著者
荒木 博孝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.1477-1491, 1981-11-20
被引用文献数
2

前立腺肥大症患者100例と年齢および居住地を一致させた正常対照者100例を対象に,独自の質問用紙を用いて,インタビュー方式による疫学的調査を行い,matched pair analysisを用いたcase control studyを行った.この結果,前立腺肥大症患者における疫学上重要な特徴は,つぎのごとくであると考えられた.すなわち,社会経済的にはより学歴が高く,年収もそこそこ多く,環境汚染のない職場で働いている.結婚状況や性生活においては,多くの子供を持ち,より早く第1回射精を経験し,1ヵ月以上のインポテンツの経験を持たない.すなわち,精力的な性生活のパターンを有している.また,淋疾,尿道炎,前立腺炎,および梅毒といった慢性尿路感染症に,より多く罹患している.食生活においては,毎日肉類を食べ,牛乳または山羊乳を飲み,緑黄色野菜や漬物の摂取量がより少ない,すなわち,西欧風の食生活のパターンを有している.
著者
荒木 千佳子 下村 道子 吉松 藤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.184-192, 1991-08-20
被引用文献数
4

すり身に水,卵白またはデンプンを添加した場合,その加熱ゲルの物性がどのように変化するか調べた。1.官能検査において,100%すり身と80%すり身のゲルに卵白を添加すると,添加量が多くなるにつれて,硬さは低下し,水気は多く感じられるようになり,きめは粗くなることが示された。卵白の添加量を増加するにつれ,テクスチュロメーター測定による加熱ゲルの硬さは低下し,針入度に上昇した。ゲルの組織を観察すると,卵白の添加によって,きめが粗くなって,気泡が多くなっているのが観察された。80%すり身のゲルでは卵白の添加は分離液を減少させた。2.すり身にデンプンを添加すると,官能検査では添加量が多くなるにつれて硬くなり,きめは細かくなると評価された。デンプンの添加量を増加すると,加熱ゲルの硬さ,弾力性が上昇し,もろさが低下した。また,きめが細かくなり,分離液量は低下した。デンプン添加のゲルの組織を観察すると,デンプン粒の多くは,膨潤し,糊化しているのがみられた。80%すり身では,100%すり身よりデンプン粒子の膨化がさらに進んでいた。デンプンの添加は,加熱中に魚肉から分離される水分をゲル中に保持し,糊化したデンプン粒子は,硬さ,弾力性の上昇に寄与していると考えられた。

2 0 0 0 OA 8.竹林と環境

著者
徳永 陽子 荒木 光
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.99-123, 2007
被引用文献数
1

竹は,非常に用途の広い素材である。しかし,何年か前より,輸入製品や他の素材の製品に押され需要が低迷している。その結果,日本中で竹林め放置が目立ってきた。竹林の荒廃は,里山全体に大きな悪影響をもたらす。竹林の整備は,竹産業だけのためではなく,里山全体の環境の維持のために不可欠なものである。したがって,行政を含め,地域全体の大きな理解と協力の下で,竹林の整備を手抜きすることなく実施し続ける必要がある。そのための6つの課題とその解決方法について論述した。現在需要がないといっても,近い将来,日本に資源不足の事態が襲ってきたときに,竹製品に対する需要が必ず大きく伸びてくる。そのときに竹産業に関する技術が滅びておれば日本にとって大きな損失である。その技術を残していくためにも,日本め竹産業の滅亡は避けなくてはならない。
著者
柴原 花奈 荒木 雅弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.260, pp.31-36, 2009-10-22

視覚を失った人が点字の学習をするためには,他者の補助を必要とする.単独では,点字表現と共にその点字と対応する音韻との関係を知ることができないからである.このことが,点字を学習することへの心理的ハードルとなる場合がある.そこで,文字コード-点字変換器である点字ディスプレイ・音声認識器・音声合成器を組み合わせる事によって点字とその読みの対応を学習するシステムの構築を試みた.本研究では,このようなシステムをマルチモーダルインタラクションシステムの一例としてとらえ,情報処理学会情報規格調査会の提案するMMI標準アーキテクチャ上で実装した.
著者
高野 伸栄 倉内 公嘉 荒木 正芳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.284-298, 2009 (Released:2009-07-17)
参考文献数
26
被引用文献数
2

