著者
金水 敏 定延 利之 渋谷 勝己 山口 治彦 鄭 惠先 松井 智子 山口 治彦 定延 利之 鄭 惠先 勅使河原 三保子 渋谷 勝己 松井 智子 吉村 和真 岡崎 智子 菅 さやか
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

役割語とは、一定のキャラクタと対応関係を持つ話し方(語彙、語法、音声的特徴等)のヴァリエーションのことである。本研究では、1)役割語の理論的基盤、2)幼児の役割語獲得のプロセス、3)個別の役割語についての記述的研究と歴史的起源の探求、4)日本語と外国語との対照研究、5)教育への応用、という5つの問題について、検討してきた。その結果、社会的属性が役割語の中核となること、役割語の知識が5歳までに獲得されること等を明らかにした。
著者
高橋 博巳 安藤 隆穂 玉田 敦子 鷲見 洋一 伊東 貴之 川島 慶子 長尾 伸一 逸見 竜生 寺田 元一 渡辺 浩 堀田 誠三 渡辺 浩
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

当プロジェクトは、18世紀の公共知の東西比較を中心に、内外の研究者と共同研究を行ってきた。とくに朝鮮通信使を介しての日朝比較には、韓国の研究者と知見を共有し、当時の文芸共和国的な側面を解明することによって、これまで国ごとに分断されていた文学や思想の研究に新生面を開くことができた。これに比べると、清朝の文人や思想家とのより広範な知的交流の解明はなお道半ばと言わざるを得ず、より一層の深い解明が期待される。個別には伊東は『心身/身心と環境の哲学』、寺田・逸見らは『百科全書の時空 典拠・生成・時空』、長尾は『複数世界の思想史』において、従来の視点を大きく転換したり深化させて、新生面を開いている。
著者
石原 邦雄 松田 苑子 田渕 六郎 平尾 桂子 西野 理子 永井 暁子 稲葉 昭英
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、日本家族社会学会が5年ごとに実施し、ミクロデータを公開している全国家族調査(NFRJ)を基礎として、中国、韓国の有力な家族研究者たちとの協力関係のもとに、家族の国際比較研究を発展展開させようとする試みである。韓国については、韓国女性開発院が実施した全国規模の家族調査(KNSFS03)のミクロデータを活用し、適切なデータのない中国については、日本調査(NFRJ)との比較のための大規模調査を新規に実施することによって、東北アジアに隣接する3カ国の家族を、クロデータのレベルで比較分析する道を開いた。これは、家族研究において画期的なことと言って良い。そして、3カ国の分析チームが、個々人の研究成果の英文ペーパーを持ち寄って、2007年12月に国際研究集会を開き、さらにこれを彫琢して英文論文集の形で最終報告書をまとめた。内容としては、世代間関係、夫婦の役割関係や結婚満足度、家族生活とストレス、家族意識や家族形成パターン、子どもへの教育投資と階層化など、多岐にわたる家族の諸側面における3カ国での家族の異質性と共通性が浮き彫りにされた。しかし、国際間のデータ相互利用に関わる諸問題をクリアするのに時間を取られ、分析研究段階での時間不足となった面は否めず、個々の分析は、2カ国比較にとどまったものや、未だ初歩的な分析段階にとどまったものも散見される。幸い、基盤研究(C)での研究費補助が継続して得られることになったので、比較分析の幅と深さを一層推し進めた成果に結びつけていきたい。
著者
阪口 弘之 井上 勝志 沙加戸 弘 林 久美子
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、学界で懇望されている『古浄瑠璃年表』編纂にむけての総合的な基礎調査研究を目的としたもので、国内外に所蔵されている正本をはじめ、絵巻・奈良絵本・写本(奧浄瑠璃を含む)などの総合調査を通じて、多くの新出本文を発掘して、古浄瑠璃史の更新にむけての基礎資料の整備充実を果たした。また、これら新出資料の年代考証と併せ、初期段物集や当代諸日記等の記録類の調査整理をも重ね、総合的な古浄瑠璃年表作成にむけての研究作業環境を整え、今後へ引き継ぐべき研究基盤の強化を果たした。
著者
岡田 光弘 金子 洋之 峯島 宏次
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

