著者
田邊 喜一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.2, pp.505-508, 2011-02-01

スイッチ操作に利用される随意性瞬目と,誤入力の要因となる自発性瞬目について,瞬目波形の形状特徴パラメータを比較した.従来の指標である持続時間だけでなく,振幅・速度・面積を利用することにより,両瞬目を判別できる可能性が示唆された.
著者
西 基
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

平成9年5月,科研費支給の決定を受け,同年の秋までに食事等の生活習慣を主たる項目とする自記式質問票を完成し,主として札幌医大第一外科およびその関連病院の協力のもとに,胆嚢癌の病因に関する症例対照研究を開始した.平成12年末までに,症例51例およびこれらと性・年齢(±3歳)を同じくする対照102例から,質問票を回収した.なお,胆嚢癌の症例の集まりが悪く,途中から胆管癌の患者も対象とした.症例の内訳は,男28例,女23例平均年齢は72.6歳,胆嚢癌18例,胆管癌33例であった.発生を促進・抑制する因子のオッズ比を男女の通算で計算した.発生を有意に(P<0.05)促進するものは,1.満腹になるまで食べる,2.魚肉ソーセージ(月1回以上),3.生卵(月1回以上),4.漬物(毎日),5.ドリンク剤(毎日),6.乳酸飲料(週1回以上)であった.危険率10%では,7.油っこい食品を好む(5段階で4以上),8.ハム・ソーセージ(週1回以上)も促進因子となった.発生を有意に(P<0.05)抑制するものは,1.昼食を抜く(5段階で3以上),2.夜食を食べない(5段階で3以上),3.芋(週3回以上),4.パン(週3回以上),5.納豆(週3回以上),6.干魚(週1回以上),7.ヨーグルト(週3回以上),8.チーズ(週1回以上),9.緑黄色野菜(週3回以上),10.林檎(週1回以上),11.バナナ(月1回以上),12.ウーロン茶(週1回以上),13.牛乳(毎日),14.飲酒(毎日)であった.危険率10%では,15.牛肉(月1回以上),16.蜜柑(週1回以上)であった.以上から,食事量が多いことが発生を促進し,野菜・果物・乳製品などが抑制すると考えられた.魚肉ソーセージ・ハム・ソーセージ・乳酸飲料・漬物などは加工品であって,加工により加わった何らかの因子が発癌を促進するのかもしれない.毎日の飲酒が抑制的に働くのは意外であった.油脂を多く含む食品や生卵は,胆嚢の運動に影響を与えるが,これが何らかの影響を及ぼすのかもしれない.なお,生活の不規則性・喫煙・農薬使用・園芸の経験は結局有意とはならなかった.
著者
小林 敏男 金井 一頼 淺田 孝幸 高尾 裕二 竹内 惠行 椎葉 淳
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.定量的類型化作業「組織資本の測定」の観点から定量的類型化の基本仮説を構築した。本来この作業は,最終年度で実証に移るはずではあったが,基礎理論構築に手間取り,仮説構築にようやくこぎつけることできた。Lev and Radhakrishman(2003),蜂谷(2005)などの知見を参照しつつ,金融・保健を除く,日経225のサンプル企業のうち,条件に合致する企業数として86社,8年間のデータをもとに,仮説のフィットネスを確認しており,より頑健な理論にまで仕立てなければならない。(目標達成率60%)2.技術・知財戦略技術・知財戦略を聞き取り調査等から調べていけばいくほど,オープンさとクローズドさのバランス問題に横着することが確認される。ITの雄インテルにしても,PCIバスイニシアチブを充実させていた頃は,オープン路線で突き進み,バスやメディア等でデファクトの地位を取ると,今度はクローズドに振れ,それが結局,係争を引き起こし,会社としの業績に暗雲を漂わせ始めている。このバランスを決定づける要因分析の一般化を試みたが,個別ケース記述に留まった。(目標達成率70%)3.提携戦略次の「4」との兼ね合いから,ベンチャー企業における提携戦略について,聞き取り調査を中心に仮説を改良した。成長ステージ管理の重要性を認識するとともに,それぞれのステージにおける管理項目を洗い出した。具体的には,製品開発ステージにおいても,商流ステージであるB2BおよびB2Cを意識した開発管理とマーケティング管理が必要となり,ステージが進むに従い,パートナーシップの重要性が高まる。ただ闇雲なパートナーシップではなく,ビジネスモデルすなわち成長戦略に応じた提携が求められ,その機軸をなすのが,「時間切迫」と「資源の希少性」に他ならない。(目標達成率85%)4.地域産業集積「産業プラットフォームとしての大学」という観点から調査報告をまとめた。大学が有する国・地域としての研究所機能に加え,新産業の担い手としての大学発ベンチャービジネス創出の「場」,という観点を持つことによって,大学を観察することが,産業集積の実際を知る手がかりになる,ということが明らかになった。すなわち,日常的産学連携が活発でない地域では,大学発ベンチャービジネスも起こりにくく,また成功もしづらく,その「場」的取り組みが盛んな地域・大学が産業集積(新規事業創造)においてもリーダーシップを発揮している,ということである。理論的には「場」の概念の援用である。(目標達成率75%)
著者
梁 忠模 青山 剛史
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-24, 2008-02

