著者
小林 一 臼木 秀樹 白石 謙 土屋 博男 元吉 真 義家 敏正 石崎 敏孝 櫻井 良憲 永井 泰樹 高久 圭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.57-62, 2003-04-03

SRAMに対して、平地、高地、地下でのフィールド試験から、ソフトエラーの主要因である高エネルギー中性子、熱中性子、α線の寄与の割合を求めた。その結果、0.18μm 8M SRAMでは、熱中性子起因が全体の3/4、高エネルギー中性子起因が1/4、α線起因は無視できることがわかった。また、原子炉での熱中性子照射実験の結果、熱中性子起因ソフトエラーは、対策によって数100分の1にできることがわかった。最後に、これからの本格的なネットワーク社会におけるソフトエラー問題について展望する。
著者
林 謙一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

今年度は8月に研究対象地域である中国雲南省において調査を行った。また調査期間中,雲南大学において中国歴史地理学会が開催されたため,中国西南地方を中心とする地域の多くの歴史地理・地方史研究者が同地を訪れており,それらの研究者に対して西南地方の地方史史料の収集・整理保存にして聞き取り行うことができた。特に重要なものとしては明代の雲南地方志二種が雲南大学歴史系によって校訂・出版されたこと(『雲南史料叢刊』所収),元代の地理志残本のうち西南地方を含む『混一方輿勝覧』の校訂が四川省で勧められていることなどがあり,前者については実物を入手することができた。古籍史料の所蔵調査は雲南大学図書館等について実施することができたが,もうひとつの重要目的地である雲南省図書館については,同館が改装工事に伴い長期閉館中であったため果たせなかった。前年度に複写を入手した明代地方志については電子化の作業が進行中であるが,上記の雲南大学による出版内容と重複するため,単なる画像入力の意義が薄らいだ。そこでさらにこれらの電子テキスト化を進めるべく,方法および使用文字コードなどについて検討を進めた。具体的には内外の研究者による利用を容易にするため,日本語(JIS)の文字コードではなく,国際規格であるunicodeによるテキスト化を行うこと,同時にそれをWEBページのかたちで公開すること,コード化されていない文字については画像を使用し,参照番号として『大漢和辞典』の親字番号を付することなどである。この作業は現在進行中であるが,その成果の一端として,元代雲南地方志史料の一つ『雲南史略』などを含むいくつかの中国西南地方の民族に関する史料を研究代表者のWEBページ(www.lit.nagoya-u.ac.jp/〜toyoshi/maruha/kanseki)において試験的に公開している。
著者
藤井 光男 藤井 治枝 大西 勝明 丸山 惠也 趙 玉志 古賀 義弘 ZHAO Yu-Zhi 李 占祥 趙 亨済 李 占国 とう 必きん 加茂 紀子子 高久保 豊 劉 永鴿 柴崎 孝夫 菊地 進 大橋 英五 小林 英夫
出版者
日本大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

我々の国際学術共同研究は、日本企業のアジア進出に伴う国際分業の進展と、技術移転・労務問題との関連を調査・解明することを目指している。このため第1年度(平成8年度)ではまず韓国・中国の研究者(複数)を招請して、日本の自動車と同部品企業や浜松テクノポリスを訪ねて研究交流を図り、また他方では中国東北部長春の有力国有自動車企業、第一汽車のほか、大連経済開発区の日系三資企業を調査して、実態解明に努めた。次に第2年度(平成9年度)では、引き続いて前述第一汽車の補足調査を進める一方で、北京地域の首鋼日電など電機・電子企業や、さらに上海・蘇南地域の電機や繊維・アパレル関連日系三資企業や郷鎮企業の調査を実施した。そして第3年度(平成10年度)では、韓国蔚山地域の現代自動車や同重工業、ついでソウルの現代電子など財閥系企業の資料採訪を行い、最後に上海蘇南地域の郷鎮ビッグビジネス数社を調査して実態分析の締めくくりとした。こうして我々は冒頭に掲げた研究課題に沿い、東アジアの代表的諸産業の企業研究に関してかなり詳細な資料を収集し、実態を解明し得たと考えるので、今後は理論的・実証的検討によってこれを体系化し、研究書として刊行することを企画している。
著者
和崎 春日 松田 素二 鈴木 裕之 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 上田 冨士子 三島 禎子 若林 チヒロ 田中 重好 嶋田 義仁
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

