著者
後藤 顕一 松原 静郎 松原 憲治 猿田 祐嗣 高橋 三男 松浦 拓也 木下 博義 寺谷 敞介 堀 哲夫
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習ツールである「相互評価表」とこれを用いる学習活動を開発した。「相互評価表」を活用する学習活動とは,評価規準が示された「相互評価表」を用いながら自己評価・他者評価を行い,この行った評価について自由記述によるコメントを残していく方法である。学習前後の比較コメントを分析したところ,科学的リテラシーの「能力」のうち,①科学的な疑問を認識すること,②現象を科学的に説明すること,について意識をした記述ができるようになることがわかった。自己の学習を振り返ることでその意義を自覚し,実感を持って自己の伸張を感じつつ,主体的な学びを醸成することが期待できると示唆された。
著者
松浦 春雄
出版者
日本医療機器学会
雑誌
醫科器械學雜誌 (ISSN:00191736)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.537-538, 1936-05-20
著者
長谷 暢一 松浦 誠司 山口 雅篤
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.125-129, 2005-06-15
参考文献数
15

パンジーにおけるHPLCを用いたフラボノイド分析を行った.その結果, それぞれ6種類のアントシアニンおよびフラボノール類が検出された.そのうち, 4種類のアントシアニンはDp3RG, Cy3RG, Dp3pCRG5G(ナスニン)およびCy3pCRG5Gであり, また1種類のフラボノール類はQu3RG(ルチン)であった.黄色および白色系統においてアントシアニンは検出されなかった.青色系統はナスニンおよび6種類全てのフラボノール類が主要色素として存在し, 系統間でその含量の違いが認められたことから, コピグメントによる花色幅の拡大の可能性が示唆された.赤色系統はアントシアニンのCy3RGおよびルチンを含む3種類のフラボノール類が主要色素であり, また赤紫系統では特異的なアントシアニン(Cy3pCRG5G)が多く含まれ, 赤色系統および赤紫系統はアントシアニンの違いにより花色が異なることが示唆された.これらのことから, パンジーの新規花色品種育種おけるHPLC分析の有効性が示された.
著者
内田 三香子 村上 亜由美 松浦 寿喜 市川 富夫
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.35-41, 1996
被引用文献数
2

本研究は,生体内酵素においての水解活性が極めて低いとされるトレハロースに注目し,ラットのカルシウム吸収に及ぼす影響を検討した.1)in vitroでのラット小腸アセトン粉末による糖の消化分解性を検討した.37℃3時間反応ではトレハロースはシュクロース同様,殆どが消化分解された.ラクトースでは15%しか消化されなかった.2)5週齢SD系雄ラットを1群6匹の3群に分け,15%シュクロース飼料,15%ラクトース飼料,15%トレハロース飼料でそれぞれ23日間飼育後解剖した.飼育期間中に2回の出納実験を行い,カルシウム吸収に及ぼす影響を検討した.解剖時には臓器および大腿骨を摘出し,盲腸については盲腸内pHおよび盲腸内揮発性脂肪酸量を定量し,大腿骨についてはカルシウム含有量を測定した.(1)カルシウム吸収率ならびに体内保留率はラクトース群で有意に高くなり,トレハロースによる影響は見られなかった.(2)ラクトース群はシュクロース群,トレハロース群よりも2倍以上もの盲腸重量を産出した.また,ラクトース群は盲腸内pHを有意に低下させ,揮発性脂肪酸量は有意に高値を示した.トレハロースはシュクロース同様,差は見られなかった.以上から,トレハロースは小腸内で殆どが消化分解された可能性があり,カルシウム吸収には影響を及ぼさなかったと考えられる.
著者
山中 英生 滑川 達 真田 純子 松浦 正浩
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

