著者
藤根 久 遠藤 邦彦 鈴木 正章 吉本 充宏 鈴木 茂 中村 賢太郎 伊藤 茂 山形 秀樹 Lomtatidze Zaur 横田 彰宏 千葉 達朗 小杉 康
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.253-270, 2016-12-01 (Released:2017-01-12)
参考文献数
46
被引用文献数
3

有珠火山の南麓には善光寺岩屑なだれ堆積物(Zd)が多数の流れ山をなして分布する.Zdは従来,9kaから6kaに発生した有珠山外輪山の崩壊によるとされてきた.海岸の近くの岩屑なだれの流れ山に囲まれた標高約4.5mの低地においてボーリングコアを2本採取し,その層序,年代,堆積環境,植生変遷を検討した.両コアはほぼ岩相が同様で,標高+2~-6mにわたり連続的に泥炭層および有機質シルト・粘土層が見られた.AMS法による14C年代測定の結果,最下部の有機質シルト・粘土層から20calkaBP頃の年代が得られた.泥炭層下部には15calkaBP頃に濁川カルデラから飛来した濁川テフラ(Ng)が,泥炭層中部には駒ヶ岳から6.6calkaBPに飛来した駒ヶ岳gテフラ(Ko-g)が,同上部には白頭山苫小牧火山灰(B-Tm)などのテフラが認められた.コアの基底には洞爺火砕流堆積物(Toya(pfl))と同質の軽石に富む軽石質火山灰層が捉えられた.珪藻化石は,20~10calkaBPに湖沼~沼沢湿地が継続し,10calkaBP頃に沼沢湿地に移行し,以後0.4calkaBPまで継続したことを示し,先行研究で明らかにされている最終氷期から完新世にかけての北海道の植生変遷と矛盾しない.花粉化石は,20~15calkaBPに亜寒帯性針葉樹林が卓越し,15calkaBP頃からカバノキ属が増大する移行期を挟み,10calkaBP頃に温帯落葉広葉樹林へと推移したことを示した.以上から,2本のコアの泥炭層および有機質シルト・粘土層は,Zdの岩屑なだれで閉塞された凹地に形成された湖沼~沼沢湿地の堆積物で,岩屑なだれの発生は20calkaBPのLGM(最終氷期最寒冷期)の頃である可能性が極めて強い.また,有珠外輪山の活動は20calkaBPより以前に始まって山体を形成していたことになる.
著者
大沼 章子 小池 恭子 伊藤 徹 加藤 昌志
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.128-128, 2010

2009年秋に、ネパール・アンナプルナ山群の周りをマルシャンディー河沿いに北上し、トロンパス(5416 m)を越えてカリガンダキ河沿いに下るトレッキングルートで陸水(飲料水源・河川水・温泉水)を採取し、ICによる主成分イオンおよびICP-MSによる元素分析を実施した。主成分イオンによる水質組成は、ヒマラヤの地形や地質構成をよく反映した結果であると考えられた。また、ネパールではテライ平原の地下水からAsが検出されているが、本調査試料からは検出されなかった。
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
伊藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16302, (Released:2017-01-14)
参考文献数
25

This study aimed to compare information provided on student counseling center websites of universities and colleges in Japan, the United States, the United Kingdom, and Taiwan. A survey was conducted on websites of 315 centers in Japan, 282 centers in the United States, 70 centers in the United Kingdom and 61 centers in Taiwan. Trends in the provision of information on websites in each country were analyzed and compared for the rate and quantity of information published. Results of multiple correspondence analyses indicated two basic dimensions of information that could effectively distinguish information provided in the four countries. These were provision of necessary information and provision of information for use of individual counseling or support of community. Finally, issues related to websites in student counseling centers of Japanese universities and colleges are discussed.
著者
中村 雅典 近藤 信太郎 江川 薫 曽我 浩之 八木 秀樹 伊藤 恒敏
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