科研共同研究の最終年度にあたり、報告書に向けての総括的なまとめ討論をおこなった。とくに、日本における第1位人口をしめるナイジェリア人と第2位人口のガーナ人の生活動態については、この分野の熟成した研究を共同討論のなかから育てることができた。日本への来住ガーナ人のアフリカ-日本-アフリカという、今まであまり報告されていない新しい移民動態の理論化(若林ちひろ)や、日本に来住したナイジェリア人の大企業従業員になろうとするのではない、起業活動に向かう個人的・野心的なアントルプルヌーシップについての新規な理論化(川田薫)と、まったく情報のなかった、その日本における協力扶助と文化維持のアソシエーション活動の詳細な記述報告(松本尚之)、さらには、アフリカ-日本-アメリカという地球規模のネットワーク形成がナイジェリア人によってなされている動態を、アフリカ移民論のまったく新しい指摘として提示しえた。また、アフリカ人の芸能活動についても、ギニア、マリ、セネガルといった西アフリカ・グリオ音楽文化の「本場」とされる地域からの日本への来住アフリカ人の活動調査と、そのアフリカの母村での活動状況の調査の両方を行い、それをめぐる、やはり新規性に富む、日本ーアフリカ間の何層からもなる往来活動を抽出し、指摘・一般化することができた(鈴木裕之、菅野淑)。こうしたポジティブな活動側面のほかに、ネガティブなHIVをはじめとする病気の実情とそれにむけるホスト社会側からの協力の可能性についても重要な研究糸口を提案している(若林ちひろ)。1年後に『来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究』と題して報告書を出版し、この共同研究の成果と今後の継続的発展について、アフリカ学会における集中発表でも熱い期待と高い評価を得た(2008年5月於・龍谷大学)。
著者
林 薫平
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

農村共同体における土地利用・土地配分の構造およびその人口圧力下における変容過程を明らかにするために,以下の通りに研究を実施した。まず準備として,資源一般の配分・利用を規制する共同体的メカニズムに関する事例研究を,主に文化人類学の領域を対象として広く渉猟した。成果として,灌概コモンズと漁場コモンズにおけるローテーションや細分化といった様々な共同体的アレンジメントを包括し比較分析することのできる理論フレームを構築した。第二に,上の理論フレームを共同体的土地制度の事例研究に応用した。具体的には,鹿児島県下甑村において極めて人口圧力が高かった昭和20年代の共有田制度を取り上げた。その結果,共有田利用権の配分のさいに細分化とローテーションの組み合わせ方が決定される集合的選択のメカニズムを解明することができた。第三に,以上の知見を東西の土地制度史と照らし合わせ,共同体的土地保有の理論モデルを構築した。具体的には,土地の配分・利用における共同体の規制と各メンバーの個人性の対立関係を描いた。土地資源の利用をめぐる共同体的なメカニズムについては従来の経済学は正面から分析して来なかった。むしろ共同体の影響が除去され土地が私有化されたあかつきの効率性分析に主眼がおかれて来た。本研究の意義は,共同体メンバーの集合的選択によって,個々人への土地配分と各々の土地利用に対して強力な共同体的規制が課される仕組みを,理論的かつ実証的に明らかにした点にある。特に,人口圧力のもとでは,メンバーを養うために規制が強化されることがあるが,従来の理論では説明されなかったこの実態に合理的説明を与えることに成功した。この成果は,政策への含意として,現在発展途上農村地域において広範に行われている土地私有化改革について,推進派と反対派の対立点をクリアにする意義を持つ。
著者
畠中 忠臣 小林 義信 西村 卓也 長田 朗
出版者
近畿大学工業高等専門学校
雑誌
熊野工業高等専門学校紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.37-45, 1992-03-20

This paper considers a simulation program of a inverse pendulum control system. The motion equations of the control object are basically nonlinear forms. We apply the linear regulator theory to the linearlized motion equations, and construct a simulation program of the control system including the original control object and feedback control loop based a linear control method. It is very difficult to evaluate the control performance of such system by analytical method, so it is useful to evaluate it by simulation method like described in this paper. Although this paper is the first step to that problem, the results by the simulation program to some examples are satisfied.
著者
林 あつみ 中山 知子 青柳 康夫 木元 幸一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.154-159, 2005-04-15
被引用文献数
6 12

