著者
澁谷 啓 川口 貴之 鳥居 宣之 木幡 行宏 石川 達也 齋藤 雅彦 中村 努 加藤 正司
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工を,補強土(テールアルメ)壁工法に適用し優れた効果を確認した.谷埋め盛土など背面側からの浸透水が懸念される箇所で有効に機能するものと思われる.排水機能が健全な状態では震度 6 強~7 強震動観測地区であっても被災を免れると考えられる.また,スラグおよびスラグ混合土を用いた土層の変位量が一般土を用いた場合より小さいこと,また,スラグ補強土壁の盛土造成時の締固め度 80~85%程度でも安全率が Fs=1.6 以上確保できた事実よりスラグ補強土壁が施工性に安全であると判断される.
著者
田村 毅 市村 彰英 加藤 吉和 岸田 泰子 久保 恭子 中村 正 田崎 知恵子 倉持 清美 及川 裕子 伊藤 良子
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

子育て家族の追跡調査から、子育て家族システムの特徴、特に里帰り出産、祖父母の役割について明らかにした。また、海外在住の子育ての課題について明らかにした。児童虐待が発生する家族システムの特徴とそれを支援する福祉システムの困難さと課題について明らかにした。ジェンダーの視点から男性が子どもを虐待するメカニズムを解明し、虐待関係にある家族への支援の方策として父親グループ活動のプログラムを開発した。
著者
加藤 薫
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

西欧中心に理論化されてきたモダン・アートに対抗する形で1920年代に提唱されたメキシコ壁画運動の実態を徹底検証することによって、西欧美術モダニズムとは脱アカデミズムという点では通底するものがあるにせよ、非西欧地域におけるモダニティーの概念やモダナイゼーション過程には各国、各地域毎の固有の形態や歴史があり、脱-西欧モダニズム的性格があることを明らかにした。
著者
北島 勉 野山 修 加藤 誠久 CHADBUNCHACHAI Witaya CHAIPAH Weerasak CHUAYNA Nonglak
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.377-386, 2001

発展途上国では,交通事故等による外傷が増加しており,救急搬送システムを構築することへの必要性が高まっている。本研究では,タイ王国の一地方都市であるKhon Kaen市(コンケン市)での救急搬送システム構築に関する先駆的な取り組みを分析し,タイ及び発展途上国における救急搬送システムのあり方を検討した。コンケン市では,コンケン病院が中心となり,コンケン大学病院,ボランティア団体,警察署,教育機関が連携をとりながら人材育成,通報手段の整備,搬送サービスの提供を行っていた。しかし,コンケン病院の救急隊とボランティア団体の救急隊との間には患者へのケアにおいて格差が認められた。様々な部門と協力しながら救急搬送システムを構築していくことは,多くの発展途上国にとって現実的な方法であるが,システムを更に発展させていくためには,研修や情報システムの整備等により,サービス提供者間のサービスの質の格差を是正する必要があると考える。
著者
加藤 内蔵進 松本 淳 武田 喬男 塚本 修
出版者
岡山大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

