著者
宮田 真人
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ヒト肺炎の原因菌などとして知られるマイコプラズマは菌体の片側に"滑走装置"を形成し、固形物表面を滑るように動く、 "滑走運動"を行う。これまでの研究代表者らの研究によりこの運動のメカニズムのアウトラインが最速種、Mycoplasma mobile(マイコプラズマ・モービレ、以下モービレと略)について明らかになっていた。本研究では、これまでよりさらに踏み込んだ実験を行い、メカニズムの本質に迫った。また、最速種で得られた知識や技術をヒト肺炎病原菌である、Mycoplasmapneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ、以下ニューモニエと略)に応用した。
著者
辻 隆之 土肥 健純 安水 洸彦 藤里 俊哉 佐田 正晴 宮脇 富士夫
出版者
国立循環器病センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ミニブタが異種臓器移植用ドナー動物として世界に認知され、遺伝子組み換えが欧米で試みられている、我か国では数が現状ではきわめて少ない貴重なミニブタの受精卵にヒト遺伝子を導入するマイクロインジェクション法について効率的なデバイスを開発することが本研究の目的である。そのために低侵襲的に卵胞卵を採取できる三次元視硬性内視鏡を開発した。さらに薄層(50μm)緻密ガラスで表面コーティングしたマイクロポーラスガラス板にマイクロポケット(直径150μm)をマトリックス(5×5)状に穿ち、それをハウジングに固定して卵浮遊液を循環するミニブタ卵培養装置を開発した。それを三次元視正立顕微鏡に取り付けてCRTでマイクロポケット内に吸引固定された卵胞卵を立体視し、培養液の性状(pH.02、CO2など)を制御して卵胞卵を体外培養し、体外受精させる。三次元マイクロステージをコンピュータで制御し、受精卵保持システム内の受精卵にヒト遺伝子を導入するシステムを開発した。
著者
岡本 徹 枡富 龍一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

高移動度シリコン2次元電子系に対して、磁場に対する角度をその場制御しながら磁気抵抗効果の測定を行った。非整数のランダウ準位充填率においてランダウ準位交差を行ったところ、電子局在に相当する縦抵抗の明瞭なディップが観測された。直流抵抗で金属的温度依存性を示す同系に対して、低温下でサイクロトロン共鳴の測定を行った。緩和時間は、直流抵抗から得られるものと同様の温度依存性を示した。GaAs劈開表面に形成したPb単原子層膜における超伝導を調べた。実験結果は、大きなRashba分裂を持つ2次元金属に対して予想されていた空間変調を有する超伝導状態によって説明された。
著者
米田 忠弘 加藤 恵一 濱田 幾太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

1つの分子で磁石の性質を示す単分子磁石である、テルビウム・フタロシアニン錯体分子を用いて、単分子の磁石をオン・オフさせることが可能であることを示した。この分子は平面型のフタロシアニン配位子(Pc)2枚が互いに向き合うように重なった構造を示すが、今回、これに電流を流して向かい合う2枚のPcをくるりと回転させるという手法を開発し、2枚のPcの相対角度を制御することで分子磁石をオン・オフさせることに成功した。
著者
井廻 道夫 金子 隆志 森山 貴志 安藤 量基
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

HLA B44を有する慢性C型肝炎患者の検討で,HCVコア抗原アミノ酸残基88-96を抗原エピトープとするHLA B44拘束性CTL応答が認められる症例では末梢血HCV RNA量が低値であり,CTLがHCVの増殖に対して抑制的に作用していることを示唆する結果が得られた.また,同一患者において異なった抗原エピトープを認識する2種類以上のCTLが存在することも明らかになった.CTL応答が認められるにも関わらずHCVが存在することは,HCV感染においてはCTL応答が不十分であることが考えられる.抗原エピトープの変異が認められたのは27例中3例と多くはなかったが,その3例のHCVコア抗原アミノ酸残基88-96のアミノ酸配列のペプチドを作製し,HCV特異的CTLに認識されるか,あるいはCTLを効率良く誘導できるかを検討したところ2例では変異エピトープは野生型エピトープと同様に認識されるものの,CTL誘導能は低いことが判明した.他の1例ではむしろ変異エピトープの方が抗原性が強いという結果が得られた.このなかのエピトープの一つを用いて,変異ウイルスが野生型ウイルスと混在した場合にどのような影響がCTL応答に生じるかを検討したところ変異ウイルスは野生型ウイルスと混在した場合には,CTLのウイルス感染細胞障害が抑制されるとともに,変異ウイルスを認識するCTLの増殖も抑制されることが明らかになった.HCVコア抗原アミノ酸残基88-96をHLAB44拘束性に認識するCTLクローンを用いた検討より,C型肝炎においてはCTLはHCV感染細胞を認識しパーフォリン,Fasリガンド,TNFにより認識した細胞を障害すると共に,抗原を認識し活性化したCTLは炎症などにより感受性を獲得した肝細胞をFasリガンド,TNFにより障害し,肝炎の拡大に関与していることが明らかになった.
著者
小林 健二 齋藤 真麻理 山下 則子 鈴木 淳 武井 協三 寺島 恒世 大友 一雄 江戸 英雄 恋田 知子 小峯 和明 石川 透 徳田 和夫 福原 敏男 藤原 重雄 高岸 輝 恋田 知子 浅野 秀剛 キャンベル ロバート
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究はニューヨーク公共図書館スペンサーコレクションに所蔵される絵入り本の全容をつかむために、絵入り本解題目録の作成を目指して絵巻・絵本など絵入り写本類の調査研究を実施した。所蔵者の都合により悉皆調査は叶わなかったが、貴重な資料の調査と研究を進めることができ、その成果を『絵が物語る日本―ニューヨーク スペンサー・コレクションを訪ねて』と『アメリカに渡った物語絵―絵巻・屏風・絵本』、その英語版の報告書『Japanese Visual Culture― Performance,Media,and Text』の三冊の論文集にまとめて刊行した。
著者
北山 兼弘 岡田 直紀 清野 達之 蔵治 光一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