An angiotensin-converting enzyme (ACE) inhibitor, nicotianamine, was purified from Hayatouri (<i>Sechium edule</i>) by using some ion-exchange column chromatographies. Crystal of nicotianamine (19.8 mg) was finally obtained from 75 kg of Hayatouri. The chemical identification by IR, NMR and MS spectral analysis were carried out, and the data agreed with those of nicotianamine reported by Kristensen <i>et al.</i> The quantitative analytical method of nicotianamine in various resources was established by using the isolated nicotianamine. An ion-pair chromatography of reversed-phase HPLC with 0.1 mol/L SDS elution buffer (pH 2.6) afforded good separation and linearity of calibration curve when o-phthalaldehyde was used for labeled reagent for fluorescence detection. Concentrations of nicotianamine in various vegetables were determined by this method. Nicotianamine concentrations of Hayatouri (<i>Sechium edule</i>), Seri (<i>Oenanthe javanica</i>), Ashitaba (<i>Angelica keiskei</i>), Moroheiya (<i>Corchorus olitorius</i>), Kureson (<i>Nasturtium officinale</i>), Nigauri (<i>Momordica charantia</i>), Soybean (<i>Glycine max</i>) and Soybean milk were determined to be 0.010±0.0014, 0.012±0.0028, 0.017±0.0028, 0.022±0.0021, 0.037±0.0035, 0.015±0.0021, 0.074±0.0106 and 0.090±0.0106 mg/g, respectively. As we have established the method of nicotianamine quantitative analysis, we are planning and starting the study of absorption of this compound into the blood from the intestine and about the effect on renin-angiotensin system of hypertension.
著者
伊藤 眞 小野 浩 五十棲 泰人 片野 林太郎 戸崎 充男
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、我々が高気圧制限比例領域において見出した特異的放電モードを利用してガス封入型高性能位置検出器を開発するための基礎研究をおこなった。主たる研究成果は次の通り。(1)制限比例領域における高気圧比例計数管の動作機構及び性能に関して(a)高気圧下制限比例領域での特徴ある検出器応答である特性X線によるHalo(暈)効果を定量的に解明し論文(1)にまとめた。Halo効果は位置分解能を悪化させるが、高気圧下では波高選別によりこのHaloイベントを排除できることを明らかにした。このことは、実用上大きな利点と成り得ることを示した。(b)我々の開発した位置検出器が、荷電粒子加速器を利用した微量元素分析(PIXE)法での高精度エネルギー分析に応用出来ることを示し、論文(2)にまとめた。(c)我々は既に、初期電子雲の構造変化が引金になって特異的放電モード遷移が発生することを見出していたが、異なる計数ガス(^7気圧Ar+30% CH_4)においてもこの現象が存在することを確認した。この結果を論文(3)にまとめた。(d)高エネルギー研放射光施設で10-60keV領域の高エネルギーX線に対する検出器応答を調査し、20keV X線に対して122μm(FWHM)、35keVに対して140μmの良好な位置分解能を得た。この時の結果の一部を論文(4)に示した。(e)本検出器を、本年2月加速器実験に応用した。陽子ビームを標的物質に衝撃させ、放出されるX線を本検出器を組み込んだ結晶分光装置により高精度エネルギー測定に成功し、X線ピーク構造に電子系の多体効果が強く反映していることを見出した。現在精力的に解析を進めていて、早急に論文発表する予定である。(2)今後の問題点:新たに改良した位置検出器、脱酸素、脱水カラムを備えたガス純化装置、計数ガスの種類、混合比を変化させることが出来る高気圧ガス混合回路、空気中酸素のback diffusionを軽減化できる検出器用ガス回路、これらすべてをオイルフリーターボポンプと組み合わせたシステムを完成させている。ガス封じ込め特性調査を行ってきたが、Ar系の計数ガスに対しては、良好な性能を得ている。Xe系のガスについてはまだ改良が必要で、特にガス純化装置の性能を向上させる必要がある。
著者
磯部 彰 金 文京 三浦 秀一 若尾 政希 大塚 秀高 新宮 学 磯部 祐子 鈴木 信昭 高山 節也 中嶋 隆藏 勝村 哲也 尾崎 康 藤本 幸夫 関場 武 栗林 均
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

