著者
金田 安史 種村 篤
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

我々は複製能を欠いた不活化 Sendai virus (HVJ envelope ; HVJ-E)が様々な抗腫瘍作用を有することを見出している。これを用いた癌治療の臨床研究も開始された。そこでさらに抗腫瘍効果を増強するため、HVJ-E に封入する分子を検討したところ、抗腫瘍免疫を増強できる分子として IL-12, IL-2 の有効性が見出された。IL-12 遺伝子を封入する代わりに、IL-12 蛋白質を表面にもつ HVJ-E はさらに強力な癌治療効果を示した。また抗がん剤(ダカルバジン)の効果を高めるために Rad51siRNA の封入が効果的であった。
著者
森近 貴幸 秋田 直人 浪尾 美智子 金谷 佳和 金谷 親好
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【目的】膝前十字靭帯(以下ACL)再建術後の競技復帰を目指したリハビリテーションでは、再建術からの時期、筋力などを考慮しながら運動強度を増加させてゆく効率的なプログラム構築が要求されている。また、早期復帰を目指し、ACLに負担をかけない筋力増強や再断裂予防のための取り組みも重要である。今回ACL再建術後の高校サッカー競技選手に対して、クリティカルシンキングによるプログラム構築を行い、アプローチとして動きによる気づきを取り入れた症例で効果的な知見が得られたので考察を交え以下に報告する。<BR>【方法】対象は試合中に受傷し、ACL再建術を施行した高校サッカー競技選手。治療プログラムにおいてクリティカルシンキングを用いて、筋力増強とともに基本的動作、サッカー動作、補助トレーニングをMECE(モレなく、ダブりなく)で段階的に行った。また、フェルデンクライス・メソッドによる動きによる気づき(以下ATM)を補助トレーニングの中に取り入れ、自覚的な運動能力の変化を評価した。ATMは、関節を滑らかに動かすレッスンなどで構成されており、1日に1プロセスをゆっくりと心地よい自動運動で行なった。<BR>【結果】クリティカルシンキングを用いたプログラム構築では、各時期に応じたメニューを提供することができ、MECEを活かしてトレーニングの無駄を省けた。また、治療への積極的な参加を促すことが出来た。ATMを取り入れてから、「余分な力が入らなくなった」「自分の身体に対する意識が変わった」という自覚的変化が現れ、動作が滑らかになった。トレーニングの段階が進むにつれサッカー動作の質が向上し、「ボールを扱う感じが違う」「ドリブルが楽になった」という感想と、「ボールタッチが柔らかくなった」という客観的意見が得られた。<BR>【考察】クリティカルシンキングを用いたことにより、各段階で必要な筋力や動きを明確にすることができた。この問題点を選手自身が認識することで、効果や取り組む姿勢に変化が現れた一因になったと考えられる。また、MECEにてプログラムのモレ、ダブりをなくしたことで時間的な効率が上がり、早期復帰につながるのではないかと考えられる。アプローチでは、フェルデンクライス・メソッドによるATMを補助トレーニングの中にレッスンとして早期から取り入れたことで、動きを通して自分の身体に対する気づきを学習することができた。これにより、走ったり、ボールを扱ったりする時期が来る前に神経系による身体の準備が完了していたため、サッカー動作トレーニングへの移行がスムーズに行なえた。さらに、受傷前の習慣的な動作が改善されたため、動作のレパートリーが豊富になり再断裂の予防とパフォーマンス向上につながったと考えられる。<BR>
著者
金光 桂二 中島 敏夫 肘井 直樹
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、養菌性キクイムシとその共生菌、および穿入樹木の3者間の相互関係の解析を通じて、昆虫と菌との共生の機構を解明することを主たる目的として行われたものである。同一地域(愛知県北東部)に生息する2属4種の養菌性キクイムシ(ミカドキクイムシ(Scolytoplatupus mikado)、サクキクイムシ(Xylosandrus crasーsiusculus)、クスノオオキクイムシ(X.mutilatus)、ハネミジカキクイムシ(X.brevis)の生態を調査し、さらに坑道内および虫体上の胞子貯蔵器官(mycangia)内の菌相を分離試験により明らかにした。また、キクイムシの生育に伴う菌相の変遷とそれらの形態上の変化を明らかにするため、走査型電子顕微鏡(SEM)による直接観察も併せて行なった。本研究で新たに得られたおもな知見は、以上の通りである。1.養菌性キクイムシの材内生存率、穿入材サイズと坑道内産卵数との間にはそれぞれ正の相関関係が成立し、繁殖に好適な衰弱木や枯死木が量的に増加することによって、個体数を急激に上昇させる可能性を持つ。2.養菌性キクイムシの主要栄養源となる共生菌(PAF)は、種特異的なAmbrosiella属の菌であり、穿入樹種ごとに異なった酵母類は、副次的共生菌(AAF)と考えられた。3.養菌性キクイムシがmycangiaに共生菌を取り込む時期は、羽化直後の未成熟成虫期と考えられる。4.本結果で明らかにされた潜在的な繁殖力の大きさと、木質そのものに依存しない生存様式から判断して、4種の養菌性キクイムシとアンブロシア菌との間にみられた繁殖サイクルは、キクイムシ側にとってのより栄養価の高い食物資源の安定的供給と、菌側にとっての選択的な胞子の保護、確実な分散による生息域の拡大という相利共的関係を裏付けるものである。
著者
野村 亨 WOLLNIK H. MEUSER S. ALLARDYCE B. SUNDEL S. 稲村 卓 RAVN H. 中原 弘道 松木 征史 HANSEN G. D'AURIA J.M. 永井 泰樹 篠塚 勉 藤岡 学 和田 道治 池田 伸夫 久保野 茂 川上 宏金 福田 共和 柴田 徳思 片山 一郎 NITSCHKE J.M BARNES C.A. KLUGE W.K. BUCHMANN L. BARMES C.A. MEUSEV S. D´AURIA J.M. SUNDELL C.
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

