著者
佐野 香 高鳥 雄吾 張 少飛 佐々木 俊恵 小林 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.275-283, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
15

「問題文中への解答挿入機能」や「選択対象絞込み機能」などからなるスマートツール(ST)を実装したWBTベースのドリル型学習支援システムe^2-ELMを開発し,2005年度後期セメスター後半から大学学部の授業科目にて試験運用を始めた.従前から市販のWBTを用いていた履修学生による比較評価や,有志学生による評価実験などを行った.インターネット技術に関するドリル型学習教材を3通りの方法(STあり,STなし,紙ベース)で学習してもらい,プリテストおよびポストテスト得点から学習ののび(回帰成就値)を求めた.その結果,STは解答時の煩わしく非生産的な作業を軽減するとともに,ドリル型学習への期待感を高め,さらに学習ののびにも効果的なことが確認された.
著者
小林 茂 吉沢 英造 蜂谷 裕道 鵜飼 高弘 中川 雅人 森田 知史 中井 定明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.357-366, 1992-04-25

抄録:腰痛や坐骨神経痛などの腰仙部神経根症状を呈する疾患の病態は,機械的圧迫に伴う血流障害や脳脊髄液の停滞が長期存在し,根内環境の恒常性が破壊されることによって生ずると考えられる.特に圧迫に伴う血管透過性の亢進は,根内浮腫,強いては線維化の形成に深く関与し,この過程を解明することが今後の腰痛疾患の治療を行っていくうえで有用であると考えられる.今回はイヌの神経根における血液―神経関門の機能をトレーサーを用いて形態学的に検討した.その結果,神経根に見られる血液―神経関門を有する連続型毛細血管には,脳脊髄液をドレナージする選択的透過機構が存在した.しかし,急性圧迫障害時には,血管内皮細胞間での密着帯の開大による透過性亢進や飲小胞による細胞内輸送の増加により関門は破綻し,根内浮腫が生じることを証明した.
著者
小林 剛
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.167-178,27, 2004-04-01 (Released:2009-07-23)

In the ancient and medieval history of ideas, there seem to have been two main points of view concerning the character of astronomy. Some people believed that astronomy was a kind of geometry. Their position is, as it were, non-realistic. Others argued that astronomy had to be based on physical principles. Their position is, as it were, realistic. Thomas Aquinas seems to belong to the latter position. But his originality is to ground the hypothetical character of astronomy on the incorruptibility of celestial bodies. According to Thomas, astronomy is hypothetical because the human cognition of celestial bodies is uncertain. This uncertainty is caused by the incorruptibility of celestial bodies : celestial bodies are more perfect than sublunary bodies, which are the proper object of human cognition. In this way, Thomas grounds the limits of some human cognitions of nature on other human cognitions of nature, that is, on the human cognition of the metaphysical hierarchy in nature, for example, the distinctions between sublunary bodies and celestial bodies, celestial bodies and angels, and, angels and God. This metaphysical cognition is regarded as certain and grounds all other human cognitions of nature.
著者
窪江 優美 関岡 東生 宮林 茂幸
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

 都道府県において産出される木材を地域毎に定められた制度によって認証する取り組みが盛んになりつつある。こうした認証制度は、産地・品質・合法性・安全性を一定水準で保証し、県産材という付加価値を有するブランド材とすることを目的とするものが多い。こうしたことから都道府県および認証団体を対象として県産材認証制度の現状と意識に関する調査を行った。その結果、認証制度の有無と活用・PR方法・県産材の今後についての現状が明らかになり、各都道府県とも制度の普及は一定の成果を挙げているという結果が得られた。県産材利用の取り組みは県内を中心に行われ、県外への拡大は活発ではない傾向にある。将来的に国産材の利用拡大や普及を考えた場合、県外への普及を促進しなければ、都道府県内での木材需給体制には限界が生じてくる。また、県産材や地域材は用語としても極めて多様に定義されおり、県境を越えた展開を阻むものとなっている現状も明らかとなった。以上のことから、県産材および地域材の定義を明確にしていくことともに、県産材・地域材認証の連携を考慮した流通のあり方を検討することが課題である。
著者
中村 高康 吉川 徹 三輪 哲 渡邊 勉 数土 直紀 小林 大祐 白波瀬 佐和子 有田 伸 平沢 和司 荒牧 草平 中澤 渉 吉田 崇 古田 和久 藤原 翔 多喜 弘文 日下田 岳史 須藤 康介 小川 和孝 野田 鈴子 元濱 奈穂子 胡中 孟徳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、社会階層の調査研究の視点と学校調査の研究の視点を融合し、従来の社会階層調査では検討できなかった教育・学校変数をふんだんに取り込んだ「教育・社会階層・社会移動全国調査(ESSM2013)を実施した。60.3%という高い回収率が得られたことにより良質の教育・社会階層データを得ることができた。これにより、これまで学校調査で部分的にしか確認されなかった教育体験の社会階層に対する効果や、社会階層が教育体験に及ぼす影響について、全国レベルのデータで検証を行なうことができた。
著者
林田 佐智子
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.137-142, 1991-06-20 (Released:2011-06-09)
参考文献数
27
著者
小林 俊裕 永峯 拓也 田村 淳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.327-328, 2005

次世代CMPプロセス向けに固定砥粒パッドの開発を行なう。<br>従来の遊離砥粒方式の研磨法では、ウエハの大型化及び高性能化&middot;多層化に伴い製造コストを増加させる動向である。その対応策として、固定砥粒方式の研磨法による開発を進めている。<br>本発表では、基礎的な研磨特性を評価し従来の遊離砥粒方式の研磨法と固定砥粒方式の研磨法の比較を行いCMPプロセスへの適応を検討する。
著者
服巻 繁 野口 幸弘 小林 重雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.35-43, 2000-03-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