我々は、骨破壊を伴う重症リウマチ性関節炎(RA)患者腸骨骨髄における著しい好中球造血の亢進とその好中球による骨破壊の可能性を示した。また、破骨細胞による骨吸収を強力に抑制するaminobisphosphonate(ABP)をコラーゲン誘導関節炎マウスに投与しても骨破壊が抑倒されないことも見いだしている。そこで、好中球による骨破壊の可能性を詳細に検討する目的で、コラーゲン誘導関節炎マウスにABPを投与した時の破骨細胞によらない骨吸収機構を好中球の動態を中心に検索すると共に顆粒球と骨との共培養による骨破壊についても検索を行った。ABP投与群・非投与群共に骨破壊を伴う関節炎が認められ、ABP非投与群に比してABP投与群では炎症が悪化する傾同にあった。骨破壊部位を観察すると、ABP非投与群では多数の酸性フォスファターゼ(ACP)強陽性の破骨細胞が骨表層に認められるのに対し、ABP投与群では破骨細胞は少数存在するもののACP活性は弱く、また骨表面から遊離していた。骨破壊部位には顆粒球が集積し、超微形態学的に骨表面に集積する好中球のrupture、細胞内顆粒の骨周辺への散在、コラーゲン線維が消失が認められた。好中球と骨との共培養系では、in vivo同様骨基質からのコラーゲン線維の消失が認められ、好中球の持つMMP-2,9やelastaseに対する阻害剤添加実験でコラーゲン線維消失が抑制されることが明らかとなった。以上の結果から、骨破壊に好中球が直接関与することが示された。
著者
井上 吉世 林 淑美 原 知子 和田 珠子 水野 千恵 中原 満子 伊藤 知子 村上 恵 的場 輝佳
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.313-319, 2010-03-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

This study clarifies the applicability of a sensory evaluation to easily determine the life span of frying oil on the fried food cooking in the kitchen. Two types of foods, i. e. , a chicken fillet and potato, were deep-fried coated with two types of flour, i. e. , potato starch and wheat flour. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer for the potato compared to the chicken fillet. It was suggested that the scores for the viscosity and rancid flavor of the frying oil corresponded to the flavor score result of the frying oil. The flavor and taste of the potato fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. However, it was difficult to judge the degradation by the appearance of the fried chicken fillet coated with potato starch. The flavor score of the frying oil corresponded to the rancid flavor of the frying food in any case. The color of the frying oil and the taste of the fried materials varied case by case. These results suggest that the flavor score of the frying oil is a useful and easy method to determine the life span of frying oil in the domestic kitchen when a potato starch or wheat flour coating is used.
著者
宗森 純 木村 鷹 伊藤 淳子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.176-188, 2017-01-15

温度知覚インタフェース「サーモアクター」を持ち表情アイコンを使用する感情伝達システム「Ther:com」を提案する.本システムは対戦ゲーム場面における利用者間の感情表現を豊かに伝えることをめざし,通信相手に対して「温度刺激」と「表情アイコン」を伝達することができる.また,参加者が同時に表情アイコンを送信したときに発生する共鳴に特徴がある.Ther:comの評価を検証するため温度刺激がある場合とない場合で比較実験を実施した.実験にはパズルゲームの一種の「ぷよぷよ」を使用して感情や存在感の伝達,ゲームの臨場感や面白さに関して検討を行った.実験の結果,温度刺激を付加したことにより以下のことが分かった.(1)温度刺激のある嬉しさの強い感情を示すアイコンが有意差が出るほど多く伝達された.(2)「相手の存在を身近に感じた」「表情アイコンは感情共有に役立った」「共鳴機能は感情共有に役立った」の評価が有意差が出るほど向上した.(3)面白さに関する「盛り上がり」と「またやってみたい」の評価が有意差が出るほど向上した.
著者
松田 彰 伊藤 弘子 竹貫 健二 佐々木 琢磨 上田 亨
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chem. Pharm. Bull. (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.945-953, 1988
被引用文献数
1