本研究の目的は,原子核反応で生成するさまざまな短寿命の不安定核種を,その場で分離・選別し,さらに加速して二次ビ-ムとして実験に供する技術の開発とそれによる先駆的研究の実施であった。上記の実験技術は,現在世界的に注目されている先端的技術で,原子核物理学と関連基礎科学分野に全く新しい研究手法を導入するものと期待されている。本研究では,以下の研究課題を設定し,東大核研を軸にして,欧米の主な関係大学・研究所と共同開発・研究を実施した。その成果は,国際会議等に発表するとともに,論文として雑誌に報告されている。A.大効率・高分解能オンライン同位体分離器(ISOL)の開発・・・不安定核のその場分離・選別(ア)大効率ISOLイオン源の開発CERN(スイス)とTRIUMF(カナダ)等と共同開発を実施。表面電離型,FEBIAD型,ECR型イオン源を試作し,さまざまな不安定核原子のイオン化効率を測定。その結果を踏まえてイオン源の改良を行った。アルカリ金属元素については40%以上の大効率イオン化に成功した。また,ビ-ムバンチングについても成功した。(イ)超高質量分解能ISOLの光学計算M/ΔM【greater than or similar】20,000のISOLイオン光学系の設計を,東大核研・東北大・ギ-セン大学(独)の共同研究として実施。機械精度や放射線ハンドリングの観点から,そのフィ-ジビリティを検討。その成果は,東大核研の不安定核ビ-ムファシB.不安定核ビ-ムの加速技術の開発(ア)世界の現状の調査・検討不安定核ビ-ムの加速は,唯一例としてベルギ-の新ル-バン大学でサイクロトロンによって試験的に実施されている。そこでの現状を調査の上,CERN(スイス),GANIL(仏),TRIUMF(カナダ)等の加速計画を吟味し,種々の加速器の長所・短所を明らかにした。この結果は次の(イ)に反映されている。(イ)分割同軸型RFQリニアックの開発電荷質量比の極めて小さい,入射エネルギ-の非常に低い重イオンリニアックの設計・開発を東大核研で行った。そのさい,GSI(独)とTRIUMF(カナダ)の研究者に詳細な検討・批判をあおいだ。試作した分割同軸型RFQリニアックは順調に稼動し,世界的な注目を集めている。C.不安定核ビ-ムによる核物理・天体核物理学の研究(ア)レ-ザ-による不安定核の精密核分光GaAs,AlGaInPなどの固体結晶中に, ^<75>Br, ^<114m>In等の不安定核を打ちこみ,レ-ザ-による光ポンピングにより,娘核( ^<75>Seや ^<114>In)のスピン偏極を実現した。固体中の不安定核のスピン偏極は世界的に稀な成功例である。さらに,RADOP法により,娘核の核磁気能率を精密に測定した。これは,CERN(スイス)との共同研究である。(イ)不安定核の天体核反応率の測定東大核研・理研・GANIL(仏)との共同研究として宇宙における重元素合成機構において,不安定核の天体熱核反応に役割の研究を実施。 ^<13>Nの熱核反応率の測定に成功した。上述の研究成果の多くは,平成3年度に開催された国際会議(原子核・原子核衝突に関する第4回会議,於金沢;第2回放射性核ビ-ム国際会議,於新ル-バン大学[ベルギ-];第12回EMIS会議,於仙台等)の招待講演として発表されている。また,国際誌等に論文として報告した。本研究成果は国際的な反響をよび,東大核研の研究プロジェクトにその結果が活用されたばかりでなく,CERN(スイス),TRIUMF(カナダ),LANL(米)等の研究所から共同研究が期待されている。
著者
金藤 栄孝 二木 厚吉
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.2124-2137, 2004-09-15

