著者
森山 一郎 大山 勝 昇 卓夫
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.9-14, 1992 (Released:2012-09-24)
参考文献数
14

癌温熱療法とは, 41℃以上に腫瘍の温度を上げ, 悪性細胞に何らかの影響を及ぼし有用な効果を期待する新しい治療法であり, その加温法により全身温熱療法と局所温熱療法とがある。耳鼻咽喉科領域の腫瘍の特徴は, 解剖学的に骨, 腔洞, 筋, 軟部組織などの複雑な構造の中に発生し, 比較的表在性, 孤立性であることが多い。そのため癌温熱療法としては, 局所温熱療法, 特に組織内刺入型の温熱療法が容易に利屠され得る。組織内刺入型癌温熱療法の加温の方法としては, 安定した熱供給の得られる接触型Nd: YAGレーザーが最も適している。すでに, われわれはNd: YAGレーザーを用いたレーザーハイパーサミアすなわちレーザーサーミアの実験的ならびに臨床的研究を試みて来た1) 2) 3) 4) 5)。その結果, 抗癌剤や放射線療法などとの併用で特に優れた効果が得られたので, その手法と成績を報告する。
著者
森川 輝一 福島 清紀 奥田 太郎 佐藤 啓介 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智道 福野 光輝 近藤 智彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究課題について、各メンバーが様々な分野の学会で研究発表を行なったほか、仏教学、社会心理学、古代ギリシア思想の研究者を研究協力者として招き、意見交換を実施した。また、それぞれのメンバーが研究課題についての論文や著書を刊行した。代表的なものとして、宮野真生子『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、2014年)、森川輝一他『政治概念の歴史的展開・第八巻』(晃洋書房、2015年)が挙げられる。
著者
森谷 優貴 渥美 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.348, pp.37-42, 2002-09-23
被引用文献数
1

空港や人気ショップ等,多くのユーザが利用する無線LANホットスポットでは,ユーザ収容数を向上させるため,複数の無線LANアクセスポイント(AP)を設置する必要がある.そのような環境において,マルチキャストを利用した映像配信等のサービスを行う際,同一マルチキャストグループの受信者が異なるAPに接続すると,複数のAPから同一データが送信され,必要のない帯域が消費されてしまうという問題が発生する.この問題を解決するため,本研究では,ホットスポット管理ルータが受信者の接続先APを制御することにより,同一マルチキャストグループの受信者の接続先APを同一APとするマルチキャスト受信者集約方式を提案し,実装実験により有効性を検証した.
著者
山本 敦 小早川 倫広 星 守 大森 匡
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG14(TOD35), pp.82-90, 2007-09-15

本論文は,問合せ画像と構図(領域の構成)が似ている画像を検索するための新しい類似度を提案する.提案する類似度は集合間の類似度として知られているJaccard係数を基礎として考案した.提案する類似度の検索性能を評価するために1 000枚の領域分割画像を用いて検索実験を行った.検索性能の評価指標には,再現率とすべての正解画像を検索するために必要な検索枚数を正解画像数で割った値(完全検索倍率)を用いた.検索実験の結果によって,提案する類似度が領域分割に基づく検索に有効であることを示した.また,35 155枚の自然画像に対して検索実験を行った.その結果,提案する類似度によって構図が似ている画像を検索できた.
著者
高橋 英孝 笹森 典雄 吉田 勝美 近藤 健文
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-49, 1993-10-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
21

人間ドックを受診したL806名(男1,502名,女304名)に生体インピーダンス法による体脂肪率の測定を実施し,体格指数と体脂肪率の組合せによる肥満評価法の検討を行った。体格指数および検査正常者(男133名,女45名)における体脂肪率の平均値と標準偏差は,男18.9±4.7%,女23.2±3.4%であった。体格指数正常かつ体脂肪率が男15~23%,女20~27%を標準値とし,体格指数が正常でも体脂肪率の増加がみられる者は,早期肥満として生活指導の対象になると考えられた。
著者
高橋 純 高坂 貴宏 前田 喜和 森谷 和浩 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.317-327, 2014