計算論的・構成主義的算術の算術証明論を展開したHusserlの構成可能的多様体論、Wittgensteinの帰納的証明論などの構成的証明論を明らかにした。直観主義論理可能世界意味論を通じて、強制法の古典論理モデルの新しい確率論的・計算論的解釈を与え、情報セキュリティ分野への具体的応用を示した。証明論的正規化定理から線形論理、直観主義論理の意味論と証明論が構成されることを示した。これまで意味論的分析が主流となっていた図的論理分野において、証明論分析手法を発展させた。日常論理推論プロセスの構成的側面の理解のために、認知心理学的手法、行動遺伝学的手法、社会心理学的手法を導入して多くの新しい知を得た。
著者
小谷 一郎 古厩 忠夫 丸尾 常喜 丸山 昇 佐治 俊彦 尾崎 文昭 伊藤 虎丸
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.研究会の開催、研究者のネットワーク化私たちは研究計画に基づき、メンバー以外の研究者にも呼びかけながら研究会を組織、開催した。この研究会は平成11年度に4回、12年度に3回、13年度に3回、つごう10回開かれた。研究会には毎回メンバー以外の多くの研究者が参加され、その数は40名前後にも及ぶ。また在中国の研究者からも積極的な支援、協力を得ることができた。その結果、研究者の学際的ネットワーク作りが基本的に終了し、今後の研究発展に向けて大きな足掛かりを得ることが出来た。2.関係資料の発掘、収集、整理、データベース化 本研究の遂行、発展のためには 次資料の発掘、収集が不可欠である。私たちは研究計画に基づきメンバー以外の研究者の協力を得ながら資料の発掘、収集に当たった。その結果、これまで日本国内になかった1920年代から40年代の資料をマイクロフィルムなどのかたちで100点近く入手することが出来た。これらの資料は現在も分析、データベース化が進行中であるが、複製があり埼玉大学に集中してあるので、要請があればいつでも提供可能な状態にある。3.成果の公開私たちは研究会の開催以外に本研究の成果を論文等のかたちで公開してきた。その詳細は別記の通りである。また私たちは発掘、収集した資料のうちすでに,データベース化を終えた13種について、それを『1920-40年代中文稀観雑誌目録・第一集(附著者別索引)』のかたちで公刊した。このデータベース化は現在も進行中である。私たちは本研究の成果を基に今後も研究の発展に努めていく所存である。
著者
朝倉 敏夫 太田 心平 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹 韓 景旭 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東アジアのコリアン・ネットワークについて、既存の研究では明らかとなっていなかった、ないし否定されてきた3点が明らかとなった。越域性、多重性、主体性の3点である。この研究成果の主たる報告書、および現地還元活動として、『韓民族海外同胞の現住所―当事者と日本の研究者の声』(學研文化社、2012)を、韓国語にて出版した。
著者
菅原 和孝 木村 大治 舟橋 美保 細馬 宏通 大村 敬一 岩谷 洋史 亀井 伸孝 岩谷 彩子 坊農 真弓 古山 宣洋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、身ぶりと手話を微視的に分析し、対面相互行為の構造を身体性の基盤から照射した。また、通文化的な視野から、映像人類学、コミュニケーション科学、生態心理学の思考を交叉させ、マルティ-モーダルな民族誌記述の土台を作った。とくに、アフリカ狩猟採集民サン、カナダ・イヌイト、インドの憑依儀礼と舞踊、日本の伝統的な祭礼、日本酒の醸造、ろう者コミュニティ、数学者の討議といった多様な文脈における発話と動作の連関を解明し、記憶の身体化を明らかにした。さらに、過去の出来事が語られるプロセスを、表情をおびた身ぶりとして了解することにより、表象と知覚の二項対立を乗り超える理論枠を提示した。
著者
山地 久美子 室崎 益輝 陳 來幸 近藤 民代 相川 康子 松岡 悦子 田間 泰子 山中 茂樹 磯辺 康子 小針 進 小林 郁雄 長 志珠絵 アンベッケン エルスマリー 金 千秋 垂水 英司 津久井 進 野呂 雅之 林 勲男 山崎 栄一 白 〓浩 韓 栄恵 陳 亮全 邵 珮君 LAURIE Johnson