Dijkstraのgoto文有害説とそれに引き続く構造的プログラミングの提唱以降,goto文の使用に関する問題は永く議論された.goto文の使用法に関し理論的裏付けを持つ研究としては,逐次的プログラムでの任意の制御フローは順次接続・条件分岐・反復の3基本構追のみで表現可能であるという結果に基づくMillsらのgoto文排斥論以外は皆無である. Dijkstra本来の正しさを示しやすいプログラムを害くための構造化という立場一つまりプログラム検証論の立場-からのgoto文使用の是非は考察されていない.本論文では検証手段としてのHoare論理に基づき有限状態機械モデルに基づくプログラミングでのgoto文の使用を検討する.その結果,状態をラベルで表し状態遷移をgoto文での飛び越しで行うプログラミングスタイルが,状態を表す変数を追加しgoto文を除いたプログラミングスタイルと比べ. Hoare論理による検証での表明が簡単で自然な形となり機械的検証の時間的コストも少ない.ゆえにプログラムの正しさの示しやすさという観点からは有限状態機械モデルに基づくプログラミングでの状態変数導入によるgoto文除去は有害でありgoto文を用いたスタイルの方が望ましいことを示す. : There have been a vast amount of debates on the issue on the use of goto statements initiated by the famous Dijkstra's Letter to the Editor of CACM and his proposal of "Structured Programming". Except for the goto-less programming style by Mills based on the fact that any control flows of sequential programs can be expressed by the sequential composition, the conditional (if-then-else) and the indefinite loop (while), there have not been, however, any scientific accounts on this issue from the Dijkstra's own viewpoint of verifiability of programs. In this work, we reconsider this issue from the viewpoint of Hoare Logic, the most standard framework for correctness-proving, and we see that the use of goto's for expressing state transitions in programs designed with the finite state machine modelling can be justified from the Hoare Logic viewpoint by showing the fact that constructing the proof-outline of a program using goto's for this purpose is easier than constructing the proof-outline of a Mills-style program without goto by introducing a new variable.
著者
樋田 大二郎 岩木 秀夫 耳塚 寛明 苅谷 剛彦 金子 真理子 大多和 直樹
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

