著者
倉井 庸維
出版者
東京都立大泉高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

○研究目的:生徒自ら問題設定と解決をし、それらをレポートとして作成し発表する(課題学習)授業を約1年間行うことによって、受講した生徒の数学に対する見方や数学に取り組む姿勢(数学観)の変容を調べる。○研究方法:4,9,1月に実施された自由記述のアンケート、提出された4回のレポートならびに発表の様子を全体の生徒の様子と1生徒Kを中心に着目して、時系列に分析していく。○実践の方法:授業は、高校3年の生徒を対象に問題演習形式で行う。生徒は、1学期2回、2学期2回、授業で扱った問題を源問題として問題設定し、その解法をレポートにし、教師に提出するとともに、そのレポートの内容を授業のクラスで他の生徒の前で発表する。○実践の結果(1)4月のアンケート結果から、受講理由を「受験科目であること」とする生徒が最も多くみられ、生徒Kの受講理由も同様であった。(2)6月の第1回目のレポートの発表では、ほとんどの生徒が自分の問題解法を黒板に書き写すのみであったため、指導をした。事前にプレゼンテーションの仕方を指導する必要があった。(3)9月のアンケート結果から、本授業を好意的に受け止めている生徒が最も多くみられた。授業に対する要望として、生徒Kから生徒同士で問題解決のための話し合いの時間の確保が出された。(4)1月のアンケート結果から、授業に対して最初はとまどったものの探究的活動あるいは創造的活動に従事し、良い経験をしたとする肯定的記述が見られた。○結論(1)生徒は、実際に問題設定を行うことにより深い理解や発展的な考察を行うことができた。(2)課題学習を行ったことによって創造的探究的な学習に従事し、数学に対する見方が変容した生徒がいた。○今後の課題生徒間の話し合いを活性化させるための方法の検討、授業者のスタンスの取り方、生徒によって設定された問題とその解法それぞれに対する評価の観点を作成することである。
著者
大場 正昭 倉渕 隆 飯野 秋成 後藤 伴延 飯野 由香利
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、ウインド・クオリティに基づいて適度な室内温熱環境を形成実現するために、平成18年度と19年度に風洞実験、実測及びマクロモデル解析を行い、以下の研究成果を得た。1.通風局所相似モデルと換気マクロモデルの連成プログラムの開発:換気回路網計算の換気マクロモデルにおいて、流入開口及び流出開口に通風局所相似モデルを適用した連成プログラムを開発した。流量係数を一定としたオリフィスモデルに比べて通風量の予測精度が向上した。2.自然通風の気流特性の解析:通風は不規則に変動し風速も比較的速く、0.1Hz以下の低周波成分や低波数の割合が多い気流であった。一方、空調風は通風と比較して規則的で低風速であり、0.1Hz以上の周波数領域におけるパワースペクトルの割合が多いことから比較的小さい渦が多い気流である。風向が変動すると、規則性が顕著になりエアコンのスイングの周期に相当する0.01〜0.1Hzの周波数領域のパワースペクトルの割合が卓越して多くなった。3.通風時の温熱環境評価の特性:風速0.5m/s未満の通風時における温冷感や快適感は、空調時よりやや暑い側や不快側に評価され、気流感も空調時より感じない側の評価になっており、空調時の乾湿感には多少乾燥側の評価が見られた。風速0.5m/s以上の通風時では空調時よりも快適側に評価された。4.熱赤外動画像処理による通風時の人体表面熱収支の可視化:通風環境下および空調環境下におけるサーマルマネキンと被験者の部位別の表面温度変動の特徴を熱赤外動画像解析により示した。特に赤外線放射カメラによる30Hz熱赤外動画像と超音波風速計による20Hzの気流変動との関係を解析する方法を提示した。
著者
脇田 修 田中 清美 趙 哲済 南 秀雄 平田 洋司 市川 創 小倉 徹也 高橋 工 杉本 厚典 京嶋 覚 積山 洋 松本 百合子 黒田 慶一 寺井 誠 松尾 信裕 大澤 研一 豆谷 浩之 村元 健一 古市 晃 佐藤 隆 松田 順一郎 辻本 裕也 嶋谷 和彦
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