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は日本、韓国、台湾、米国の自然災害被災地(阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、江原道、ソウル市、台中市、高雄市、台北市、ニューオーリンズ市、サンフランシスコ市等)において主に被災者と支援者、行政、メディアを対象としたインタビュー及び資料収集調査を実施し、災害復興・防災体制におけるジェンダー課題を国際比較調査から明らかにした。さらに、研究成果を基に東日本大震災直後から政策提言・意見書を提出し、法制度・政策の改善につなげた。調査概要はジェンダーと災害復興ホームページ(http://genderdisaster.net/)において確認できる。
著者
山根 拓 中西 僚太郎 岡島 建 河野 敬一 川崎 俊郎 天野 宏司 品田 光春
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

明治期から戦前期までの近代期のわが国における公権力が, どのように国土空間を認識していたのかという問題について, 研究代表者・分担者が各々の視角・アプローチから考察した。「公権力」の範疇には, 大久保利通や黒田清隆のような公権力者個人, 帝国議会や官僚集団のような権力的集合体, 地方権力者等, 多様なものが含まれる。それぞれが国土空間の各場所をいかに把捉し, 現実の政策にいかに関与したかが, 各時代に関して解明された。
著者
樋笠 勝士 荻野 弘之 佐藤 直子 長町 裕司 O'LEARY Joseph 川村 信三 児嶋 由枝 竹内 修一 HOLLERICH Jean-c 村井 則夫
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、平成18年度から21年度にわたる4年間の研究計画により、西洋中世における「美」の概念を、とくに新プラトン主義の受容と変容という課題に絞って、歴史研究を行うものである。本研究の独創性は「美」の概念について、古代末期思想家プロティノスに始まる新プラトン主義美学思想が、西洋中世キリスト教思想にどのような影響を与えたのかを解明する点にある。その思想の影響系列は、「美」を「光」と関係づけるキリスト教の伝統的な形而上学思想の原型をつくりだし、また典礼芸術等の芸術現象に展開する文化的基礎となる概念形成にも展開している。さらに中世の神学思想における超越概念にも影響を与える基本思想にもなっていることから、美学研究のみならず西洋中世思想研究の基礎研究にとって、本研究課題は思想史研究上の大きな意義を有するものとなる。
著者
小峰 隆夫 岡本 義行 黒田 英一 武藤 博己 申 龍徹 諏訪 康雄 岡田 恵子 田町 典子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

人口オーナスは現に進行しつつあり、大都市の一部においては今後一時的に改善するものの、再び悪化が見込まれる。人口オーナスは、生産年齢人口比率の低下によって生産を抑制し、税収も減少させる一方、社会保障給付の拡大をもたらす。不況による保険料収入の低迷もあって財政への負担は一層高まっており、地方の負担割合は上昇しつつある。また、高齢者割合の上昇と高齢者の高い投票率とによって、高齢者優先の政治的意思決定を前倒しで実現してしまう可能性が高い。
著者
岸田 孝弥 武井 昭 大島 登志彦 久宗 周二
出版者
高崎経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

企業の意思決定過程における組織エラー防止のための組織人間工学的研究として、以下のような研究に取り組んだ。(1)雪印乳業(株)大阪工場における低脂肪乳による食中毒事件、(2)三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故及びトラックハウジング破損事故に関わる情報操作、(3)明石市花火大会歩道橋事故、(4)日本フード食肉偽装事件と日本ハムグループの組織改革及び食品安全委員会の組織心理学的研究、(5)京福電鉄過去30年の事故分析、(6)JR西日本救急隊員列車接触事故、(7)韓国大邱市の地下鉄「中央路」駅車両火災事故、(9)美浜原発高温蒸気噴出死傷事故、(9)新宿歌舞伎町雑居ビル火災と経営者の役割等である。