本領域研究では、共同研究及び個別研究の両形態をとって研究を進めてきた。研究組織を円滑に運営するため、総括班を設け、目的達成への道標として数値的目標を掲げ、構成員が多角的方法をとりながらも、本研究領域の目標を具体的に達成し得るようにした。本研究では、東アジア出版文化を基軸とする新学問領域を確立することを目標とし、その骨格をなす要素を数値的目標に設定した。それは、(1)東アジア出版文化事典の編纂準備、(2)東アジア研究善本・底本の選定と提要作成、(3)東アジア研究資料の保存と複製化、(4)日本国内未整理の和漢書調査と目録作成、であり、更に、(5)東アジア出版文化研究の若手研究者の育成、(6)国際的研究ネットワークの構築などを加えた。初年度には、総括班体制を確立し、ニューズレターの発刊、ホームページの開設、運営事務体制の設定を行い、計画研究参画予定者を対象に事前の研究集会を実施した。平成13年度からは、計画・公募研究全員参加の研究集会と外国研究者招待による国際シンポジウムを毎年開き、国内の研究者相互の交流と国外研究ネットワークの構築を推進した。前半2年は、総括班の統轄のもとで、主として東アジア出版文化をめぐる個別研究に重点を置き、共同研究の基盤強化を図った。新資料の複製化も同時に進め、東アジア善本叢刊4冊、東アジア出版文化資料集2冊を刊行する一方、展覧会・フォーラムなどを開き、成果の社会的還元を行なった。研究面では、後半は共同研究を重視し、調整班各研究項目での共同研究、並びに領域メンバーや研究項目を越えて横断的に組織した特別プロジェクトを4ジャンル設定し、総括班の指導のもとに小研究域として定着させた。年度末ごとに報告書を編集する一方、前後の終了時に研究成果集を作成している。研究領域の数値的目標は約四分之三達成し、窮極の目的である新学問領域設定も、概然的ながら構想化が具体的になった。
著者
石川 誠 山野 英嗣 朴 鈴子 豊田 直香 羽田 聡 不動 美里 黒澤 浩美 平林 恵 木村 健 松村 一樹 西澤 明 竹内 晋平 西村 大輔
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

生涯を心豊かに生きるための基盤作りとして,学校と地域の美術・博物館が相互の知見を共有し,知的財産(コレクション)を活用した鑑賞学習を多様に試行して七つの実践モデル(CD-ROM)にまとめた。従来,学校で扱いにくいかった分野にも対象を広げ,映像やワークショップ・プログラム,「書」など,実践に一つの道筋を付けたといえる。また,こどもの鑑賞過程で「見る」と「つくる」の密接な関係が確認され,実践計画の立案に示唆が得られた。この成果を公開討論会で問い,社会的な評価を受けている。
著者
中川 光弘 加賀 爪優 桑原 祐史 信岡 尚道 田附 明夫 長澤 淳 金澤 卓弥 上林 篤幸 上林 篤幸 井上 荘太朗
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アジア農業モデルを開発し、農業部門への気候変動の影響予測を行い、その適応戦略を検討した。またGISやリモートセンシングを使ってアジア沿岸域への気候変動の影響予測と土地利用のあり方を検討した。農業部門への気候変動の影響は、既にアジア各地で現れているが、それが食料問題として深刻化するのは特に輸入依存度の高い最貧国であり、世界農産物市場を介して主要国の農業政策の影響も加わって、複合的な形で現れることが明らかになった。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。
著者
鳴川 英生 堀山 健治 林 邦夫
出版者
中京大学
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.15-25, 1985-01-18

This study was designed to clarify the stroke control in tennis. Fifteen subjects participated in this study. Nine of them were skilled tennis players and the others were unskilled subjects. They stroked at the targets which areas were 1, 4 and 9 m^2 in forehand strokes and volleys. Stroking accuracy performance and grip strength were used as indices of stroke control. Stroke accuracy was determined by balls which was put accurately at the target. Grip strength was determined by using the special grip tensiometer. The results obtained in this study were summarized as follows ; 1) The higher accuracy were observed in the skilled subjects than in the unskilled in all strokes, forehand strokes and volleys. 2) The grip strength applied to the tennis racket grip was recorded in forehand and backhand volleys. For the skilled, grip strength was continued on increasing for a while after the moment of ball impact. The unskilled subjects, however, were showedd that grip strength was decreased immediately after the ball impact.
著者
畑 俊明 増田 好治 須見 尚文 松永 泰弘 紅林 秀治 江口 啓 碇 寛
出版者
静岡大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