本研究は公共工事の入札制度が抱える問題点を踏まえ,住民が当事者意識を持ちつつ,内容を理解しやすい公共工事に対して,住民参加型入札制度の導入を提唱し,模擬入札実験を通して,その可能性を検証したものである. まず,アンケート調査の結果,住民は工事を行うにふさわしい業者として,価格以上に質を重視し,発注者が求めるものと大差がない一方,公共工事の入札に対する印象は不信感が強いことを明らかにした.次にその解決にあたり,住民参加型入札制度を提唱し,その効果と課題を考察した上で,模擬入札実験を行い,住民は一定条件の下では建設業者を合理的に評価することが可能である,本制度の適用により,入札制度に対する意識が変化する可能性がある等の結論を得,住民参加型入札方式が入札制度の改善に有効な方法である可能性を示した.
著者
城谷 哲也 宮村 信博 荒木 栄一 七里 元亮
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

糖尿病における膵β細胞疲弊の一因として、β細胞のグルコース応答性のインスリン生合成や分泌障害が生じることが知られている。本研究では、高血糖におけるグルコース応答性のインスリン遺伝子転写が、atipical PKC(PKCζ)を介して転写因子のPDX-1(pancreatic and duodenal homeobox gene-1)を修飾して影響をおよぼしているかを分子レベルで解析した。膵β細胞でのPKCの関与、またPDX-1のリン酸化に関わるPKCのfamilyを同定するため、MIN6細胞にPKCの阻害剤であるCalphostin CやGo6976を反応させ、EMSA及びCAT assayを施行した結果、グルコース応答性のPDX-1のリン酸化にはatipical PKCが関与している可能性が示唆された。抗PKCζ抗体を用いたwestern blotの結果、MIN6細胞の核抽出物中にPKCζが存在することを確認し、免疫染色でもMIN6細胞の核内にPKCζの存在を確認しえた。さらに、低(2mM)及び高(20mM)グルコースにおけるPKCζの活性の変化を基質を用いて測定した結果、20mMグルコース培養下でのPKCζ活性は有意に増加していた。また、atipical PKCを特異的に阻害するCalphostin Cを反応させると、この20mMグルコース培養下でのPKCζ活性を完全に抑制した。最後に、atipical PKC(PKCζ)のグルコース応答性インスリン遺伝子転写への関与をより詳細に解析するため、ラットatipical PKC(PKCζ)cDNAを基にdominant negative PKCζを作成し、発現vectorに組み込んだ後、MIN6細胞に発現させwestern blotにて、その発現蛋白を確認した。さらに、dominant効果の確認後、in vitro及びトランスジェニックマウスを作成し、より詳細な解析を行う予定である。
著者
荒木 寿友
出版者
同志社女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、学校コミュニティの形成を図る一つの方法としてL.コールバーグ(Lawrence Kohlberg: 1927-87)のジャスト・コミュニティアプローチ(Just Community Approach)を用いることによって、様々な学校教育階梯におけるコミュニティ形成のためのカリキュラムをデザインすることにあった。ここでいうカリキュラム・デザインとは、教育課程編成を意味するだけではなく、隠れたカリキュラム、及びコミュニティの空間等のデザインも含まれる包括的な用語である。総括にあたる本年度は、とりわけこどもの「学び」が現実の生活の中で実感できるためのカリキュラムデザインについて研究を行った。本年度は、昨年度に引き続き、ワークショップを行った(2007年7月1日実施)。本ワークショップでは、大学近隣のこども(3歳から12歳まで)35名を大学へ招き、ダンボールを媒介として、こどもの遊びを中心とした活動を行った。具体的には、ダンボールでフロアに巨大迷路を造り、それぞれポイントとなる場所に子どもたち自身に「秘密基地」をつくってもらうという活動である。本ワークショップを通じて、人と人、人とモノの関わり合いの中から、こどもにとっての「学び」を捉えることができた。つまり、「学び」とは決して自分自身がモノと向き合うだけで成立するものではなく、そこには他者との関わりが必要であるし、またそれによって過去の自分がイメージしていたことをより具体的に表現することなのである。
著者
北御門 学 荒木 利芳
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1987