韓国の公立小学校の1人1台の情報端末の導入初期段階において,1名の教員の3時間分の算数科の授業を対象に,活用されたICTの種類や時間,授業過程や授業形態の特徴の検討を行った.その結果,1)教員は,93%の授業時間でICTを活用しており,最も活用時間の長いハードウェアは大型提示装置であり,ソフトウェアは授業支援システム(81%)であった.2)教員が授業支援システムで最も活用した機能は,ペン描画と児童のデジタルノート一覧と提示であり,限られた機能が多用されていた.3)児童は,57%の授業時間でタブレットPCのみを活用しており,最も活用時間の長いソフトウェアは授業支援システム(90%)であった.4)授業過程は,導入,展開,まとめといった我が国でも典型的にみられるものであった.展開では2〜4回の課題解決学習が繰り返し行われていた.5)授業形態では,一斉指導が最も長く(58%),次いで個別学習(29%)であった.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
小磯 健吾 森 威久 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.109-126, 2000-02-15
被引用文献数
2

本論文では仮想空間メディアというものを情報探索のための媒体として提案し,この概念を実現するのに必要なアルゴリズム等について述べる.仮想空間メディアとは実空間の特徴を継承し,仮想空間ならではの特徴も併せ持った情報探索を支援するための媒体として位置付けている.我々は検索目的が曖昧なユーザの情報探索支援を行うために,実データのブラウジング,複数サンプル選択による質問の自動形成,並びに試行錯誤型の質問形成を仮想空間を効果的に用いることによって行うことを提案する.仮想空間メディアを用いた情報探索では,ユーザは検索対象のオブジェクト自身をブラウジングでき,サンプルを複数選択することによって質問を自動的につくることができる.興味の揺らぎを想定した論理和型質問が選択されたサンプルに基づいてつくられるため,ユーザは意識せずにブラウジングを続けることができる.検索結果は内容に基づき分類され動的に自動生成される仮想空間内に空間的に呈示されるため,ユーザはそれらのオブジェクトをブラウジングして再びサンプル選択することにより,質問を段階的に洗練することができる.仮想空間内にオブジェクトを空間配置し,効果的にブラウジングするために,オブジェクトを表示すると同時にその属性情報も呈示している.ユーザはオブジェクトを観察する際,周囲のものと比較しながら見ているものと考えられるが,ウォークスルーによって変わる視野内のオブジェクトに応じて動的な属性情報呈示を行うための制御アルゴリズムも考案している.アルゴリズムの検証のため,プロトタイプの実装についても触れることにする.In this paper, we propose Virtual-Space Media as media for supporting information retrieval and discuss several algorithms necessary for their realization. We think of Virtual-Space Media as media inheriting some of the characteristics of real space and making use of dynamic nature of virtual space at the same time. In order to help users who do not know how to formulate queries to find the information they need, we propose a method of information retrieval based on browsing of actual data, query formulation by multiple sample selection, and try-and-error type incremental query refinement making effective use of virtual spaces. Using Virtual-Space Media, users can spatially browse the data and automatically formulate queries by multiple sample selection. Our algorithm for determining disjunctive queries enables the users to keep on browsing and selection samples without caring about the changes in their interests. Query results are calssifind and spatially presented to the users in dynamically generated virtual spaces so they can browse them and make sample selections again in order to refine their queries. We present the attribute information of objects as well as the objects themselves so the users can browse and obtain information more effectively. When one watches an object, one compares it with other objects visible in one's view. We also propose an algorithm for controlling the presentation of attribute information such that users can see the differences among the objets which come to their view. Therefore the information the users see changes as they walk through the virtual space viewing different objects. We also describe some of our implementations in order to evaluate our algorithm.
著者
宗森 純 五郎丸 秀樹 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1350-1358, 1995-06-15
被引用文献数
20

本論文では、3台もしくは4台の計算機上で発想支援グノレープウェア郡元を用いて分散協調型KJ法を同]室内と分散した環境(同一階の異なる部屋および異なる階)で行い、意見の数、所要時間、文章の文字数、雑談の数などをパラメータとし、分散した環境が発想支援グループウェアの実施に及ぽす影響を検討した。分散協調型KJ法は複数の計算機上で意見をだし、似ている意見をまとめ、そこから結論を得る発想法の一つである。郡元はテキストベースの雑談機能(チャット)で参加者間のコミュニケーションをとることに特徴がある。実験の結果、異なる階にまたがって分散携調型KJ法を実施すると雑談の数のみが他の場合と比較して増加し、分散した環境(同一階および異なる階)では同一室内と比較すると相手に返事を求める雑談の割合が増加することがわかった。しかし、同一室内でも分敵した環境でも意見の数や文章の文字数、所要時剛こ大差はなかったため、空間的に分散した環境でもテキストベースでコミュニケーションが十分とれることがわかった。
著者
森谷 公俊
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1094-1114, 1209-1208, 1995-06-20