(1)児童生徒自身でつくる「手作りセラミックス磁石」の創造的思考力に及ぼす効果児童は、石ころが磁化装置の中で簡単に磁化される状況に接すると、今までの磁力は絶対的なものであるという概念が一瞬にして崩壊し、磁力が付加できるものであるという概念が構築されると、磁力についての新しいイメージができあがり、磁石に異常に関心をもつようになる。本年度は、この実践を科学の祭典静岡大会、富士サイエンスプロジェクト、日本未来館での研究成果展示会などのイベントに参加し積極的に活動した。しかし、あくまでも、授業実践が主体であるので、静岡市の長田東小学校5年生を対象に、方位磁針を作成する授業を実践し手づくり方位磁針の製作を通して、子供達の独創性を刺激した。この創造的思考力が付く過程を脳科学的解析により解明すべく、他の脳科学者との交流も深めた。(2)児童生徒自身でつくる「手作りセラミックス磁石」利用での創造的思考力に及ぼす効果セラミックス磁石を応用したものづくり学習法は種々考えられるが大きくは2領域に限定する。それは、電気領域でのものづくり学習と、機械領域でのものづくり学習である。電気領域を担当するのは増田好治、江口啓で、増田・江口は、セラミックス磁石を用いたモータとそれを利用した発電機を教材化し、機械領域を担当する須見、松永は、磁気ライントレース型ロボットの教材化に取り組んだ。手づくりペットボトルモータの実践は、富士サイエンスプロジェクト、科学教育学会、静岡大学共通教育で実践し、子供たちの創造性を高めることに成功した。また、磁気ライントレース型ロボットでは、児童生徒が自分自身で「手作りセラミックス磁石」を作製しこれをレールとして利用し、その磁力を感知する新しいアイデアでのロボコン製作を行う教材を開発した。これらについて、紅林は教材としての価値について総合評価を行い優れていると判定している。
著者
林 尚吾 桑島 進 HAYASHI Shogo
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

船舶においてレーダを用いる場合には雑音とみなされる海面からの反射は、それをリアルタイムに除去するための方法はまだ確立されていない。実現のためには、船舶レーダの信号に含まれる波浪の特徴を詳細に検討し、波の向き、高さなとの状況を考慮した信号処理の開発が必要となる。視点を変えれば、レーダ信号から波に関する情報が得られる可能性もある。これまでは各研究者独自に大きな労力を払って収集してきたレーダのデータを、ここでは、個々の目的に応じた信号処理に利用できるデータのセットとしてまとめた。統一フォーマットでまとめることにより、各研究者の信号処理アルゴリズムの定量的な比較・評価にも利用できるものである。観測は新潟県上下浜周辺および弥彦山周辺、静岡県御前崎周辺および駿河湾、神奈川県相模湾および東京湾、富山県新湊周辺、千葉県九十九里浜、茨城県霞ヶ浦などで行なった。さまざまな気象・海象状況において、波に対する向きおよび海面からの高さなどを変えて収集・記録した。レーダ信号の記録と同時に、気象・海象情報、波浪状況の記録も行なっている。レーダ信号は方位方向に約0.1度間隔、距離方向に15cm間隔を基本として収集したため膨大な量のデータとなったが、バイナリーデータでCR-RあるいはDVDに記録することにより比較的容易に提供可能な形式とすることができた。また一部のデータはインターネットによる公開、配布も可能である。
著者
松本 ますみ 小林 敦子 小林 元裕 権 寧俊 花井 みわ 砂井 紫里 清水 由里子
出版者
敬和学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中国の朝鮮族と回族を抽出し、民族教育の経験と民族アイデンティティの相関性について歴史社会学的研究調査を行った。その結果、1)両民族とも民族教育経験者が民族の矜持が強いこと、2)同民族内のネットワークに依拠し、漢語と民族語を駆使し対外通商業務、出国、留学、出稼ぎを行うという共通点があることが分かった。両民族はグローバル化の波にのった「成功した」民族であり、その鍵は民族教育にあることが分かった。