ロータの回転や6自由度の機体運動等の複雑な動きのため、メイン/テールロータ及び胴体からなるヘリコプタの数値シミュレーションにおいて、正確で速い補間アルゴリズムの重要性が高まってきている。本報告では、直交格子と曲線格子で構成される移動重合格子を利用したCFD コードに対して、より正確で早い補間法を提案した。新しい補間法では、(1)直交格子の特性、(2)ヘリコプタ・ブレードの特殊な幾何学的配置、及び(3)並列計算時の計算負荷バランスなどを十分有効に利用できるアルゴリズムが考案されている。第一章では、Alternating Index Searching (AIS) アルゴリズムを提案し、従来のLinear Searching アルゴリズムに対し、2 次元の簡単なケースと実際のヘリコプタを模擬した3 次元計算のケースで補間計算の速度を比べた。第二章では、並列計算における各計算ノードの負荷バランスを考慮したReverse Index Searching (RIS) アルゴリズムを提案した。この補間法を利用することによって、ヘリコプタのより効果的な大型計算を実現することができた。
著者
小池 三奈子 粕谷 英樹 菊地 義信 堀口 利之
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

韻律制御可能な電気式人工喉頭(Pitch controllable electrolarynx ; PC-EL)の訓練プログラム開発とPC-ELによる発話(PC-EL音声)の評価を行った.訓練は,平板型4モーラ単語から始め,アクセント句,イントネーション句,文と進め,ピッチ操作に慣れた段階で,抑揚型アクセントの語を訓練した.2週間の訓練で,7名中5名が自発話で訓練目標を達成した.訓練後のPC-EL音声はピッチ固定型電気喉頭(PF-EL)の音声と比較して,より肉声に近いと評価された.
著者
山口 博久 庄納 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.557, pp.25-32, 2007-03-01

ウルトラワイドバンド(UWB)のデバイス開発と並行して各国の法制度化が進展している。UWBが既存、さらに将来の無線システムと周波数を共用することから、当初の導入には干渉検知・干渉抑圧(DAA)技術の導入が条件となっている。本稿ではマルチバンドOFDM (MB-OFDM)方式のUWBに関して、法制度化で課題となっている干渉問題を議論する。特に現在、欧州の法制度化で議論が進行しているWiMAXとUWBとの共用問題に関して、DAAの処理フロー、アップリンク(UL)、ダウンリンク(DL)信号検知の考え方を述べる。
著者
佐野 正博
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、マイクロプロセッサーの開発とパーソナル・コンピュータ技術の歴史的発展が相互に関連しあいながら歴史的に発展してきたプロセスを技術史的視点および技術論的視点から実証的に分析することを通じて、イノベーションの歴史的構造、および、技術の歴史的発展構造の解明をおこなった。まず総合技術史に基づく長期的視点から計算機技術の歴史的発展の流れにおけるマイクロプロセッサー技術の歴史的位置づけをおこなうとともに、マイクロプロセッサーという製品が持つ特殊性の解明をおこなった。すなわち計算機技術の歴史的発展におけるcalculatorとcomputerへの分化、それぞれの時代における上位市場と下位市場の編成のあり方という視点から、計算機技術の歴史的発展をマクロ的視点から取り扱うことで、世界最初のマイクロプロセッサー4004が「電卓生まれのマイクロプロセッサー」として歴史的に登場した理由を解明するとともに、パーソナル・コンピュータ用CPUとしてマイクロプロセッサーが利用されることになることの歴史的意味の分析をおこなった。マイクロプロセッサーのこうした用途は、一部の専門家を別として最初から広く社会的に認識されていたわけではない。そのためマイクロプロセッサーを利用した製品は、どちらかといえばMarket-oriented型ではなく、Technology-oriented型の製品イノベーションとなっていることを論じた。パーソナル・コンピュータの製品イノベーションに関しても、市場の需要というよりは、ムーアの法則にしたがってパラノイア的にマイクロプロセッサーの集積度向上を追求するインテルなどの研究開発によるマイクロプロセッサーの技術的発展が、パーソナル・コンピュータの製品イノベーションを根底的に規定してきたことを明らかにした。
著者
鈴木 広光
出版者
奈良女子大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

