著者
後藤 浩一 工藤 勝弘 奥村 誠崇
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.358-362, 2002-11-30
被引用文献数
1 1

自然の復元を目指した緑化対策の現状を把握するために,近年竣工した3箇所のダム原石山跡地で植生調査等を実施した。その結果,厚層基材吹付工を実施した箇所では実施しなかった箇所より在来種の進入種数が少なかった。また,厚層基材吹付工に在来木本種子を混ぜて播種した箇所で播種した在来木本の植被率は,草本種子量を減じた箇所の方が高かった。小段部の植裁工については,成長した植栽木からの種子の散布による周辺のり面への定着を図ることを主眼として,厳しい立地環境である原石山跡地においても定着が可能なアカマツなどの先駆性の木本を中心に樹種を選定することが望ましいと考えられた。
著者
渡辺 満久 中田 高 後藤 秀昭 鈴木 康弘
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100137, 2011 (Released:2011-11-22)

1.日本海溝沿いの活断層の特徴と地震・津波との関係を検討する。立体視可能なアナグリフ画像は、海上保安庁海洋情報部とJAMSTECの統合測深データ(0.002°間隔のGMT grd format、東経138-147°・北緯34-42°)と、250mグリッド地形DEM(岸本、2000)を用いて作成した。本研究では、平成23年~25年度科学研究費補助金(基盤研究(B)研究代表者:中田 高)、平成21~24年度科学研究費補助金(基盤研究(C)研究代表者:渡辺満久)を使用した。2 海底活断層は、以下の3種類に区分できる。(1) アウターライズの正断層群は、三陸沖から牡鹿半島南東沖にかけてはほぼ南北走行に延びるが、それ以南では海溝軸と斜交するように北東-南西走行となり、房総半島沖においては再び海溝軸と並走するようになる。正断層は、日本海溝軸から東側50~60km程度の範囲内に分布している。断層崖の比高には変位の累積性が認められ、海溝軸に近いものほど大きい(最大で500m以上)。(2) 三陸沖や房総半島沖の海溝陸側斜面の基部では、長さ200km程度の逆断層が複数認定できるが、連続性は良好ではない。その西側では、三陸北部沖から茨城県沖にかけて400km程度連続する長大な逆断層が認められ、隆起側には大きな垂直変位が生じていることを示す背斜構造がある。さらに陸側には、一回り小規模な逆断層(延長50km程度)がある。三陸沖以北の日本海溝斜面基部には、アウターライズより密に正断層が分布する可能性が高い3 日本海溝沿いの活断層と地震・津波との関係は、以下のように整理できる。(1) アウターライズには、鉛直変位速度が1mm/y程度の正断層が10程度並走する。正断層帯における伸長量は2cm/yに達する可能性もある。アウターライズの正断層起源とされる1933年三陸津波地震の起震断層は特定できない。(2) 延長400kmに達する連続性の良い逆断層は、その位置・形状から、2011年東北地方太平洋沖地震に関連する活断層であると判断される。今回の地震は複数の活断層が連動したものではなく、長大な活断層から発生する固有地震であった可能性が高い。同様の地震は、869年と1611年にも発生した可能性がある。1793年の地震時の津波は、分布は広いがあまり高くはないため、他の活断層が引き起こしたものであろう。海溝の陸側に分布する正断層に関しては、不明な点が多い。(3) 長さ200km程度の活断層はM8クラスの地震に、陸側の数10km程度の活断層はM7クラスの地震に関連するであろう。歴史地震との対応も比較的良好である
著者
後藤 正司 岡本 卓 中野 淳 中島 尊 桝屋 大輝 劉 大革 亀山 耕太郎 石川 真也 山本 恭通 黄 政龍 横見瀬 裕保
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.132-135, 2004-03-15
被引用文献数
4 3

左側は66歳,女性.64歳時に右乳癌にて右胸筋温存乳房切除術を受けた.病理病期はstage II で,術後DMpC療法(5'-DFUR : 800mg,MPA : 800mg,CPA : 100mg)を施行中であった.2003年1月16日,胸部CTで左S^8にspicula, notchを伴う小結節陰影の出現を認めた.結節陰影の増大を認め,またFDG-PETで,左S^8の結節陰影に一致して集積を認め,精査目的で,2003年3月24日当科へ入院した.CT下肺生検では確定診断に至らず,2003年4月23日,胸腔鏡補助下肺生検を施行し肺クリプトコッカス症と診断された.腫瘤陰影を呈する肺クリプトコッカス症のCT所見は肺癌と類似し,PETでも陽性を示すことがあるため画像上の鑑別は困難である.
著者
藤井 恵介 川本 重雄 平山 育男 溝口 正人 後藤 治 上野 勝久 大野 敏 藤川 昌樹 光井 渉 大橋 竜太 加藤 耕一 角田 真弓
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本建築史の分野において、従来の建築様式史を批判的に検討し、それがもはや現在においては必ずしも有効ではないことを確認した。そして、新たな研究領域が拡大しつつあることを確認して、日本・東アジアの木造建築を対象とする、新しい建築様式史を提案する必要があることを認識した。この5年間で、新しい建築様式史を構築するための基礎的検討を行ったが、具体的な作業は、建築史の全分野、建築史以外の報告者を得て開いたシンポジウムにおける討論を通じて実施した。その記録集10冊を印刷して広く配布した。
著者
後藤 信夫 宮崎 保光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1272-1281, 2003-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
13

