観察総数との間に正の相関が認められた。キャンパス内の鳥類の多様性を高めるためには,落葉層を含む下層植生の発達したまとまった樹林を設けることが有効であると考えられる。
著者
高橋 理 片岡 健司 小島 央士 浅見 雅之
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.128, no.11, pp.1291-1297, 2008-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
6 13

Once the break-down of the train schedule occurs, the crew schedule as well as the train schedule has to be modified as quickly as possible to restore them. In this paper, we propose an algorithm for automatically modifying a crew schedule that takes all constraints into consideration, presenting a model of the combined problem of crews and trains. The proposed algorithm builds an initial solution by relaxing some of the constraint conditions, and then uses a Taboo-search method to revise this solution in order to minimize the degree of constraint violation resulting from these relaxed conditions. Then we show not only that the algorithm can generate a constraint satisfaction solution, but also that the solution will satisfy the experts. That is, we show the proposed algorithm is capable of producing a usable solution in a short time by applying to actual cases of train-schedule break-down, and that the solution is at least as good as those produced manually, by comparing the both solutions with several point of view.
著者
小島 恵津子 岩崎 博之
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.141-149, 2001-03-31
参考文献数
11

積乱雲が発達する前にしばしば積乱雲の「融合」が見られる.この積乱雲の融合について,関東地方を対象に気象庁東京レーダーのデータを用いて調べた.解析期間は1994年と1995年の7月1日から8月31日である.その結果,次の特徴が明らかになった. 1) 1994年に212回,1995年に220回の計432回の積乱雲の融合が認められ,海洋域と比較すると陸域では対流活動度に対する融合回数の割合(融合率)が大きかった. 2) 積乱雲の融合回数は12時から22時に多く,この時間帯に融合率も大きかった. 3) 標高0.4〜0.8kmの南東斜面では,他の領域よりも融合率が高く,特に,熱的局地循環に伴う南東風が強い日には融合率が高くなっていた.
著者
宮部 芳照 阿部 正俊 小島 新
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.245-248, 1979-03-19

さとうきび脱葉機開発のための基礎資料として, 蔗茎の節位別衝撃抵抗について測定を行った.その結果は次のとおりである.1.蔗茎の節位別衝撃エネルギは梢頭部から根部の方へいくに従って増大し, 第12節位は2.14(kg-m)(標準偏差σ=0.05kg-m), 第18節では3.76(kg-m)(σ=0.09kg-m)であり, 約1.8倍の増加を示している.節位と衝撃エネルギの間には極めて強い相関関係がある(相関比η_<r1>=0.98).2.蔗茎の節位別衝撃抵抗値は梢頭部から根部の方へいくに従って増大し, 第12節位では0.54(kg-m/cm^2)(σ=0.04kg-m/cm^2), 第18節位では0.71(kg-m/cm^2)(σ=0.04kg-m/cm^2)であり, 約1.3倍の増加を示している.節位と衝撃抵抗値との間には極めて強い相関関係がある(相関比η^<r2>=0.87)