雪印乳業低脂肪乳食中毒事故では、昭和30年に起きた北海道八雲工場の製品による食中毒事故を、企業風土の中に生かしきれなかったケースである。このことは雪印乳業で育まれた安全文化が継承されなかったことが原因と考えられる。三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故の例では、企業風土に基づく組織事故であり、組織文化的接近が必要である。三菱自動車では、自分より職位が上の者に対して意見を言うことの困難さが感じられた。社内の階層権威の勾配が大きかったことが原因の一つとして示唆されていた。明石市の歩道橋事故では、主催者、警備会社、警察の三者が花火大会の警備について、一つの方向性を見出すことなくバラバラに取り組んでおり、組織としての対応がなかった点に組織事故としての要素が大きい。この3事例を始めとして、3年間に取り組んだ全ての事件・事故で企業の意思決定過程における組織エラーが認められ、企業の安全文化の確立が必要であることが示唆された。そのための解決策として参加型人間工学の導入が強く望まれる。今後は企業倫理を確立し、企業の行動基準を従業員に示し、従業員が安心して企業活動に取り組めるような、コンプライアンスに基づく活動が企業に定着することが望まれる。
著者
鈴木 昌和 池田 秀人 飯高 茂 玉利 文和 大友 正英 菅沼 明
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1.本研究では、数式を含む日本語のLaTeX文書の自動点訳システムの構築した。(1)Extraによる日本語のひらがな変換と分かち書き処理(2)平仮名化されたLaTeX文書の点字への変換と、点字文書としてのレイアウト整形(3)点訳結果の校正(ビューアとエディタ)これらの作業を統合された環境で行えるWindows95上のアプリケーションとして構築した。更に、約7000語の数学用語の点字による読みと分かち書きの位置及び品詞コードを記した辞書を作成した。これにより、2.の処理が数学の専門書に対しても高精度で行えるよになった。2.自動点訳における数式入力の負担を軽減する為に、数式を含む文書の光学読取りシステムの研究を行った。Texで印刷した文書については非常に高い精度認識が出来ることを実験で示した。但し、現時点では行列には対応できていない。3.Texのバ-ジョンによる差や複雑なユーザーマクロによる記述などの根本的解決の為、Texが出力するDviファイルから標準的なTexコマンドのみを用いたTEX形式のソースファイルを再構成する研究を行った。章節や定理、箇条書きなどの構造への対応も可能なアルゴリズムを求めた。数式記述部分については上記2.の数式認識アルゴリズムを適用して、非常に高い精度で再現が可能であること確認した。
著者
平川 眞規子 福田 倫子 成田 奈緒子 岡本 能里子 平川 八尋 マシューズ ジョン 細井 洋伸 スネイプ ニール
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は第二言語(L2)の習得が及ぼす第一言語(L1)への影響、L1の喪失、L2の習得や喪失に関わる要因を明らかにし、学習者の言語発達を促進する教育へ応用することを目的とした。主な成果は3点ある。1)日本在住の外国籍の子どものL1の喪失に関しては、認知能力において伸びた生徒と減少した生徒がいた。L2の言語能力は概ね中国語話者の伸びが高く、タガログ語話者には個人差があった。2)英語圏からの帰国児童・生徒の音声や文法については、L2の喪失は観察されなかった。3)日英語の音声や文法の習得に及ぼすL1の影響については、日本人とスペイン人の英語学習者、米国人と中国人の日本語学習者に母語の影響が見られた。
著者
中野 聡 吉田 裕 宮地 尚子 林 博史 永井 均 笠原 十九司 ハーバート ビックス リカルド ホセ リディア ホセ ヤン ダーチン フロレンティーノ ロダオ マイケル サルマン アウグスト エスピリトゥ 戸谷 由麻 ロリ ワット 寺見 元恵 荒沢 千賀子