大阪上町台地とその周辺を対象に、古環境復元と関連させ、誕生・成長・再生をくりかえす大阪の、各時代の都市形成と都市計画の実態を探求した。古環境復元では、膨大な発掘資料・文献史料などを地理情報システムに取りこんで活用し、従来にない実証的な古地理図などを作成した。その結果、自然環境が、都市計画やインフラの整備と強い関連があること、難波京をはじめ、前代の都市計画が後代に利用され重畳していくようすなどが明らかになった。本共同研究により、より実証的な大阪の都市史を描く基盤ができたと考える。
著者
倉島 一浩 國弘 幸伸 齋藤 晶 上村 隆一郎 小林 宏成 神崎 仁
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.560-568, 1997-12-01
被引用文献数
4 1

We retrospectively determined the efficacy of Semont's liberatory maneuver in 52 patients with benign paroxysmal positional vertigo (BPPV). Vertigo and torsional nystagmus, characteristic of BPPV, had been induced by the Hallpike maneuver at the time of diagnosis.<BR>Thirty of these patients were treated by Semont's maneuver after being informed in detail about the method. If vertigo reoccurred after treatment, they repeated the maneuver at home twice a day (after awaking and before going to bed) until vertigo disappeared. Patients received no medication and were followed until complete remission or for up to 1 year. The other 22 patients received either no treatment or were treated with medication only; they were followed for up to 9 years.<BR>Disappearance of nystagmus was ascertained for the first group only at our dizziness clinic. While most of these patients exhibited nystagmus lasting‹30 seconds (indicating the mechanism of canalolithiasis), two had nystagmus lasting›1 minute, a sign of cupulolithiasis-induced BPPV. Complete remission of BPPV occurred in 28 patients in the first group or 93.3%; 19 (68%) of these patients showed remission within 3 days. In the second group, the vertigo was resolved in only 9 of the 22 patients (40.9%). The difference in the remission rate of the two groups was significant (p<0.0001).<BR>Our results proved the efficacy of Semont's maneuver for treating not only the more common type of BPPV caused by canalolithiasis but also the less common type induced by cupulolithiasis.
著者
石黒 浩 浅田 稔 板倉 昭二 細田 耕 宮下 敬宏 神田 嵩行 港 隆史 池田 徹志 MACDORMAN K.F.
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