導波型コリニア音響光学素子は波長分割多重(WDM)光に対して波長選択的にスイッテできるためWDMルーチング用のスイッチヘ応用が期待できる.本論文では,方向性結合導波路とY分岐部からなる素子における波長選択スイッチング特性を評価するためFDTD法を用いてシミュレーションを行った.シミュレーションの結果をモード結合理論による結果と比較し両者の一致を確認した.また,長尺相互作用領域における音響光学結合特性を解析するためセグメント分割領域において光パルスを伝搬させる方法を検討した.
著者
羽田野 袈裟義 安福 規之 兵動 正幸 橋本 晴行 久保田 哲也 福岡 浩 里深 好文 山本 晴彦 高橋 和雄 宮田 雄一郎 鈴木 素之 牛山 素行 田村 圭子 後藤 健介 藤田 正治 牧 紀男 朝位 孝二 善 功企 守田 治 滝本 浩一 三浦 房紀 種浦 圭輔
出版者
山口大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2009

(1)災害概況:2009年7月の豪雨により防府地域と福岡県北半部の全域で土砂災害が多発し合計で27名が亡くなった.(2)土砂災害の実態:防府の土砂災害は,土石流中の巨礫堆積後の土砂流による埋没である.土質調査からマサ土地域での崩壊発生と間隙水圧の関係が示唆された.土石流の流動解析で石原地区の土砂流出量を評価し,砂防施設の有効性を評価した.(3)情報伝達と警戒避難体制の状況:防災・避難情報の収集・伝達や警戒避難体制の整備状況や土砂災害警戒区域の指定に伴う警戒避難体制の整備状況と問題点を明らかにした.
著者
渡邉 裕美 村嶋 幸代 後藤 隆 田口 敦子 浅野 いずみ 辻 泰代
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究目的は24時間ケア医療と介護の包括支援体制の方向性を探ることである。実態を把握するために、大都市圏で夜間ケアに先駆的にとりくんでいるA自治体において全域調査を行なった。結果、要介護認定者数に対する夜間対応型訪問介護利用者の比率は圏域によって異なるものの、その割合は、0.25%~0.73%と1%にも満たなかった。定期訪問実人数は0人の事業所もあれば、28人に639回の事業所もあった。随時訪問利用回数は、4回の事業所もあれば、104回の事業所もあった。定期より随時が多く行われていた。コールを押しても訪問せずに電話対応のみという事業実態もあった。別のB自治体では、介護施設を拠点に24時間訪問介護と夜間対応型訪問介護が一体運営でとりくまれており事業所ヒアリングを行なった。24時間包括ケアの潜在利用者を病院から地域にもどすための退院支援のヒントをまとめた。2012年4月創設される「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を読み解き、研究成果をふまえた、医療と介護の包括支援体制をすすめるための方法論を示した。
著者
白谷 正治 寺嶋 和夫 白藤 立 佐々木 浩一 伊藤 昌文 杤久保 文嘉 斧 高一 後藤 元信 永津 雅章 小松 正二郎 内田 諭 太田 貴之 古閑 一憲
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

本取り纏め研究では、プラズマとナノ界面の相互作用ゆらぎに関する学術的成果を統合・発展させて、より汎用性のある学術大系に結びつけることを目的としている。計画研究代表者を研究分担者として、各計画研究における研究成果を取り纏めるとともに、領域内連携により表れた3つの研究項目に共通する基本原理を統合して体系化する。基本原理の体系化に際しては、すべての研究に関する議論を一度に行うと議論が発散する可能性があるため、ゆらぎ・多相界面・バイオというテーマを設定した個別の研究会を開催し研究分担者が成果を統合した後、シンポジウム等で領域全体での成果統合を行った。平成26年度に取りまとめた、平成21-25年度に新学術領域で得られた成果の概要は以下の様に要約される。これらの成果を成果報告書およびホームページで公開した。ゆらぎに関しては、超高精度トップダウンプロセスの確立(ゆらぎの制御)について、エッチングプラズマに関する実験とシミュレーションの研究グループが連携して、エッチング表面形状揺らぎの機構を解明した。ここでは、揺らぎ抑制法について、従来の物理量を一定にする方法から、物理量に制御した揺らぎを与えて抑制する方法へのパラダイムシフトを起こす事に成功した。また、高精度ボトムアッププロセスの確立(ゆらぎの利用)では、超臨界プラズマに関する実験とモデリングの研究グループの連携により、超臨界プラズマにおける密度ゆらぎ機構を解明し、従来法では得る事ができない高次ダイアモンドイドの合成に成功した。予想以上の顕著な成果として、気液プラズマに関する実験とモデリングの研究グループの連携により気液界面プラズマにおいてナノ界面が存在することを発見した(多相界面プラズマ)。また、高いインパクトを持つ成果として、バイオ応用プラズマ関連の研究グループの連携により、大気圧プラズマ反応系の世界標準を確立することに成功した。
著者
南石 晃明 木南 章 伊東 正一 吉田 泰治 福田 晋 矢部 光保 堀田 和彦 前田 幸嗣 豊 智行 新開 章司 甲斐 諭 樋口 昭則 石井 博昭 松下 秀介 伊藤 健 亀屋 隆志 八木 洋憲 森高 正博 多田 稔 土田 志郎 後藤 一寿 佐藤 正衛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食料・農業・環境に関わる諸問題は,相互に密接に関連しており,その根底には「リスク」が深く関与している.このため,食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には,「リスク」に対する理解が不可欠である.食料・農業・環境に潜むリスクには,どのようなものがあり,それらはどのように関連しており,さらにどのような対応が可能なのか?本研究では,学際的かつ国際的な視点からこれらの点について明らかにした.
著者
中山 迅 牛島 克宏 山口 悦司 都築 章子 武田 一則 竹内 慎一 後藤 大介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.93-96, 2005
被引用文献数
3