人工衛星のマイクロ波放射計データ(SSM/Iの19.35GHzと85.5GHz)に基づき,海上も含めた梅雨前線帯付近の広域降水量分布とその変動を評価するとともに,GNS雲データによる雲量や深い対流雲域の出現頻度,及び全球解析データによる水蒸気収支との関係について冷夏・大雨/猛暑・渇水(1993/1994)年の夏を中心に解析を行ない,次の点が明らかになった。1.1993年には,8月に入っても日本付近で梅雨前線帯に対応する降水域が持続したが,前線帯の位置の違いだけでなく,そこでの総降水量自体が1994年に比べて大変多く,それは,例えば5日雨量100ミリを越える「大雨域」の面積の違いを大きく反映したものである事が明らかになった。2.1993年の夏の多量の降水は,すぐ南の(〜28N)亜熱帯高気圧域からの大きな北向き水蒸気輸送により維持されていたが,日本の南の亜熱帯高気圧域内で〜28Nに近づくにつれて北向きの水蒸気輸送が急激に増大しており,単にグローバルな東アジア域への水蒸気輸送とは別に,亜熱帯高気圧自体の水輸送構造の違いが両年の降水分布の違いに密接に関連している事が明らかになった。3.7〜8月頃の梅雨前線停滞時には,1993年についても,5日雨量で見た広域の「大雨」には深い対流雲群の頻出が大きな寄与をなしていたが,台風が日本海まで北上した時には,大規模場の層状雲域である〜38N以北においても,その南側の対流雲域と同等な「広域の大雨」が見られるなど,冷夏年における梅雨前線と台風の水の再分配過程の興味深い違いが明らかになった。また,いくつかの興味深い事例について,個々の降水系のマルチスケール構造とライフサイクルについても検討を行った。
著者
加藤 敏洋 平田 富夫 斉藤 豊文 吉瀬 謙二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.1750-1757, 1995-12-25
被引用文献数
11

本論文では,サイズがN×Nの2値画像のユークリッド距離変換をO(N^2)時間で実行するアルゴリズムを与える.距離変換とは,入力として与えられた2値画像の各画素についてそこから最も近い0画素への距離を求める処理で,ディジタル画像処理における基本的な処理である.このアルゴリズムは,4近傍距離や8近傍距離などユークリッド距離以外の他の距離についてもアルゴリズム中の距離関数を置き換えるだけで距離変換が実行でき,その意味で一般的な距離変換アルゴリズムとなっている.また,p(1≦p≦N)台のプロセッサを用意すればO(N^2/p)時間の並列アルゴリズムが得られ,これまでの並列アルゴリズムより効率が良い.
著者
加藤 寧
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究グループでは、動画特有のトラヒックパターンの利用によって動画が視聴されているか否かを検知する技術を研究してきた。しかし、近年ストリーミング動画にも暗号化が施される場合がほとんどとなり、既存の技術では暗号化へのロバスト性が低く、新たな手法の考案が大きな課題であった。そこで本研究では、暗号化ストリーミングに対応できる新たな視聴検知技術を確立し、その性能と有効性を評価した。
著者
内田 九州男 竹川 郁雄 寺内 浩 山川 広司 加藤 好文 川岡 勉 加藤 国安 小嶋 博巳 河合 真澄 関 哲行 弘末 雅士 稲田 道彦 大稔 哲也 野崎 賢也 伊地知 紀子 松原 弘宣 西 耕生 田村 憲治 神楽岡 幼子 黒木 幹夫 菅谷 成子 若江 賢三 藤田 勝久 高橋 弘臣 吉田 正広 木下 卓 矢澤 知行 岡村 茂 石川 重雄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

シンポジウム・研究集会を3年開き31本の報告を実現、各発表は報告書に掲載した。巡礼の諸相の解明では、日本の四国遍路、熊野参詣、西国巡礼、海外では10巡礼地を調査し、キリスト教世界(古代東部地中海、中世ヨーロッパ、スペイン中近世、イギリス中世・現代)、古代ギリシア、アジア(中国中世、韓国現代、モンゴル中世、エジプト中世、ジャワ中世)の巡礼で実施。国際比較では、日本の巡礼とキリスト教巡礼での共通性は中近世では来世での霊的救済と現世利益の実現を願うことであることを示した。
著者
北村 直人 川崎 順治 加藤 恭子 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.7-12, 2003-09-18