赤道付近では、東西太平洋を結ぶ大気循環であるウォ-カ-循環によって、対流圏に沈降逆転層が形成される。沈降逆転層付近では気流の沈降による強い乾燥が生じ、植物に大きな乾燥ストレスを与える。本研究では、沈降逆転層の高度や乾燥の強さがどのように植物に影響を与えるのかを解明した。西太平洋ボルネオ島の熱帯高山では森林限界が高標高(3,300 m)に、東のガラパゴス諸島では森林限界が低標高(1,000 m)に出現した。また、森林限界は、どちらにおいても最も強い乾燥が生じる標高の下限と一致していた。このことから、ウォ-カ-循環における沈降逆転層の存在が森林限界の決定に強く関わっていることが示唆された。
著者
ギュヨン オリビエ 高見 英樹 高見 英樹
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究ではすばる望遠鏡用のコロナグラフィック究極補償光学系(SCExAO)の開発を行った。すべての鍵となるコンポーネントの製作を行い、実験室において可視光で全体として性能試験を行い、目的の性能が達成されていることを確認した。これはすばる望遠鏡用の新補償光学系AO188と太陽系外惑星検出用のコロナグラフカメラHiCIAOに取り付けるものであり、そのための取り付け治具の製作を別途すすめ、2010年に望遠鏡に取り付けての観測を予定している。
著者
乾 健太郎 岡崎 直観 楠見 孝 渡邉 陽太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

(i) Web上の様々な医療・健康情報の間に潜在的に存在する同意、対立、根拠等の隠れた論理的関係を同定する言論間関係認識技術を研究開発した。(ii) (i)の要素技術として、大規模言語データからの知識獲得、述語項構造解析の洗練、仮説推論の高速化と機械学習に関する研究に取り組んだ。(iii) (i)(ii)の技術をソーシャルメディア上の情報に対する信頼性分析に応用し、ソーシャルメディア分析のケーススタディを行った。(iv) ネット調査を行い、批判的思考態度や教育歴がヘルスリテラシーを高め、適切なネット上の医療・健康、食品安全性に関する情報の利活用を促進していることを明らかにした。
著者
酒井 寿郎 川村 猛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

エピゲノム修飾酵素であるJMJD1A、SETDB1、および活性未同定のSET蛋白の抗原となるタンパクを昆虫細胞Sf9および大腸菌から精製し、免疫を開始した。また全長のタンパクを精製し、in vitroにおけるアッセイを開始した。活性未同定のSET蛋白はmesenchymal stem cellで発現させFLAGタグで免疫沈降を行い、これをヒストンメチル化アッセイに供し、活性を新規に同定することができたため、どのヒストンテールにメチル化を入れるか、質量分析器で解析することとした。さらに、このSET蛋白の発現量が骨分化に関与するという知見を得て、トランスクリプトームを細かい時間分解能で解析することとした。本研究は現在、基盤S (課題番号22229009) にて継続進行中である。
著者
塚本 昌彦 寺田 努 義久 智樹 義久 智樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、実世界に多数散らばるユビキタスデバイスをそれらのトポロジを用いてプログラミングする(群コンピューティング)枠組みを構築した。特に、ネットワークのトポロジを用いてうまくコーディングしていくこと(トポロジコーディング)を考えた。まず最初に、格子状のネットワーク上でグローバル通信とローカル通信を組み合わせて全体制御をする枠組みGlocalGridを設計し、デバイス、システムを実装した。さらに、主としてセンシングデータ収集を行うことを想定して、さまざまな効率的なアルゴリズムを検討した。応用分野としてはダンス、演劇、スポーツなどのアート・エンターテインメント分野を考え、システム展開を図った。
著者
中牧 弘允 陳 天璽 廣瀬 浩二郎 日置 弘一郎 廣山 謙介 澤野 雅彦 三井 泉 竹内 恵行 澤木 聖子 出口 竜也 周佐 喜和 大石 徹 王 英燕 秦 兆雄 曹 斗燮 岩井 洋 市川 文彦 住原 則也 出口 正之 李 妍〓
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