平成17年度研究実績は以下の通りである。1.平成16年度に高精密デジタル画像化した嵯峨本『伊勢物語』(慶長13年初刊本)の印字と版面に写り込んだインテル・クワタの痕跡から以下の事柄が判明した。該書の印刷に使用された木活字は縦12・6mm、横14.2mmを全角とし、縦寸法2〜4倍に規格化されたものである。(2)組版はベタ組みである。(3)インテルの幅は2.6mmである。これらのデータをもとに、2DビジュアルCGによる組版想定図を作成した。2.該書の印字悉皆調査をコンピュータ上で行い、印字の精細な異同識別によって、使用された木活字が2130種にのぼることが判明した。この印字悉皆調査の結果を「印字標本集」として、本研究課題の研究成果報告書に公開した。3.研究協力者高木浩明を中心に、嵯峨本『伊勢物語』初刊11伝本の全丁調査を行い、部分異植字という組版上の特色とその具体的異同状況を明らかにした。この成果も研究成果報告書に公開している。4.上記の研究成果を、「嵯峨本『伊勢物語』の活字と組版」と題して、日本近世文学会平成17年度秋季大会(於奈良女子大学、2005年11月5日)で口頭発表した。この発表にもとづく論文を学会誌『近世文芸』に投稿した。5.コンピュータを用いた書誌学、印刷史研究の方法の開発について、開発協力者津田光弘(研究協力者)と連名で、「嵯峨本『伊勢物語』の木活字及び組版分析モデルに関する報告」と題して、第11回公開シンポジウム・人文科学とデータベース(2005年12月3日,於大阪樟蔭女子大学)で口頭発表した(発表者はプログラム開発者の津田)。
著者
大津 定美 田畑 理一 堀江 典生 雲 和広 石川 健 アンドレイ ベロフ 武田 友加
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ロシアの経済成長の中長期的な制約として、人口減少・人手不足があげられているが、行政や企業現場での調査によって、労働力需給関係は質と量の両面で、ロシア特有の問題を抱え、複雑な構造になっていることが判明した。近年の経済成長の結果、貧困が減少したとは言えず、他方外国からの「安価な移民労働」への依存が大きくなる。他方、雇用や社会政策面での地域格差が拡大するメカニズムが明らかにされたが、労働市場の制度不備や機能・効率の面でもロシアが抱えている問題は大きい。
著者
塚本 悠太 川村 新 飯國 洋二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.95, pp.43-48, 2006-06-08

本稿ではMAP推定に基づく新たな音声強調手法を提案する.従来は長時間音声データによって音声スペクトル分布を一意に決定していたため,音声区間における音質や非音声区間における雑音除去性能が劣化するという問題があった.この問題を解決するために,周波数全体のパワースペクトルを基準とし音声スペクトル分布を動的に変化させる方法を提案する.提案法では,音声スペクトル分布を非音声区間では指数分布に近づけることによって,優れた雑音除去性能を実現する.また,音声区間ではレーリー分布に近づけることによって,音質の劣化を抑えることが可能となる.
著者
河合 幸一郎 井上 栄壮 今林 博道
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.81-85, 2009

Cricotopus bifascia Tokunaga,1936をParatrichocladius Santos Abreu,1918に移し,再記載した.本種雄成虫は,よく発達するが中央で明瞭に分離した前前胸,明瞭な淡色部から生じ直立する中刺毛,および明瞭な肩孔を有する.P.yakukeleus Sasa et Suzuki,2000は本種の新参シノニムである.本種の最大の特徴は,Cricotopus属の多くの種と同様に,黒色および黄色からなる斑紋様の体色を呈することである.
著者
サーラ スヴェン 川喜田 敦子 工藤 章 田嶋 信雄 ヴィッピヒ ロルフハラルド 加藤 陽子 石田 勇治 萩谷 順
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、近代日本とドイツの関係史において、両国の相互イメージの形成とその形成要因、そして、このような相互イメージが二国間関係に与えた影響を明らかにしようとするものであった。2010・11年の日独修好150周年の催し物として、この研究をまとめる国際会議が2010年12月に行われ、20人の研究者が日独相互イメージを分析し、そのイメージを表象する視覚的資料を紹介した。なお、日独関係史の研究者のネットワークが深化された。日本とドイツは現在では、強い友好関係で結ばれているとはいえ、過去には、両国のメディアにおいて歪曲された他国のイメージが浮かび、そして、現在でも浮かぶことが明らかになり、多様な啓蒙活動の必要性が指摘された。
著者
坂井 修一 五島 正裕
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