人間は,1画素ごとには白黒の2値画像を見ても全体を眺めると,擬似濃淡画像として認識できる経験をしている.我々は今までに,外界・網膜・脳を通して階層的に行われ擬似濃淡画像として認識する視覚モデルとその等価近似法を構築し,各種変調画像の画質評価法を提案した.本論文の目的は,従来の等価近似法において,窓のサイズが変調方式によって異なる不便さを解決する.更に窓のサイズを見つけることが困難な変調方式の場合でも評価できるように,固定型等価近似法を提案することである.窓のサイズと最良近似項数を固定しパルス密度4分割法,組織的ディザ法,平均誤差最小法,単純2値化法,ランダムディザ法の主観的な優劣が近似度で評価でき,固定型等価近似法の有効性が示された.更に,固定型等価近似法による評価が視覚モデルによる方法や等価近似法と比較して,ほぼ同精度ではるかに短時間に高速計算ができることにより,画像や変調方式の数が増えても作業時間的により簡便な方法であることが明らかになった.
著者
加藤 浩 三輪 眞木子 近藤 智嗣
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、博物館学習における効果的な学習支援の学習支援モデルを構築し、その効果を検証することを目的とした。本研究では、提案する学習支援モデルとして、自立的な解釈の前提となる、展示のテーマ、見るポイント、作品間の関連性をあらかじめ学習させることによって、展示室での自立的な展示解釈を支援するCognitive Orientation of Museum(COM)モデルを構築した。その効果検証のため、千葉県立美術館の常設展「浅井忠とバルビゾン派」をテーマにし、COMモデルの教授過程にのっとったCOM教材を開発し、実際の美術館において美術鑑賞初心者を対象に効果検証実験を実施した。その結果、COM教材を利用すると、教材利用後は展示鑑賞の見るポイントが絞れ、さらに鑑賞体験を重視する傾向が生まれることが明らかになった。また教材利用後、鑑賞体験を行うと、展示室滞在時間が延び、独自の解釈が増え、鑑賞後は満足感が高まり、再来館への動機付けが高まることが分かった。COMモデルにのっとったCOM教材が事前学習に効果的なことが明らかになったので、次に館内支援と連動させる館内外における連携的学習支援システムを開発した。館内外における連携的学習支援システムは国文学研究資料館の特別展「源氏物語-千年の輝き-」をテーマにし、ウェブベースのCOM事前学習教材とPDAベースの館内ナビゲーション教材を開発した。その後、実際の資料館において国文学資料に詳しくない初心者を対象に効果検証実験を行った。COM教材と連動させる館内ナビゲーション教材は、事前のCOM教材で学習した内容の中で、利用者の興味に従いテーマを選択すると、解説する展示、紹介順、解説内容が変化する仕組みになっている。実験で本システムを利用してもらった結果、館内ナビゲーション教材は展示鑑賞中の行動に沿って開発しなければならないという課題が見つかった。
著者
加藤 忠史 垣内 千尋 林 朗子 笠原 和起 窪田 美恵 福家 聡 岩本 和也 高田 篤 石渡 みずほ 宮内 妙子 亀谷 瑞枝 磯野 蕗子 小森 敦子
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

XBP1を持たない神経細胞では、BDNFによるGABA神経細胞マーカーの発現増加が減弱していた。また、XBP1の標的遺伝子であるWFS1のノックアウトマウスは、情動関連行動の異常を示し、変異Polg1トランスジェニック(Tg)マウスと掛けあわせると、Tgマウスの表現型を悪化させた。Polg1マウス脳内で、局所的に変異mtDNAが蓄積している部位を同定した。
著者
東山 考一 梨本 篤 佐々木 壽英 赤井 貞彦 加藤 清 佐野 宗明 筒井 光広
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.771-778, 1991-03-01
被引用文献数
13

80歳以上を高齢者とし,高齢者胃癌症例66例と74歳以下の胃癌症例4,066例との間で種々の臨床病理学的事項について比較検討し,高齢者胃癌の持つ外科治療上の問題点を追求した.その結果:1)両者間の切除率および胃全摘率に差はなかったが,切除直死率は74歳以下群の0.8%と比べて5.3%と高齢者群で有意に高く(p<0.05),22.8%の術後合併症の発生をみた.2)組織学的に分化型が多く,リンパ節転移陽性率は高い傾向にあった.3)両者の治癒切除例における5年生存率は他病死を除くと74歳以下群74.8%,高齢者群66.2%であるが,他病死を含むとそれぞれ72.1%,51.9%となり高齢者群で他病死が多くみられた.4)術後合併症の発生に関する危険因子として術前の肺活量(%vc)が参考になると考えられた.以上よりquality of lifeを考慮し高齢者胃癌では全身状態に問題がなければ治癒切除を目ざし,不良なものは無理をしない合理的な手術が望ましいと考えられた.
著者
和氣 徳夫 小林 裕明 福嶋 恒太郎 加藤 聖子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