上海万博のテーマに沿って、展示やイベントに見られる近未来の望ましい都市文化、都市生活のありようを研究した。追究したテーマは主に聖空間、国家、都市、企業にかかわるものであり、国威発揚、経済効果、生活様式の変化などに注目した。上海万博は、上海を「龍頭」として発展する現代中国を中心に、それをとりまく国際環境の縮図を一つの世界観として内外に提示したといえる。
著者
高田 邦道 橋本 雅隆 塚口 博司 苦瀬 博仁 小早川 悟 黒後 久光
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

平成12年度の研究概要は、社会実験の準備を中心として、社会実験対象地区の絞込み、ポケット・ローディング・システムのシステム設計、社会実験対象地区の現況調査、実験装置の設置場所の検討、社会実験対象地区における事前調査、および社会実験対象地区における関係者との折衝を行った。社会実験対象地区の絞込みでは、平成10年度から平成11年度の科学研究補助金によって行われた東京都六本木地区における都心部商業務地区のポケット・ローディング・システム(以下、PLS)社会実験の結果を踏まえ、近隣商業地区におけるPLSの効果を把握するために東京都練馬区江古田地区を社会実験対象地区とした。また、PLSのシステム設計では、今回の対象地区である江古田地区に対応できるシステムの設計および実験装置の改良を行った。平成13年度は、昨年度より検討を行ってきた東京都練馬区江古田地区において、ポケット・ローディング・システムを利用した「貨物車専用荷さばき駐車場」社会実験の実施および実態調査を中心に行った。社会実験は平成13年3月から1年間の予定で実施した。社会実験中のポケット・ローディングの利用状況は、カード保有の会員利用が34台で、カード無しの一般利用が1309台であった。平成14年度は、社会実験対象地区における商店街のアンケートを実施し、社会実験の認知度および荷さばきに関する意識調査を行った。PLSを利用したいと考えているドライバーは82%、管理者は92%とその需要は高い。しかし、今回の社会実験の認知度は、商店街の店舗の47%と約半数であったが、商店街のポケット・ローディングの利用率はわずか3%であった。さらに、今回の社会実験により得られたデータの解析と補足調査の結果を加えて、用地管理、道路管理、交通管理、運輸管理の視点を含めた地区交通対策の方策を検討している。
著者
阿波賀 邦夫 松下 未知雄 吉川 浩史
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

有機伝導体・磁性体研究の成果が応用展開される有機エレクトロニクスを目指す一方、有機エレクトロニクスの駆動技術を利用して有機伝導体・磁性体研究の発展を目指した。その結果、(1)チアジルラジカル薄膜に見出された巨大過渡光電流のメカニズムを解明し、この機構を利用して近赤外光の光電変換を達成した。(2)イオン液体と有機強構造薄膜を用いて電気二重層トランジスタを作製し、キャリア注入機構を分子論的に明らかにした。(3)強い配位能を有機アニオンラジカルを合成し、その金属錯体において高温弱強磁性などの特異な分子磁性を見出した。
著者
古米 弘明 片山 浩之 栗栖 太 春日 郁朗 鯉渕 幸生 高田 秀重 二瓶 泰雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

合流式下水道雨天時越流水(CSO)由来の汚濁負荷が、都市沿岸域における雨天後の水質に及ぼす影響を定量評価し、お台場のような親水空間における健康リスク因子の動態評価手法の開発を試みた。多数の分布型雨水流出解析結果に基づき、降雨パターンの類型化によってCSO発生を大まかに特徴づけることができた。また、ポンプ場や下水処理場からの汚濁負荷を降雨パターンごとに表現できるモデルを構築し、干満の影響を考慮した3次元流動・水質モデルによる大腸菌の挙動予測が可能となった。
著者
徳永 朋祥 片山 浩之 知花 武佳 福士 謙介 多部田 茂 原口 強 浅井 和見 松岡 達郎 井上 誠 秋山 知宏 茂木 勝郎 端 昭彦 甲斐荘 秀生 LUN SAMBO 後藤 宏樹 本宮 佑規
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