公共事業の社会的合意形成において涵養とされる「中立的第三者」を制度的に成立するため、本研究では,(1)那賀川流域フォーラム(2002-2004)(那賀川の河川整備計画策定に当たって形成された参加型検討会)、(2)沖洲マリンピア整備手法検討委員会(2002) (高速道路ICの海浜埋立事業の見直しを行った委員会)(3)月見が丘海浜公園ワークショップ(2003-2005)(海浜埋立地の大規模公園設計ワークショップ)(4)北常三島交差点安全施策検討会(2005-2006)(幹線道路交差点安全施策,地域及び沿道住民,利用者,関係行政機関によって、コンセンサスビルディングの手法を忠実に実施した事例)(5)吉野川河川整備計画「住民の意見を聴く会」(2006-2008)(流域委員会に代わる方式として2006年度より始められた会。国土交通省が中立的ファシリテータとしてNPOを選定。NPOは行動規範,中立性確保のための条件を公表し、運営に当たった。)の5事例を対象として、多様な参加形態における「中立的第三者」が成立する上で必要な要件を分析した,平成21年度は,平成20年度までに実施した,以下の徳島県内の5事例に関するヒアリング,アンケート調査をもとに,我が国のPIにおける中立的第三者の成立性を明らかにした.また,吉野川河川整備計画「住民の意見を聴く会」のファシリテータグループのファシリテーションの行為言動を記録したビデオを用いて,ファシリテータの行為・言動が中立性に及ぼす影響について分析して、中立的第三者としての職能,倫理,契約、中立的第三者を社会的な役割として構成するためのロスターの試行と課題を整理した。
著者
曽田 三郎 岡 元司 松浦 章 山崎 岳 太田 出 佐藤 仁史 藤田 明良 岸田 裕之 曽田 三郎 鹿毛 敏夫 佐藤 亜聖
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、国家間の次元ではなく、よりミクロな地域に視点を置き、東アジア海域における交流の歴史を、多角的に分析することにある。これまで、海は国境という観点からとらえられることが多かった。我々は、多くの地域を相互につなげる交流の場という海の役割に注目した。具体的には、浙江省の寧波と江蘇省や福建省の海港地域に着目して、文化的・経済的交流の諸相を分析し、東アジア海域における日中交流の歴史的展開を解明した。
著者
松浦 茂 長部 悦弘 山本 光朗
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)研究代表者は、満洲語档案と探検記録とによって、清朝の繊維製品がアムール川下流・サハリン地方に流入する過程と、同地域の辺民がそれを衣料その他に受容する過程を明らかにした。またそれらの一部は、この地域の交易のネットワークを通じて、周辺地域に流れたことを解明した。研究代表者はまた、満洲語档案に現れる北方の少数民族の言語をとりあげて、その意義と、それがなぜ満洲語の中に入ったかを考えた。たとえば清の漢文献においては、17世紀のアムール地方に現れたロシア人を「羅刹」と記すが、その語源は、サンスクリット語ではなくて、アムール地方の少数民族が、これらのロシア人をロチャ(ルチャ)と呼んだことに由来することを明らかにした。こうした視点は、北方史の研究に不可欠である。(2)研究分担者は、15世紀以前の北方の少数民族について、研究を行なった。金朝を作った女真は、後に中国本土に移住して、漢族と雑居するようになると、漢姓を名のることが多くなった。ただその理由はさまざまで、それにより民族的なアイデンティティーを失ったという見方は、単純にすぎるということを明らかにした。研究分担者はまた、古林・遼寧省と内蒙古自治区・山西省に分布する、鮮卑族の史跡に関する近年の報告・記事・論文を、日本と中国の学術雑誌などから拾い出して、そのリストを作成した。(3)研究代表者と分担者は、明朝がアムール川の河口に建設した奴児干都司と永寧寺について、従来の学説を再検討した。とくに永寧寺碑文の内容を吟味して、当時の交易のネットワークについて考察した。このことについては、さらに研究を深めてから発表するつもりである。
著者
安井 夏生 松浦 哲也 二川 健 西良 浩一
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