観察と実験の実施が重視される教科としての理科では, 授業へのICT導入が順調とは言えない.本研究では, 電子掲示板を利用した理科の学校間協同学習によって, 児童による観察や実験を中心とした学習を促進できる事例を示そうとした.電子掲示板の対話分析や児童を対象とした質問紙調査の結果から, その可能性が示唆された.
著者
後藤 顕一 松原 静郎 松原 憲治 猿田 祐嗣 高橋 三男 松浦 拓也 木下 博義 寺谷 敞介 堀 哲夫
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習ツールである「相互評価表」とこれを用いる学習活動を開発した。「相互評価表」を活用する学習活動とは,評価規準が示された「相互評価表」を用いながら自己評価・他者評価を行い,この行った評価について自由記述によるコメントを残していく方法である。学習前後の比較コメントを分析したところ,科学的リテラシーの「能力」のうち,①科学的な疑問を認識すること,②現象を科学的に説明すること,について意識をした記述ができるようになることがわかった。自己の学習を振り返ることでその意義を自覚し,実感を持って自己の伸張を感じつつ,主体的な学びを醸成することが期待できると示唆された。
著者
野口 定久 埋橋 孝文 後藤 澄江 原田 正樹 武川 正吾 牧里 毎治 大橋 謙策 杉岡 直人 井岡 勉 上野谷 加代子 宮城 孝 和気 康太 金 成垣 沈 潔 金 貞任 韓 榮芝 包 敏 徐 明?
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

包摂型福祉社会の推進をリードする地域福祉専門職養成の方法論を共有化し、各国・地域(メゾ)レベルにおいて両側面の好循環システムを構築することであった。ソーシャルキャピタルの概念を用い、日本・韓国・台湾における地域福祉拠点型及びコミュニティ型の調査を実施した。基礎的作業として「日中韓台における社会保障・社会福祉の制度比較研究」一覧表の改定版を作成し、さらにこれまでの研究成果を6本の報告書にまとめた。
著者
鐸木 昌之 後藤 富士男 平岩 俊司 礒崎 敦仁 室岡 鉄夫
出版者
尚美学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)研究の動向を調査し、方法論を再検討した。わが国における北朝鮮政治・経済体制研究の動向や関連図書の発行状況を確認するとともに、韓国や中国、北米地域の北朝鮮研究の動向等の現状について意見聴取、調査を行った。また、新資料の入手に努めるとともに、複数の脱北者へのインタビューによって同証言の有用性と特性を検証した。北朝鮮研究における比較の視点導入についても再検討した。
著者
小松 芳成 後藤 正治 麻生 節夫
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学工学資源学部研究報告 (ISSN:13457241)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.19-25, 2003-10-31

Small-sized "Tatara-buki" furnace and "Oroshigane" furnace were made for laboratory working. Iron sand mined from Mukaihama beach in the city of Akita was applied to "Tamahagane" making based on combined use of the Tatara-buki process and the Oroshigane process. After washing in water and magnetic dressing, the iron sand was smelted by means of the "Tatara-buki" process and Kera (iron bear) with lower phosphorous and surfur contents was made in reproducibility of 20 % yield. The carbon content of the Kera was 2.43〜3.04 mass% which was significantly lower than that in blast furnace process. Next, the Kera was refined by the Oroshigane process to make Tamahagane which was a high quality iron containing 0.63mass%C, 0.04mass%Si, 0.048mass%S and 0.075mass%P. The microstructure of the Kera and the Tamahagane was well understood from the carbon contents. A series of the experiments mentioned above was conducted as an appropriate practice on an education program "Creative Techno-Craft" for the undergraduate course in the Department of Materials Science and Engineering, Akita University.