カンボジア王国のシエムリアップ市、バッタンバン市周辺を対象とし、地下水環境並びに地表水環境、地表水と地下水の関連について検討を行った。シエムリアップ市では、地下水と表流水との交流が比較的活発であり、また、地下水の利用も相対的に容易である一方、バッタンバン市周辺においては、表流水と地下水との交流は活発ではなく、地下水利用も一部の地域を除いてそれほど容易でない状況が見られた。このような違いは、両都市の地質学・地理学的位置づけに依存していることが考えられた。また、トンレサップ湖の堆積物を用いた古環境解析や水中に存在するウイルスの定量化に関する検討も実施し、成果を得た。
著者
渡辺 寧 村上 浩康 松枝 大治 吉田 武義 水田 敏夫 石山 大三 清水 正明 木村 純一 渡邊 公一郎 今井 亮 浦辺 徹郎 鹿園 直建 林 謙一郎 実松 健造 星野 美保子
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

世界各地の重希土類およびインジウム鉱床の調査を実施し,ベトナム,タイ等東南アジア地域で重希土類に富む花崗岩風化殻を発見するとともに,日本,中国,ベトナム,ペルー, ボリビアでのインジウムの資源量の見積もりを行った.これらの結果,中国以外の地域でも重希土類およびインジウムの資源ポテンシャルが存在することが判明し,また鉱床成因のための必要条件が考察された.
著者
馬場 章 吉見 俊哉 佐藤 健二 五百籏頭 薫 添野 勉 研谷 紀夫 木下 直之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

国内外の名刺判写真の悉皆的な所蔵調査を行ってデジタルデータ化し、デジタルデータを活用した調査研究結果を通じた名刺判写真の生産・流通・消費・保存プロセスの分析と印刷媒体への接続、それによるパブリックな視覚的イメージの生産に注目し、それらが指し示す明治期の社会的高位に属する人々のコミュニケーションモデル、社会モデルの再構築を試みた。これらを通じ、写真資料という、従来歴史資料としての活用が不十分であった資料から読み解くことのできる「歴史情報」とそれに基づいた新たな歴史像、社会像を構築するための基礎を築いた。
著者
鈴木 貞臣 竹中 博士 清水 洋 中田 正夫 篠原 雅尚 亀 伸樹 茂木 透
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究実績は大きく分けて2つに分類される。第1は1999年9月末より10月上旬まで、九州西方海域で行われた地殻構造の大規模な調査であり、第2は自然地震の走時データを用いたトモグラフィーの研究である。第1の研究は本研究最大の実績ともいうべきもので、九州西方海域での地殻構造調査の成功とそのデータ解析結果である。平成11年度9月末より10月上旬まで、発破とエアガンを使った地殻構造の大規模な調査を行った。まず地殻構造調査においては,海底地震計で得られたデータは見かけ速度の変化に富んでいて、地殻上部の構造の複雑さを示していた。得られた地震波速度構造モデルでは、堆積層は二層に分けられ。上部層はP波速度1.7〜1.9km/sの垂直速度勾配が小さい厚さ200〜500mの層であり、下部層は2.0〜3.5km/sの垂直速度勾配がやや大きい層が800〜3500m存在する。上部地殻は二層に分けられ、第一層の上面のP波速度は3.0〜4.9km/sと水平方向に大きく変化している。この層の下面のP波速度は4.2〜5.3km/sである。第二層として、上面のP波速度は5.6〜5.9km/sの層が存在する。この層の下面のP波速度は6.0〜6.2km/sである。海面から上部地殻と下部地殻の境界までの深さは約10kmである。下部地殻の上面のP波速度は6.5〜6.7km/sのである。モホ面の深さは海面から約26kmと求められ、マントル最上部のP波速度は7.7〜7.8km/sと求められた。沖縄トラフで、モホの深さやマントル最上部のP波速度がこのように正確に求められたのは初めてのことである.第2の成果として、地震トモグラフィーの研究を上げられる。平成12年度はその結果を使って、特に背弧上部マントルの低速度異常領域について調べた、これはマントルのマントルアップウエリングとの関係で注目される。
著者
三村 信男 江守 正多 安原 一哉 小峯 秀雄 横木 裕宗 桑原 祐史 林 陽生 中川 光弘 太田 寛行 ANCHA Srinivasan 原沢 英夫 高橋 高橋 大野 栄治 伊藤 哲司 信岡 尚道 村上 哲
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

気候変動への影響が大きいアジア・太平洋の途上国における適応力の形成について多面的に研究した.ベトナム、タイ、南太平洋の島嶼国では海岸侵食が共通の問題であり、その対策には土地利用対策と合わせた技術的対策が必要である.また、インドネシア、中国(内蒙古、雲南省など)の食料生産では、地域固有の自然資源を生かした持続可能な農業経営・農村改革が必要である.また、本研究を通して各国の研究者との国際的ネットワークが形成されたのも成果である.