オステオアクチビンは膜結合型の糖タンパクで、細胞外ドメインと膜貫通ドメインをもつ。我々はスペースシャトルで無重力を体験したラットの筋肉にオステオアクチビンが高発現していることを報告した。オステオアクチビンは機械的ストレスの感知機構に何らかの役割をはたしていると考えられてきたが、延長仮骨における発現は現在まで調べられていない。本研究ではマウス下腿延長中にオステオアクチビンがタンパクレベルでも遺伝子レベルでも過剰発現していることがわかった。またオステオアクチビンの細胞外ドメインは延長仮骨には多数存在するが、延長を行わない骨切り部には存在しないことが明らかとなった。延長仮骨においてはMMP-3も高発現していたが、これはオステオアクチビンの細胞外ドメインに誘導された結果と考えられた。さらにオステオアクチビンは延長仮骨における骨吸収を抑制している可能性が示唆された。最近、我々はオステオアクチビンのトランスジェニックマウスの作成に成功し、徳島大学動物実験委員会に届け出た上で交配・繁殖させてきた。このマウスを用いて下腿延長術を行い正常マウスと比較した。予想されたとおりオステオアクチビンのトランスジェニックマウスではMM-Pが過剰発現しており、同時に延長仮骨の吸収が著明に抑制されていることがわかった。
著者
田中 隆昭 陣野 英則 新川 登亀男 小林 保治 吉原 浩人 高松 寿夫 蔵中 しのぶ 松浦 友久 丹羽 香
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

2000年12月、研究所発足。2001年3月、周以量氏(現在中国首都師範大学副教授)、林忠鵬氏(現在客員研究員)を招聘、田中所長が加わり、早稲田大学で講演会。参加者約50名。2001年9月、二日間にわたり国内・海外研究員全員と北京大学の韋旭昇氏、北イリノイ州立大学のジョン・ベンテリー氏等を招聘して早稲田大学にて国際シンポジウム「古代日本・中国・朝鮮半島文化交流の新展開」。参加者約150名。この成果は近刊の『交錯する古代』(勉誠出版)に反映される。2002年7月、シンポジゥム「21世紀に向けての日中比較文学」を中国・長春市にて東北師範大学で共催。研究発表者日本側20名、中国側28名。参加者約200名。この成果の一部が2003年2月の『日本学論壇』に反映された。2002年11月、二日にわけて王宝平氏(浙江大学)・高文漢氏(山東大学)・孟慶枢氏(東北師範大学)・林嵐氏(東北師範大学)を招聘して、田中所長と石見清裕氏(教育学部)が加わり講演会。参加者約80名。こうした海外との学術交流と平行して、毎月一回『日蔵夢記』講読会を開催。本文整理・訓読・語釈・現代語訳を確定。この成果に関連する学術研究論文を加えて、近刊の『日蔵夢記大成』(勉誠出版)に反映される。また一方では日中比較文献目録の作成も進めているが、まもなく一定の成果を公表することが可能である。
著者
武田 正倫 斉藤 寛 窪寺 恒己 松浦 啓一 町田 昌昭 A.AZIZ W.W.KASTORO M.KASIM Moosa 松隈 明彦
出版者
国立科学博物館
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