Ras/ERα/MDM2/p52/p21シグナロソームにはゲノム多様性が存在し対立遺伝子間発現量に差異があることを明らかにした。特にMDM2 p1プロモータ活性にはAEDが関与し、その機能に影響を与えていることが判明した。子宮体癌幹細胞で発現を更新する遺伝子を同定した。そのうち細胞表面で発現するものを標的に抗体を作成し幹細胞を同定するMACSシステムを構築した。
著者
牛込 三和子 笠井 秀子 松下 祥子 輪湖 史子 加藤 修一 川村 佐和子 長谷川 美津子 徳山 祥子 江澤 和江
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

〔目的・方法〕近年、医療保険制度の改訂など在宅療養支援体制の拡充により、在宅看護対象者に人工呼吸器装着や酸素療法などを必要とする高度の呼吸障害を有する人々が増加している。慢性・進行性の呼吸障害を有する神経・筋疾患在宅療養者における呼吸障害の進行を非侵襲的測定方法によって把握し、換気療法など適切な医療処置の導入やその安全な実胞における看護活動での使用の有用性について検討した。対象は進行性筋ジストロフィ13例(デュシャンヌ型10例、福山型3例)、筋萎縮性側索硬化症10例で、病状進行にそって、長期的に経過を追って資料を収集、神経難病専門看護婦、神経専門医と討論し考察した。〔結果・考察〕1.呼吸障害の早期把握には、進行性筋ジストロフィにおいては、呼吸障害出現前からバイタルサイン、自覚症状観察に加えて換気量計(レスピロメトリ)を用いた1回換気量(TV)および努力換気量(MAX VC)測定、呼吸障害兆候出現が予測される時期からはPCF(peak cough flow)による咳嗽力評価、経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)の夜間睡眠中終夜測定、経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。筋萎縮性側索硬化症においては、病初期から自覚症状の観察と換気量計によるTV、MAX VC、呼吸障害初期徴候出現時期から夜間睡眠中終夜の経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)および経皮血中二酸化炭素分圧の測定を定則的に行うことが有用である。在宅人工呼吸療法導入期看護プロトコールの基礎資料として提示した。2.人工換気補助療法実施者においては、さらなる呼吸障害の進行に伴う換気補助方法変更の判断指標として、経皮動脈血酸素飽和度および経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。3.在宅看護では、測定結果を解釈し、診療計画や看護計画に反映するうえで、ケアチーム各員の相互共働と時間的余裕を見込んだ活動が不可欠である。また、療養者のセルフマネジメント能力を高めることへの支援が重要であり、今後の課題として取り組んでいる。
著者
興戸 律子 村瀬 康一郎 加藤 直樹 益子 典文 松原 正也
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.240-241, 2005-08-20

平成16年度から国立大学は「国立大学法人」となり, 教育研究活動情報を整備し大学内外に対して発信することが求められるようになった. そのような情報の収集と管理のために, 今回教員の教育・研究における活動実績を蓄積管理するための情報システムを構築した. このシステムの特徴は, 教員自身が便利な道具箱として日常的にシステムを利用するメリットを感得でき, 複数人がデータベースの情報を共同利用するための「権限付与」, 「マイリスト」, 実績の入力を代理が行うための「代行入力」の処理機能が備わっていることである. この「権限付与」「代行入力」「マイリスト」機能は, 複数人がデータベースの情報を共有するために必須である機能と考えるものであり, 今回これらの機能について報告する.