次世代省電力マイクロプロセッサの実現に向けて、次のような成果を得た(主な成果のみを記す)。ベースとなるマイクロプロセッサのサイクルレベルシミュレータを、チップ・マルチ・プロセッサ方式とクラスタ型スーパスカラ方式の2種類について作成した。次に、省電力要素技術として、システムレベルにおける低消費電力化技術の研究と、低消費電力のソフト・エラー対策の研究を行った。システムレベルにおける低消費電力化の要素技術として、(1)分岐予測器を利用したホット・パス検出器の開発、(2)Signatureに基づくプログラム・フェーズ検出の改良、(3)OSのサポートによるスレッドレベル並列の動的見積もり、(4)オンチップ・バスの直列化による電力削減、(5)チップ・マルチ・プロセッサの不均質キャッシュ共有などの研究を行い、それぞれ詳細レベルシミュレーションなどによって性能と省電力の両立が示され、これらの有効性が検証された。低消費電力のソフト・エラー対策として、(1)縦横パリティーを利用したキャッシュでのソフト・エラー対策、(2)連想メモリにおけるソフト・エラー対策、(3)ソフト・エラーとプロセスばらつきの対策などの研究を行い、それぞれCADによるデザインや詳細レベルシミュレーションによって、プロセッサの低消費電力化と高信頼化が両立する技術の確立に成功した。以上を総合して、次世代プロセッサにおける省電力化・高性能化の方法論を知見としてまとめあげることができた。
著者
四日市 章 河内 清彦 園山 繁樹 長崎 勤 中村 満紀男 岩崎 信明 宮本 信也 安藤 隆男 安藤 隆男 前川 久男 宮本 信也 竹田 一則 柿澤 敏文 藤田 晃之 結城 俊哉 野呂 文行 大六 一志 米田 宏樹 岡崎 慎治 東原 文子 坂尻 千恵
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

研究成果の概要 : インクルーシブ教育を理論的・実践的両側面から捉え、国内外の障害に関する理念・教育制度の展開等について歴史的に解明するとともに、特定地域の幼児・親・教師を対象として、障害のある子どもたちのスクリーニング評価の方法の開発とその後の支援について、長期的な研究による成果を得た。
著者
長江 美代子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

この研究では、質的記述的研究方法を用いて、日本の社会にみられる夫婦間暴力について、夫から妻への暴力という行動の背景を調査し、社会文化的にこの暴力行動を規定しているとおもわれる筋書きをみつけ、描写説明した。3つのエコロジカルモデルを統合して「日本文化における夫婦間暴力(IPV)のスクリプト」の概念枠組みを作成した。4つの主要概念(状況要因、夫婦行動、夫婦間コミュニケーション、IPV維持継続要因)と3つの側面(個人、対人、社会文化)に基づく面接ガイドにより、11名の女性IPV被害経験者に半構成的個人面接を実施した。1.男性加害者の参加者がまだ得られていないが、女性被害者11名のデータを、夫婦間の関わりに焦点をあてて分析した。分析はイリノイ大学研究者との共同作業ですすめ、論文として完成させた。内容分析により、IPV行動に影響している日本文化に共通する3つのビリーフ(信念):1)妻は夫に付随する、2)女性のする仕事(役割)は男性の仕事(役割)ほど価値がない3)IPVは妻が原因、が抽出された。2.日本社会における夫婦間暴力に関して、女性の視点を反映した包括的な文化的スクリプトを提供した。また、以下が今後の効果的な夫婦間暴力介入プログラムの考案にむけての課題である。・男女平等の文化的ビリーフを養うためには、地域に根ざした学童年齢からの教育介入が必要である。・より包括的なスクリプトを描くには、将来の研究では、男性の視点や家族の視点を入れ込むことが必要である。・継続して男性加害者の視点を取り込めるように研究デザインを考慮し今後の研究課題としたい。
著者
渡辺 義明 只木 進一 渡辺 健次 江藤 博文 大谷 誠
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、佐賀大学で開発しキャンパス全域で運用しているネットワーク利用者認証システムOpengateを基に、改良を行った。1.IPアドレスに基づいてネットワークの開放と閉鎖を行っているため、IPv6通信に対応するには、利用端末のIPv4とIPv6との両アドレスを検知する必要があったが、これを実現する仕組みを工夫してIPv4/IPv6両対応とした。2.利便性と安定性の向上のために数多くの改訂を行った。例えば、XML形式の設定ファイルで統一的に制御できるようにした。また特別な設定を必要とする利用者に対する別設定ができるようにした。さらに汎用な及びセキュアな認証プロトコルも利用できるようにした。3.従来は利用終了の即時検知を実現するためにJavaAppletを利用していた。しかしJavaVMが標準実装から外れるようになったため、JavaScriptがAjax処理を繰り返してサーバとの間にTCPコネクションを維持する方式を考案し実装した。4.Java Servlet環境を利用してOpengateと同様な基本機能を実装した。結果として充分に代替できるシステムとなりうることが分かった。実運用システムの実現は今後の課題である。5.開発システムをオープンソースプログラムとして公開した。また導入利用者や開発協力者の利便性を図るため、プロジェクトをSourceForge.netに登録した。国内外に導入事例が広がっている。