われわれが1979年以来行ってきたデータの再分析、および日本、シンガポールの再調査を行っている。シンガポールは、非常に学歴が重視される国であり、研究者の間ではメリトクラシー(能力と努力の結果が支配する)の国であると考えられている。こうした背景には、シンガポールの国際社会やアジアにおける軍事的、経済的位置づけやさらには多民族の融合というこの国独自の事情がある。しかし、それだけでなく、人々を学習に駆り立て、学習の結果を人材の社会的配分の基準にすることを正当化するような考え方や仕組みが存在する。一昨年度以来のわれわれの調査では、シンガポールは、教育政策においてアファーマティブ・アクション(マイノリティへの優遇:大学入学枠の確保、点数の加算など)や救済重視的な社会的敗者対策はとらずに、競争参加への機会均等をすべての国民に対して保証する/競争の結果に基づいて地位配分を行う/競争の結果に基づいて地位配分が行われるプロセスと基準を明確化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を明示化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を「学問中心」ではなく、生徒の興味、企業からの要請や国際社会からの要請に応じたものにしている/競争の内容(学習の内容と方法)が卒業後の生活と結びついていることを生徒に認知させ、納得させる/競争の結果に基づいて手厚いエリート教育と手厚い大衆教育を行う/敗者復活の機会を用意する、などの教育政策を採っている。しかし、こうしたシステムのあり方に加えて、授業面で、私たちの知見では、シンガポールは、授業内容が卒業後の進路とレリバンスが高く、それを可能にするために、コース設置、教員採用、カリキュラム、教科書などが、現場裁量に任せられる部分が大きく、ガンバが進路先とコミニュケーションを親密にとっている。
著者
鈴木 雄亮 金子 毅
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.99-105, 2009 (Released:2009-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

In this study, the stability of methamphetamine, bromovalerylurea, acetaminophen and salicylic acid in formalin solution was investigated during 90 days. The stability of these drugs was examined in 4 types of formalin solution (10% and 20% concentration pH adjusted formalin (pH7.4) and each concentration pH unadjusted formalin solution) and at 2 temperature conditions (room temperature and cold storage).   Methamphetamine was very stable at cold storage in each formalin solution. In contrast, more than 80% of methamphetamine was converted into its N-methyl derivative, dimethylamphetamine in pH adjusted formalin at room temperature at 90 days. Bromovalerylurea was stable only when in pH unadjusted formalin at cold storage. Under the other conditions, bromovalerylurea was decomposed and observed a compound assumed to be the bromovalerylurea-formaldehyde reaction product by LC/MS. The concentration of acetaminophen was decreased gradually under all conditions and a compound assumed to be the acetaminophen-formaldehyde reaction product was detected by LC/MS and GC/MS. When salicylic acid was stored under all conditions, concentrations of salicylic acid did not change.   Thus, it appears that the stability of drugs varies individually in the presence of formalin and under different conditions (formalin concentration, pH and storage temperature). So, forensic scientists must note when attempting to determine the drugs in the formalin-fixed biological specimens.
著者
金本 龍平
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

メチオニンがタンパク質栄養のシグナルとなり肝臓の可欠アミノ酸(セリンとアスパラギン)代謝酵素のタンパク質必要量に応答した発現を制御する可能性が示された。また、新しい栄養環境への適応にはシグナルの継続性(同じ食環境が継続する)が必要であることが示された。さらに、タンパク質栄養への応答性には臓器特異性が有り、可欠アミノ酸の必要量が臓器によって異なることが示された。
著者
木村 勇雄 金谷 貢
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, 2009-09-10

The final purpose of this study is to develop a high-performance implant, which can prevent infection for a couple of day immediately after the operation and then promote the osseointegration. As a fundamental study, hollow calcium-deficient hydroxyapatite microspheres revealing high solubility were made to adhere onto a titanium screw, of which the surface had been treated with hydrofluoric acid. The effects of conditions for the surface treatment on the surface morphology of titanium and the adhering amount of the microspheres were investigated.
著者
金子 一史
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

