著者
金居 督之 井澤 和大 久保 宏紀 野添 匡史 間瀬 教史 島田 真一
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.91-103, 2019-09-30 (Released:2019-12-21)
参考文献数
73

本稿では,先ず海外の脳卒中患者における身体活動量研究の動向を病期別に紹介した。次に,我が国における身体活動量研究について現状と今後の課題について概説した。 脳卒中を発症しやすい集団は,発症前から不活動になりやすい。また,発症後のあらゆる病期においても同様に不活動に陥りやすい。更に,身体活動量や活動強度の目標値が示されているものの,脳卒中患者の多くはこれらを満たしていない。これらの対策として,身体活動促進や座位行動減少に焦点を当てたさまざまな介入研究が実施されている。主な介入方策としては,セルフ・モニタリングの指導,目標設定,言語的説得・奨励などの行動変容技法が用いられている。また,近年では,ウェアラブル端末等を利用した遠隔指導も注目されている。 我が国における脳卒中患者の身体活動量研究は,増加傾向にある。しかし,介入研究や長期的なフォローアップに関する研究は極めて少ない。したがって,今後は,脳卒中治療ガイドラインにおいても身体活動の重要性が提示されるべく,より質の高い介入研究が待たれる。
著者
久保 星 福岡 太一 太田 真人 遊磨 正秀
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-031, (Released:2021-12-30)
参考文献数
28

Food habits of young-of-the-year (YOY) smallmouth bass (Micropterus dolomieu) were surveyed from late June to early August, 2019 in the lower Kizu River, Kyoto Prefecture, Japan, prey importance being evaluated using the Index of Relative Importance (IRI). Stomach content analyses of 83 individuals revealed that unidentified fishes (%IRI: 36.6 %) and mayflies (Baetis spp.) (%IRI: 34.6 %) were important prey items, with YOY smallmouth bass as small as 10–20 mm in standard length preying on fishes. The onset of piscivory at an early life stage, likely resulting in higher predator growth rates and lower winter mortality, may have aided the establishment of M. dolomieu in the Kizu River.
著者
崎尾 均 久保 満佐子 川西 基博 比嘉 基紀
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.226-231, 2013 (Released:2014-08-12)
参考文献数
29
被引用文献数
12

秩父山地においてはニホンジカの採食による森林への様々な影響が見られる。埼玉県秩父市中津川の渓畔林の林床植生の植被率は,1983 年には90% 程度であったが2004 年にはわずか3% にまで減少した。各種の個体数・被度も,ハシリドコロなど一部の有毒な植物を除いては全体的に減少した。調査地の周辺を含む秩父山地では2000 年以降にニホンジカの個体数の増加が報告されていることからも,本調査地の林床植生の減少は2000 年以降のニホンジカの急激な個体数密度の増加と関係していると考えられる。また,草丈が低い植物や生育期間の短い植物が比較的残存しており,植物種の生活史や形態によってもシカの採食の影響は異なる傾向が確認された。
著者
澤村 淳 早川 峰司 下嶋 秀和 久保田 信彦 上垣 慎二 丸藤 哲 黒田 敏
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.358-364, 2010-07-15 (Released:2010-09-20)
参考文献数
13

クモ膜下出血は突然死の主要原因の一つである。我々は院外心肺機能停止で発症したクモ膜下出血症例で神経学的予後良好例を報告する。症例は52歳男性。交通事故が発生し,心肺停止が目撃された。すぐにbystandar心肺蘇生法が施行された。ドクターカーを含めた救急隊が要請され,救急医は当院到着まで気管挿管を含めたadvanced cardiopulmonary life supportを施行した。心肺停止発症から23分後に心拍再開し,直後に初療室へ搬入となった。意識レベルはE1VTM5であった。心電図はV1からV5誘導でST上昇を認め,心筋虚血が示唆された。頭部CTの結果,右半球に優位な瀰漫性のくも膜下出血を認めた。脳血管撮影では右中大脳動脈分岐部に嚢状動脈瘤を認めた。World Federation of Neurosurgical Societies分類ではGrade IV,Fisher CT分類ではIII群と診断した。しかし,眼球偏視が消失,対光反射が出現し,上肢の運動も活発に認められたことから,脳動脈瘤頸部クリッピング術を目的に開頭手術を施行した。患者は第18病日に神経脱落症状なく独歩で退院した。Bystandarによる発症直後からの心肺蘇生法や集中治療は院外心肺停止で発症したクモ膜下出血症例の生存率や機能的予後を改善する可能性がある。
著者
久保 純子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.25-48, 1988-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
51
被引用文献数
1 6

南関東の相模野台地・武蔵野台地に分布する谷の地形・地質を比較検討し,これらの谷の形成過程について考察した. 相模野・武蔵野をはじめとする関東平野の台地には,台地上に厚い風成テフラをのせるものが多い.これらの台地では現在までの数万年の間,テフラの問けつ的な降下と,台地に流域をもつような小さい川の侵食・運搬作用が同時に進行していたと考えられる.このような堆積(テフラの降下)と侵食・運搬作用(谷の成長)の積分の結果が現在の相模野・武蔵野台地の谷地形であること,すなわち,礫層を堆積させた過去の大河川の名残川が降下テフラを流し去ることによって谷を形成したことを,相模野および武蔵野台地の各時代の面を「刻む」谷の地形・地質を比較することにより導き,谷の形成過程を説明した.
著者
藤野 善久 久保 達彦 松田 晋哉
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.177-183, 2013-10-01 (Released:2013-10-10)
参考文献数
32
被引用文献数
2 3