The Thessalian Confederacy played an important role in the course of the conquest of Greece by Philip II. The purpose of this paper is to investigate the relation between the Third Sacred War and Philip's invasion in the context of Thessalian history. At the time of the outbreak of the Sacred War in 356 B.C., we find no conflict within the Thessalians, but the next year, tyranny was revived in Pherai and set to recover the rule of Thessaly, in alliance with Phocis, who had occupied Delphi and provoked the Sacred War. In oppositon to them, the Thessalians urged Philip to support them, which forced him to concern himself directly with the Sacred War. In 354 B.C., the allied forces of Phocis and Pherai defeated the Thessalians and the Macedonians, and gained superiority in Thessaly. Then, at least three polis stood for Pherai. In 353 B.C., Philip marched south again. In the Crocus Plain, the Macedonian and the Thessalian army enjoyed a great victory over the Phocians and the Pheraians. Philip banished the tyrants from Pherai and recovered the unification of the Thessalian Confederacy. During the same year, the Thessalians appointed Philip as archon of the Confederacy for life. It was the Aleuadai, the great aristocrats of Larissa, who proposed this appointment. They had had friendly relations with the Macedonian royal house since the fifth century, but it was unprecedented for a Greek state to entrust their supreme power to a foreign king. Why did this occur ? In the first place, the Aleuadai aimed at exterminating the Pheraian tyranny and unifying Thessaly under their hegemony. Because they have not been able to control the Pheraian tyranny by themselves since c.400 B.C., they decided to rely on Philip, even if it meant that they had to be content with the position of an ally subordinate to Philip. Secondly, the offensive of Pherai and Phocis in 354 B.C. was so critical to the unification of Thessaly that the Thessalians welcomed Philip as a liberator of the confederacy. Thirdly, there was a profound suspicion among the Thessalian cities. The Aleuadai chose to give the office of archon to Philip, who was a reliable ally rather than to share it with the other cities. Finally, Philip was not a mere foreigner to the Aleuadai, because they and the Macedonian royal house alleged that the Heracleidai were their common ancestors. On the other hand, Thessaly was extremely valuable to Philip both in securing the south frontier of his kingdom and in its abundant resources. Now Philip 'legitimately' gained it. In the end, the complicated situation of Thessalian politics, connected with the course of the Third Sacred War, opened the way to Philip' invasion of the south.
著者
今泉 光雅 大森 孝一
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.209-212, 2015 (Released:2015-08-31)
参考文献数
11

外傷や炎症,術後に形成される声帯瘢痕は治療困難な疾患である.その治療は,動物実験や臨床応用を含めて,ステロイド薬や成長因子の注入,種々の細胞や物質の移植などにより試みられているが,現在まで決定的な治療法がないのが実情である.2006年,山中らによってマウス人工多能性幹細胞(iPS細胞)が報告された.2007年,山中らとウイスコンシン大学のDr. James Thomsonらは同時にヒトiPS細胞を報告した.iPS細胞は多分化能を有し,かつ自己由来の細胞を利用できるため声帯組織再生の細胞ソースの一つになりうると考えられる.本稿では,幹細胞を用いた声帯の組織再生について述べるとともに,ヒトiPS細胞を,in vitroにおいて声帯の上皮細胞に分化誘導し,声帯上皮組織再生を行った研究を紹介する.
著者
森 一美
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.50, no.13, pp.2259-2260, 1964-11-01

A rate equation has been derived for the gaseous reduction of iron ore pellets on the assumption that both chemical reaction and diffusion contribute to the overall reduction rate. It was assumed that there is no resistance of diffusion through the boundary layer outside the pellet and chemical reaction takes place only at the interface between reduced and unreduced layers. Under these conditions the rate equation is given as follows : (1/k)[1-(1-R)^<1/3>]+(r_o/D)[1/2-R/3-(1-R)^<2/3>/2]=(C_o-C_e)t/r_od_o where R : fractional reduction k : chemical reaction rate constant t : time D : effective diffusion coefficient r_o : radius of pellet C_o : gas concenration in the bulk gas phase d_o : density of pellet C_e : equilibrium gas concentration The two terms on the left side of the equation show the relative contribution by chemical reaction and by diffusion of the reducing gas through the reduced metal layer. It was found that the equation agrees with experimental data except towards the completion of reduction. Equation for the reduction controlled either by chemical reaction or by diffusion could be derived as the limitimg cases of the above-mentioned equation.
著者
山本 隆 大村 博 森屋 泰夫 鈴木 信吉 押部 義宏 杉浦 基之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1992, no.11, pp.1269-1278, 1992
被引用文献数
4