海藻葉体細胞壁の構成多糖は、陸上植物のものと異なったものが多く、分解酵素も殆ど知られていない。それ故、海藻葉体のプロトプラスト融合の研究には、海藻多糖分解酵素の開発が不可欠である。本研究は、細菌及び海産動物の消化器官を原料として、これらの分解酵素を得ようとしたものである。まず、非水溶性または水溶性多糖分解細菌の鑑別法について検討し、後者について一つの鋭敏な鑑別法を考案した。つぎに、主として海水環境から集めた細菌分離用試料を、目的とする海藻多糖を唯一の炭素源とする制限平板培地上に塗抹して培養し、形成したコロニ-を釣って多糖分解鑑別用培地に移植した。分解能があると鑑別された細菌は、純粋培養としてから、多糖分解酵素産生力を測定した。このようにして、多糖分解酵素産生力の強い細菌として、菌株Aromonas sp.F-25(β-1,4-マンナン分解細菌)、Vibrio sp.AX-4(β-1,3-キシラン分解細菌)、Vibrio sp.AL-128(アルギン酸分解細菌)、Vibrio sp.AP-2(ポルフィラン及び寒天分解細菌)、Vibrio sp.FU-629(フコイダン分解細菌)を得た。また、サザエ中腸腺アセトン乾粉の水抽出液も種々の海藻多糖の分解酵素を含有していることを明らかにした。最後に、分離細菌の酵素、または分離細菌の酵素とサザエ中腸腺酵素との混合酵素を使用し、多くの緑藻、褐藻、及び紅藻の葉体からプロトプラストを分離した。分離したプロトプラストの一部は、栄養補強海水中に移して培養すると細胞壁を再生し、分裂を開始した。
著者
内田 篤呉 秋山 光文 荒木 史 有賀 祥隆 今井 康弘 大川 昭典 大下 浩司 奥村 公規 河合 正朝 木村 法光 宍倉 佐敏 下山 進 ジャンジャック ドロネー 城野 誠治 鈴田 滋人 玉蟲 敏子 中井 泉 中野 嘉之 馬場 秀雄 早川 泰弘 林 温 藤本 孝一 増田 勝彦 室瀬 和美 森口 邦彦 柳橋 眞 矢萩 春恵 河野 泰典 矢代 勝也 尾西 勇 柴田 伸雄 中本 久美子 米井 善明
出版者
(財)エム・オー・エー美術・文化財団(学芸部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

科学調査は、東京理科大学・中井泉教授、吉備国際大学・下山進教授らが中心に担当し、型の技法は重要無形文化財保持者・森口邦彦氏、鈴田滋人氏、室瀬和美氏が伝統工芸技術から技法解明を実施した。科学調査の結果は、金地は金泥でなく、金箔とする第1次調査の結果を覆すものであった。有機色料は、波の部分に藍の存在は認められず、青墨の可能性が指摘された。伝統工芸の技法の調査は、金地と流水の境界の輪郭線は、縁蓋(型地紙)を用いた可能性が高いが、流水は型では表現できず、防染剤で描いたものと考えられる。文化財の研究は自然科学のみの調査に頼るのではなく、歴史と伝統の中で蓄積された技術や経験を踏まえることが極めて重要であった。
著者
倉光 正己 伊佐冶 圭介 荒木 光彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.365, pp.1-8, 1999-10-21
被引用文献数
5

筆者らは、3次特性非線形素子を含む3次元発振器にカオスが生じるための必要条件に関して議論してきた.本論文では,まず従来のカオス発生条件の仮説をより適切な表現方法に書き改める.この条件を,従来検討した3次元発振器を全て包含する一般的な表現の3次元発振器に適用し,カオスの発生する可能性のある線形パラメタ領域を求める方法を提案する.シミュレーションの結果,この方法で求めた領域の広い範囲で,実際カオスの発生することを確かめた.この結果から,従来知られている回路構成の異なる3次元発振器に発生するさまざまのカオスは,一般的な発振器表現においては,トポロジカルに繋がった同一領域内の現象であることが分かる.
著者
荒木 一視
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.138-157, 2006-09-30