平成4年度においては、平成4年11〜12月および平成5年1〜2月にアンボン島において、現地研究者の協力を得て、魚類・棘皮動物、軟体動物、魚類寄生虫、甲殻類の調査を行った。各動物群とも、多数の標本を採集して国立科学博物館へ持ち帰った。平成5年度においてはロンボク島各地を主調査地とし、補助的にスラウェシ島メナドにおいても調査を行った。調査方法は前年度と同様で、磯採集やキューバダイビングによって採集を行った。したがって、調査は主として潮間帯から水深20〜30mに達する珊瑚礁域で行われたが、その他、砂あるいは砂泥地においても各種動物を調査、採集した。魚類はおよそ2000点の標本を得、また、棘皮動物の標本はヒトデとクモヒトデ類を主として千数百点に上るが、すでに同定が行われたアンボン島産のクモヒトデ類は9科25種であった。軟体動物はロンボク島において多板類14種、大型腹足類約170種、二枚貝類約60種が採集された。このうち多板類は12種が日本南西部に分布する種と同種か、極めて近縁な種であり、その中の2種は新種と考えられる。また、頭足類は3科5種に同定された。甲殻類の標本数はおよそ1000点に達するが、造礁サンゴと共生する種の多くは琉球列島にも分布するものである。分類と分布だけでなく、生態に関しても特に興味深いのは、ウミシダ類やナマコ類と共生するカニ類で、数種の新種が確認された。魚類寄生虫に関しては、市場で新鮮な魚類を購入し、鰓や消化管に寄生する単生虫・二生虫・条虫・線虫、鉤頭虫・甲殻類を取出し、圧平標本や液浸標本として固定保存した。多くのものは沖縄と共通すると思われるが、ボラやボウズコンニャクの食道や腸から得た旋尾線虫や二生虫類に新種が発見された。すでに論文として、あるいは口頭で発表したものもあるが、分類学的研究が終了したものから順次国立科学博物館研究報告、動物分類学会誌あるいはそれぞれの動物群を対象とした専門誌に報告する予定である。
著者
中村 研一 本田 宏 清水 敏行 佐々木 隆生 遠藤 乾 松浦 正孝 川島 真 宮脇 淳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、地球市民社会に関する共同研究である。研究の実施過程で、ロンドン大、ケンブリッジ大、ダッカ大、韓国高麗大など各国研究者と研究打合せを実施し、地球市民社会に関する理論枠組をテーマとした研究会を行った。また、地球市民社会研究の基本資料として、市民社会、地球市民社会の二次文献を体系的に収集した。近代史を顧みると、政治的意志を持ち、それを表現する市民/個人、およびそのネットワークと運動体は、国家や地域、そしてそれらの境界を超えた国際的な舞台においても、政治的変革と規範形成の役割を果たしてきた。さらに民主主義が普遍化した今日、市民/個人は、国家や自治体においてのみならず、世界においても、決定的な重要性をもつものである。なぜなら、およそ人間行動に必要とされる統一的な決定や価値配分を正統化しうる主体は、市民あるいは個人の集合としての民衆以外にはないからである。ただし、一九七〇年代頃までは、世界政治は国家政府機構を主体とし、世界経済は営利企業が支配してきた。しかるにこうした趨勢は、二〇世紀末の世界において転換を示し、非国家組織(NGO)および市民運動・社会運動が、政府組織、営利企業に対比し、「第三の力」(アン・フロリーニ)と呼ばれている。さらには、世界政治において、国家アクターからNGOへの「パワーシフトが生じている」(ジェシカ・マシューズ)という大胆な議論まで、現れるにいたった。もはや地球市民社会が無視し得ないことは明瞭である。二一世紀初頭の世界において、市民とその地球的ネットワークが、現実政治のなかでどれほど政治的役割を果たしているのか。また、どれほどの政治的役割を担うことが可能であるのか。さらにどこまで、どのような役割を演じるのが適切なのであろうか。これらの問いに答えることが、本研究の課題となった。また本研究では、韓国、台湾、バングラデシュ、日本など、アジアにおける市民とNGOの考察が、重要な一本の柱となっている。市民という概念が生まれ、また地球市民社会が最初に興隆した西欧と対比して、アジアの政治経済風土においては、市民や個人、そしてNGOの果たす役割は、どこまで類似し、どのように異なっているのであろうか。このような課題に取り組んだ成果の一部である論文と収集資料のリストを報告書にまとめた。
著者
有光 奈美 松浦 雅人
出版者
東洋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

英語の対比の接辞認知を整理、分析し、そのデータを非侵襲的脳活動計測に基づいた手法で応用して大学生の英語運用能力の向上を図ることを目的とした研究において、対比表現について言語的側面の整理と分析を進展させた。対比表現の整理、分析を行った。国内外の学会にて、研究を発表した。
著者
松浦 正孝 山室 信一 浜 由樹子 土屋 光芳 中島 岳志 高橋 正樹 宮城 大蔵 WOLFF David 大庭 三枝 吉澤 誠一郎 姜 東局 大賀 哲 酒井 哲哉 後藤 乾一 都丸 潤子 関根 政美 矢口 祐人 高原 明生 遠藤 乾 松本 佐保
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、アジア各地における多様なアジア主義のビジョンと構造を解明し相互比較すると共に、アジア主義ネットワークの生成過程を解明した。方法としては、国内外から選ばれた各地域の専門研究者と各事例を議論することで、アジア主義に共通の構造と地域それぞれに固有の特徴とを明らかにした。そうすることで、各地域におけるアジア主義を相対化して民族中心的なバイアスから解放し、アジアにおける共同体の可能性と条件、各民族・国家の共生の可能性を探ろうとした。
著者
川村 隆一 植田 宏昭 松浦 知徳 飯塚 聡 松浦 知徳 飯塚 聡 植田 宏昭
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