新しいタイプの有機過酸化物を用いてラジカル反応による,ブロック,グラフトコポリマーの新しい工業的製法を開発した。<BR>ブロックコポリマーの合成には,分子中に数個のO-O結合を持つポリ過酸化物を使用する。すなわち,ポリ過酸化物で第一モノマーを重合させて,分子中にO-O結合を持つPM,を合成し,このもので第ニモノマーを重合させてPM<SUB>1</SUB>-b-PM<SUB>2</SUB>が得られる。グラフトコポリマーの合成には,O-O結合を分子中に持つモノマーと第一モノマーを,このO-O結合の分解温度以下の温度で共重合させて,O-O結合をペソダントに持つPM1を合成し,このペソダソトO-Oに第ニモノマーを付加重合させてPM<SUB>r</SUB><SUB>9</SUB>-PM<SUB>2</SUB>を合成した。酢酸ビニルとスチレンを同量もちいた場合の生成ポリマーはそれぞれ,PVAc-b-PS,84%,PVAc,6,PS10およびPVAc-9-PS,59,PVAc17,PS,24であった。また,O-O結合をペンダントに持つポリマーとポリオレフィンを加熱混練して,(ポリオレフィン)-g-(ビニルポリ0マー)を合成した。ポリプロピレンにポリスチレン(713wt)をグラフトさせた場合のグラフト効率は59%であった。<BR>得られた種々のブロック,グラフトコポリマーは,すぐれたポリマー表面改質剤,物性改良剤,相溶化剤としての機能を示した。
著者
山森 光陽 萩原 康仁
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.555-568, 2016
被引用文献数
3

クラスサイズパズルと呼ばれる, 学級規模が児童生徒に及ぼす影響を検討する研究群で一貫した結果が得られない現象が見られる背景には, 学級規模と学級規模以外の要因との交互作用の存在が考えられる。学級編制基準は学級規模のみならず, 学年学級数の多少も決定するため, 本研究では学級規模の大小, 学年学級数の多少及びこれらの組合せによって過去の学力と後続の学力との関係に違いが見られるかを検討した。そのために, 小学校第4, 6学年4月に実施された国語の学力調査得点についての67校分の2時点のパネルデータに, 対象児童が第4, 5学年時に在籍した学年の学級数及び学級の児童数を組合せ, 階層的線型モデルを適用した分析を行った。この結果, 過去の学力調査得点が低かった児童について見れば, 学級数の多い学年で小規模な学級に在籍した児童の方が, 学級数の少ない学年で小規模な学級に在籍した児童と比べて後続の学力が高いといった学力の底上げが見られた。この背景について, 学級規模と学年学級数によって異なる学級の質, 学年学級数によって異なる教師同士の協同による教材研究等の頻度の点から考察した。
著者
宗森 純 木村 鷹 伊藤 淳子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.176-188, 2017-01-15

温度知覚インタフェース「サーモアクター」を持ち表情アイコンを使用する感情伝達システム「Ther:com」を提案する.本システムは対戦ゲーム場面における利用者間の感情表現を豊かに伝えることをめざし,通信相手に対して「温度刺激」と「表情アイコン」を伝達することができる.また,参加者が同時に表情アイコンを送信したときに発生する共鳴に特徴がある.Ther:comの評価を検証するため温度刺激がある場合とない場合で比較実験を実施した.実験にはパズルゲームの一種の「ぷよぷよ」を使用して感情や存在感の伝達,ゲームの臨場感や面白さに関して検討を行った.実験の結果,温度刺激を付加したことにより以下のことが分かった.(1)温度刺激のある嬉しさの強い感情を示すアイコンが有意差が出るほど多く伝達された.(2)「相手の存在を身近に感じた」「表情アイコンは感情共有に役立った」「共鳴機能は感情共有に役立った」の評価が有意差が出るほど向上した.(3)面白さに関する「盛り上がり」と「またやってみたい」の評価が有意差が出るほど向上した.