本論文は、知的障害者通所施設に在籍する一自閉症青年の行動障害の改善への取り組みである。介入に先立つ施設での取り組みとして、まず生態学的調査(家庭での生活範囲や生活スケジュールの調査)と施設内で自由に活動してもらい好みのものや活動、コミュニケーション能力などの行動観察を行った。その結果、好みの活動は洗剤や新聞の折り込み広告を見る、おやつを食べたりお茶を飲むこと、コミュニケーションの伝達方法としては文字が有効であることが明らかとなった。そこで、施設内で作業と好みの活動を交互に組み込んだ一日のスケジュールを作成し、更に生活環境を整えるといった支援を設定した。その結果、対象者の行動障害の多くが徐々に改善していった。しかしながら、自傷行動が残存したので、機能アセスメントに基づきこだわり行動の代替行動の形成を試みた。その形成に伴って、強度の自傷が改善された。また、同じ時期に家庭においても行動障害の改善が見られ、生活の幅が広がった。
著者
金子 晃 巽 智秀 藥師神 崇行 平松 直樹 三田 英治 中西 文彦 尾下 正秀 吉原 治正 今井 康陽 福井 弘幸 小林 一三 土井 喜宣 林 英二朗 筒井 秀作 澁川 成弘 巽 信之 堀 由美子 森井 英一 竹原 徹郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.507-517, 2015-10-20 (Released:2015-11-02)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

自己免疫性肝炎200例を対象としてステロイド治療の現状と再燃に関連する因子について検討を行った.ステロイドは162例,81%の症例で投与されたが,そのうち149例92%で著効が得られた.一方,著効した症例のうち約半数で再燃を認めたが,そのうちの約半数はプレドニゾロン5 mg/日未満の時点で再燃していた.再燃群と非再燃群の2群間では有意差のある因子は認めなかったが,プレドニゾロン5 mg/日以上で再燃した32例をステロイド依存群,5 mg/日以下の維持量で再燃を認めなかった62例をステロイド非依存群として解析したところ,有意差のある因子を複数認めた.さらに,多変量解析にて年齢とγ-GTPが再燃に関連する因子であるという結果が得られた.このことより,再燃に関連する因子の検討においては,再燃時のステロイド用量も考慮して解析することが重要であると考えられた.
著者
岡本 洋幸 林 麗如 筑田 眞 Hiroyuki Okamoto Rijo Hayashi Makoto Chikuda 獨協医科大学越谷病院眼科 獨協医科大学越谷病院眼科 獨協医科大学越谷病院眼科 Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University Department of Ophthalmology Koshigaya Hospital Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.185-188, 2013-10-25

Werner 症候群は老人様顔貌,強皮症様皮膚変化,若年性白内障を特徴とする疾患である.発症は100 万人あたり3~45 人とされている.今回,われわれは白内障術後10 年以上経過したにも関わらず強膜創の閉鎖不全が感染の原因と考えられる眼内炎の症例(41 歳,男性)を経験した.Werner 症候群には白内障を合併することが多く,術後も創傷治癒は遅延しやすいため感染のリスクが高い.眼科的な長期の経過観察が必要と考えた.
著者
萩本 善久 小林 亜樹
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.567-568, 2016-03-10

Webページに埋め込まれたリンクはWebの管理主体がそれぞれ異なるためにリンク切れ等の問題を引き起こす。そこで、Webページ中のリンク先の更新状況を一覧できるシステムを提案する。このとき、個人認証されたコンテンツは利用者権限で実際にアクセスしない限り更新状況等を確認できないため、一覧表示要求のアクセス時点でリンク先情報の更新確認を行う。この仕組みによる応答性等の実用性を探り、アクセス時点での更新状況表示のため、情報収集代理サーバ上で稼働する構成としたシステムを試作した。この試作システム上で、情報収集に掛かる時間などについて計測、分析を行い、利用プロトコルなどに関する検討を行った。
著者
和田 英喜 宇井 雄一 田中 佑佳 山本 英樹 丸山 仁実 林 哲也 尾嶋 良恵 木下 昌樹 新田 功児 西分 和也 石原 均
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.56-58, 2002-03-01
被引用文献数
3

【要旨】新たに開発された,アイシン社製IABP装置,CORART BP21(BP21)を使用する機会を得たので,当院で使用しているデータスコープ社製System97e(97e),System98(98)との比較も含め,シミュレーション回路による,応答性・不整脈への追従性の実験および臨床使用で総合的に評価した。BP21は98と同様に拡張・収縮に要する時間が短く,高心拍への追従性が良く,R波デフレーションを選択するのにも十分な性能を有していると考えられた。カテ先センサー付のP1バルーンを使用した際は,センサーオート機能で優れた不整脈への追従性を示した。また搬送時の移動性に優れ,新しく開発されたバックアップモードは臨床上の有効性も示唆された。
著者
小林 隆嗣 吉松 大介 宮﨑 秀夫
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.246-252, 2013-11-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
24

タンパク質を主成分とする舌苔を除去すると,口気中の揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compounds : VSCs)濃度が低下することが知られている.本研究では舌苔を効率よく除去するように設計されたタブレットの評価を行った.被験者にプロテアーゼ含有/非含有タブレットを3回舐めてもらい,舌苔をスコア付けした.タブレットを舐める前後で口気中VSCs濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した.プロテアーゼ含有タブレットを舐めることで,舌苔スコアが減少し,口気中の硫化水素とメチルメルカプタン濃度が有意に減少した.