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第2次世界大戦末期の「マニラ戦(1945年2月3日. 3月3日)」の実像と記憶を学際的・総合的に検討し、さらにその研究成果を国際研究集会などにより公開・社会還元することにより、日・比・米など関係諸国間で戦争の過去をめぐり「より質の高い対話と和解」を可能にする学術基盤の整備を推進した。
著者
石井 規衛 横手 慎二 富田 武 和田 春樹 劉 孝鐘 水野 直樹 ADIBEKOU Gra
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は、モスクワのロシア国立社会政治史文書館(旧ソ連共童党文書館)に所蔵されており、あらたに閲覧が可能となったソ連共産党攻治局の日本関係文書とコミンテルンの日本共産党文書を網羅的に調査し、あわせて朝鮮共産党文書についての予備的調査をおこなうことである。現地の研究分担者に第一次目録を作成してもらい、2年間に4回、のぺ8人、私費で2回、のべ3人が現地調査をおこなった。コミンテルン文書については、日本共産党文書(617ファイル)、日本委員会文書(9ファイル)、クーシネン書記局文書(100ファイル)、片山潜文書(96ファイル)の閲覧を終え、コミンテルン書記局文書、東洋委員会文書などを必要に応じて点検した。以上の検討結果、コミンテルンの日本関係文書については検討を完成し、必要な資料のコピーを入手した。朝鮮共産党にかんしては、朝鮮共産党文書(247ファイル)を閲覧したが、資料の入手は一部にとどまった。攻治局の日本関係文書については、金期間の検討を終了し、必要な資料のコピーを入手した。これらの獲得した資料から最重要の資料を選択し、「資科目録 コミンテルンと日本共産党 1917-1941」を作成し、それに研究論文「コミンテルンと日本共産党」を作成し、合わせて資料註を用意して、『資料集 コミンテルンと日本』を準備した。資料を翻訳の上、出版する予定である。政治局の日本関係文書については、ロシア語で『解説目録ソ連共産党攻治局議事録における日本 1921-1941』を完成した。12月にはロシア側の研究分担者G.アジベーコフ氏を日本に招き、作業の調整をおなうとともに、わが国の専門家を招いた、成果の発表をおこなった。
著者
森 善宣 金 東吉 朴 鍾哲
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

北京大学朝鮮半島研究センターとの共同研究の結果、中ロ東欧諸国に所蔵された朝鮮民主主義人民共和国との外交電文や情勢報告書など1948年から冷戦終焉までの北朝鮮関連資料を膨大に入手した。この資料を8つの資料群に整理、編集し、北京大学翻訳家協会で邦訳して『北朝鮮関連重要資料集』全3巻に編纂して出版する。この資料集に掲載する資料群をテーマ別に示すと、次のとおり。第1巻(53~58年):朝鮮労働党内の粛清過程+朝鮮戦争後の経済復興、第2巻(56~59年):第1次5ヵ年経済計画+8月宗派事件・中国人民志願軍撤収・在日朝鮮人帰還事業、第3巻(59~61年):核開発開始の経緯+4.19政変と北朝鮮の対応。
著者
家入 正治 高橋 仁 皆川 道文 澤田 真也 成木 恵 佐藤 皓 三輪 浩司 黒澤 真城
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

原子核・素粒子反応実験において、毎秒10^7までの画像事象を選別し処理可能な『超高速イメージ撮像管』の開発を行った。蛍光体の残光に頼らず、撮像管内部の電子の移動を制御する事により、画像保持すなわち"イメージ遅延機能"を有する。試験機は完成し、基本性能試験を行った。
著者
平川 幸子 山崎 博敏 林原 慎 永田 成文 永田 成文
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この研究は、カンボジアの小学校で多くの児童が中退していることから、退学の原因を明らかにするために行われた。客観的要因を得るため、事前にデータを取り、その後退学したかを追跡する生存分析を用いた。3つの省の30の学校を調査対象とすることで、学校の要因が退学に影響を及ぼしているかを明らかにした。結果は、小学校1年生から4年生のコーホートでは学校要因がみられなかったが、4年生から7年生では学校要因が7%を占めた。教員の欠勤が有意な要因であった。児童のレベルでは、両コーホートで、学級内の成績が低く留年する児童が退学する率が高かった。貧困や労働時間は、退学に有意な影響を及ぼしていなかった。