近年食料の安全性や食料の質に対する関心が高まっている.本研究もそのような立場から,現代のわが国の食料供給体系を論じるものである.その際,2004年1月に山口県阿東町で発生した鳥インフルエンザを取り上げ,実際に食料の安全性が脅かされるという事態において,食料供給の現場を担うスーパーがどのような対応をとったか,さらにそのような状況を理解するにはどのような観点が有効であるかに焦点を当てた.スーパーの対応としては,調達量や価格の調整は一般的ではなく,短期的には安全性のアピールが中心で,それに伴って阿東町や山口県内の調達先を他所に変更する事例も認められた.それはスーパーサイドにとっては商品の安全性を訴える上で意味のある対策でもあった.しかし,1年を経て,調達先は山口県内に回帰するとともに,調達先の多元化も認められた.このような一連の対策を講じた背景には,リスクへの対応という側面に加えて,安全というイメージをどのようにして構築するのかという点が重要になっていることを指摘できる.実際の安全性よりもイメージとしての安全性がスーパーの調達戦略に大きく関与している側面が浮かび上がった.このように今日の食料供給体系を稼働させていく上で,食品のイメージが大きな役割を果たしていることが明らかになり,時にそれは食料供給体系そのものを再編成するほどの影響力を有している.
著者
岡本 仁宏 荒木 勝 菊池 理夫 木部 尚志 古賀 敬太 杉田 敦 千葉 眞 寺島 俊穂 富沢 克 的射場 敬一 丸山 正次 山崎 望 山田 竜作 大澤 真幸 岡部 一明 遠藤 比呂通 ありむら 潜 大竹 弘二 立岩 真也 石井 良規 天野 晴華
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

冷戦後の世界において、多くの人びとは我々の政治理論・社会理論が動揺する世界秩序を把握する言葉や構想を持ちえていないことを感じているという現状認識のもとに、近代政治理論における政治主体の基本用語の可能性と限界を追求した。「人間、国民、市民」(ヒューマニティ、ナショナリティ、シティズンシップ)という基幹的主体用語を中心に、「市民社会、ナショナリズム、グローバリズム」という三つの政治思想との関連において、その妥当性を検証し、既存概念の限界を指摘すると同時に、それらに代わる政治主体の可能性を検討した。
著者
匂坂 勝之助 荒木 忠 大和田 琢二 藤川 清三
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

プラスチド イニシャル形成と低温度要求性:休眠覚醒後にプラスチド イニシャルの形成が始まるので、休眠覚醒のおこる低温度と覚醒のみられない環境条件下にポプラをおいて比較検討した実験で、休眠覚醒のみられないポプラではプラスチド イニシャルの形成は全く進行しないことがあきらかになった。プラスチド イニシャルは遊離状態で存在すること:ポプラの皮層部から遊離状態のプラスチド イニシャルを得た。プラスチド イニシャルの形成は多年生植物(樹木)で一般的にみられること:ダケカンバ、エゾニワトコ、スグリ、キタコブシ等の皮層細胞に休眠覚醒後にプラスチド イニシャルが存在することを明かにした。草木植物にプラスチド イニシャルが存在することを証明する予備的調査:ジャガイモ魂茎の形成期にアミロプラストの前駆体と思われる構造体の存在することを確かめた。この研究は現在継続中である。プラスチド イニシャル形成は各組織で同時に始まる:リンゴの花芽、葉芽及びシュートの皮層細胞でこのことを明らかにした。成熟プラスチドを経ないプラスチド イニシャルの形成:リンゴの花芽、葉芽及び皮層細胞から成熟プラスチドを経ない新しい形成過程を示す電子顕微鏡像を得た。この実験で、プラスチド イニシャルの形成に小胞体が直接関与していること及び小胞が活発に形成されてプラスチドイニシャルに融合している電顕像を得た。
著者
荒木 健治 高橋 祐治 桃内 佳雄 栃内 香次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.391-402, 1996-03-25
被引用文献数
19

我々は, 人間の言語および知識獲得能力の解明とその実現を目的として研究を行っている. このような研究はこれまでいくつか存在するが, 工学的に有効なシステムを完成するまでに至っていないのが現状である. また, 心理学の立場からの研究も存在するが, これらの研究は工学的にどう実現するかという問題は対象としていない. そこで, 本論文では, この言語および知識獲得能力を工学的に実現する一つの試みとして, 入力べた書き文とその漢字かな交じり文より帰納的に語の読みと表記を獲得し, その獲得状況および変換精度に基づく確実性の高い語より順に変換するという帰納的学習によるべた書き文のかな漢字変換手法を提案する. 本手法は辞書が空の状態からでも学習機能により語を獲得することができるので, 辞書を個人ごとに自動的に作成することが可能, 個人用辞書とすることにより辞書容量を少なくできる, 未登録語の自動登録が可能, 初期辞書作成の労力を回避できるという利点がある. 本論文では, 更に本手法に基づく実験システムを作成し, 異なる4分野の論文40編を用いて本手法の学習機能による適応性能を確認するための実験を行った. 実験の結果, 4分野すべてにおいて90%以上の精度が得られ, べた書き文のかな漢字変換における本手法の有効性が確認された.