3ヵ月児健診において,産後抑うつと母親から乳児に対する愛着に関する調査を行った.その結果, 抑うつと愛着には,中程度の関連が認められた.高得点者となった母親に対しては、その場で問診を行った.問診の結果支援が必要と判断された場合は、経過をフォローした.また、ケース処遇会議を毎月開催した.通常の乳幼児健診における産後うつ病への介入システムを考案し,愛知県内の自治体にて実際に実施した.これらにより,地域住民の健康増進に貢献することができた.
著者
細見 光一 室井 延之 東 和夫 池田 りき子 魚本 智子 大川 恭子 三宅 圭一 中川 素子 河本 由紀子 清原 義史 金 啓二 沢崎 高志 小野 達也 西田 英之 大野 真理子 緒方 園子 福島 昭二 徳山 尚吾 大西 憲明 平井 みどり 松山 賢治
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.64-72, 2006-01-10
被引用文献数
6 7

We conducted a survey on the practical training of pharmacy students in 47 community pharmacies and 76 hospital pharmacies in Hyogo Prefecture. Items surveyed included the acceptance system for pharmacy students, practical training curriculum, problems and difficulties. In many community pharmacies and hospital pharmacies, instruction in practical training was recognized as worthwhile despite the workload involved. Though the content of the practical training varied, dispensing and medication instruction were the most common items in the practical training for both community pharmacies and hospital pharmacies. Communication with patients and management of medication history were the focus of training in community pharmacies, while the major aspects of training in hospital pharmacies were dispensing of injections and TDM (therapeutic drug monitoring). Many pharmacists were of the opinion that the content and goals of the training should be reviewed and that it needed to be further evaluated. Revision of the practical training in universities was also recommended. Further, in order to achieve an efficient practical training curriculum it was felt that the training should be more linked to the special characteristics of community pharmacies and hospital pharmacies.
著者
磯部 彰 金 文京 三浦 秀一 若尾 政希 大塚 秀高 新宮 学 磯部 祐子 鈴木 信昭 高山 節也 中嶋 隆藏 勝村 哲也 尾崎 康 藤本 幸夫 関場 武 栗林 均
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