The reaction of 4-ethoxy-1-(3,5-O-tetraisopropyldisiloxanyl-1,3-diyl-β-D-erythro-pentofuran-2-ulosyl)-2(1H)-pyrimidinone (11) with various organometallic reagents yielded corresponding 2'-branched-chain sugar pyrimidine nucleosides. Only in the reactions with MeMgBr and EtMgBr was the more hindered β-attack observed to afford and 2'-alkyl ribofuranosides (13a, b). In the reaction of 11 with MeLi, Me_3,Al, or PhMgBr, 2'-methyl or phenyl arabinosides (12a, b, c)were obtained stereoselectively. Conversion of these pyrimidine nucleosides into cytosine derivatives is also described and their antileukemic and antiviral activities are discussed.
著者
新 良一 伊藤 幸惠 片岡 元行 原 宏佳 大橋 雄二 三浦 詩織 三浦 竜介 水谷 武夫 藤澤 倫彦
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-24, 2014

豆乳の発酵産物が宿主に及ぼす影響を検討した報告は少ない.今回,我々は豆乳の乳酸菌発酵産物(SFP: Soybean milk-Fermented Product)がヒト腸内細菌叢に及ぼす影響を検討し,さらに大腸の発がん予防とその作用機序についても合わせて検討した.SFPは豆乳を複数の乳酸菌と酵母で混合培養後殺菌し,凍結乾燥して調製した.一般的な日本食を食べているボランティアにSFPを摂取させ(450 mg/day/head for 14 days),腸内細菌叢の変化を比較したところ,SFP群はプラセボ群より<i>Bifidobacterium</i>の占有率が25%以上増加した人数が多かった(<i>P</i><0.05).さらに,昼食のみを一般的な日本食から肉食中心の欧米食(肉摂取量約300 g,900 kcal)に3日間変えると,<i>Clostridium</i>の占有率は増加したが(<i>P</i><0.05),SFPを摂取(900 mg/day/head)すると減少した(<i>P</i><0.05).また,SFPの摂取で<i>Bifidobacterium</i>の占有率が増加した(<i>P</i><0.05).このボランティアの糞便中<i>β</i>-glucuronidase活性は,昼食を肉食中心の欧米食にすると一般的な日本食摂取時より5倍以上増加したが(<i>P</i><0.01),SFP摂取で一般的な日本食時のレベルにまで減少した(<i>P</i><0.05).以上の結果は,SFPが多くのプロバイオティクスなどで示されている大腸がんの発がんリスクを軽減する可能性を示唆していると考え,以下の検討を試みた.即ち,SFPが大腸がんの発がんに及ぼす影響は大腸がん誘起剤1,2-dimethylhydrazine (DMH)をCF#1マウスに投与する化学発がんモデルを用いて検討した.SFPはDMH投与開始時から飼料中に3%(W/W)混和して与え,大腸に発がんした腫瘤数を検討した結果,有意な抑制が認められた(<i>P</i><0.05).一方,SFPの抗腫瘍作用機序は,Meth-A腫瘍移植モデルで検討した.SFP(10 mg/0.2 ml/day/head)は化学発がんモデルと同様にMeth-A腫瘍移植前から実験期間中投与し,抗腫瘍効果が得られた脾細胞を用いた Winn assayでその作用機序を検討した.その結果,SFP群のみは移植6日目以降でMeth-A単独移植群に比べ有意な腫瘍増殖抑制が認められ(<i>P</i><0.05),担癌マウスの脾細胞中に抗腫瘍作用を示す免疫細胞群が誘導された可能性が考えられた.<i>Bifidobacterium</i>を定着させたノトバイオートマウスは無菌マウスより脾細胞数が増加したが,無菌マウスにSFPや豆乳(10 mg/0.2 ml/day/head)を4週間連日経口投与しても,脾細胞数は生理食塩液を投与した無菌マウスと差が認められなかった.これらのことからSFPの抗腫瘍効果には腸内細菌が宿主免疫に関与した可能性が示唆されたが,その詳しい機序については今後の検討が必要である.<br>
著者
伊藤 裕之
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.270-276, 2007

COUNTER準拠の利用統計レポートをいかに効率的に収集し, その分析に多くの時間を費やすか。COUNTER登場以来の課題に取り組むため, 現在米国情報標準化機構(NISO)のイニシアティブであるSUSHI(Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)が新たにプロトコルの策定を進めている。本稿では, SUSHIの活動およびSUSHIプロトコルの概要を解説し, 電子情報資源管理システム(ERMS)が可能にする利用統計レポートの活用事例もあわせて紹介していく。