知的な情報システムを実現する方法には2つあり,人間のように,比較的数の少ないセンサと;脳が行うような高度な情報処理機能を組み合わせる方法と,ロボットだけでなく環境もセンサでくまなく覆い,目的達成のために必要な情報をより直接的に得る方法である.本研究では後者のアプローチにおいて,知的な情報処理システムを実現する研究に取り組んだ.具体的には,本研究とは独立に開発してきた知覚情報基盤プロトタイプ(多数のセンサからなる次世代のコンピュータネットワーク)を発展させ,これまでに開発してきた人間との対話を目的としたロボットを組み合わせることで,人間の行動に応じて知的に振舞う知的情報処理システムを実現した.研究期間における研究は,(a)行動に関する知的情報処理,(b)ロボットの行動支援のためのセンサネットワーク,(c)環境一体型ロボットの知的情報処理の主な3項目からなる.行動に関する知的情報処理では,ロボットの歩行や腕の制御,皮膚感覚の学習等,ロボットの基本機能と,ロボットやアンドロイドの見かけの問題をはじめとする人と関わるロボットに関する研究に取り組んだ.センサネットワークに関する研究では,基礎アルゴリズムに加え,床センサやカメラネットワークの利用法を研究した.環境一体型ロボットに関する研究では,センサネットワークと連動して活動するロボットを実装すると共に,遠隔操作等,それに関わる機能について研究を行った.
著者
倉田 敬子 上田 修一 村主 朋英 松林 麻実子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1 電子ジャーナルの現状と研究者の利用(1)既存学術雑誌の電子化の進展状況を継続的に調査することで、電子ジャーナルの黎明期の特徴がわかった。(2)STM分野の日本の研究者への質問紙調査により、電子ジャーナルの利用が急激に普及してきたことが判明した。ただし、利用者の多くがPDF版をプリントアウトしており、EJの新規な特徴を利用したものではなかった。これらの結果は日本および海外の査読つき学会誌に原著論文として掲載された。2 オープンアクセスの現状(1)オープンアクセスに関わる特に海外の政府、学会、出版社、大学等の動向の把握につとめ、Open Access Japanで主要な情報の提供を行った。(2)米国NIHによるPublic Access Policyの発布、実施を受け、医学分野におけるオープンアクセス進展状況調査に着手した。今回は、この施策の影響以前の2005年刊行論文のOA割合(26%)と特徴を明らかにした。(3)機関リポジトリ、オープンアクセスジャーナルの現状についても調査を行い、各時点でのデータを収集した。3 研究者の情報入手、電子メディア利用行動、オープンアクセスへの対処医学分野の研究者が雑誌論文を入手、利用する状況を調査した。最近読んだ論文の約7割が電子ジャーナルであり、PubMedから入手する論文が8割を超えていた。欧米における他の調査結果と異なり、サーチエンジンの利用は多くなかった。オープンアクセスの理念の認知度は34%と低かったが、無料での雑誌論文の利用は、PubMed Centralおよびオープンアクセス雑誌を通してかなりなされていることが判明した。
著者
尾形 良彦 種村 正美 遠田 晋次 庄 建倉 鶴岡 弘 田村 義保 佐藤 整尚 川崎 能典 島崎 邦彦 間瀬 茂 柴田 里程 ANDREA Llenos SEBASTIAN Hainzl JEFFREY J. DAVID Vere-Jones
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ETAS(epidemic type aftershock sequence)などの統計的点過程モデルで各地の地震活動の確率的予測を行う同時に,モデルを物差しにして静穏化・活発化などの地震活動異常を検出できる解析手法を確立した.地震活動予測からの逸脱による地震活動異常の空間パタンから,断層内の非地震性すべりによる地殻のストレス変化との因果関係を実証研究した.このような地震活動の異常性が殻歪変化のセンサーとして有用である.さらに地震活動異常とGPSによる地殻変動データとの整合性を確かめ,大地震の前駆的なすべり現象の解明に迫った.
著者
池津 善郎 池部 敏市 小倉 英郎 小田嶋 博 黒坂 文武 佐瀬 くらら 杉内 政巳 杉山 朝美 勝呂 宏 鈴木 慎一郎 藤沢 重樹 北條 徹 松井 猛彦 松田 三千雄 山本 淳 四本 秀昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.633-642, 1991
被引用文献数
8

米アレルギーの関与が考えられるアトピー性皮膚炎(AD)患者に対する通常米の厳格除去効果を臨床的に検討することを目的として, 低アレルゲン米(HRS-1)の代替食療法を多施設共同で実施した. その際, 米と小麦との交叉反応性を考慮し小麦も厳格除去した. このHRS-1は, 抗原蛋白を除去するため蛋白分解酵素処理した米である. 総実施例49例のうち除外・脱落などを除いた43例を解析対象とした. 多くの症例でHRS-1摂取直後から4週にかけてAD病変の範囲・重症度指数(ADASI)の急速な低下が観察され, 2週後, 4週後, 最終判定日(平均5.6週)のADASIは, それぞれ開始時と比較して有意に低下した. 全般改善度において「改善」以上の改善率は, 2週後では39%, 4週後では67%, 最終判定日では74%であった. また, 併用ステロイド外用剤の減量効果においても「軽減」以上の症例は, 最終判定日で約半数に認められた. 3例の悪化のほかに特記すべき副作用は認められなかった. 有用性の成績は, 43例中「非常に有用」が17例(40%),「有用」が13例(30%),「やや有用」が9例(21%)であり,「有用」以上の有用率は70%であった. HRS-1は, 米アレルギーに悩む難治性重症AD患者の代替食として高い有用性のあることが認められた.
著者
倉井 耕
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.5, pp.45-46, 1990-12-06