本領域研究では、共同研究及び個別研究の両形態をとって研究を進めてきた。研究組織を円滑に運営するため、総括班を設け、目的達成への道標として数値的目標を掲げ、構成員が多角的方法をとりながらも、本研究領域の目標を具体的に達成し得るようにした。本研究では、東アジア出版文化を基軸とする新学問領域を確立することを目標とし、その骨格をなす要素を数値的目標に設定した。それは、(1)東アジア出版文化事典の編纂準備、(2)東アジア研究善本・底本の選定と提要作成、(3)東アジア研究資料の保存と複製化、(4)日本国内未整理の和漢書調査と目録作成、であり、更に、(5)東アジア出版文化研究の若手研究者の育成、(6)国際的研究ネットワークの構築などを加えた。初年度には、総括班体制を確立し、ニューズレターの発刊、ホームページの開設、運営事務体制の設定を行い、計画研究参画予定者を対象に事前の研究集会を実施した。平成13年度からは、計画・公募研究全員参加の研究集会と外国研究者招待による国際シンポジウムを毎年開き、国内の研究者相互の交流と国外研究ネットワークの構築を推進した。前半2年は、総括班の統轄のもとで、主として東アジア出版文化をめぐる個別研究に重点を置き、共同研究の基盤強化を図った。新資料の複製化も同時に進め、東アジア善本叢刊4冊、東アジア出版文化資料集2冊を刊行する一方、展覧会・フォーラムなどを開き、成果の社会的還元を行なった。研究面では、後半は共同研究を重視し、調整班各研究項目での共同研究、並びに領域メンバーや研究項目を越えて横断的に組織した特別プロジェクトを4ジャンル設定し、総括班の指導のもとに小研究域として定着させた。年度末ごとに報告書を編集する一方、前後の終了時に研究成果集を作成している。研究領域の数値的目標は約四分之三達成し、窮極の目的である新学問領域設定も、概然的ながら構想化が具体的になった。
著者
中川 光弘 加賀 爪優 桑原 祐史 信岡 尚道 田附 明夫 長澤 淳 金澤 卓弥 上林 篤幸 上林 篤幸 井上 荘太朗
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アジア農業モデルを開発し、農業部門への気候変動の影響予測を行い、その適応戦略を検討した。またGISやリモートセンシングを使ってアジア沿岸域への気候変動の影響予測と土地利用のあり方を検討した。農業部門への気候変動の影響は、既にアジア各地で現れているが、それが食料問題として深刻化するのは特に輸入依存度の高い最貧国であり、世界農産物市場を介して主要国の農業政策の影響も加わって、複合的な形で現れることが明らかになった。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。
著者
長田 佳久 西川 泰夫 鈴木 光太郎 高砂 美樹 佐藤 達哉 鷲見 成正 石井 澄 行場 次朗 金沢 創 三浦 佳世 山口 真美 苧阪 直行 藤 健一 佐藤 達哉 箱田 裕司 鈴木 光太郎 櫻井 研三 西川 泰夫 鈴木 清重 増田 知尋 佐藤 隆夫 吉村 浩一 鈴木 公洋 椎名 健 本間 元康 高砂 美樹 仁平 義明 和田 有史 大山 正 鷲見 成正 増田 直衛 松田 隆夫 辻 敬一郎 古崎 敬
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 国内で行われてきた実験心理学研究に関連した機器や資料の現状の把握, 保管方法の検討及び活用方法に関して検討した。本研究活動の成果として,1) 国内の研究機関で保管されている機器の状態の把握,2) 廃棄予定の機器の移設,3) 機器・資料のデジタルアーカイブ化,4) 機器・資料の閲覧方法の検討の4つが挙げられる。これらの成果を通じて, 日本の実験心理学の歴史的資料を残し, 伝えるための手法に関する基盤を築いた。
著者
大岩 金
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.63-63, 1932-12
著者
松本 金矢 森脇 健夫 根津 知佳子 後藤 太一郎 中西 良文 滝口 圭子 上垣 渉 廣岡 秀一 八木 規夫
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

医学教育において実践されてきたPBL教育を,教員養成学部において展開するための基礎的な研究を行った.教育周辺領域の様々な現場においてPBL教育を実践し,コンテンツの開発を行った.特に,学生・院生に旅費を支給し,大学より離れた現場でのPBL教育を実践することができた.現場での実践を大学において省察し,学生が教員からのアドバイスを受けるためのネットワークシステムとしてmoodleを用い,そのための専用サーバを立ち上げた.例えば美術教育において学内・外のデザイン製作を学生と教員が協働して手がけるなど,教科の専門性を活かした活動や教科を超えた協働活動を展開した.また,先端的な取り組みを行っている他大学研究機関・学会の調査のために,海外視察を4回,国内視察を5回行った.これらの視察では,学生・院生を引率し,他大学の学生との交流も実現した.特に,秋田大学,愛媛大学とは双方向での視察・交流を果たし,moodle上で恒常的な交流の場を設置した.PBL教育の教育効果を明らかにするために,評価方法の開発にも注力している.日本教育大学協会研究助成プロジェクト(カルロス研究会)との協働により、パフォーマンス・アセスメント(PA)を用いた評価法の開発を推進し、そのためのマニュアル作成を行った。このようなPBL教育の成果を学内外に発信・共有するために、学内で開催された4回の公開研究会と4回のボスターセッションにおいて発表し,愛媛大学・島根大学とのジョイントシンポジウムを1回開催した。また、これらの成果を学会において論文・紀要等により発表した。開発されたすべてのコンテンツはデータベース化し、専用ホームページを通して公開している。
著者
千代谷 厚 玉置 淳 多賀谷 悦子 兼村 俊範 金野 公郎
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.473-473, 1995-06-25

第32回東京女子医大 漢方医学研究会 平成6年11月30日(水) 臨床講堂2