大気海洋結合モデルならびに衛星リモートセンシングデータ等の観測データを併用して、夏季モンスーンのオンセット変動機構の重要な鍵となる大気海洋相互作用及び大気陸面相互作用のプロセスを調査した。標高改変実験からは亜熱帯前線帯の維持のメカニズム、植生改変実験からは降水量の集中化と大気海洋相互作用の重要性が新たに見出された。また、オンセット現象と雷活動との相互関係、夏季東アジモンスーン降雨帯の強化をもたらす台風の遠隔強制やモンスーン間のテレコネクションのプロセスも明らかになった。
著者
松浦 孝行
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.127-132, 1981-06-01

海上における船の航行について考える. 陸上交通における道路と交差点に対応するものとして, 海上交通にも航路と交差部がある. 航路交差部においては, 立体交差は不可能であり, また信号機も設置されていない. そのかわり安全確保のため, 航路における船と船との安全間隔, 交差部通過の際の優先順位等さまざまな規定が設けられている. 従って, 海上においても交通が輻輳してくると, 道路におけると同じように渋滞が生じ, 特に航路交差部においては, 道路交差点におけると同様, 待ち行列が生じることがある. 待ち行列があまり長くなると, 海上交通に混乱をきたすことになる. そこで, 航路交差部における待ち時間が通行隻数によってどのような値になるか, 大型計算機によるシミュレーションを行い, 海上における交通の混雑度を推測, その結果を安全確保に役立たせる. (1981年2月2日受付)
著者
松浦 寿輝
出版者
新潮社
雑誌
新潮
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.304-311, 2009-03
著者
松浦 眞 生田 信之 石山 純一 鈴木 勝彦 野本 俊夫 今野 一弥 浅田 格 遠藤 智明 野角 光治
出版者
宮城工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は移動実験車を使って中学校への総合的学習への直接的支援活動を行うことを目的とするものであった。本研究を遂行するために必要な条件は第1に移動実験車を設置すること、第2に体験教室を実行できるスタッフを確保すること、第3に体験教室に必要な実験テーマを決定し、実験器具等の準備をすること、第4にこの活動の趣旨を広め、中学校から派遣要請を得ることであった。3年の研究期間を通してこれらの条件のうちはじめの3つの条件は満足できたが、最後の中学校からの派遣要請は予想より少なく必ずしも満足できるものではなかった。しかしながら、3年間の活動全体としては本活動が"リカレンジャー"の呼び名で全国紙やテレビで報道されたこともあり、爆発的ともいえる程の人気を得た。その結果、今や出動要請は引きも切らないほどで、5月には年間の申し込みを締め切らざるを得ないほどとなった。3年間の活動を通して実施した出前体験教室は計29回、教室参加者の合計は2200名以上、講師として参加した教職員の延べ人数は82名、アシスタント学生は延べ160名以上となった。またリカレンジャーの活動はマスコミに繰り返し報道され、地元テレビ局には7回登場し、新聞には3回、ラジオに1回取り上げられた。また読売新聞の全国版にも大きく報道された。このように本活動は青少年、特に小学生に対する理科離れ対策として大きな成功を収めることが出来た。本活動が成功した理由は、(1)移動実験車により求められればどこへでも出かけ、インパクトのあるサイエンスショーとものづくりの楽しさを体験できるワークショップを組み合わせで実施したこと。(2)リカレンジャーの名称やロゴをデザインしたそろいのTシャツを着るなど、子供達に親しみやすいイメージを与えたこと。(3)多くの学生の積極的協力が得られたこと等である。その結果、これまでに経験したことがない広範囲の子供達にサイエンスの不思議さやものづくりの楽しさを経験させることが出来た。本活動は従来各地で行なわれてきた青少年科学祭典とは異なる新しい活動スタイルを生み出したと言えよう。今後、この活動が中学校の理科教師に受け入れられ、中学校の理科教育への支援活動に貢献できるようにすることが課題である。