栃木県において、小麦は成熟期が梅雨期にあたり、低アミロの発生がしばしば問題になっている。低アミロは降水との関係が大きいが、今回は降水の時期とその程度について検討した。なお本研究は水田農業確立試験研究の中で行った。また、アミログラム値は農業研究センターの機器を使用して算出した。
著者
塚田 有紀子 中村 眞 中尾 正嗣 鈴木 孝秀 松尾 七重 山本 亮 濱口 明彦 花岡 一成 若林 良則 小倉 誠 横山 啓太郎 細谷 龍男
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.871-875, 2007-10-28
被引用文献数
2

潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis : UC) は若年女性に好発し, 患者の妊孕性は健常人と差がない. また, 妊娠によってUC自体が増悪しやすいこともあり, 患者の妊娠時の治療が問題になる. 症例は24歳時にUCを発症した35歳経産婦. 30歳時には治療薬を中断中に妊娠8週で流産しており, 32歳時にはステロイド療法を継続しながら第1子を得ている. 2006年7月, Prednisolone (PSL) 5mg/日とmesalazineの内服中であり, UCの活動性は臨床重症度分類で中等症であったが, 妊娠のため自己判断で内服を中止した. 同年9月妊娠8週0日で排便回数10回以上, 腹痛, 顕血便が増悪し入院となった. PSL20mg/日を使用し, 絶食と中心静脈栄養により腸管安静をはかったが症状は改善せず, 腹部の反跳痛も出現して開腹手術の適応が検討された. 10週2日からPSL50mg/日の静注を行い, 加えて11週1日から顆粒球除去療法 (granulocytapheresis : GCAP) を週2回計10回施行した. GCAP3回施行後から諸徴候は好転し, GCAP5回施行時 (14週1日) には, CRP0.5mg/dLと陰性化し, 解熱して緩解に至った. PSLは漸減し, 16週1日にPSL20mg/日で退院した. 退院時点で胎児の大横径・大腿骨長はいずれも16週相当であった. 治療に難渋したUC合併妊娠症例に対してGCAPを併用したところ, 速やかに緩解し妊娠継続が可能となった. UC合併妊娠では, 通常の薬物療法に加えて, 胎児への影響が問題とならないGCAPを積極的に活用するべきである.
著者
神宮 利夫 永倉 和郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.57, no.544, pp.3069-3076, 1991-12-25

A robotic manipulator is simplified by numerous beams with pinjoints between them and an anchor pinjoint at the base. The beams under impact loading are allowed to rotate about the axis of the pinjoint. The dynamic response of a vertical chain for a transverse load suddenly applied along every beam is theoretically analysed. The angular and linear acceleration of the mass center of beams, reaction force at the pinjoints, shearing force and bending moment along the beams is presented as a function of impact load. As the vertical chain consisting of one plaster beam and one steel beam, or two with a pinjoint between them, is subjected to the collision of the flier steel rod accelerated by the air gun, the location of the fracture of the plaster beam is measured experimentally. The validation of the theory is confirmed by comparison of the location of the critical bending moment with the position of the fracture of the beam.
著者
樫尾 博 小倉 昇
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.3-22, 1999-03-31