近年,健康格差が社会的課題として取り上げられている.2012年に発表された第2次健康日本21の素案の中で,健康格差への取り組みが優先的課題として提示された.このような背景を踏まえて,健康格差の是正に向けた産業保健のあり方について,公衆衛生および社会疫学的視点から考察を行った.はじめに,職域における健康格差について,レビューを行い,また,社会疫学やライフコースアプローチで得られた知見にもとづき,職域における健康格差の成立機序についてコンセプトモデルを提示した.さらに,産業保健において健康格差に取り組むための具体的ツールとして,健康影響評価の活用について解説する.
著者
大久保 将貴
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.20-34, 2019

<p> 因果推論とは,因果効果を識別するための仮定を満たすような工夫や戦略のことを意味する.因果推論については,すでに膨大な理論と方法が提起されている.ただし,因果推論が必ずしも具体的な方法と対応しているわけではないため,因果推論といった時にイメージする理論と方法は分野間で大きく異なる.本稿では,社会科学のみならず様々な分野の視点を考慮し,因果推論の理論と方法を体系的にレビューする.さらに,因果推論の限界と可能性について,今日でも繰り広げられている論争を紹介する.</p>
著者
大久保誠也 小林 正人 本多 武尊 眞鍋秀聡 青木 輝人 柿下 容弓 小松原 頌之 西野 哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.25-32, 2007-03-05
被引用文献数
7

本稿では,2006年11月18日にUEC(電気通信大学)で開催された,第1回UECコンピュータ大貧民大会(UECda-2006)の概要を報告する.大貧民は,日本で広く行なわれているトランプ・ゲームのひとつである.本大会は大貧民をプレイするコンピュータ・プログラムを対戦させる大会である.以下では,本大会の概要,本大会で採用した大貧民のルール,大会規模,使用したプログラム,および決勝戦の結果について述べる.In this talk, we give a summary report of the First UEC computer DAIHINMIN championship (UECda-2006) held at UEC (The University of Electronic-Communications) on November 18, 2006. DAIHINMIN is one of the most popular card game played in Japan. In this championship, computer DAIHINMIN engines compete against each other. We present the outline of the championship, the adopted rules, number of participants, used programs, and the result of the final match.
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
岡 檀 久保田 貴文 椿 広計 山内 慶太 有田 幹雄
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.36-41, 2017 (Released:2017-02-21)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的 筆者らは先行研究において,日本全体における地形および気候と自殺率との関係を分析した。自殺希少地域は,海沿いの平坦な土地で,人口密度が高く,気候の温暖な地域に多いという傾向が示された。これに対し自殺多発地域は,傾斜の強い山間部で,過疎状態にあり,気温が低く,冬季には積雪のある市区町村に多いという傾向が示された。 本研究では和歌山県市町村の地理的特性と自殺率との関係を,筆者らの先行研究により得た知見に照らし検証する。また,旧市町村と現市町村の分析結果をそれぞれ可視化することによって,地域格差を検討する際の単位設定のあり方を検討する。方法 解析には1973年~2002年の全国3,318市区町村自殺統計のデータを用いた。市区町村ごとに標準化自殺死亡比を算出し,30年間の平均値を求め,この値を「自殺SMR」として市区町村間の自殺率を比較する指標とした。和歌山県市町村のデータを用いて,市町村の地理的特性と自殺率との関係について確認した。地理情報システム(GIS)により自殺率高低を視覚的に検討するための作図を行った。また,GISを用いて合併前後の旧市町村と現市町村について2種類の作図を行い,比較した。結果 和歌山県は山林が県面積の7割を占め,南部は太平洋に面し,人口のほとんどが海岸線の平地に集中している。地形,気候,産業など,地域特性のばらつきが大きい。 市町村別に,自殺率の高低によって色分け地図を作成したところ,山間部で自殺率がより高く,海沿いの平野で自殺率がより低いという傾向が見られた。県内で最も自殺率の高いH村は,標高が高く傾斜の強い山間に位置し,冬季には積雪する過疎化の村だった。 合併前の旧市町村と現市町村ごとの可住地傾斜度を色分け地図により表現したところ,旧市町村地図では自殺率を高める因子である土地の傾斜の影響が明瞭に示されたが,現市町村図地では不明瞭となった。結論 和歌山県市町村の地理的特性と自殺率の関係は,傾斜の強い険しい山間部は平坦な海岸部に比べより自殺率が高まる傾向があるという,筆者らの先行研究とも同じ傾向が見られた。 また,参照するデータが旧市町村か現市町村であるかによって実態の把握に違いが生じ,自殺対策に携わる人々が問題を認識することへの障壁ともなっている可能性が考えられた。
著者
伊香賀 俊治 江口 里佳 村上 周三 岩前 篤 星 旦二 水石 仁 川久保 俊 奥村 公美
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.76, no.666, pp.735-740, 2011-08-30 (Released:2012-01-13)
参考文献数
23
被引用文献数
35 23 7

It takes many years to recover the initial investment cost for installing housing insulation through savings from energy reduction (Energy Benefit: EB), since construction cost is very high in Japan. This long payback time is the major barrier to the promotion of well-insulated houses. However, it has been found that if Non-Energy Benefits (NEB) of well insulated houses, such as improvement in personal health, reduction of medical expenses and decline in absences from work are all taken into account, the time required to recover the initial investment cost would change from 29 to 16 years. Therefore recognition of NEB is expected to encourage residents to invest in residential thermal insulation. NEB of well-insulated houses is thus evaluated regarding human health in this study.
著者
高瀬 英希 細合 晋太郎 福田 竜也 高田 光隆 久保秋 真 森 崇
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.399-402, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
12

We are conducting research and development of Hakoniwa, a virtual simulation environment in the age of IoT and cloud robotics. This research aims to deploy the core functionality of Hakoniwa for simulation of ROS 2 applications. The proposed method mainly consists of Docker and Unity, and allows engineers to easily try out robot development as many times as they wish on multiple platforms independent of OS environment.
著者
久保田 真功
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.107-127, 2013-07-25 (Released:2014-07-28)
参考文献数
33
被引用文献数
2

本研究の目的は,中学生を対象とした質問紙調査をもとに,いじめ加害者がいじめによって得られる利益に着目し,いじめをエスカレートさせる要因について検討することにある。 分析を行った結果,①いじめを続けていくなかでの加害者の心情の変化には,「いじめへの後悔」(いじめをすることに罪悪感や情けなさ,不安を抱くようになる)と「利益の発生」(いじめが楽しくなったり,被害者を服従させることで気分がよくなったり,加害者同士で連帯感を感じるようになる)という2つの側面があること,②加害者が女性の場合よりも男性の場合において,いじめがエスカレートしやすいこと,③「異質」な者を排除することを“口実”としたいじめや,被害者を制裁することを“口実”としたいじめ,被害者の属性とはおよそ無関係な身勝手な理由によって行われる遊びや快楽を目的としたいじめは,エスカレートしやすいこと,④加害者がいじめをすることによって得られる利益を実感するようになった場合に,いじめはエスカレートしやすいこと,などが明らかとなった。 これらの結果は,いじめのエスカレート化の問題を考えるにあたり,いじめの“口実”や加害者の私的利害に着目することの重要性を示唆している。
著者
髙橋 徹也 近江 晃樹 豊島 拓 齋藤 博樹 桐林 伸幸 金子 一善 菅原 重生 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.734-740, 2014 (Released:2015-07-12)
参考文献数
8

患者は30歳代女性. 神経性食思不振症に伴うるい痩のため, 当院精神科に栄養管理目的に入院中であった. 入院後, 血圧の低下と肺野のうっ血を認めたため当科紹介となった. BNP値が3045pg/mLと上昇し, 低リン血症をはじめとした高度な電解質異常を認めた. 心電図では陰性T波が出現し, 心エコーではたこつぼ心筋症様の左室壁運動異常を認めた. うっ血性心不全として少量のカテコラミンおよび利尿薬を投与し, 致死性不整脈に注意しながら全身管理に努めた. また, 電解質を補正しながら緩徐に投与カロリーの増量を行った. その後, 電解質は補正され, 左室壁運動および心不全の改善を認めた. 低栄養状態にある患者の精神的ストレスや低血糖・疼痛による身体的ストレス, 低リン血症などの電解質異常が, たこつぼ心筋症とRefeeding症候群に伴う心不全の発症に関与している可能性が示唆された.
著者
芳賀 彰子 久保 千春
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.75-86, 2006-01-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
2

軽度発達障害児をもつ母親の不安, うつと児の障害特性, 社会的不利益との関係を調べた.九州大学病院と関連病院の心療内科外来を受診し薬物治療, 心理面接を6カ月以上受けた軽度発達障害児の母親45名〔注意欠陥/多動性障害(ADHD)群23名, 広汎性発達障害(PDD)群22名〕で, 対照群23名と比較検討した.母親の不安とうつを不安尺度(stait-trait anxiety inventory; STAI), 抑うつ尺度(self-rating depression scale; SDS), 児の社会的不利益をDSM-IVのGAF尺度(The Grobal Assessment of Functioning Scale)を用い, 初診時と治療介入6カ月後に評価した.結果は, PDD群と対照群に比べADHD群は初診時の不安, うつが有意に高く(p<0.01), 児の社会的不利益の改善と母親の不安, うつの変化との間には両群ともに相関はなかった.介入後も不安, うつのいずれかが高いADHD群には, 離婚, 虐待, 家庭内暴力, 母親の精神病理があり, 障害児側の要因だけでなく深刻な心理社会的背景と母親の精神病理が示された.発達障害児を抱える母親には, 二次的併存障害を予防するための心身医学的治療介入の必要性が示唆された.