本論文で扱う電力,ガス等の公益事業の利益管理は,他の産業といくつかの点で異なる特徴を持つ.1)サービスの価格(コスト)と設備利用率との関係需要の平準化による設備利用率の向上がコストの低減,利益の増大,サービス価格の低下に結びつく.2)公共サービスに対する利用者選択の硬直性規制料金のため,柔軟な料金設定ができない.また,利用者側でもサービスを利用するために初期投資が必要で,一旦選択すると簡単には代替サービスに移行できない.3)利用者のサービス購入価格とサービスの社会コストのコンフリクト関係一般的に既存サービスの利用機器の価格は,新サービスの利用機器の価格を下回る.一方,サービスの利用量が増加し,設備能力の上限に達すると,サービス提供に機会原価が生じるが,公共料金では機会原価を反映した価格設定は難しい.本論文では2つの代替的な公益サービス(電力とガス)の設備利用率のアンバランスに着目し,需要を平準化させるためのコントロールの手段として,利用者の機器導入時における補助金政策を提案する.電力会社とガス会社をそれぞれプレーヤーとみなし,ビル空調需要家の獲得を非協力ゲームとして定式化し,以下の2ケースについて定量的に分析し,負荷平準化による利益管理の提案を行う.1)現状の規制を前提として,電力会社は電気蓄熱式に,ガス会社はガス空調に対し補助金を出す.2)規制緩和を前提として,電力会社がガス会社のガス空調に対しても補助金を出す.東京電力と東京ガスについて数値例に適用してみたところ,現実には両者が熾烈な競争をしている事実に反し,規制緩和されると電力会社がライバルのガス空調に対しても機器導入時に利用者に補助金を出せば,より利益を上げることが可能なことを定量的に示すことができた.
著者
長谷部 光泰 倉谷 滋 嶋田 透 藤原 晴彦 川口 正代司 深津 武馬 西山 智明 岡田 典弘 阿形 清和 河田 雅圭 郷 通子 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 敦史 矢原 徹一
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本領域の目的である、多様な研究から「複合適応形質進化の共通メカニズム」を推定するという総合的研究を展開する、進化生物学とゲノム生物学を融合させる、を実現するため総括班を有機的に組織し、下記の活動を行い、効率的に連携できた。(1)領域会議を年2回、インフォマティクス情報交換会を5年で18回、ニュースレターを5年で63号発行し、領域内での情報共有、共通意識形成を行った。(2)ゲノム支援活動として実験方法のアドバイス、ゲノム配列決定支援、外部委託についてのアドバイス、各班のインフォマティクス担当者などに指導を行った。(3)形質転換実験技術支援を行った。(4)国内、国際シンポジウムをほぼ毎年開催した。
著者
室田 保夫 今井 小の実 倉持 史朗 原 佳央理 佐野 信三 竹林 徑一 大野 定利 水上 妙子 鎌谷 かおる 片岡 優子 新井 利佳 蜂谷 俊隆
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

3年間の共同研究の成果を終えて、第一に大きな成果は社会福祉史のみならず近代日本史、大阪の近代史にもきわめて貴重な博愛社の史料整理とその保存が出来たことである。具体的には史料目録(仮)の完成とおよそ90箱にも及ぶ資料の保存である。研究の方では創立者小橋勝之助の日誌の翻刻といった研究が進捗した。そして機関誌の複製の作成、また史料が整理されたことによって研究への道がついた。さらにこの作業をとおして研究仲間同志の博愛社研究についての共有するところが大になったことも付け加えておこう。
著者
藤原 隆広 熊倉 裕史 大田 智美 吉田 祐子 亀野 貞
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.347-352, 2005-09-15
被引用文献数
12 20

1. 京都府綾部市において, 2003年6月〜2004年5月までの1年間に毎月2〜3回の間隔で購入した市販のホウレンソウ(合計127サンプル)に含まれるL-アスコルビン酸(AsA)と硝酸塩の周年変動を調査した.2. AsA含量は, 夏期(7月〜8月)に低く冬期から春先(1月〜3月)にかけて高い傾向が認められた.また, この傾向は可食部上部(葉身側)で特に高かった.3. 硝酸塩含量は, 7月〜9月に高く, 1月〜3月に低い傾向が認められた.また, この傾向は可食部下部(葉柄側)で顕著であった.4. 生体重および葉色(SPAD値)と2つの品質成分(AsA含量と硝酸塩含量)との間に有意な相関が認められたが, これらの相関関係は外観形質から品質成分の多寡を推定するには十分ではないと判断された.